ベトナムのビザ・労働許可証取得の基本情報/注意点(2022年12月時点)

ベトナムのビザ・労働許可証取得の基本情報/注意点(2022年12月時点)

日本本社からベトナム支社へ駐在員を派遣したい!
ベトナム法人が独自で日本人を採用したい!

など、ベトナム国内にある企業で日本人(ベトナムでは外国人になります)に勤務をしてもらう場合、ベトナムでは労働許可証=ワークパーミットの取得が必須になります。

労働許可証の取得は、ベトナムで外国人を雇用する法人、ベトナムで働く外国人の義務であり、必要な手続きです。
この労働許可証が無いと、ベトナムで働くことはできず、最悪の場合、ベトナム法人は罰則や業務停止などのペナルティを受ける可能性もありますので、注意が必要です。

最近では、とくに新型コロナウイルスの影響で労働許可証の取得ハードルが高くなっています。
事実、2021年以降、取得が難しくなったことでベトナムで働くことができない外国人が多く現れました。

本記事では2022年12月時点での労働許可証(ワークパーミット)やベトナムビザの種類・取得方法について解説します。新型コロナウイルス後の法改正の変更点や注意事項なども記載しておりますので、参考にしてください。
*2021年9月9日の新法改正に基いた情報(2022年12月5日執筆)となります。

 

ベトナムビザの種類とビザの取得方法

ベトナムビザの種類

ベトナムへ渡航する前に、まず考えなくてはならないのはビザです。

15日以内の観光目的のベトナム滞在であれば、日本のパスポートがあればベトナムビザ取得は必要ありません。
しかし、15日以上ベトナムに滞在する場合はベトナムビザの取得が必須となります。

ベトナムビザの種類は全部で20種類あります。滞在目的によって取得するビザの種類が異なるため、取得申請時には、どの種類のビザが適しているか調べておくことが重要です。

ベトナムのビザ 種類一覧表

タイプ 対象者 最長期間
NG1 共産党書記長、国家主席、国会議長、首相に招かれた代表団のメンバー 12ヵ月
NG2 党中央常務委員会、国家副主席、国会副議長、副首相、祖国戦線主席などに招かれた代表団のメンバー 12ヶ月
NG3 外国の代表機関、領事機関、国連に属する機関などのメンバーとその家族、使用人 12ヶ月
NG4 外国の代表機関、領事機関、国連に属する機関などに就労する人やそれらの期間を訪問する人 12ヶ月
LV1 党中央に属する機関、国会、政府、祖国戦線、最高人民裁判所、最高人民検察院、国家監査院、中央省庁、中央直轄市・省の人民委員会などに就労する人 12ヶ月
LV2 政治・社会組織、社会組織、ベトナム商工会議所に就労する人 12ヶ月
DT 外国人投資家、外国人弁護士 5年
DN ベトナム企業を訪問する外国人 12ヶ月
NN1 国際組織のプロジェクト、外国の非政府組織の駐在事務所の所長 12ヶ月
NN2 外国企業の駐在員事務所、支店の代表者および外国の経済組織、文化組織、その他専門組織の代表者 12ヶ月
NN3 非政府組織、駐在員事務所、外国企業の支店、外国の経済組織、文化組織、その他の専門組織の駐在員事務所に就労する人 12ヶ月
DH3 研修・学習する人 12ヶ月
HN 会議やシンポジウムに参加する人 3ヶ月
PV1 常駐するジャーナリスト 12ヶ月
PV2 短期期間の活動を行うジャーナリスト 12ヶ月
LD 外資の企業に就労する人 2年
DL 観光客 3ヶ月
TT LV1、LV2、DT、NN1、NN2、DH、PV1、LDビザが発給される外国人の両親や配偶者および18歳未満の子供かベトナム国民の両親、配偶者、子供 12ヶ月
VR 親族訪問、その他の目的の人 6ヶ月
SQ 出入国管理法第17条3項に該当する人 30日

 

このように見ると、種類が多岐にわたっており、一見複雑です。
特別な理由や背景がない限り、上記の観光ビザ(DL)やビジネスビザ(DN)の取得について調べておけばよいでしょう。

ベトナムビザの取得方法

ベトナム大使館・領事館で申請し、取得します。
パスポートと証明写真(3cm x 4cm)に加えて申請書(大使館ページよりダウンロード可能)と申請料を合わせてベトナム大使館・領事館にて申請します。

