ベトナムといえば、かつてフランス植民地時代に建築されたコロニアル建築の街並みや、メコンデルタの雄大なジャングルなど、都会的な雰囲気とゆったりした自然が融合した独特の雰囲気が特徴の国で、近年では日系企業を含む外資系企業の海外進出先として注目されています。
今回は、知っておきたいベトナムの歴史や変遷、日本との意外な関係について解説し、ベトナムでのビジネス・生活を始める上での予備知識となるようにわかりやすく解説していきます!
ベトナムといえばベトナム戦争?
ベトナム戦争の悲惨な光景は報道などで印象的な方も少なくないのではないでしょうか?
ベトナム戦争は1954年から1975年まで続いた戦争です。「ベトナム軍」対「アメリカ軍」というイメージがありますが、ベトナム戦争の背景には各国の思惑や世界情勢などが複雑に絡み合い、ベトナムが争いに翻弄されてきた歴史があります。
それでは、ベトナムはどの国と戦っていたのでしょうか?経緯から簡単におさらいしていきましょう。
ベトナムを植民地支配したフランス
1847年、植民地支配を広げるフランスがベトナム・ダナンを侵攻し、1885年から1945年の60年間にもおよび宗主国としてベトナムを植民地支配しました。
第二次世界大戦後の1946年、支配を復活させようとしたフランス(第四共和政)とベトナム独立同盟(ベトミン)が衝突し、これを皮切りにベトナム全土、周辺諸国(ラオス・カンボジア・インドシナ)独立戦争が拡大・長期化しました。
そしてディエンビエンフーの戦いでフランスがベトナム独立同盟(ベトミン)に敗れたことから、1954年ジュネーブ協定が結ばれ和平成立しました。
フランスが去った空白に介入したアメリカ
ベトナムはフランスからの独立を果たしましたが、フランスとの和平条約に反対したアメリカは、反共産主義を掲げる「南ベトナム軍」に介入し、サイゴン(今のホーチミン)に傀儡政権ベトナム共和国(南ベトナム)を設立しました。
こうして、ベトナムは南北に分断され、ベトナムの統一を巡ってベトナム戦争が始まることになりました。ベトナム戦争は1965年アメリカ軍が本格的に参戦したことで激化し、アメリカ軍が軍事支援や枯葉剤散布をするなど、ベトナム戦争は泥沼化し激化していきました。
そんな中ベトナム戦争で活躍したのが、かの有名な「ホーチミン氏」です。
当時、ホーチミン氏が北ベトナムを率い勝利へ導いたことから、現在までベトナムでは国民から最も敬愛されている指導者となっています。
ホーチミン氏は、フランスからの独立戦争からベトナム戦争での南北統一までその最前線で活躍し「ベトナム建国の父」とたたえられています。
1976年に統一国家であるベトナム社会主義共和国が誕生した事を機に「サイゴン」だった地名も「ホーチミン」と改められました。
ベトナムではホーチミン氏の肖像画が紙幣全てに印刷されていたり、街中の至る所に肖像画や銅像などを見つけたりすることができます。現代でもベトナム人から敬愛され、心の拠り所になっていることが伺えますね。
ハノイには「ホーチミンの家」や「ホーチミン廟」、ホーチミン市には「ホーチミン博物館」などホーチミン氏の足跡を知ることができるスポットが国内に数多くあります。
4月30日はベトナムにとって特別な日
1975年4月30日にサイゴンが陥落し、長く続いたベトナム戦争は終結しました。
この日を「南部解放記念日」としてベトナム全土で軍事パレードや文化イベントが開催され、戦争の犠牲者を追悼して平和への願いを新たにしています。
南ベトナム軍の重要拠点であった南ベトナム大統領官邸(現在の統一会堂)は、いまでは観光地として内部を見学することができ、当時の砲撃跡や地下の軍事施設などから歴史を感じることができます。
現在までに当事者であるベトナムやアメリカ、フランスはもちろん、他の国々でもベトナム戦争に関する映画や書籍が数多く制作されていますので、ご興味をお持ちになられた方は是非チェックしてみてください。
制作時期や各国の視点によって、作品に描かれるものが変わったり、こちらの受け止め方も変わったり、様々な角度から考察することができますね。
ベトナム独立と日本軍の関係性は?
