- ダナン編
- 2024.10.23
「ダナンに移住してみたいけど、本当に暮らしやすいのかな…」
「物価が安いと聞いたけど、実際どれくらい安いんだろう?」
このような疑問を抱えていませんか。
ダナンは、観光地として有名なだけでなく、移住先としても注目されています。
温暖な気候、美しいビーチ、そして治安が良いという魅力が多くの人を惹きつけています。
さらに、英語が通じやすいといった利点も、海外生活を検討している方にとって大きな魅力です。
今、ダナン移住を検討している方や海外での生活にあこがれを抱いている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
この記事では、ダナンでの生活が気になる方に向けて、
- ダナンの基本情報
- ダナンで生活する際の具体的なメリット
- 逆に考えておきたいデメリット
について、ダナン在住の経験を交えながら解説しています。
海外生活や旅行を検討している方は、自分に合った環境なのかしっかりと見極めることが大切です。
この記事が、あなたの新しい生活のヒントになれば嬉しいです。
ぜひ参考にしてみてください!
ダナンとは?
ダナンはハノイやホーチミンに次ぐベトナム第3の都市であり、国内外から観光客が訪れる一大観光地でもあります。
特に白砂のビーチや手付かずの自然、ユネスコ世界遺産に登録されたホイアンやフエへのアクセスの良さが、多くの人々を引き付ける要因となっています。
さらに、インフラ整備が進み、国際空港もあるため、交通の便が良く、観光だけでなくビジネスや移住先としても注目されています。
また、ノマドワーカーにとっても魅力的な都市です。
Wi-Fi環境が整ったカフェやコワーキングスペースが増えており、リモートワークに最適な場所として評価されています。
物価が安く、住居費や食費が抑えられるため、生活コストを低く抑えつつも快適な暮らしを実現できます。
特に、海を眺めながら仕事ができる環境や、仕事後にはビーチでリラックスできるライフスタイルは、他の都市にはない大きな魅力と言えるでしょう。
ダナンで生活するメリット
ダナンでの生活には、多くのメリットがあります。
観光名所の豊富さ、物価の安さ、治安の良さなど、魅力的なポイントがたくさんあります。
これらの要素が揃っているため、快適で充実した生活を送りたい方にとって、ダナンは非常に魅力的な都市といえるでしょう。
ここからは、ダナンで生活する具体的なメリットについて、さらに詳しく解説していきます。
観光名所が豊富
ダナンには、美しいビーチや歴史的な建造物など、観光名所が数多く存在します。
これらは、生活を豊かにし、休日の過ごし方の選択肢を広げてくれる重要な要素です。
まず、ダナンを代表する観光スポットとして挙げられるのが「ミーケビーチ」です。
世界で最も美しいビーチの一つとされ、透明度の高い海と白い砂浜が特徴です。
朝や夕方の散歩、ビーチでのリラックスなど、リフレッシュするのに最適な場所であり、観光だけでなく、ダナンに住む人々の日常の一部としても親しまれています。
また、「バナヒルズ」も見逃せません。
標高1,400メートルの山の上にあるテーマパークで、ヨーロッパ風の建物や花々が彩るエリアが広がっています。
特に「ゴールデンブリッジ」は、手で支えられた橋のデザインがユニークで、多くの観光客が訪れています。
これらのスポットは家族や友人とのレジャーにも最適で、特別な時間を過ごせるでしょう。
さらに、ダナンから少し足を伸ばすと、ユネスコ世界遺産にも登録されている「ホイアン」にアクセスできます。
ランタンが灯る夜の街並みは幻想的で、散策するだけで心が癒される場所です。
さらに、ダナンは観光だけでなく、お土産も豊富です。
例えば、地元の特産品である「フェヴァ チョコレート」は、上質なカカオを使用し、ユニークなフレーバーが魅力です。
他にも、環境に配慮した「RemakeFeedBag」は、再生素材を使ったファッションアイテムで、おしゃれに敏感な方へのギフトに最適です。
これらのお土産は、ダナンの思い出を自宅でも楽しめる一品ばかりです。
英語が通じやすい
ダナンはベトナム国内でも英語が通じやすい地域であり、外国人にとっても生活しやすい環境が整っています。
まず、ホテルやレストラン、観光スポットなどの主要な施設では、スタッフが簡単な英語を話せることが多いです。
