ベトナムでの生活をより楽しいものにしたいなら、ペットを迎えるのはいかがでしょうか?
ハノイやホーチミンなどの都市部を中心にペット文化が広がっており、ペットショップや動物保護団体、Facebookグループなど、ペットを迎える方法も多様化しています。
一方で、健康管理や飼育環境の整備、さらには帰国時の手続きなど、注意すべき点も少なくありません。
この記事では、ペットを飼うための準備や利用できるサービス、注意点を詳しくご紹介します。
ベトナムでペットと一緒に生活したい方必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
ベトナムのペット需要の変化

ベトナムでは、経済の発展とともにペットを飼う文化が広がり、犬や猫を家族の一員として迎える家庭が増えています。
特に都市部では、ペットフードやケア用品を扱うショップが増加し、ペットを愛する人々のコミュニティも活発化しているようです。
その一方で、ペットを取り巻く課題も浮き彫りになっており、健康管理や予防接種の重要性がますます高まっています。
ペット需要が急増
ここ数年、ベトナムではペットの飼育頭数が急増しています。
農業農村開発省の調査によると、国内で飼われている犬の数は750万頭以上、約490万世帯でペットが飼育されています。
出典:https://nhachannuoi.vn/ca-nuoc-co-5-trieu-ho-nuoi-cho-meo-voi-75-trieu-con/
特に、ゲアン省やハノイ市、タインホア省では多くの家庭が犬を飼い、地域全体で数十万頭の規模に達しています。
ただし、このようなペットブームの一方で、地方の一部地域では依然として飼育頭数が少ない状況です。
ペット文化の広がりには地域差があり、都市部と地方の間で経済状況や飼育環境に違いが見られます。
ペット用品需要も急増
ベトナムのペットフード市場もここ数年で急成長しています。
2023年にはその市場規模が7,312万米ドル(約11億円)に達したというデータもあります。
出典:https://www.statista.com/outlook/cmo/food/pet-food/vietnam#revenue
従来は人間の残り物を与える家庭が主流でしたが、近年では専用のペットフードを選ぶ飼い主が増えてきました。
そして、この流れはペットフードだけでなく、他のペット用品にも波及しています。
アパレル用品やおもちゃ、ペット用のサプリメントまで、ペットの家族化が進む中で、飼い主さんたちはどんどんペット用品にこだわるようになっています。
ベトナムでペットを購入する方法

ベトナムでペットを迎えたいと考えたときには、ペットショップで購入する、オンラインコミュニティを利用して直接購入する、動物保護団体から譲り受けるなど、さまざまな方法があります。
それぞれの特徴やポイントを見ていきましょう。
ペットショップ
ベトナムではペットショップが都市部を中心に増えており、手軽に利用できます。
特に人気のあるペットショップがAZPETです。
AZPETでは、健康で可愛い犬や猫を提供しており、365日保証制度や7日間の返金も用意されています。
ホームページで欲しい種類のペットを探せるだけでなく、写真で毛並みを確認できるのもおすすめポイント。
また、ペットフードやアクセサリー、スパ&グルーミングなど、飼い主にとって便利なサービスが揃っているため、初めてペットを飼う方にも安心です。
Facebook経由で購入
ベトナムでは、ウェブサイト上での取引より、Facebookを利用したペット取引が盛んです。
多くのブリーダーや個人がFacebookグループやマーケットプレイスにペットを出品しており、興味のある投稿に直接メッセージを送ることで取引を進められます。
また、ベトナム版メルカリとも言える「Chợ Tốt」も活用されています。
ただし、こうしたオンラインプラットフォームを利用する場合、ペットの健康状態や飼育環境を事前に確認することがとても重要です。
直接会って取引できる場合は、ペットの状態を自分の目で確かめることをおすすめします。
また、ベトナム語でのやり取りが必要になることが多いため、翻訳ツールを活用するなどの工夫が必須です。
動物保護団体から譲り受ける
最近では、動物保護団体を通じてペットを迎えるという選択肢も注目を集めています。
特に「A.R.C. Vietnam (Animal Rescue & Care)」は、ホーチミン市を拠点とする動物保護団体です。
この団体では、保護された動物たちが健康であるかどうかの確認を徹底しており、里親希望者には飼育環境のチェックや譲渡手続きが求められます。
「A.R.C. Vietnam」のFacebookページでは、譲渡可能な動物の情報が随時更新されており、興味がある場合はメッセージを送れます。
ペットを飼ううえで知っておくべきサービス