ベトナムには日本軍も侵攻した歴史があり、ベトナムでの日本軍のイメージも気になる方も多いのではないでしょうか?ベトナム独立と日本軍の関係を解説していきましょう。
第二次世界大戦で日本の支配下に
時代は戻り、第二次世界大戦中1940年に日本軍のインドシナ進駐を開始したことから、ベトナムはフランスと日本の二重支配を受け反仏・反日闘争を展開していました。
第二次世界大戦後に日本からの支配が終わり、フランスは改めて宗主国になろうと画策します。しかし、第二次世界大戦でベトナムに駐留していた日本兵がフランスからの独立を目指すベトナム独立同盟に協力しました。
ベトナムに残っていた日本陸軍の軍人は、ベトミンの軍事幹部養成の士官学校で戦術を教え、その戦術がのちのディエンビエンフーの戦いでも生かされたということです。
第二次世界大戦で日本軍は「アジア解放」を掲げてベトナムや周辺の東南アジア諸国へ侵攻していました。戦争は混乱をもたらし、多くの悲しみや犠牲者を生みました。
このように戦争は肯定できませんが、戦争終結後も日本に帰国せず現地に残りベトナムの国の未来を考え、独立に協力していった日本人がいたという歴史も読み取れます。
ベトナム戦争以前はどんな国だった?
古代から産業と交易が盛んな国
ベトナム人の祖先は、紀元前2000年頃に中国からベトナムに移住して来たと言われています。
ベトナムには現在54の民族がいるとされていますが、その中でもキン族(ベト族)は全体の9割近くを占めています。北部の平野や丘陵地帯に住み、青銅器時代の文明を築きました。
またベトナム中部には2世紀から17世紀頃まで続いた「チャンパ王国」が存在し、東西交易の要所を抑えインド・クメール・ジャワとの海洋貿易を通じて、隆盛を極めました。
「ミーソン遺跡」ではヒンドゥー教の影響を受けたチャンパ王国の寺院や祭壇など世界遺産を見ることができます。
他国からの干渉と抵抗の歴史
このような産業や交易の利益を求めて主に中国や近隣国からの侵攻が繰り返され、紀元前2世紀から10世紀頃中頃までの間ベトナムには、漢、唐、宋、元、明、清などの中国王朝が侵攻し、ベトナムは中国の属国となり王朝を立てて抵抗と独立を繰り返しました。
1428年、地方豪族の(レ=ロイ)が挙兵し中国の明をやぶり黎朝を建国して独立を果たし、中国の歴代王朝との間で朝貢関係を維持するようになります。
黎朝はチャンパ王国も滅亡させ勢力を拡大していきましたが、国王が短命などの理由で混乱し王権は衰退していきました。
その後1802年、阮福暎(かりゅうてい)が阮朝(グエンちょう)を成立させ、ベトナム全土を統一した王朝「南越国」となりました。しかし、フランス軍の侵攻によりフランスの植民地時代へと移ることになります。
日本とも交易の歴史がある
16世紀に国際貿易港として栄えたベトナム中部にあるホイアンは、当時江戸時代だった日本とも朱印船貿易で交易を盛んに行いました。
1601年から本格的に行われた貿易により、ホイアンには多くの日本人が移り住み日本人街が形成されました。
そのため、今でもホイアンには伊勢うどんをルーツとする麵料理「カオラウ」や日本の建築技術を用いて造った邸宅などが残っています。また、ホイアンのランドマークである「来遠橋(日本橋)」も必見です。
ベトナムの近代化と経済成長
現在では、高層ビルが立ち並び経済成長が注目される国となりましたが、ベトナムはどのように近代化を成し遂げていったのでしょうか?
前述してきたように、ベトナムの歴史は他国からの侵略と独立を繰り返してきました。
「ベトナム建国の父」であるホーチミン氏は、ベトナムが独立を果たすためには国民の団結が必要だと考えました。そこで、ソ連の革命家レーニンの思想を基に「マルクス・レーニン主義」を掲げて社会主義国家を目指しました。
ホーチミン氏の思想は平和・仁愛・人文を基に、各民族間の友好を促進させる事に重きをおき、人民の幸せや平和を願うものです。この考え方がベトナム国民や共産党員のお手本となり現代にも続いています。
ドイモイ政策と国際社会への参加
なぜドイモイ政策に転換した?
