日系クリニックで看護師として働く
(転職成功インタビュー vol.1/松井さん)

日系クリニックで看護師として働く(転職成功インタビュー vol.1/松井さん)

(幼稚園の子どもたちが勤労感謝の日に感謝の気持ちを込めて手作りでカレンダーを作って、クリニックに持って来てくれた際の写真です。)

自己紹介

出身は大阪府の枚方市です。医療現場で働き今年で27年目になります。

かねてより希望であった海外で看護師として働くため、息子2人の成人と同時に来越し、20184月より、ロータスクリニック(ハノイ)で勤務しています。

管理看護師として日本人の患者様への対応、ベトナム人スタッフへ日本の看護技術指導、ホスピタリティ指導を行い、日本とベトナムの文化、医療事情が違う中どれだけ日本の医療環境を作り出すか、日々奮闘しハノイ生活6年目を迎えています。

趣味は海外旅行です。今まで、アメリカではニューヨーク、マイアミ、ハワイ、アジア圏内では香港、台湾、タイ、フィリピン、等々を旅してきました。レストラン開拓も好きです。

 

職務経歴

1995年高校卒業後に、准看護師資格を取得しました。2016年に正看護師資格を取得しました。 

これまで、産婦人科、人工透析、手術室、救急外来、神経内科、慢性期、終末期、形成外科、褥瘡チームの責任者の経験があります。

 

Q1.海外転職を目指した理由は何ですか。

若い頃(20歳くらい)から海外で看護師をしてみたいという漠然とした思いがあったのですが、30歳の頃、子どもと海外留学をした際に交通事故にあい、現地の病院にお世話になりました。私だけでなく子どもも入院することになったのですが、その時は英語をほとんど話せず、異国の地でどうしてよいのかも分かりませんでした。

そのような状況で現地で働く日本人の看護師さんに、通訳や入院中のお世話をしていただき、それまで感じたことのない安心感を感じました。そして、私も子供たちが成人したら海外で日本人の方のサポートができたらと思いました。

 

Q2.どのような海外転職活動をされていましたか、また、転職の軸、国の優先順位など教えてください。

人材エージェントに登録し、求人をこまめにチェックしていました。

日本の看護師資格は日本でのみ有効であり、海外で看護師として働くにはそれぞれの国が認めたライセンスの取得が必要になります。

比較的資格が取りやすいのは、インドネシア、カンボジア、ベトナムでしょうか。。。

日本の正看護師資格を持っていたため、国で決められた試験を受けることでベトナムで看護師として働くことが出来るようになりました。

 

Q3.現在の会社で働くことに決められた理由は何ですか。

ロータスクリニックは日系のクリニックであり、日本語をメインで患者様への対応をするという事と、

やはり日系クリニックですので福利厚生が整っていたためです。

 

Q4.現在の会社ではどのようなポジション、業務を担当されてますか。

管理看護師としてクリニック全体の管理を行っています。

具体的にはクリニックを上手く運営するため、ベトナム人スタッフの勤怠管理や、技術指導(ベトナムと日本では全く違うため日本式を指導)、ホスピタリティ指導を行っています。

 

Q5.これまでの業務経験で活かせているポイントはございますか。

医療現場での27年間の経験はすべて活かせていると思います。特にコロナの時は昔MRSA(黄色ブドウ球菌)の院内感染を経験したことから、この時の経験をもとに感染防止に努めました。

 

Q6.ベトナムにお越しなられて、仕事面、プライベートとも第一印象はいかがでしたか。

やはり文化の違い、衛生面、医療の体制の違いにタイムスリップしたような印象でした。

はじめに驚いたのは交通量の多さです。文化の点では家族を大切にする文化で、家族中心でみんなが協力して生活しているという点が印象的でした。

医療体制では、来越当時はほとんど救急車が機能していなく、救急医療の遅れを感じました。現在ではクリニック毎に救急車を保有していたりと、かなり救急医療が発達したように思います。

 

Q7.ベトナムライフにおいて、仕事面、プライベートで驚いたこと(日本とのギャップ)

仕事面では、日本で当たり前にしていたことや当たり前にある物品などがベトナムにはなく、現地にある物品でどれだけ日本の医療に近づけるかに苦戦しています。

例えば点滴や採血の後に貼るテープがなく、絆創膏で代用したりなどです。

また、以前は日本の書籍が手に入らず、郵便物も届くかどうかが不確かなところがありました。

最近では日本の食品や書籍、物品が身近なところで手に入るようになり、生活も大変快適になりました。あとひとつ望むとすれば、ホーチミンにはあってハノイにはないセブンイレブンやファミリーマートの出店を期待しています(ハノイにもサークルKはあります)。

 

Q8.ベトナム人と働くことについて感想はいかがですか。考え方、文化の違いなどで困ったことはありますか?

