ベトナムサッカーの魅力に迫る!ASEANカップ優勝から国内リーグの楽しみ方まで

ベトナムサッカーの魅力に迫る!ASEANカップ優勝から国内リーグの楽しみ方まで

2025年1月5日、タイ・バンコクで開催されたASEAN三菱電機カップ2024で、ベトナム代表が見事な勝利を収め、3大会ぶり東南アジアの王座に返り咲きました。本記事では、ベトナムサッカーの華々しい歴史と、その人気の理由、さらには国内リーグや選手たちの活躍について深掘りしていきます。

ベトナムがASEANカップ優勝

2025年1月5日、タイ・バンコクで行われたASEAN三菱電機カップ2024の決勝で、ベトナム代表がタイ代表を下し、3大会ぶりに東南アジア王者の座を奪還しました。試合は合計スコア5-3での勝利となり、ベトナムのサッカー史にまた新たな輝かしいページが刻まれました。

今大会では、エースFWグエン・スアン・ソンが7得点を挙げ、得点王に輝いたうえ、MVPも受賞。試合終了後、国中でファンが街に繰り出し、バイクのクラクションと歓声が響き渡る中、深夜まで祝賀ムードが続きました。

ベトナムはFIFAランキング112位

ASEAN三菱電機カップ2024の優勝により、ベトナム代表は、FIFAランキングポイントを着実に積み上げました。合計スコア5-3での勝利によって、FIFAポイントが2.77加算されます。トーナメント全体では10.22ポイントを獲得し、世界ランキング112位へと順位を上げています。

一方、タイ代表は東南アジアで最高ランクのチームでしたが、今回の大会では連続して敗北を喫しました。その結果、6.05ポイントを失い、FIFAランキングは98位へと順位を落としています。この変動は、ASEANカップの結果が各国のサッカーシーンに大きな影響を与えるでしょう。

過去のFIFAランキング

ベトナム代表のFIFAランキングは、過去数十年にわたり大きな浮き沈みを経験してきました。その中でも特筆すべき出来事は2008年のAFFスズキカップ優勝です。この大会での成功により、ベトナムはランキングを大きく押し上げ、2008年には113位に達しました。

その後、2018年には再びAFFスズキカップで優勝を果たし、ランキングは99位まで上昇しました。この時期、パク・ハンソ監督のもとでチームが安定した成績を残し始めたことが背景にあります。さらに、翌年の2019年にはアジアカップで準々決勝進出という輝かしい成果を収め、世界ランキングは94位にまで上がりました。

しかし、その後のワールドカップアジア最終予選に挑戦した2021年には98位の後退を見せました。さらに、近年では、2024年9月では国際試合で2連敗を喫し、ポイントを6.64失い116位へ下がっていました。この順位は、2017年10月以来の最低記録です。

ベトナムで強い国内サッカーチーム

ベトナムのトップリーグ「Vリーグ」には、国内外で実績を誇る名門クラブが数多く存在します。その中でも、ハイフォンFCハノイFCベトテルFCは特に注目されるチームです。それぞれのクラブが持つ背景と特徴を見ていきましょう。

ハイフォン FC

出典:https://www.facebook.com/haiphongfootballclub/

1952年に設立されたハイフォンFCは、ベトナム北部の港町ハイフォンを拠点とする、国内で最も歴史あるクラブのひとつです。赤と白を基調としたユニフォームが象徴的で、熱狂的なサポーターたちの応援がスタジアムを盛り上げます。

ハイフォンFCは、Vリーグでの安定した成績に加え、ベトナムカップでも優勝経験があり、国内サッカー史に名を刻んでいます。また、かつて元ブラジル代表のデニウソンを獲得したことでも話題を呼びました。しかし、わずか1試合のみの出場で退団したというエピソードもあります。地域密着型のクラブ運営を行い、若手育成にも力を入れています。

ハノイ FC

出典:https://www.facebook.com/officialhanoifc/

2006年に創設されたハノイFCは、ベトナム首都ハノイを拠点に急速に成功を収めたクラブです。設立からわずか数年でVリーグ1に昇格し、2010年にはリーグ初優勝を達成。その後も2013年2016年2018年2019年2022年と、通算6回の優勝を果たしています。