観光客に対応するために、英語を話すことが求められる職場が多く、特に若い世代は英語力が高い傾向にあります。
例えば、レストランでのメニューの注文やホテルでのチェックイン手続きなど、基本的な会話は問題なく行えます。
さらに、ダナンには多くの語学学校があり、若者を中心に多くの人が英語を学んでいます。
そのため、タクシードライバーや市場の店員など、日常的に接する機会の多い人々も英語を理解してくれることが多く、コミュニケーションに困ることが少ないです。
ただし、年配の方の場合、英語を話せないことが多いため、注意しましょう。
2都市に比べて物価が安い
ダナンの生活費は、ハノイやホーチミンといった大都市に比べて物価が安く、経済的に余裕のある生活を送りやすいです。
まず、ダナンの家賃は他の主要都市に比べてかなり低い傾向にあります。
例えば、ハノイやホーチミンで同じ広さのアパートを借りる場合、ダナンではおよそ半分から3分の2程度の家賃で済むことが多いです。
そのため、同じ予算でもより広い住居や、景観の良い場所に住めます。
特に、ビーチの近くに安く住めるのは、ダナンならではの大きな魅力です。
次に、食費についても安く抑えられます。
ベトナムの名物料理であるフォーやバインミーも、100円~200円程度で食べられるため、外食を楽しみながらも家計に優しい生活ができます。
さらに、スーパーや市場での食材の購入費も他都市に比べて安く、家庭料理を楽しむことも負担になりません。
また、公共交通機関やタクシーの料金も低く抑えられており、移動費を気にすることなく、気軽に外出できます。
特に、Grab(アプリを使った配車サービス)を利用すれば、手頃な価格で移動できるため、日常生活での移動が非常に便利です。
治安が良い
ダナンはベトナムの中でも比較的治安が良く、安心して生活できる環境が整っています。
これも多くの外国人がダナンでの生活を選ぶ理由の1つです。
主要な観光地や公共の場では、警察のパトロールが頻繁に行われており、治安維持に努めています。
特に、ビーチ周辺や市街地など、人が多く集まる場所では犯罪発生率が低く、観光客も安心して観光を楽しめるでしょう。
また、地元の人々の性格も穏やかで親切なため、犯罪に巻き込まれるリスクが比較的少ないとされています。
例えば、ハノイやホーチミンでは、観光客を狙ったぼったくりがありますが、ダナンでは少ないです。
さらに、私の経験談になりますが、カフェでパソコンを置いたまま、トイレに行っても、盗まれなかったことがあります。
私のセキュリティ意識が低く、本来なら盗まれてもおかしくない状況でしたが、治安が良い地域だったため、盗まれませんでした。
治安が良いとはいえ、リスクが0というわけではありません。
当然のことですが、盗まれない対策は必ずしましょう。
比較的渋滞が少ない
現在、渋滞はベトナムでは社会問題になっています。
特にホーチミンの渋滞は数千万円の損失に繋がっているとニュースになりました。
しかし、ダナンは他の大都市に比べて交通渋滞が少なく、渋滞に悩まされにくいメリットがあります。
ダナンの都市設計は交通の便を考慮して計画されており、主要な道路が広く、交通量が分散されています。
そのため、朝夕の通勤時間帯でも、車やバイクの移動がスムーズです。
特に、市内中心部から郊外や観光地へとアクセスする道路が整備されているため、観光やレジャーでの移動もストレスなく行えます。
ヘルシーな食事が多い
ダナンはヘルシーな食事が豊富で、健康を意識した食生活を送りたい方にとって理想的な環境です。
まず、ダナンでは野菜や果物はもちろん、海に面した街ならではの新鮮な魚介類も豊富です。
これらの食材を使った料理は、油分や調味料が少なく、素材の味を生かした調理法が主流です。
特に、ベトナム料理の特徴であるハーブや香辛料を使ったメニューは、風味豊かでありながら低カロリーなものが多いです。
代表的なヘルシー料理として、ダナン名物の「ミークアン」があります。
これは、ターメリックで色づけされた米粉の麺に、エビや豚肉、野菜を乗せ、香草を添えた料理です。
スープは少なめで、全体的にあっさりとした味わいが特徴です。
ボリュームがありながらも、脂っこさが少ないため、健康的な食事を楽しめます。
また、ダナンではベジタリアンやヴィーガン向けのレストランも増えており、肉や魚を使わない料理も手軽に楽しめます。
例えば、ベトナム風春巻き「ゴイクオン」は、ライスペーパーに新鮮な野菜とハーブ、エビや豚肉を包んだもので、ヘルシーな一品です。