在日ベトナム大使館・領事館であれば、観光ビザの発行は即日に行われ、直ぐに取得出来ます。
ベトナム大使館ページはこちらからお願いします。

ビザの種類が決まれば、次に労働許可証(ワークパーミット)について考える必要があります。
労働許可証(ワークパーミット)があって、はじめてベトナムで正式に働けるようになります。

ベトナム労働許可証(ワークパーミット)の種類

ここではベトナムで働くのに必要な労働許可証(ワークパーミット)について説明していきます。
労働許可証(ワークパーミット)の種類は3つあります。

  1.  管理者/経営者・・・ベトナム現法の社長など
    ・企業組織における管理者としてのスキルを有していること。
  2.  専門家・・・営業職やバックオフィスのスタッフなど
    ・ベトナムで就労するポジションに関して「大卒+3年以上の実務経験」又は「国家資格+5年以上の実務経験」を積んでいること※【補足】2021年9月の規制緩和により、「卒業した学部」と「職務経験」は関連性がなくとも条件クリアに変更!
  3.  技術者・・・特殊なスキルを有したメーカー技術スタッフなど
    ・「関連分野の技術に関して1年以上のトレーニングを積み、関連分野で3年以上の勤務経験があること」※【補足】2021年9月の新法改正により、大卒でなくとも”技術者としての実務経験を5年以上有れば”条件クリアに変更!

 

新型コロナウイルス以降、厳しくなった点について

新型コロナウイルスの大流行で世界の経済や政治は、かつてない大混乱に陥りました。

ベトナムにおいても例外ではなく、労働許可証(ワークパーミット)についても取得が厳しくなりました。

これまで、労働許可証の種類は3種類あると説明してきましたが、法改正により、審査基準が厳しくなったのは「専門家」の労働許可証です。
具体的には、法改正の前までは高卒でも、「専門家であることの証明書」という定義があいまいな書類さえあれば「専門家」として申請が通っていました。

しかし、2021年9月の法改正後は「大卒+3年以上の実務経験」または「国家資格+5年以上の実務経験」でないと審査が通らなくなりました。

 

新型コロナウイルス以降、緩くなった点について

「専門家」については厳しくなりましたが、「技術者」については逆にゆるくなりました。

法改正前では、3年以上の実務経験に加えて「1年以上の研修経験」の証明書が必要でしたが、2021年9月改正後は、新しい枠組みが増え、「5年以上の実務経験」の証明書のみでも申請可能となりました。

つまり、「専門家」と違って、技術者では、「高卒でも5年以上の経験さえあれば申請ができる」ことになり、シンプルになった点は大きなポイントと言えます。

また、今回の法改正で、ベトナム人と結婚された方は、労働許可証を取得しなくてもベトナムで働くことができるようになりました。

 

労働許可証(ワークパーミット)を取得する際の注意点

実際に労働許可証(ワークパーミット)を取得する際の注意点について説明していきます。

ベトナムという国は書類の手続きなど、必要以上に時間がかかります。
日本でもお役所仕事は時間がかかりますが、体感では日本の2~3倍以上の時間が必要です。
時間に余裕を持って申請しないと「滞在ビザが切れた!」などの事態に巻き込まれる可能性も高くなります。

労働許可証(ワークパーミット)を取得する場合は全て自分一人で申請する人はほとんどおらず、ベトナム法人の総務スタッフなどに依頼するケースが大半です。
その場合、上述した「観光ビザ=滞在期限3ヶ月」のビザを持ってベトナムに入国し、直ぐに労働許可証(ワークパーミット)の申請を進め、3か月以内に取得する。

というフローになります。

ワークパミット取得の基本的流れ

  • 観光ビザでベトナムに入国
  • 入国後、ベトナム法人のスタッフに頼んでワークパーミットを申請
  • 1~2ヶ月掛かる
  • 観光ビザの期限(3ヶ月)が切れる前にワークパーミット取得
  • 取得した日から2年間はワークパーミット有効

 

観光ビザの期限が切れる前に労働許可証(ワークパーミット)の許可がおりれば、2年間は何も気にすることなくベトナムで働くことができます。

ベトナムで働く多くの日本人の方はこのフローで労働許可証(ワークパーミット)を取得しています。

まとめ

以上、ベトナムで働くために必要なビザと労働許可証(ワークパーミット)について説明させていただきました。

新型コロナウイルス前後で法改正が加わり、「専門家」の申請基準が厳しくなり、「技術者」の申請基準がゆるくなりました。

今後も社会情勢に応じて変更が加えられることが予想されますので、ベトナム現地企業のスタッフと連携して日頃から最新情報を取っておくことをオススメします。

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

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