衛生面で概念の違いがあります。ベトナム人の特性として帳尻があえば良し!というところがあります。これはある意味合理的で仕事が早いのですが、危険予知、アセスメントをすることが苦手なように感じます。

医療では危険予知、アセスメント能力はとても重要なため、それらを説明すると、その時は理解してくれますが、数ヶ月後には忘れている…この時は自分の指導能力の乏しさに落胆します。

医療では資格試験もなく、教育内容が日本とは違っている印象を受けます。6年目にして解決策を模索中ですが今後の課題ですね。

 

Q9.お仕事で問題に直面した際に、ご自身で克服に向けてどのように取り組まれましたか。

基本的に問題が起こらない日はないと思っています。問題が起きた場合には現状を把握し、まずは対応します。(患者様への施術のトラブルの場合)

なぜそれが起こったかを確認し、まずはスタッフの意見を聞き入れます。その後なぜその問題が起こったか、改善点などを質問形式で説明し、問題解決できるよう誘導します。そして問題解決できたことを褒めて、自己肯定感が上がるようにしています。自己肯定感が下がってしまうと良い方向への問題解決ができないからです。

 

Q10.ベトナム転職を実現されて、現在に至るまでの感想フィードバック

ベトナム人は家族を大切にする国民性で、優しい人達が多く助け合い精神はとても旺盛で昔の日本を思い出させます。

医療現場で働く中で相手を思いやる気持ちは同じですが、ベトナムでの看護感と日本の看護感はやはり異なる部分が多く、私が指導をしてもベトナムではこのやり方です!と意見がぶつかることも多々ありました。

もちろん彼女たちの中でもベトナムの誇りもあり、私は外国人であるという思いもあり中々受け入れてもらえるまでには時間がかかったような気がします。

ですが絶対に譲れない事は諦めずに説明し、譲れる事は譲り、お互いに折り合いをつけ、技術に関しては実際に私が実践し認めてもらえるよう努力しました。

その結果現在ではお互いが受け入れられるようになり信頼関係が構築できたと感じています。

(クリニックで働くスタッフとの集合写真です)

 

Q11.今後のキャリアプランについてどのようにお考えですか。

現在医療通訳(英語)のオンライン講義を受講しています。

最近は日系企業で働いてらっしゃる外国人の方も多くなり、看護師として他の言語で少しでも多くの方に安心して日本の医療を提供できるようキャリアアップを目指しています。

 

Q12.ベトナム生活におけるプライベートの過ごし方

ベトナムは美容に関してとても安く施術が受けられるので、週末にはスパへ行き自分へのご褒美?自分磨きですかね。(笑)

また、ベトナムからはどこへもアクセスが良いため、連休、有給休暇などで気分転換にベトナム国内、海外などへ旅行に行きリフレッシュしています。

 

Q13.海外転職を目指される方にアドバイス

始めはあまり興味が持てないと感じたり、到底できないと思うような事も意外と簡単にこなせることもあります。

郷に入れば郷に従えというように、異文化を受け入れ自分の可能性を信じてチャレンジすることを恐れないで欲しいです。

海外では日本では関わる事がないような方と交流することができ、視野を広げることができますので、アクティブに行動し充実した海外転職を叶えてください!

(ベトナム人スタッフの結婚式にクリニックの皆さんで参加された時の写真です)

嶋村 拓史(パートナー、ハノイ支店代表)

取材担当者嶋村 拓史(パートナー、ハノイ支店代表)

「2017年4月からHRnaviで勤務、ベトナムで人材コンサルタントとして第二の人生をスタートしました。現在は当社代表パートナー兼ハノイ事務所責任者として業務に従事。弊社では現地に根付いた専門コンサルタントが常駐しており、現在まで長年にわたり数多くの方に現地での就業、生活でのアドバイスを行ってきました。ベトナム就業に興味をお持ちの方いましたらぜひ当社までご相談くださいませ☆」