ヴィーガンバージョンでは、エビや豚肉を豆腐やきのこに代用したものが提供されることもあります。
ダナンで生活するデメリット
ダナンでの生活には多くの魅力がありますが、もちろんデメリットも存在します。
主なデメリットとして、辛い食べ物が多いこと、日中の日差しが非常に強いこと、夕立が多いこと、そして関西からの直通便がないことが挙げられます。
これらの点については、生活の快適さを考える上で重要な要素となります。
以下で、これらのデメリットについて詳しく解説していきます。
辛い食べ物が多い
ダナンの食文化は、辛い味付けが特徴的です。
ベトナム料理全般に言えることですが、特にダナンでは辛味を効かせた料理が多く、辛いものが苦手な方には少しハードルが高いかもしれません。
例えば、「フーティウ」という米粉を使った麺料理があります。
スープや具材に唐辛子をたっぷりと使うため、見た目からして真っ赤なことも多く、辛さが苦手な人には一口でもかなり刺激的に感じられるでしょう。
フーティウは美味しい料理ではありますが、辛さのレベルは非常に高く、気軽に試せるものではありません。
また、ダナンのストリートフードの多くには、唐辛子やピリ辛のソースが欠かせません。
例えば、バインセオという米粉の生地にエビや豚肉、もやしを包んだ料理やバインミーというベトナム風サンドイッチなど、様々な料理に辛い調味料が使われています。
これらは現地の人々にとって日常的な味ですが、辛味に慣れていない方には辛く感じることがあるでしょう。
辛い料理への対策としては、注文時に「コン・カイ(辛くしないで)」と伝えることで、辛さを抑えた調理をお願いできます。
また、辛味を中和するために、ヨーグルトや甘い飲み物を一緒に摂ると良いでしょう。
辛い料理を食べる際には、口内が荒れないよう、事前に乳製品を摂取するのも効果的です。
日中の日差しが強すぎる
ダナンは熱帯気候に属しており、特に日中の日差しが強烈です。
年間を通じて高温多湿な気候であり、日中の気温は30度を超えることが多いため、外出時には注意が必要です。
紫外線の量も日本より多く、肌や目に与える影響が大きいため、紫外線対策は欠かせません。
現地の人々も、日中の外出時には薄い長袖や帽子、サングラスなどを着用して、紫外線から身を守っています。
日差しの強さに対する対策としては、まず外出する時間帯を工夫することです。
午前中の早い時間帯や夕方以降に外出することで、直射日光を避けられます。
また、適度な水分補給を心がけ、休憩を挟むことで、体調を管理しましょう。
冷たい飲み物やアイスクリームなどで体を冷やすのも効果的です。
夕立が多い
ダナンでは、特に雨季の時期に夕立が頻繁に発生します。
これは、熱帯気候に特有の現象で、突然の激しい雨が日常的に起こることがあります。
雨季は9月下旬~1月にかけて続き、この時期には短時間で大量の雨が降るため、予定していた外出に支障をきたすことがあるでしょう。
さらに、夕立の影響としては、道路が冠水しやすくなることが挙げられます。
インフラが整ってきているものの、市内の排水設備は十分に整備されていない箇所も多く、激しい雨が降ると一部の道路で水が溜まることがあります。
夕立に対する対策としては、常に折りたたみ傘やレインコートを持ち歩くことが挙げられます。
突然の雨にも対応できるよう、カバンの中に常備しておくと良いでしょう。
関西からだと直通便がない
コロナによる影響で、ダナンから大阪への直通便がなくなり、アクセスしづらくなりました。
ベトナム航空は2024年2月にダナンから大阪への直通便を再開すると発表しましたが、2024年10月現在も中止されたままです。
(https://www.aviationwire.jp/archives/280676)
そのため、残念なことに関西周辺に住んでいる方がダナンに行くには乗り継ぎが必要となります。
私は関西出身のため、日本へ帰る時は関西国際空港に行く飛行機に乗ります。
ですが、ダナンから関西国際空港に行くには、ハノイやホーチミンなどを経由して乗り継ぐ必要があります。
そのため、直行便があるハノイやホーチミンと比べると、航空運賃が高くなってしまうんです。
加えて、乗り継ぎの際には荷物の受け取りや再度のチェックイン、入国審査など、手続きが増えるため、体力的にも負担がかかります。
