ベトナムでの転職や移住を考えている方々にとって、来る前に知っておきたいのが現地での生活費ではないでしょうか。
ベトナムはなんとなく発展途上国というイメージがあり、漠然と物価は日本よりも安いと思われている方も多いですよね。
旅行に行ってみるとなんとなく分かる現地の相場ですが、住んでみて初めて分かる家賃、光熱費、通信費…
そこで、ホーチミン在住の女性筆者の、超リアルな1か月の生活費をどどんと大公開!
さらには現地での生活情報も紹介していきます◎ベトナムに来てスムーズに生活が始められるようにこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
ベトナム人の所得について
まず、現地の物価感をつかむために分かりやすい、ベトナム人の平均所得についてお話していきます。
2022年7月のJETROの発表によると、ベトナム人の平均月収は6,600,000VND=約3万8,280円、年収にすると約79,200,000VND=約46万465円となります。
とはいえ、ホーチミンやハノイなどベトナムの中心の日系企業で働くオフィススタッフは1.5~2倍近く、さらには副業をしているベトナム人がほとんどなので実質の可処分所得は上記より高いと思われます。
ベトナムの労働法では原則副業を禁止としていないため、副業はベトナムの文化です。タクシーの運転手や塾の講師など副業で務める業務は多岐に渡り、能力を活かして収入を増やしています。
一方で、ベトナムで働く日本人には『日本人の給与水準』があるので、現地のベトナム人スタッフと同業務にあたらない限り上記給与水準に当てはまらないのが実情です。
そのためベトナム人同様のローカルエリアに住み、ローカルレストランで食事を取り、自分自身でバイクを運転して生活をしていれば給与の大部分を貯金に充てることもできます。
ホーチミンの物価
それでは実際のホーチミンの物価の目安を知るために、各商品の値段を紹介していきます。
食べ物
食べ物や飲み物は現地のものを調達すると、日本の物価の3分の1程度で購入することができます。
一方で、日本の調味料や食材や輸入品等を購入する場合、3~5倍近くするものが多々あります。こちらはベトナムの関税の高さが大きな要因となっています。
筆者はハノイに住んでいたこともありますが、スイカやマンゴーなどの南国フルーツやきゅうりやなすなどの夏野菜はホーチミンの方が1~2割程度安く、そして美味しい印象があります。
ホーチミンは常夏のため年中収穫できますが、ハノイは四季があり冬場はベトナムの南部から仕入れていることが影響しているのかもしれません。
水(500ml) | 30円(5,000VND)/本(スーパーマーケット) |
ビール(生ビール)@レストラン | 200円(35,000VND)/杯 |
缶ビール @スーパーマーケット | 90円(15,000VND)/缶 |
フォー(ベトナム風うどん)(@ローカルレストラン) | 約250円(40,000VND)/杯 |
バインミー(ベトナム風サンドイッチ) | 約150円(25,000VND)/個 |
なす | 約20円(5,000VND)/本 |
スイカ | 150円~250円(30,000~48,000VND)/玉 |
マンゴー | 60~80円(12,000VND~16,000VND)/個 |
鶏むね肉 100g | 80円(14,000VND)/100g |
日用品
ベトナムは大家族の世帯が多いため、日本と比較すると1つずつの日用品の容量が大きく、その分価格も割安となっています。
しかし食品と比べると意外と高く、日本と同程度の価格帯となっています。
食器用洗剤 | 150円(25,000VND)/個 |
シャンプー | 500~1000円(80,000~15,000VND) |
洗濯洗剤 2kg | 900円(150,000VND)/ 2kg |
ティッシュペーパー | 120円(20,000VND)/個 |
歯磨き粉 | 200円(30,000VND)/個 |
その他雑費
その他の料金は下記の通りで、水道代はサービスアパートの家賃に含まれている場合もあれば、コンドミニアムなどの場合は自身での支払いになりますが、1000円以下と格安です。
また、なんといってもベトナムは携帯電話や通信料金が安いのが魅力の一つです!
一か月あたり500~1000円程度で抑えられるのが嬉しいです◎
水道代 | 800円(150,000VND)/月・一人暮らし |
電気代 | 3,500~4,800円(600,000~750,000VND) |
携帯電話料金 | 550円(90,000VND)/ 月 |
筆者の1か月の生活費
上記でベトナムの物価水準を紹介しましたが、ここからは筆者・日本人女性のリアルな1か月の生活費を公開していきます。
物価は安いと言っても、やはり日本のクオリティやサービスを求めたいものもあります。
特に筆者は自宅の快適さを求めているため、自宅には惜しみなく使い、他の項目で節約しています。
また、美容室やネイル・まつ毛エクステ・化粧品などには惜しまず、納得のいくものを選択しています。
日系サービスを求めると日本と同価格かそれ以上かかるものもありますので、現地のものと日本の物を両方取り入れながら、できる限りコスパよく生活することを心がけています◎
それではここで、リアルな一人暮らし女子の1か月の生活費を大公開!!
