ベトナムで免許を取得する方法と運転するときの注意点とは?

ベトナムで免許を取得する方法と運転するときの注意点とは?

ベトナムで車を運転するには、免許の取得または切り替えが欠かせません。

しかし、それだけでは十分ではなく、独特な交通事情法律への理解が求められます。

この記事では、ベトナムで運転を始めるための具体的な方法から注意点まで、分かりやすく解説します。

ベトナムについてから焦らないように、必要な情報をしっかり押さえておきましょう。

ベトナムで車を運転する方法

ベトナムで車を運転するには、まずベトナムの運転免許を取得するか日本の免許をベトナム用に切り替える必要があります。

また、日本の免許を持っているだけでは利用できませんので注意してください。

ここからは、新しくベトナムで免許を取る方法と、日本の免許をベトナム用に切り替える手続きについて、見ていきましょう。

ベトナムで運転免許を取得する

もしベトナムで免許を一から取得するなら、最初に覚えておきたいのが「3カ月以上の滞在ビザ」が必要なことです。

免許の申請は、免許センターに直接申し込むか、代理業者を通じて行います。

どちらを選ぶにせよ、申し込み後は指定の病院で健康診断を受ける必要があります。

この診断結果は申請時に必須の書類ですので、忘れずに健康診断を受けましょう。

 

試験は学科実技の2つに分かれていて、特に学科試験はすべてベトナム語で行われます。

内容は25問の選択式ですが、21問以上正解しないと合格できません。

非ネイティブの方には少しハードルが高く感じるかもしれませんが、事前に模擬試験を受けたり、ベトナム語を学びながら挑戦することで対策が可能です。

実技試験は、ベトナムの交通ルールに基づいた運転スキルを問われます。

試験に合格すれば、晴れてベトナムで運転ができるようになります。

日本の運転免許をベトナムの免許に切り替える

日本の運転免許証をそのままベトナムで使うことはできません

そのため、ベトナムで使用できる免許に切り替える手続きが必要です。

この手続きには、日本の免許証の翻訳公証が欠かせません。

翻訳文を公証役場で正式に認証する作業があり、これには約3日かかります。

 

また、パスポート滞在許可証の原本とコピーカラーの顔写真も準備する必要があります。

提出する書類が不足していると受付を拒否されることがあるため、細部までしっかり確認しておくことが大切です。

必要な書類を揃えたら、それらを交通運輸局に提出します。

手続き自体は比較的スムーズに進むことが多く、申請から免許の発行までにはおおよそ5営業日かかります。

発行された免許を受け取る際に手数料を支払えば、手続きは完了です。

普通自動車免許で二輪は適応外

ベトナムでは、普通自動車免許(B1またはB2)を持っていても、二輪車の運転は法律で禁止されています

自動車免許と二輪車免許は別々に扱われるため、自動車免許だけでは175cc以下の小型バイクや、それ以上の大型二輪車を運転はできません。

例えば、ベトナムで人気のHonda WaveYamaha Siriusなどの一般的なバイクを運転する場合は、専用のA1免許が必要です。

二輪車を運転する予定がある場合は、必ず免許を取得しておきましょう。

50cc以下のバイクなら無免許で運転できる

一方、50cc以下の小型バイクに関しては、ベトナムの法律で無免許運転が認められています

例えば、HondaのSuper Cub 50など、小型で取り回しの良いバイクが該当します。

ただし、交通量が多く運転マナーが異なるベトナムでは、たとえ50ccのバイクでも注意深い運転が必須。

ヘルメットの着用は法律で義務付けられており、万が一の事故に備えて任意保険に加入することも推奨されます。

主なベトナム運転免許の種類

運転免許にはさまざまな種類があり、ベトナムで取得や切り替えを行う際にも、その種類ごとに運転可能な車両有効期間が異なります。

以下では、ベトナムで発行されている主な運転免許の種類について表にしましたので、切り替えたい運転免許はどの期間使えるのか確認してください。

種別 運転可能な車両 有効期間
A1 排気量50cc以上175cc未満の二輪車 無期限
A2  排気量175cc以上の二輪車、およびA1が運転可能な車両 無期限
A3 三輪車、およびA1が運転可能な車両 無期限
A4 荷重1,000kg以下の車両 10年
B1 非営業用で、定員9人以下・荷重3,500kg未満のトラックや車両 10年
B2 営業用で、定員9人以下・荷重3,500kg未満のトラックや車両、およびB1が運転可能な車両 10年
C 荷重3,500kg以上のトラックや車両、およびB1、B2が運転可能な車両 5年
D 定員10~30人以下の車両、およびB1、B2、Cが運転可能な車両 5年
E 定員31人以上の車両、およびB1、B2、C、Dが運転可能な車両 5年