攻撃的なプレースタイルと若手選手の育成に力を注ぐハノイFCは、国内リーグでの活躍だけでなく、AFCチャンピオンズリーグなど国際舞台での経験も積み重ねています。クラブの運営は大手コングロマリットであるT&Tグループによって支えられ、その資金力と組織力が成功の背景にあります。

ベトテル FC

出典:https://www.facebook.com/thecongviettelfc/?locale=vi_VN

1954年設立のベトテルFC(旧称テーコンFC)は、ベトナム人民軍が母体となった歴史あるクラブです。Vリーグ1では6度の優勝を誇り、ハノイFCと並ぶ最多記録を持っています。2009年に人民軍がクラブを手放した際、通信大手のベトテル社がクラブ運営を引き継ぎ、再出発を遂げました。その後、2018年Vリーグ2で優勝し、トップリーグに昇格2020年にはVリーグ1で優勝するなど、輝かしい成果を上げています。

ベトテルFCのホームスタジアムであるミーディン国立競技場(収容人数40,192人)は、ベトナム最大規模のスタジアムで、観戦に訪れるファンにとって象徴的な場所となっています。

ベトナムで活躍している選手

ベトナムサッカー界には、国内外で注目される選手が数多くいます。その中でも、ファム・トゥアン・ハイグエン・スアン・ソンは、ベトナム代表の中心として目覚ましい活躍を見せています。この2人は、国内リーグでのパフォーマンスはもちろん、国際大会でもその実力を証明し、チームを支える存在です。

ファム・トゥアン・ハイ

ファム・トゥアン・ハイは、ベトナム国内リーグVリーグ1で活躍する若手ストライカーです。そのスピードと得点力で注目されており、将来を嘱望される選手の一人です。2024年のASEAN三菱電機カップ決勝では、タイ代表を相手に試合開始直後に貴重な先制ゴールを決め、ベトナム代表に勢いをもたらしました。このゴールは、初スタメンという大きなプレッシャーの中で挙げたもので、トゥアン・ハイの大舞台での強さを象徴するプレーでした。

グエン・スアン・ソン

グエン・スアン・ソンは、ベトナム代表のエースとして君臨する選手です。ブラジル出身でありながら、帰化選手としてベトナム国籍を取得し、代表チームに加わりました。その高い技術力とフィジカルの強さは、国内外のファンを魅了しています。彼はかつて日本のJリーグ・ベガルタ仙台でプレーしていた経歴を持ち、国際的な経験を生かしてベトナム代表をけん引しています。

2024年のASEAN三菱電機カップでは、7得点を挙げて得点王に輝いただけでなく、MVPも受賞しました。大会を通じて見せた圧倒的な決定力とリーダーシップは、ベトナムの優勝に不可欠なものでした。特に負傷退場するまでのプレーでは、彼がいかに重要な存在であるかを改めて証明しました。

Vリーグの観戦方法

ベトナム国内で最も人気のあるサッカーリーグ「Vリーグ」は、地元ファンに愛され、近年では国際的にも注目を集めています。熱狂的な観客が集うスタジアムでの観戦も良し、オンラインで手軽に楽しむ方法も良し。ここでは、Vリーグを観戦する具体的な方法をご紹介します。

チケットを購入して現地で観戦

Vリーグを最大限に楽しむには、現地のスタジアムで試合を観戦するのが一番です。試合当日、スタジアムに響き渡る声援や、選手たちが繰り広げる迫力あるプレーを間近で感じることは、特別な体験となるでしょう。

チケットは、試合会場となるスタジアムの窓口で購入できます。多くの場合、試合の数日前から販売が始まるため、人気のカードでは早めに確保するのがおすすめです。さらに、オンラインでの販売も行っており、公式ウェブサイト提携チケットサイトを利用すれば事前に席を確保できます。

観戦するスタジアムによって、それぞれ異なる魅力を楽しめるのもVリーグの魅力のひとつです。例えば、首都ハノイにあるハノイFCハンダイ・スタジアムはアクセスが良く、設備も充実しており、快適な観戦環境が整っています。一方、ハイフォンFCラックチャイ・スタジアムでは、熱狂的なサポーターの声援がスタジアム全体を包み込み、独特の雰囲気を味わえます。