関西周辺に住んでいて、ダナンに行こうと考えている方は、乗り継ぎの時間を余裕を持って設定し、待ち時間をリラックスして過ごせるように準備しておきましょう。
まとめ
ダナンは美しい自然や充実した観光名所に加え、生活費の安さや治安の良さといった、生活を豊かにする多くのメリットを持っています。
一方で、辛い食べ物や日中の強い日差し、そして関西からの直通便の不便さなど、デメリットも存在します。
しかし、これらの点も事前に対策を講じることで、十分に快適な生活が可能です。
ダナンは、多様なライフスタイルに対応できる都市であり、観光客や移住者、ノマドワーカーにとっても理想的な場所と言えるでしょう。
ダナンでの生活を検討している方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
ベトナム情報週刊コラム
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- 2025.10.17
- ベトナム人スタッフの問題意識と夢への姿勢を考える
- 多くの日本人管理者が、ベトナム人スタッフに対して問題意識が薄いと感じることが多いのは理解できます。問題意識が低いということは、現状に満足しているか、現状に適応できているため、改善の必要性を感じていないということになります。そのため、仕事においては受け身であり、改善提案や改善活動への意識が生まれにくいのです。ボトムアップ的な経営を目指す理系企業の経営管理者にとって、この姿勢が不思議であり、不満や不可解さを感じるのも無理はありません。 問題は大きく三つに分けられます。まず顕在的な問題は、緊急性が高く誰にでも明らかな課題で、例えば明日の生活費をどうするかといったことです。次に潜在的な問題は、現在の生活には問題がないように見えても、背景にあるリスクが表面化した際にどのような影響があるかを考える必要がある問題です。最後に、自己実現的な問題として、現状に満足してリスク対策を講じているものの、より高次元の目標や夢を達成するために克服しなければならない課題が存在します。 現状に満足し、改善の必要がないと感じることは、精神面では良いことだと個人的に思います。満足しやすく、日常を楽しみやすいことで、最終的には幸福感を得やすくなるからです。しかし「無知の幸せ」という考え方もあります。これは、事故や病気、子育てなどの人生における様々なリスクについてあまり意識せずにいることから生まれる幸福感を指します。つまり、起こり得るリスクを知らない、あるいは無視しているために、今の状況に安心しているのかもしれません。そうではなく、リスクを理解していること自体が問題を認識する第一歩だと言えるでしょう。 日本では四季があり、特に冬には準備や蓄えが不足すると命に関わるリスクが常に存在します。また、自然災害も頻繁に起こるため、日常的にリスクと向き合いながら損害を減らしリスクをヘッジする習慣が身についています。そのため、比較的気候が安定しているベトナムよりも問題意識が高いと考えられます。一方、ベトナムでは社会の発展とともに平均年齢が30代前半となり、親世代の医療費や中年世代の子育てコストなどがより意識されるようになってきています。社会の発展に伴い、物価の上昇とともに問題意識も高まっていくでしょう。 裕福な家庭や一定の地位と収入がある中間管理職に関しては、生活リスクから解放されているため、夢を尋ねると多くの人が早期退職を挙げます。早期退職後の希望は、遊ぶことやゆっくりすること、農業や世界一周旅行など、楽しみに関するものが多いです。それを見ると、今の仕事はそれほど苦労が多いのか、楽しめないのかと疑問に感じます。また、多くの人にとって仕事は自己実現の手段ではなく、稼いだお金で好きなことをするための手段になっているように見えます。しかし、遊びもすぐに飽きが来るものであり、それだけで満たされるわけではないと私は思っています。それでも、早期退職は一つの大きな夢として広く認識されています。 日本のメディアでは「日本一」や「日本初」といった言葉がよく使われ、プロジェクトXのようにチームで達成する夢が称賛されがちです。一方、ベトナムでは「ベトナム一」という言葉も使われますが、普通のものを努力して作り上げた結果に関することが多く、例えば大きなラーメンや仏像といった、人々の夢とは直接関係のないものが中心です。 また、日本では仕事の話が職場外の集まりでも行われることが一般的ですが、ベトナムではオフ会はリラックスするための場であり、仕事の話をするのはタブーとされています。