引用:https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/Jp_Ryouji_Untenmenkyo.html

ベトナムで運転するときの注意点

ベトナムで運転する際は、日本と大きく異なる交通事情を理解することが重要です。

具体的なポイントを以下に整理しました。

右側通行を厳守

ベトナムでは右側通行が採用されています。

日本の左側通行に慣れていると、最初はかなり戸惑うかもしれません。

例えば、左折をする際、日本の感覚では「狭く曲がる」動きになりますが、ベトナムでは「広く曲がる」動きが必要です。

 

また、車線変更をする際も、右後方の確認が欠かせません。

慣れるまでは慎重に運転するのが一番です。

ベトナムでは交差点や道路の幅も日本と異なり、右側通行に適応するまでには少し時間がかかるかもしれませんが、現地の交通の流れを観察しながら運転すると意外と早く慣れていくでしょう。

大きい車両を優先させる

ベトナムの交通ルールは大きい車両が優先という考え方が基本です。

これは日本とは大きく異なり、歩行者やバイクよりもトラックやバスの方が優先されます。

例えば、市内では大型バスが頻繁に運行しており、急な停車や発進を行うことがあります。

そのため、大きな車両には道を譲る意識を持っておきましょう。

また、交差点では大型車両が信号を無視して進んでくることもあるため、慎重な運転を心がけましょう。

クラクションは積極的に使う

日本ではクラクションを使うのは緊急時だけですが、ベトナムでは全く違います。

クラクションは「ここにいます」「今通ります」といった自己主張の手段です。

そのため、街中ではクラクションの音が常に鳴り響いています。

例えば、狭い道で車やバイクがすれ違うとき、交差点で曲がるとき、小道から大通りに出るときなど、運転中にクラクションを鳴らす場面が多々あります。

最初はその頻度に驚くかもしれませんが、数日もすれば慣れるでしょう。

小道から出るときや、視界が悪い場所では積極的にクラクションを鳴らして、周囲に自分の存在を知らせることを忘れないようにしましょう。

運転マナーの悪いドライバーに注意する

ベトナムの交通事情は、自由奔放そのものです。

信号無視逆走は日常茶飯事で、車線を無視して進むバイクや車も少なくありません。

例えば、交差点では青信号になっても、赤信号を無視して進む車やバイクが現れることがあります。

また、一方通行の道で逆走してくる車両に遭遇することもしばしば。

 

そのため、信号だけに頼らず、自分の目で四方を確認しながら運転する必要があります

特に夕方や通勤ラッシュの時間帯は交通量が多くなり、無理な割り込み強引な運転をする車両も増えるため、一層注意しましょう。

ベトナムで無免許運転してもいいってほんと?

「ベトナムでは無免許で運転しても問題にならない」という話を耳にしたことはありませんか?

実際、観光客や短期滞在中の外国人が免許を持たずに車やバイクを運転しているケースは少なくありません。

その背景には、取り締まりが緩いと感じる場面や、免許取得のハードルの高さがあるのは確かです。

しかし、法律の観点から言えば、無免許運転は明確に禁止されています

見逃されることがある」と「合法」はまったく別物です。

ここからは、無免許運転がどのようなリスクを伴うのか、ベトナムの状況を交えながらお話しします。

外国人なら無免許でも大丈夫?