国際社会への参加を進めることを目標に1986年からドイモイ政策を導入し社会主義の緩和を行いました。ドイモイ政策に転換したきっかけは、またもや戦争です。
1979年カンボジアのポル=ポト政権と友好関係にあった中国は、ベトナム北部に侵攻し中越戦争を起こしました。これをきっかけにベトナムはカンボジアとも衝突することになりました。
そのため当時、ベトナム戦争とカンボジア・ポル=ポト政権の制圧といった戦争で疲弊したベトナム国内は、生産・経済活動が停滞してしまいました。
しかし同時期にソ連の「ペレストロイカ」が起こり、これにならって経済政策の転換が進められていったのです。
「ペレストロイカ」とは
ロシア語で「建て直し」「再編」を意味する。1986年旧ソ連ゴルバチョフ政権によって進められた。社会主義経済の停滞を打破するための外交政策の転換や市場経済導入を柱とした経済改革。
ドイモイ政策で掲げられている内容
農業の自由化
農業分野における規制を緩和し、自由な競争を促進することです。これにより、農業生産の効率化が図られ、農業価格の低下が期待できます。
企業の民営化
政府が所有する企業を民間に売却したり新たに法人を設立したりすることです。企業の経営効率化が図られ、経済成長につながることが期待できます。
外国投資の受け入れ
外国からの投資を呼び込むことです。これにより、外国企業の技術やノウハウが導入され、経済成長につながることが期待できます。
インフラの整備
道路、鉄道、電力、水道などのインフラを整備することです。企業活動や生活の利便性が向上し、経済成長につながることが期待できます。
教育・医療の改善
教育水準や医療水準を向上させることです。これにより、労働力の質が向上し、経済成長につながることが期待できます。
これらの政策の結果、ベトナムは大きく経済成長を遂げることができました。
また、1995年にはASEANに加盟し1998年にはAPECに参加するなど、周辺諸国との貿易や投資などの交流、経済協力が一層加速していきました。
2007年にはWTO世界貿易機関に正式加盟し、国外市場への進出を進めていき加盟年度には輸出入総額が大幅に増加するなど貿易の自由化が進みました。
このような国際社会への進出を背景に、2022年にはGDP国内総生産成長率は8.02%に達し、2011年~2022年までの過去10年間で最高となりました。
まとめ
ベトナムの歴史は繰り返された戦争の苦しみ抜きには語ることはできません。これらを乗り越え、政策を転換し経済成長を図って現代に至っています。
また、平和な現代のベトナム国家を築いたホーチミン氏の活躍や思想はベトナムを理解する上で欠かせないものとなっています。
この記事がベトナムの歴史を知る上で、参考になりましたら幸いです。
ベトナム情報週刊コラム
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- 2025.10.15
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- 2025.10.14
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- 2025.10.13
- ベトナム・ハノイでの休日の過ごし方
- お休みは、自分をリラックスさせ、充電するのに必要な時間です。普段の生活から離れて、ゆっくりと過ごしたりどこかに行こう!と考えていても、いざ休みになると、腰が重くなったり、休みの日をどのように過ごしたらよいか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。 せっかくの休みなので自分の好きなように過ごすのが一番ですが、新しい趣味を始めたり、旅に出てみたり、何か新しいことに挑戦してみたりすることで、自分の視野を広げ、ベトナムライフをより豊かにすることができるかもしれません。 休みの日の過ごし方には、さまざまな方法がありますが、観光地を一通りまわり終えたハノイ在住の筆者のライフスタイルに基づき、いくつかの例を挙げてみましょう。 ハノイ旧市街は、ベトナムの首都ハノイの中心部に位置する歴史的な地区です。10世紀に建てられたタンロン城の城下町として発展し、19世紀にはベトナム最大の商業都市となった古き良き街を感じるハノイの代表的な観光地です。 旧市街は、当時を支えた36の職人組合別の通りに区切られています。