ペットを飼う際には、急な用事や旅行、ペットの健康管理のために利用できるサービスを把握しておくことが大切です。
特にペットホテルと動物病院、ペット用品店は、欠かせない存在です。
それぞれの利用方法やポイントを詳しく見ていきましょう。
ペットホテル
出張や帰省、テト(旧正月)休暇の旅行などで長期間家を空ける際、ペットホテルは非常に便利なサービスです。
安心してペットを預けられますが、利用前にはいくつかの点を確認しておくことが重要です。
まず、施設の清潔さをチェックしましょう。
ペットを預ける部屋やゲージが衛生的であるか、臭いや汚れが気にならないかを確認します。
さらに、ペットが体調を崩した際にどのような対応が取られるのかを尋ねておくと安心です。
信頼できる施設では、病気やけがの際に迅速な対応ができる体制が整っています。
また、普段使っているおもちゃやフードの持ち込みについての対応や、ペットの食事量や回数について詳しく聞いてくる施設は、個々のペットに合わせたサービスを提供している証拠です。
下見をしっかり行い、信頼できるペットホテルを選ぶことで、大切なペットを安心して預けられる環境を整えましょう。
動物病院
ペットの健康管理に欠かせない動物病院ですが、ベトナムでは外国人にも利用しやすい病院が都市部を中心に多くあります。
特に、ハノイやホーチミンといった主要都市には、英語対応が可能な病院が増えており、日本語を話せるスタッフがいる病院も見受けられます。
例えば、ホーチミン市の「Animal Doctors International」では、英語での診察がスムーズに行えます。
他にも「Phòng Khám Thú Y Family Vet」では、ペットの定期健診から緊急処置まで幅広いサービスを提供しており、外国人にも評判の高い病院の一つです。
動物病院では、予防接種やフィラリア予防の相談、健康診断だけでなく、手術や特殊治療が必要な場合にも対応しています。
ベトナムでペットを飼う場合、事前に信頼できる動物病院を調べ、緊急時にも対応できるよう連絡先を控えておくと安心です。
ペット用品店
ベトナムでは、ペット用品を購入できる場所が多岐にわたります。
ローカルスーパーでも基本的なペットフードを取り扱っているほか、コーナンやイオンモールなどの日系小売チェーンでは、信頼性の高いペット用品が揃っています。
さらに、LazadaやShopeeといったオンライン通販サイトも便利です。
特に、重たいペットフードやトイレ用品の購入には配送サービスが役立ち、忙しい方でも簡単に必要なアイテムを手に入れられます。
ベトナムでペットを安全に迎える準備とは