仕事の話を持ち込む人は、雰囲気を壊しがちで、周りから敬遠されることが多いです。こうした状況から、個人レベルで夢を語り合い、高次元の目標を共有して応援し合う文化はベトナムではまだ希薄だと感じます。 とはいえ、ベトナムのような開発途上国では、大きな夢を持つことは一般的に難しいとされています。社会や政治的にも「出る杭は打たれる」風習が根強く残っており、大きな夢を持つことは無謀だと見られがちです。しかし、約30年前に日本に留学した際、日本の若者が音楽バンドやストリートアートに情熱を注ぎ、夢を追いかける姿にとても憧れを感じました。そのような人々が自分の夢を追いかけることで、周囲に与える影響は非常に大きいと実感しました。 現在のベトナムでも、バンドや伝統芸能、コメディアングループなどが増えつつあり、夢を追いかけながら生計を立てることが可能な状況になりつつあると感じています。生活がだんだんと安定してくることで、ベトナム人も夢を本気で追うことができるようになるでしょう。若い世代やサラリーマン世代でも、会社の中で夢を語る機会が増えてくるのではないかと思います。 もちろん、若い世代に期待するだけでなく、今の中間管理職も自ら行動し、仕事の中で自分の夢を見つけることが大いにプラスになるはずです。どのようにすれば夢を持って挑戦する意識を育てられるかについては、今後さらに考察したいですが、夢を持つことの重要性を改めて強く感じています。
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- 2025.10.17
- ベトナムドンの将来性
- 外国為替市場は、世界最大の金融市場であり、毎日、数兆ドルの取引が行われています。外国為替市場は、各国の経済状況や政治情勢など、様々な要因によって影響を受けますが、近年では、デジタル化や規制緩和などの動きも見られ、今後もますます拡大していくと予想されています。 その中でもベトナムドンは、国際的に見てまだまだマイナー通貨であるため、情報が少ないです。 インターネットやスマートフォンの普及により、旅行や外国為替取引がより容易になりましたが、旅行に行こうにも、仕事で行こうにも現地通貨の情報が少ないのは不安ですよね。 そこで、本記事ではベトナムドンの将来性や特徴についてご紹介していきます。 いかにも危険そうに聞こえますが、結果として世界中がベトナムドンに注目する良い機会になりました。 1993年から2011年まで、19年連続で貿易赤字を計上していたベトナム。しかし、2016年以降は、6年連続で貿易黒字を計上しています。これは、ベトナム経済が成長し、輸出が拡大したことによるものです。 著しい成長が目立ったのか、2020年12月、米国財務省はベトナムを為替操作国に指定しました。 これは、ベトナム政府が通貨ドンを不当に安く評価し、米国の輸出を不利にしていると判断したためです。しかし、ベトナム政府は、為替介入は為替レートを安定させるための措置であり、米国の貿易赤字とは無関係であると米国の指摘は根拠がないと反論しました。 よって、2021年4月、米国財務省は、ベトナムが為替介入を実施しているという証拠は不十分であると判断し、ベトナムを為替操作国から除外しました。 そして、米国は引き続きベトナムを監視し、双方の意見交換を継続していく方針を示したものの、最終的に2021年12月、ベトナムには為替操作国に該当しないという評価を下しました。 ベトナムが為替操作国から除外されたことで、ベトナムへの内、外需からの投資が活発化することが期待されています。 米ドルの動きを見れば、ベトナムドンの動きも予想することができると言われるように米ドルと強い結びつきのあるベトナムドン。 ベトナムドンの発行量は、2023年6月現在で約1,110兆ドン(約5兆円)です。ベトナムドンの対米ドル為替レートは、2023年6月現在で約23,000ドン/ドルです。 米ドルが円高になった場合、ベトナムドンは円に対して下がる傾向があります。これは、米ドルの価値が上がると、ベトナムドンの価値が相対的に下がるためです。逆に、米ドルが円安になった場合、ベトナムドンは円に対して上がる傾向があります。 事実上(※1)ドルペッグ制と(※2)管理フロートを採用しているベトナム。そのため、ベトナムドンは米ドルの動きとほぼ連動しています。 