例えば、ハンコアイ通りは金属製品、ハンガイ通りはシルク製品など商品ごとに区分され、これらの通りには、昔ながらの職人や商品が軒を連ね、活気に満ちているのでランチや買い物がてら散歩するだけで楽しく、筆者は休日このエリアに行くことが大半です。 日常生活で足りない物が出た時には休みを利用して買い物へ行きます。商品ごとに分かれているので、見つけやすく、街並みを眺めながら観光して、お土産なども購入しやすいです。 まさに、観光者には一石二鳥なスポットです。たくさんの通りがあり、1日では観光しきれないので好みの通りを見つけるか、数日に分けて散策することをお勧めいたします。人気の観光スポットの玉山祠(ぎょくさんじ)や、ホーチミン廟、ホーチミン博物館、ハノイ大教会なども近いので、観光したい場所に合わせて通りを選ぶのも楽しいです。 このエリアは金、土、日曜日の夜間にはナイトマーケットが開催され歩行者天国になります。夏季は19:00~24:00、冬季は18:00~24:00ですが時間通り開催されるかはご愛敬。時間に余裕を持っていくと良いでしょう。 ナイトマーケットも色々な物が売っており、小物や洋服、靴におもちゃなど、掘り出し物があったりします。価格は全体的に低めですが、観光客価格は存在するので価格交渉をするかベトナム人の友人に同行してもらうと驚くほど安く買える品も多々あります。 毎週行われているので混雑具合にはかなりばらつきがあり、歩行者の数が多過ぎてすれ違うのも一苦労の日もあれば、状況変わり人が少ない日もあります。地元民も観光客も一気に集まるので、異国情緒漂うお祭りのような雰囲気です。 先ほど紹介したエリアから目と鼻の先にあるドンスアン市場。ハノイ市街地では最大規模の面積を誇る3階建ての屋内市場です。5つのアーチ型の屋根が特徴的な巨大な建物で、地元の人たちの暮らしに密接した市場です。 衣料品、雑貨、食品、お土産など、あらゆる商品が揃っているドンスアン市場は、観光客にも人気のスポットで入場は無料です。朝7:00~夜18:00頃まで開いているのですが、お昼の時間はお店の人たちがランチ休憩で外出していたり、店内の商品の上で寝ているのが日常です。そんな「ゆるさ」も理解してから行くと、より楽しく散策できると思います。 1階は靴や雑貨、2階は衣料品、3階は子供服がメインです。また、外回りには食品関係のお店が多く並んでいます。 観光客も多いので英語でコミュニケーションがとれる人もいますが、観光客には高めの値段を提示されることがあります。食材や日用品は誤差の範囲ですが、某メーカーの人気イヤフォンなどは言い値なので、違うところで聞いたら3倍近くぼったくられていた、なんてことも筆者はありました。 逆もしかりで、すごく安く購入出来ていたこともあり、事前にしっかりと相場を調べて値段交渉をすることが必要です。相場がわかって交渉するのと、そうでないのとでは雲泥の差となります。元々の値段がとてもリーズナブルなので、良心的な価格を提示してくれてるにも関わらず値切ってしまい、現地の友人に笑われたこともありました。 さらに値引きもしやすくなるコツはまとめ買いです。値段が安すぎる場合には追加で量を増やしてくれたり、違うものをプレゼントしてくれたりと、ベトナム人はとても気前が良く優しい人が多いです。 こちらもナイトマーケットのエリアに含まれるので、昼と夜では雰囲気が全く違います。厳密にいえばどちらも36通りのナイトマーケットの一部ですが、どちらも渋滞がすごいので帰りは歩いて少し離れてからタクシーを呼ぶと良いでしょう。 日々の疲れを癒すなら間違いなくマッサージですよね。できることなら毎日だって受けたいストレス解消法。 ベトナムのマッサージは、東洋医学に基づいた指圧マッサージやオイルマッサージが主流です。手のひらや指先を使って、筋肉や骨格のツボを刺激し、血行を促進します。ベトナムのマッサージは、痛みがなく、リラックス効果が高いのが特徴で、価格も日本に比べると安価です。 街の格安マッサージからラグジュアリーなスパまで幅広くありますが、一般的に日本のマッサージでは10分1,000円が相場と言われています。 一方でベトナムではお店や施術内容によって異なりますが、一般的に、1時間のマッサージで、200,000VND(1,193円/2023.6.5レート)~500,000VND(2,982円)です。日本の半額から5分の1程の料金で施術が受けられます。 