ベトナムでペットを迎える際には、事前にいくつかの準備が必要です。
具体的には、ペットが飼える住環境の確認、ワクチン接種の手配、マイクロチップの装着の3つが重要なポイントとなります。
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
ペットが飼える場所に住む
ペットを迎える前に、自宅がペットの飼育に適しているか確認することが大切です。
例えば、猫を飼う場合は、ペットの飼育が許可されている物件であるかどうかを事前に調べましょう。
また、犬の場合は、近くに散歩や運動ができる公園や広場があると良いです。
さらに、ペットを飼うことで生じる長期的な費用も考慮する必要があります。
食費や病院代だけでなく、家の修繕費なども含めて予算を立てておくことで、ペットとの生活を安定したものにできます。
ワクチン接種
ペットの健康を守り、飼い主や周囲の人々を感染症から守るために、ワクチン接種は欠かせません。
ベトナムでは動物病院で手軽に接種を受けられ、費用は約2000円と比較的手頃です。
犬の場合は狂犬病を含む複数のワクチン、猫の場合は猫汎白血球減少症や猫カリシウイルス感染症などに対応したワクチンが推奨されています。
マイクロチップ
マイクロチップの装着は、ペットを守るために重要です。
特に、将来的に日本やその他の国へペットを連れて行く可能性がある場合、装着が必須となるケースがあります。
マイクロチップにはペットの身元情報が登録されており、迷子になった際にも重要な役割を果たします。
装着は動物病院で行え、費用は5000円から10000円です。
ワクチン接種と同時に手配するとスムーズなので、動物病院で相談してみましょう。
ベトナムでペットを飼うときに注意すべきこと

ベトナムでペットを迎える際には、健康管理や安全性に配慮した準備が必要です。
特に狂犬病への対策、ノミ・ダニの予防、日本へ連れて帰るための手続きは重要なポイントです。
それぞれについて詳しく解説します。
狂犬病への対策を怠らない
ベトナムでペットを飼ううえで、見過ごせないのが狂犬病の問題です。
2023年の統計では、狂犬病による死亡者数は国内で64人に達しました。
北部、中部、南部の各地で感染が報告され、中でも中部高原のザライ省では11人の死亡者が確認されており、最も深刻な状況となっています。
出典:https://en.sggp.org.vn/rabies-cases-tend-to-increase-in-vietnam-post105408.html
狂犬病は犬や猫だけでなく、飼い主や周囲の人々にも命に関わる危険な病気です。
そのため、新しくペットを迎えたら、すぐに動物病院で予防接種を受けるようにしましょう。
狂犬病の予防接種は、ペットの健康状態を確認したうえで行われるため、事前にかかりつけの獣医と相談することをおすすめします。
特に、多くの国では狂犬病予防接種が輸出入時の条件となっているため、将来的に海外移動を考える際にも重要な準備となります。
ノミ、ダニ対策を徹底する
ベトナムの温暖で湿度の高い気候は、ノミやダニの繁殖に適した環境です。
これらの寄生虫は、皮膚炎や湿疹を引き起こすだけでなく、深刻な病原微生物を媒介する可能性もあります。
特にダニが媒介する病気には、人間にも感染する危険性があるものが含まれるため、予防と駆除を徹底することが不可欠です。
ペットのノミ・ダニ対策には、動物病院で処方される飲み薬や塗布剤が効果的です。
特にダニによる感染症(バベシア症やSFTSなど)は命に関わる場合があるため、定期的な駆除薬の使用とともに、ペットが屋外で活動する際の注意も重要です。
飼い主自身の感染リスクを防ぐためにも、ペットの清潔を保つことを心掛けましょう。
日本へ連れていく時には準備が必要
ペットを日本へ連れて帰る際には、事前にしっかりと準備を進める必要があります。
輸出検疫の手続きは「狂犬病予防法」や「家畜伝染病予防法」に基づいて厳格に行われており、手続きが不十分だと高額な罰金や処罰の対象となる場合があります。
狂犬病予防接種や血液検査など、特定の手続きには一定の期間が必要なため、引っ越しや帰国が決まったら早めに準備を始めましょう。
かかりつけの獣医に相談し、輸出条件や必要な書類を確認するとスムーズです。
まとめ

ベトナムでペットを飼うことは、生活を豊かにする体験であると同時に、慎重な準備と配慮が必要です。
ペットを迎える方法や健康管理の重要性、狂犬病対策、日本への帰国時の手続きなど、多くのポイントを押さえることで、ペットとの暮らしをより安心で快適なものにできます。
この記事を参考に、ベトナムでのペットライフをぜひ楽しんでください。
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