生活費の内訳
家賃(1 Bed room/60㎡/築5年) | 110,000円 |
食費 | 15,000円 |
交際費 | 20,000円 |
美容院 | 4,000円 |
まつ毛・ネイル | 4,000円 |
電気代 | 3,500円 |
日用品 | 2,000円 |
交通費 | 2,000円 |
携帯代金 | 500円 |
合計 | 161,000円 |
生活費のポイント①家賃
ホーチミンの家賃は最近上がっており、日本人の女性が安心かつ清潔感があり、住める価格帯は1ルームで最低$400(58,000円)~が目安となります。
多くの場合、家賃はドル表記となっていますので、注意が必要です。
上を見たらキリがないですが、1ルームのお部屋で$350~500、1ベッドルームで$5500~700程度でホーチミンの中心部に住むことができます。
コンドミニアムなどのジム・プール付きなどの物件を選択する場合は1ベッドルームで$800~が目安となります。
日本人に勧められる物件の多くがサービスアパート(洗濯やお掃除サービス付き、家具家電完備、Wifi完備、水道代金込みなど)となっており入居時に家具を購入する必要もありません。また、家賃にWifiなどが含まれていることが多いため、全ての生活費で考えると、日本と比較し非常にリーズナブルな価格となっています。
筆者が住んでいるのはコンドミニアムタイプでサービス付きではありませんが、ジムやプールがついていたり、敷地内にスーパーマーケットやカフェも併設されており非常に治安もよく便利です。
1点注意事項としては、築年数が日本の3倍ほどの劣化速度と言われておりますので、お部屋を決めるときには、実際に部屋を見て判断することをお勧めします。
生活費のポイント②食費
筆者は野菜や果物、お肉などはローカルスーパーで調達しています。
価格は市場<ローカルスーパー<日系スーパー・輸入品スーパーの順ですが、市場では売り手との会話が必要になるため、ある程度のベトナム語と価格の相場を把握していることが必須となります。
日系スーパーなどもあり、慣れるまでは便利ですがローカルスーパーで購入すると野菜や果物は日系の5~6割の値段で購入できます。
一方で日本の調味料や食材は日系スーパーでしか手に入らないものが多く、一通り揃うのはありがたい限りですが、日本で購入する2倍以上の相場です。
日本の調味料や食材はほとんどデリバリーを利用して購入しています。オーダーをしてから30分以内に家まで運んでくれるお店もあり、デリバリー費用も100円程度と非常に便利です。
≪日本食材の料金目安≫
例)丸美屋の麻婆豆腐の素:約700円/箱
例2)乾麺の蕎麦1袋:約650円
例3) 白だし1本 800円
例4) カップヌードル 1個 500円
醤油やみりん、酒などの基本的な調味料は比較的安価なものから5倍近くするものまでさまざまです。
そのため筆者は日本に一時帰国した際に、お気に入りの日本の調味料や乾麺をまとめ買いして持ち帰るようにしています。そうするとベトナムでは安価な食材を購入するだけで自炊ができるので、食費を抑えることができます。
生活費のポイント③美容
女性にとって外せない生活の一つと言えば、美容ではないでしょうか。
ホーチミンには美容院、ネイル、ヘアサロン、エステ、スパなど日本式のサービスや日本人経営のお店が選べるほどあります。
特に美容室とフェイシャルエステに関しては、ベトナムと日本では良しとされている技術が異なるために日系に行くようにしています。
ホーチミンには湘南美容クリニックなどの日本でも有名な企業も進出しており、日本より安価でサービスが受けられるため脱毛やフェイシャルエステをベトナムで始める方も多いんですよ◎
ネイルはベトナムでも非常に人気があるので、ローカルのネイルサロンがたくさんあります。日本語や英語が通じるお店もありますので、安心してお任せすることができます。
筆者は日本語が流暢なベトナム人の方が経営しているお店に通っていますが、日本人の好みをよく知っており、日本人が好きなカラーバリエーションを用意してくれています。
ネイルは1000円からできるので、日本で未経験の方もベトナムに来て始めてみてはいかがでしょうか?