マッサージのメニューは大きく分けて下記の3種類に分類され、ボディマッサージにはでホットストーンやオイルなども選択できます。 フットマッサージ: 足のツボを刺激することで、疲労回復やむくみ解消に効果的です。ソファに座って30分から受けられるので、時間がない時におすすめです◎ ボディマッサージ: 全身の筋肉をほぐし、血行を促進します。60分からのコースが多く、上半身もしっかりマッサージされたい時にはこちら。 ヘッドマッサージ: 頭皮や顔のツボを刺激することで、リラックス効果や美容効果が期待できます。ボディマッサージに組み込まれていることも多いですが、ヘッドマッサージのみやボディマッサージ+ヘッドマッサージも可能です。 ※日常生活ではチップ文化はありませんが、マッサージではチップが必要なことが多いです。料金メニューの5~10%が相場とされております。基本的には施術をしてくれたマッサージ師に直接渡しますが、お会計で一緒に支払うシステムもあります。強制ではありませんが、チップ込みの記載がない店舗ではよほどひどい施術ではない限り、渡した方がスムーズです。 店舗により、伝統的なベトナム式マッサージやタイ古式、アロママッサージなど、さまざまなマッサージを受けることができます。また、サウナやジャグジーなどの設備も充実しています。ヘッドスパやフェイシャルなどのエステメニューも充実していて、店舗内は広々としており清潔に保たれ且つラグジュアリーなところも多いです。 ざっくりとした、マッサージのカテゴリーは下記の通りです。 格安マッサージ(100,000~300,000VND):最低限の清潔さでサービスやラグジュアリーさには欠けるが、格安。毎日行くなら◎60分100,000VND(約500円)~ ラグジュアリー街スパ(500,000~1,200,000VND):街中にあるラグジュアリーで接客レベルや清潔感の高いスパ。リラクゼーションを求める女性にはおすすめ。 高級ホテルスパ(1,000,000~3,000,000VND):五つ星ホテルなどに併設された、最高級スパ。ベトナムの中では最高級ですが、日本の5つ星ホテルのスパと比較すると、リーズナブルなのでたまには自分へのご褒美に! 上記から用途や頻度に合わせて、お気に入りのお店を見つけるとベトナムでの快適生活が待っているのではないでしょうか。 バッチャン村は、ベトナム北部、ハノイ市の中心部から南東約15kmに位置する村で、ベトナム観光の人気スポットの一つです。1,000年以上の歴史を誇る陶器の産地で、ベトナムでも有数の陶器の産地にも関わらず人口は5000人ほど。 バッチャン村で作られる陶器は、土の質が良く、その作業のほとんどが手作りで作られているのが特徴です。バッチャン村の陶器は、ベトナム国内だけでなく、フランス、日本、韓国、ロシア、イタリアなど世界中で人気があります。 その多くは白地に青や緑の絵付けが施されたものが特徴で、絵付けには、自然のモチーフや伝統的な文様が用いられます。素朴で温かみのある風合いが魅力でしたが最近では近代的なデザインも増え、新たなファンを獲得し続けている。 バッチャン村の中には、多くの陶器の工房やお店があります。工房では、陶器の製造過程を見学したり、陶器作り体験をすることができます。お店では、バッチャン村で作られた陶器を買うことができます。 タクシーやバスで簡単に行くことができ、ハノイ市内からバッチャン村までの所要時間は、約30分~40分と上記と比べると気持ち遠いですが小旅行気分が味わえ、気晴らしになります。 女性に人気なスポットですが、カップ、皿、陶器の絵、陶磁器のアクセサリーなどの陶器製品は多様なので、男性も楽しめるスポットです。ぜひ陶器の工房やお店を訪れてみてください。 現代社会は、常に何かに追われているような感覚があります。仕事、家事、育児、人間関係など、私たちは常に何かしらのプレッシャーを感じています。そのため、つい肩に力が入り、知らぬ間に緊張状態となっている場面も多いと思います。 肩に力が入っていると、身体にも心にも悪影響が出てきます。イライラ、不安、焦りなどの感情を抱きやすくなってしまい日常でストレスを感じやすくなります。 そうなる前に休日ぐらい好きなことを好きなだけして、日頃の自分にご褒美をあげるのはどうでしょう?ハノイはリーズナブルに贅沢ができるのでおすすめです。紹介したエリアやマッサージ&スパの店舗紹介は観光地紹介と共に別記事で詳細に紹介していきますのでお楽しみに。それでは皆様に良い休日が訪れますように。