「外国人だから無免許でも問題ない」といった噂が立つのは、いくつかの理由があります。

例えば、警察が無免許の外国人を取り締まる際に、言葉の壁が原因で対応が甘くなる場合があります。

意思疎通が難しいことから、「そのまま見逃してしまう」ということが起こるのです。

また、ベトナムでは地元の住民の中にも無免許で運転している人が少なくないため、外国人に対しても同様に厳しく取り締まらないケースもあります。

 

さらに、外国人がベトナムで運転免許を取得するには、長期滞在ビザ滞在許可証が必要です。

手続きが複雑で時間もかかるため、短期滞在者や旅行者が免許を取得せずに運転するのが現実的な選択肢になりがちです。

しかし、これは法律上「問題ない」ということではありません

見逃される可能性があるからといって、無免許運転が許されているわけではないのです。

無免許運転は罰金

ベトナムでは、車の無免許運転は法律で厳しく禁じられています。

特に車の場合、必要な免許を持たずに運転する行為は重大な交通違反と見なされ、罰金やその他の処罰が科されるのです。

罰金額は、無免許運転が発覚した際に1,000万ドンから1,200万ドン60,000円~73,000円)程度とされています。

さらに、無免許運転によって交通事故を引き起こした場合には、罰金だけでなく刑事罰が科されることもあります。

具体的には、重大な事故では3年以上10年以下の懲役刑が適用される可能性があります。

さらに、車が警察によって没収されるリスクもあり、一度没収されると、罰金が支払われるまで車を取り戻すことはできません。

もしレンタカーで運転していた場合、この没収が旅行や滞在計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

また、バイクの無免許運転も同様に取り締まりの対象です。

罰金額は、100万ドンから200万ドン6,000円~12,000円)程度であり、車に比べるとはるかに安いです。

ただ、車と同様、警察によりバイクを没収される可能性もあります。

没収されたバイクは、罰金を支払うまで返却されませんので注意してください。

無免許運転のリスクを避けるために

無免許運転をすることで被るリスクは罰金や罰則だけではありません。

万が一事故を起こした場合には、自動車保険が適用されず治療費や修理費を全額自己負担しなければならなくなる可能性があります。

また、ベトナムの交通ルールに慣れていない状態で運転することは、自分だけでなく他の交通参加者にも危険を及ぼす結果になりかねません。

無免許運転が「許される」と思い込むのではなく、ベトナムの法律を正しく理解し、安全で快適な旅行や滞在を楽しむよう心がけましょう。

ベトナムで運転することに関するよくある質問

ベトナムでの運転には、免許の取得や切り替え、手続きの方法など、気になる点がたくさんあります。

ここでは、よくある疑問に分かりやすくお答えします。

国際免許は使える?

ベトナムでは、日本の国際運転免許証使えません

そのため、ベトナムでバイクや車を運転する場合は、現地で運転免許を取得する必要があります。

ただし、50cc以下のバイクについては免許が不要とされています。

例えば、短期間の滞在で50cc以下のバイクを利用する場合は、免許の取得手続きなしで運転が可能です。

しかし、バイクの利用が多いベトナムでは、175cc以下の二輪免許(A1免許)が主流であるため、運転予定の車両に応じた免許を準備するのが無難でしょう。

代行業者に依頼できる?

ベトナムで免許を取得する際には、代行業者を利用することも可能です。

特に四輪車や二輪車の免許を一から取得する場合は、必要書類の準備や手続きが煩雑なため、代行業者を活用するケースが一般的です。

ただし、手続きの一部、特に交通局での申請免許の受け取り本人が行う必要があります。

そのため、「すべてを代行業者に任せて、完全に手間を省く」というわけにはいきません。

また、以前は代行業者を通じて無期限の免許を取得できるメリットがありましたが、現在ではルールが厳格化され、その価値はやや薄れていると言えます。

それでも、現地の窓口対応や書類準備の手間を省きたい方にとっては、利用価値があるサービスと言えるでしょう。

免許の切り替えにいくらかかる?

免許の切り替えにかかる費用は、翻訳と公証の手続きで約100,000VNDが必要です。

この費用は運転免許証の翻訳文をベトナム公証役場で公証してもらう際にかかります。

また、免許証を受け取る際には、切り替え手続きの料金として約130,000VNDを支払います。

これらの費用は現金で支払う必要があるため、事前に十分な現金を用意しておくと安心です。

まとめ

ベトナムで運転するには、免許の取得または切り替えが必要であり、これには手間と時間がかかります。

また、ベトナム特有の交通ルールや道路事情の理解も欠かせません。

準備を怠らず、現地のルールを守ることで、安全かつ快適な運転を楽しめます。

ベトナムでの運転に不安がある方は、手続きをしっかり確認し、現地の流れに馴染んでから運転をスタートさせてください。

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

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