ベトナム情報週刊コラム

2025年版|ベトナム生活はいくらかかる?ハノイ・ホーチミンのリアル生活費を徹底解説
2025.12.19
2025年版|ベトナム生活はいくらかかる?ハノイ・...
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ベトナム在住者必見!今話題の日本発飲食チェーン最新ガイド(2025年版)
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近年、ベトナムの主要都市では日本発の飲食チェーンが続々と進出し、現地の人々にも人気を集めています。日本の味を恋しく感じる在住日本人にとっても、これらのお店はまさに“心のオアシス”。 今回は、ホーチミン市やハノイ市を中心に展開している代表的な日本発チェーン6店を、商品の特徴や価格帯、所在地情報などとともにご紹介します。   すき家は、ゼンショーグループが展開する日本最大の牛丼チェーン。ベトナムでは2016年にホーチミンに1号店をオープンし、現在ではハノイやダナンにも複数店舗を構えています。 ● 主なメニューと価格 牛丼(並):約59,000〜69,000ドン(約360円) チーズ牛丼:約85,000ドン(約520円) カレーライス:約89,000ドン(約550円) 日本とほぼ変わらない味を、清潔な店内で気軽に楽しめるのが魅力。味噌汁や生卵などのサイドメニューも充実しており、「夜食」「ランチ」「一人ご飯」に最適です。 📍主な店舗: Ho Chi Minh City:Vincom Center Dong Khoi内 Hanoi:Lotte Center Hanoi   日本でもおなじみの「ココイチ」は、ベトナムでもカレー文化を広めた先駆者的存在。具材・辛さ・ご飯の量を自由にカスタマイズできる点が人気の理由です。 ● 主なメニューと価格 ポークカレー(並):約120,000ドン(約700円) チキンカツカレー:約155,000ドン(約930円) シーフードカレー:約165,000ドン(約980円) 現地では、日本米を使用しながらもカレーの辛さをややマイルドに調整しており、ベトナム人にも好まれています。 日本同様、トッピングメニューの自由度が高く、在住者の“カレー欲”をしっかり満たしてくれる一軒です。 📍主な店舗: Ho Chi Minh City:Takashimaya Saigon Centre内 Hanoi:Aeon Mall Long Bien   焼肉と言えば「牛角」。日本国内だけでなくアジア各国で人気を集めており、ベトナムでもホーチミンを中心に展開を拡大しています。 ● 主なメニューと価格 牛カルビセット(ご飯・スープ付き):約220,000ドン(約1,300円) 食べ放題コース:約399,000〜499,000ドン(約2,400〜3,000円) 炭火焼スタイルで肉の質も良く、日本クオリティの焼肉をベトナムで体験できるとして、日本人・現地客の双方に支持されています。 店内は清潔でサービスも丁寧。デートや接待利用にも向くお店です。 📍主な店舗: Ho Chi Minh City:Le Thanh Ton通り、District 1 Hanoi:Vincom Mega Mall Times City   ベトナムのうどんブームを牽引したのが「丸亀製麺」です。現地では2014年にホーチミン1号店がオープン。日本同様にセルフスタイルを採用し、打ち立て・茹でたてのうどんを提供しています。 ● 主なメニューと価格 かけうどん:約59,000ドン(約360円) ぶっかけうどん:約65,000ドン(約400円) 天ぷら各種:1個 約20,000〜35,000ドン(約120〜210円) ...
現地採用・駐在・フリーランスの違い|ベトナムで働く3つの働き方
2025.11.21
現地採用・駐在・フリーランスの違い|ベトナムで...
近年、ベトナムは日本人にとって魅力的な就業先として注目を集めています。ホーチミンやハノイなどの都市では、日本企業の進出が進み、現地採用や駐在員、さらにはフリーランスとして働く日本人も増加しています。しかし、これらの働き方にはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあり、どの働き方が自分に合っているのかを理解することが重要です。   現地採用とは、ベトナム国内の企業に直接雇用される形態です。日本からの派遣ではなく、現地法人に所属し、現地の労働法や給与体系に従って働きます。 特徴 雇用契約:ベトナムの企業と直接契約 給与:ベトナムの市場水準に基づく 福利厚生:現地の制度に準拠 メリット 現地の文化や生活に密着した働き方ができる 日本からの派遣ではないため、自由度が高い 現地のネットワークを構築しやすい デメリット 給与水準が日本より低い場合が多い 福利厚生が限定的 キャリアパスが限定される可能性がある   駐在員は、日本の企業から派遣され、ベトナムの拠点で勤務する形態です。給与や福利厚生は日本基準で支給されることが一般的です。 特徴 雇用契約:日本の企業と契約 給与:日本の給与水準 福利厚生:日本の制度に準拠 メリット 高い給与水準と手厚い福利厚生 日本の企業文化やキャリアを維持できる 家族帯同が可能な場合もある デメリット 現地の文化や生活に馴染みにくい 日本の企業文化がそのまま持ち込まれることが多い 現地での自由度が低い場合がある   フリーランスは、企業に雇用されることなく、個人事業主として契約ベースで仕事を受ける形態です。IT、翻訳、教育などの分野で増加しています。 特徴 契約形態:プロジェクト単位や業務委託契約 給与:契約内容に基づく 福利厚生:自己負担 メリット 自由な働き方ができる 高収入の可能性がある(スキル次第) 複数の案件を掛け持ちできる デメリット 安定した収入が得にくい 社会保険や税務処理などの手続きが自己責任 契約の獲得や更新に手間がかかる   以下の表は、現地採用、駐在員、フリーランスの3つの働き方を年収、待遇、生活環境の観点から比較したものです。 項目 現地採用 駐在員 フリーランス 年収(目安) 2,500〜5,000 USD/月 5,000〜8,000 USD/月 + 手当 2,000〜10,000 USD/月(案件次第) ボーナス なし〜あり(企業による) 年2回(日本基準) なし 住宅手当 なし〜あり(企業による) 会社提供または手当あり なし 保険・医療 現地の社会保険加入 日本基準または現地補助あり 自分で手配 ...

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