米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの加速を背景に、2022年より下落傾向となっているが、FRBは、インフレを抑制するため、利上げを継続しており、これは、ドルの価値を高め、ベトナムドンの価値を下げる要因となっていました。 (※1) ドルペッグ制 ドルペッグ制とは、自国の通貨を米ドルに固定する為替相場制度です。ベトナムは、1978年にドルペッグ制を導入し、現在も継続しています。 為替相場の急激な変動を心配する必要がなくなるので、これは、企業の輸出入や投資活動にとって、非常に重要です。 ベトナム経済の発展に重要な役割を果たしているドルペッグ制は、為替相場の安定を図り、ベトナムの輸出入を拡大し、経済成長を促進しました。 (※2) 管理フロート 管理フロートは、為替相場を決定するための制度の一つで、自国の通貨の変動幅を固定し、その幅の範囲内で各国通貨が自由に取引される制度です。 通貨の変動幅は、ベトナム中央銀行によって管理されます。 こちらも、為替相場の急激な変動を防ぐため、また、自国の経済を安定させるために採用されています。 ベトナムでは、この制度により、ベトナムドンの大きな値動きを防ぐことができています。 ベトナムドンと日本円は日々変化していますが、これは日本円と米ドルの動きとほぼ同じです。 また、ベトナム政府は為替操作国から除外されたことを機に、為替政策の透明性を高め、為替市場の安定に努める方針です。 為替相場が安定していることは、企業の輸出入や投資活動にとっても非常に重要ですが、なによりベトナム国民の生活の安定につながります。 ベトナムドンの将来は、当然、ベトナムの経済成長と為替政策に左右されます。 ベトナムの経済成長は、近年堅調で、2021年のGDP成長率は7.5%と、世界平均の5.7%を上回りました。ベトナムの経済成長を支えているのは、以下の3つの要因が大きいです。 労働力人口の増加 輸出の拡大 外国投資の増加 ベトナムには、6,800万人以上の若い労働力人口がおり、この労働力人口の増加は、ベトナムの経済成長の原動力となっています。 また、ベトナムは、中国に次ぐ世界第2位の靴の輸出国であり、衣料品や電子機器などの輸出も拡大しています。さらに、ベトナムは、中国の台頭により、外国投資先として注目されています。 国際通貨基金(IMF)は、ベトナムの2022年のGDP成長率を6.5%、2023年のGDP成長率を7.0%と予測しています。ベトナムの経済成長が続くことで、ベトナムドンの価値も高まると期待されています。 ただし、ベトナムの経済成長には、いくつかの課題もあります。ベトナムのインフレ率は高く、2022年1月時点では6.4%となっています。インフレ率が高いと、ベトナムドンの価値が目減りする可能性があります。 また、ベトナムの財政赤字も懸念されています。ベトナムの財政赤字は、2021年にはGDPの4.7%に達しました。財政赤字が拡大すると、ベトナムドンの信頼性が低下し、価値が下落する可能性があります。 これらの課題はあるものの、ベトナムの経済成長は、急速に進んでおり、今後もその成長は続くと予想されています。そのため、ベトナムの経済成長は堅調であり、ベトナムドンの将来性も明るいと言えるでしょう。 この成長率は中国、インドに次ぐアジアで最も高い成長率です。この経済成長を支えているのは、製造業、観光業、農業などの分野です。製造業では、自動車、電子機器、衣料品などの生産が拡大しています。 観光業では、ベトナムの美しい自然や文化が観光客に人気を集めています。農業では、米、コーヒー、カシューナッツなどの生産が盛んです。 上記の通り、ベトナムの経済成長は堅調であり、やはり、ベトナムドンの将来性も明るいと言って良いでしょう。 生活に欠かせない食費について紹介します。ローカルのスーパーマーケットで購入できる、食品の価格相場です。こちらが現在のレートで計算した商品の価格相場です。 商品 価格相場 (VND) 価格相場 (JPY) ミネラルウォーター (500ml) 5,000 30 ジュース (500ml) 10,000 61 牛乳 (1L) 20,000 122 卵 ...
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- 2025.10.16
- 【ベトナム経済】現在のGDP成長率になるまでの歴史...
