「ベトナムあるあるニュース」歩道は誰のものなのか?

「ベトナムあるあるニュース」歩道は誰のものなのか?

ハノイの歩道で起きた小さな争いが、大きな議論に発展しました。

先日、ハノイ市のミーディンバスターミナル前で起きたある出来事が、SNSで広まり、多くの人々の関心を集めました。きっかけは、歩道でバスを待っていた若い女性と、そこで商売をしていた53歳の露店商人とのやり取りでした。

露店の女性は「ここは自分の商売の場所だ」と主張し、若い女性にその場を離れるよう求めました。しかし女性がそれに応じなかったため、露店商人は腹を立て、女性のキャリーケースを蹴るという行動に出てしまいました。

この様子は通行人によって撮影され、SNS上に投稿されるとすぐに拡散されました。警察も状況を把握し、調査に乗り出しました。その結果、露店商人が警察の巡回が少ない時間帯を狙い、許可なく歩道で営業していたことが確認され、公共の場所を私的に占有した行為と見なされました。最終的に250万ドンの罰金が科されたとのことです。

このニュースに対して、SNSでは「歩道は市民全員のものであり、個人の商売の場所ではない」「公共の場でのふるまいにはもっと思いやりが必要だ」といった厳しい声が多く見られました。露店商人にも生活の事情があるのかもしれませんが、今回の出来事は、公共スペースの使い方や他者への配慮について、改めて考えさせられるきっかけとなりました。

しかしながら、事情には裏があり、少しわかりにくい要素があります。法律に従うと、公共の道路やスペースは一般市民のものであり、そこで商売をすることは許されていません。しかし、バイクや自転車の駐輪、また車の路上駐車などは現実には誰かが管理し、商売にしています。私もよく車を利用して路上に駐車しています。こうした行為を取り締まる行政の担当部署がありますが、取り締まりを回避するために、商売をしている人たちは管理している役人にお金を支払うことが一般的で、これがベトナム社会の仕組みでもあります。こうして、一部の役人は路上で商売をしている人たちから収入を得て額面の安いお給料でも生活できるようになります。商売をしている人たちはそれでも多少のお金を得て生活を維持しています。

これは広い意味でアンダーグラウンド経済であり、社会的な救済の仕組みとも言えるかもしれません。

実は、これまでも何度か行政側で路上商売やその権利を明確化するために入札を開く動きがありました。しかし、その権利を明確化すると、国庫にはお金が入るものの、末端の行政の役人には何も利益がなく、かえって資本力のある会社が路上使用権を買ってしまうと、上記のように社会的な救済措置が機能しなくなるのです。その結果、失業者が増え、コストが高くなるといったデメリットが明らかになっています。おそらく、こうした理由から、その計画は案として存在しているものの、実際には全く施行されていないのが現状です。

先進国のように税収が増加し、必要に応じて社会福祉インフラにその資金が流れる世界もあれば、政府を介さずに国民や個人の間でお金が流通する世界もあります。現在が、ベトナムにとって一つの理想的な状態かもしれません。

HRnaviスタッフ

執筆者HRnaviスタッフ

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