日本からVリーグを観戦する

ベトナムまで足を運べなくても、日本にいながらVリーグを楽しむ方法があります。オンライン配信サービスを利用すれば、試合をリアルタイムで視聴可能です。ただし、地域制限がかけられているため、視聴するにはVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用して地域制限を回避する必要があります。

VPNでベトナムサーバーに接続

Vリーグの公式配信は地域制限が設定されていることが多いため、日本から直接アクセスできません。この場合、VPNを使ってデバイスをベトナム国内のサーバーに接続することで、視聴が可能になります。

まず、NordVPNExpressVPNといったベトナムサーバーに接続できるVPNサービスを選び、アプリをインストールしましょう。その後、ベトナム国内のサーバーを選択して接続します。この操作により、あなたのデバイスがベトナム国内からアクセスしているように認識されるため、地域制限をクリアして試合を視聴できるようになります。

FPT Playに登録して視聴

Vリーグの公式配信サービスFPT Playは、試合をライブ中継するだけでなく、過去の試合のアーカイブも提供しており、Vリーグを楽しむための主要なプラットフォームとなっています。

まずは、FPT Playのウェブサイトまたはアプリにアクセスし、アカウントを登録してください。メールアドレス電話番号を使った登録が可能で、クレジットカードなどの決済手段を利用して視聴プランを購入するだけで準備完了です。視聴プランには、ライブ中継アーカイブ映像などが含まれており、自分のスケジュールに合わせて試合を楽しめます。

ベトナムではサッカーが一番人気のスポーツ

ベトナムで最も愛されているスポーツといえば、間違いなくサッカーです。その人気は、代表チームの国際大会での活躍だけでなく、日々の生活にも大きな影響を及ぼしています。サッカーがなぜここまで支持されているのか、そして試合の日には街がどのように変わるのか、その理由を紐解いてみましょう。

サッカーが人気の理由

ベトナムにおけるサッカーの人気の背景には、長い歴史文化的な背景があります。サッカーはフランス植民地時代にベトナムへと伝えられ、1975年の全国統一後には全国的に普及しました。1964年にはアジアサッカー連盟(AFC)と国際サッカー連盟(FIFA)に加盟し、ベトナムサッカーは国際的な舞台での挑戦を開始しました。

1996年にはASEANサッカー連盟(AFF)に正式加盟。2008年にはAFFチャンピオンシップで初優勝を果たし、この快挙は国内サッカーの発展を象徴する出来事となりました。さらに、2017年にパク・ハンソ氏がベトナム代表監督に就任すると、チームは次々と成果を挙げます。2018年にはAFC U-23選手権で準優勝し、AFFスズキカップでは10年ぶりの優勝を果たしました。これらの歴史があり、サッカーがベトナム国民にとって誇りと喜びをもたらすスポーツになりました。

その後も、2019年アジアカップ準々決勝進出やSEAゲームズ(東南アジア競技大会)の優勝、そして、ASEAN三菱電機カップ2024での優勝など、代表チームは数々の偉業を成し遂げています。

サッカーの試合がある日は渋滞になりやすい

サッカーがいかに国民に影響を与えるかは、試合の日の街の様子を見れば一目瞭然です。特に代表チームの試合が行われる日は、都市部の交通状況が大きく変化します。首都ハノイやホーチミンでは、試合前後にスタジアムや街頭の大型スクリーンに向かう人々で道路が混雑し、交通渋滞が発生します。

さらに、試合で勝利した後には、さらなる熱狂が待っています。バイクに乗ったサポーターたちが国旗を掲げて街中を走り回る、祝勝パレードが自然発生的に行われるのです。2018年のAFFスズキカップ優勝時には、数万人の市民が主要都市に繰り出し、深夜まで歓声クラクションの音が鳴り響きました主要道路が完全に麻痺するほどの混雑が生じたこの歓声ムードは、ベトナム国民がいかにサッカーを愛しているかを物語る象徴的な出来事と言えるでしょう。

まとめ

ベトナムサッカーの情熱は、ASEANカップでの代表チームの快挙や、国内リーグでの名門クラブの活躍を通じて、ますます強まっています。現地での観戦はもちろん、オンラインで気軽に楽しむ方法も充実しているため、サッカー好きのあなたもぜひベトナムサッカーの世界に触れてみてください。

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

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