- 自分の育った国でも案外と知らない「歴史と経済」 歴史と経済は、無縁なようで私たちの生活に密接に関係しています。経済は、歴史の中でどのように変化し、経済は、歴史にどのような影響を与えてきたのでしょうか? 私たちの生活は「歴史」、つまりは過去の出来事によって形作られています。 歴史は主に国家や文明など人間の社会を対象とする文章や記録、その出来事のことで、例えば、私たちが使っている言葉や文化、法律、制度なども、すべて過去の出来事によって生まれてきました。 そして「経済」とは、物やサービスの生産、流通、消費などの総称です。経済も私たちの生活に密接に関わっており、経済の仕組みを理解することは、私たちの生活を豊かにする上で重要です。 このブログでは、難しくて敬遠しがちな歴史や経済を基礎から解説することで、ベトナムの歴史への理解を深め、経済の動向を把握するお手伝いができれば幸いです。 ベトナムの歴史は、約4000年の歴史があると言われており、ベトナム人の祖先は、紀元前2000年頃に中国からベトナムに移住して来たそうです。 紀元前1世紀に成立した紅河文明は、ベトナム北部に栄えた青銅器時代の文明で、中国の支配を長い間受けたこともあり、中国の黄河文明の影響を強く受けていました。 紅河文明の衰退後、ベトナムには、漢、唐、宋、元、明、清などの中国王朝が侵攻し、ベトナムは中国の属国となりました。 しかし、ベトナム人は中国の支配に抵抗し、1428年には、黎朝を建国して独立を果たし、その後、ベトナムは多くの王朝が続くことになります。 黎朝(れいちょう)とはベトナムの王朝の一つ。 前黎朝と後黎朝とがあるが、一般に後者をさす。 1428年、黎利が明の支配を脱して建てた王朝で、ハノイを首都とし、国号を大越とした。 1527年、臣の莫登庸によって王位を奪われ、1533年復興したが、以後ハノイの鄭氏とユエの阮氏との抗争を経て、1789年西山党の阮氏によって滅ぼされた。 ※参考文献;goo辞書 黎朝は、ベトナム文化の黄金期を築き、ベトナム語の文字であるチュノムや、書道を確立させて行きます。ベトナムで有名なアオザイもこの頃から発展したと言われています。 アオザイとは、ベトナムの伝統衣装です。中国のチャイナドレスから派生した通常、シルクや綿などの生地で作られる膝丈のワンピースです。 ベトナムの文化と伝統を象徴する衣装として、ベトナムの女性の間で人気があり、日常生活やフォーマルな場面でも着用されています。 いくつかの種類がありますが、最も一般的な種類のアオザイは、単色の布で作られたアオザイです。また、花柄や模様の入ったアオザイもあります。 そしてベトナム王朝は、1800年代後半、フランスがスペインと共にベトナムへの攻撃を開始し、占領しを植民地化したことにより幕を閉じます。 その後は、ベトナム史上最も悲しい出来事が起こります。 そう、ベトナム戦争です。 ベトナム戦争は、1954年から1975年まで続いた戦争です。 フランスの植民地時代から独立を勝ち取ろうと戦っていたベトナム北部と、アメリカの支援を受けたベトナム南部との間で戦われました。ベトナム戦争は、アメリカにとってもベトナムにとっても大規模な死傷者を出した戦争であり、その影響は現在まで続いています。 ベトナム戦争のきっかけは、1954年にインドシナ戦争でフランスが敗北したことだと言われています。 ベトナム建国の父と呼ばれ、現在までベトナム国民に愛されているホーチミンさんの活躍があって、ベトナム独立が叶いました。 フランスがベトナムを去った後は、北ベトナムと南ベトナムでは共産主義を掲げる北ベトナムと、反共主義を掲げる南ベトナムとの間で対立が深まりました。 アメリカは、ベトナム南部が共産主義化されるのを防ぐために、南ベトナム政府を支援しました。 ベトナム戦争は、1965年にアメリカ軍が本格的に参戦したことで激化し、アメリカ軍は、北ベトナムへの空爆や南ベトナム軍への地上支援を行いました。しかし、ベトナム戦争は泥沼化し、アメリカ軍の死傷者も増加していきます。 1968年には、ベトナム共産党が南ベトナム全土で大規模な攻勢をかける「テト攻勢」が行われました。この攻勢は失敗に終わりましたが、アメリカ国内でベトナム戦争に対する反対運動が広がっていきました。 1973年、アメリカはベトナムから撤退しました。しかし、ベトナム戦争はその後も続けられ、1975年にベトナム共産党が南ベトナムを制圧して戦争は終結しました。 ベトナム戦争は、アメリカにとってもベトナムにとっても大規模な死傷者を出した戦争です。アメリカ軍の死傷者は約58,000人、ベトナム人の死傷者は約300万人と推定されています。ベトナム戦争は、アメリカ国内に大きな反戦運動を引き起こし、アメリカの国際的地位にも影響を与えました。 20世紀の最も悲惨な戦争の一つであるベトナム戦争は、私たちに平和の尊さ、そして戦争の悲惨さを今もなお教えてくれています。 ドイモイ政策(ベトナム語:Đổi Mới)は、1986年にベトナム共産党が打ち出した経済改革政策です。 社会思想において新方向への転換を目指すものにあたるので、直訳すれば「新しい物に換える」となります。日本語では日本語では「刷新」や「改革」と訳されます。 ドイモイ政策以前のベトナムは、ソ連型の計画経済を採用していましたが計画経済は効率が悪く、経済成長が停滞していました。そのため、ベトナム共産党は、ドイモイ政策を打ち出し、市場経済への移行を開始しました。 ドイモイ政策の主要な内容は、次のとおりです。 農業生産の自由化 農業分野における規制を緩和し、自由な競争を促進することです。これにより、農業生産の効率化が図られ、農業価格の低下が期待できます。 企業の民営化 政府が所有する企業を民間に売却したり新たに法人を設立することです。企業の経営効率化が図られ、経済成長につながることが期待できます。 外国投資の受け入れ 外国からの投資を呼び込むことです。これにより、外国企業の技術やノウハウが導入され、経済成長につながることが期待できます。 インフラの整備 道路、鉄道、電力、水道などのインフラを整備することです。企業活動や生活の利便性が向上し、経済成長につながることが期待できます。 教育・医療の改善 教育水準や医療水準を向上させることです。これにより、労働力の質が向上し、経済成長につながることが期待できます。 ドイモイ政策は、ベトナムの経済成長に大きな効果をもたらしました。1986年以降、ベトナムの経済成長率は年平均7%で成長し、世界でも有数の経済成長国となりました。また、ドイモイ政策により、ベトナムの貧困率は大幅に減少しました。 1995年にASEANへの加盟を果たしたベトナム。国際社会への協調を強めヒト・カネ・モノの稼働がより自由になりました。 ベトナムの社会にも大きな変化をもたらし、市場経済の導入により、人々の生活水準は向上し、自由な経済活動が活発になりました。また、ベトナムは国際社会に積極的に参加し、国際的な地位を高めています。 ドイモイ政策は、ベトナムにとって大きな成功を収めた経済改革政策です。ドイモイ政策により、ベトナムは経済成長と貧困削減を達成し、国際社会で重要な役割を果たす国へと成長しています。 ベトナム経済は、インフレや金利上昇、世界経済の減速などの逆風にもかかわらず、堅調に推移しています。 特に、海外から高度な人材・技術・豊富な資金を呼び込む対内直接投資は堅調に推移しており、工業部門や建設部門の生産を下支えしています。 自動車販売台数は大きく鈍化するなど金利上昇が足かせとなっている動きもみられますが、農林漁業関連も大きく底入れの動きを強めており、生産全体は上向きです。 また、国境再開を追い風に外国人観光客数は増加しており、観光関連や小売関連を中心にサービス業の生産が再開し、業界としても上向きな傾向です。 インフレや金利上昇、世界経済の減速などの影響はあるものの、ベトナム経済は、コロナ禍の影響を完全に克服し、勢いを取り戻しています。 実質GDPの水準は、コロナ禍の影響が及ぶ直前の2019年末時点と比較して15.6%上回っており、昨年通年の経済成長率は8.02%と1997年(8.15%)以来の高い伸びを記録しました。 これは、ベトナム政府の経済政策が功を奏していることを示しています。世界経済の動向や原油価格など、不透明な要因が多く、予断を許さない状況ではありますが、ベトナム経済は、今後も成長を続ける可能性が高いと考えられます。 ベトナムではもともと外国人による不動産購入が認められていませんでしたが2015年7月1日、ベトナムの不動産事業法および改正住宅法施行されビザを所有したすべての外国人による不動産の所有が可能になりました。 今までの法律では一定の条件を満たした外国人しか購入ができず、所有期間は50年間、居住目的のみ購入が可能でしたが、改正法では賃貸目的での購入をみとめ、所有の期間も50年間と延長アリに緩和されました。 ただし、ベトナムでは不動産、土地に関する法律や制度はかなり複雑であり、頻繁に変更される政策や運用、法の規定の修正を正確かつ適時に理解することは、簡単なことではありません。 ※「不動産事業法および改正住宅法」については専用の記事を掲載予定です。 こうしたベトナム不動産制度・規制の複雑さを回避するために多くの日本人含む外国人投資家や個人や投資家の中には知り合いや共通の友人を介しベトナム人の名義を借りて不動産を購入するなどの方法で、不動産投資をするケースも見受けられます。 名義借しによる不動産投資は、トラブルを誘発し、結果として不動産投資が失敗に終わるケースも多いので、十分に留意してください。 この改正法は、有効な手段の一つで、結果的に多くの日本人含む外国人投資家を呼び込み海外資本が流れ込み、経済が動き出したのも事実です。ベトナム経済の大幅な底上げを図りました。 ...