お得な生活情報
GRAB Delivery& Food サービスの活用
ベトナムではデリバリーサービスの人気が非常に高く、タクシー・レストランの料理・スーパーの購入品などを自宅までデリバリーをしてくれます。
そのすべてがGRABサービス一つで利用できます。日本のウーバーイーツ、タクシー配車サービス、スーパーの配達サービスを掛け合わせた非常に便利なサービスです。
筆者はこちらを利用してレストランの料理をオーダーしたり、日用品をまとめ買いしたりしています。
GRABアプリを通して購入することで、レストランメニューの割引が適用されることが多々あり、場合によっては30~50%オフで購入できることもあります。
また、利用していくとポイントが貯まり、購入時の割引に使用することができるのも嬉しいです◎
漢の食材店 木村屋
写真:KIMURAYA Facebook より抜粋
漢の食材木村屋さんでは、各種冷凍のお肉や魚、冷凍のお惣菜などが販売されています。
ベトナムではあまり販売されていない薄切りのお肉もあり、小分けのパックになっているため、一人暮らしの方にも非常に便利でおすすめです◎
さらにすごいのは、オーダーすると30分以内にはもう自宅に届いているという圧倒的スピード感!
≪あ、お肉買い忘れてしまった!≫という時にも頼めばすぐ届くので非常に助かる一軒です。
※Capichiという日本人向けデリバリーアプリからのご注文がスムーズです。
まとめ
こちらの記事では、日本人の一人暮らし女性のホーチミンでの1か月の生活費を公開しました。筆者は取り立てて節制をしているわけではなく、好きな物を食べ、好きなことをしています。
また、東京だと20万や30万円はくだらないジム・プール付きの自宅に住みながら、約16万円ほどの生活費で豊かな生活ができており、非常に満足度の高いベトナム生活を送っています。
そしてまとまった休みには近隣諸国へ旅行へ行ったり、日本へ帰ったりと満喫できるのも嬉しい点ですね。
日本への一時帰国は格安航空を使えば3万円から!海外にいながらも、しっかりお金を貯められるホーチミンライフは最高です!
こちらの記事で、来越した際の生活イメージが明確になり、不安が解消されていたら嬉しい限りです。
ハノイ生活費についてもこちらの記事でご確認頂けますので是非ご覧ください。
ベトナム情報週刊コラム
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- 2025.10.17
- ベトナムドンの将来性
- 外国為替市場は、世界最大の金融市場であり、毎日、数兆ドルの取引が行われています。外国為替市場は、各国の経済状況や政治情勢など、様々な要因によって影響を受けますが、近年では、デジタル化や規制緩和などの動きも見られ、今後もますます拡大していくと予想されています。 その中でもベトナムドンは、国際的に見てまだまだマイナー通貨であるため、情報が少ないです。 インターネットやスマートフォンの普及により、旅行や外国為替取引がより容易になりましたが、旅行に行こうにも、仕事で行こうにも現地通貨の情報が少ないのは不安ですよね。 そこで、本記事ではベトナムドンの将来性や特徴についてご紹介していきます。 いかにも危険そうに聞こえますが、結果として世界中がベトナムドンに注目する良い機会になりました。 1993年から2011年まで、19年連続で貿易赤字を計上していたベトナム。しかし、2016年以降は、6年連続で貿易黒字を計上しています。これは、ベトナム経済が成長し、輸出が拡大したことによるものです。 著しい成長が目立ったのか、2020年12月、米国財務省はベトナムを為替操作国に指定しました。 これは、ベトナム政府が通貨ドンを不当に安く評価し、米国の輸出を不利にしていると判断したためです。しかし、ベトナム政府は、為替介入は為替レートを安定させるための措置であり、米国の貿易赤字とは無関係であると米国の指摘は根拠がないと反論しました。 よって、2021年4月、米国財務省は、ベトナムが為替介入を実施しているという証拠は不十分であると判断し、ベトナムを為替操作国から除外しました。 そして、米国は引き続きベトナムを監視し、双方の意見交換を継続していく方針を示したものの、最終的に2021年12月、ベトナムには為替操作国に該当しないという評価を下しました。 ベトナムが為替操作国から除外されたことで、ベトナムへの内、外需からの投資が活発化することが期待されています。 米ドルの動きを見れば、ベトナムドンの動きも予想することができると言われるように米ドルと強い結びつきのあるベトナムドン。 ベトナムドンの発行量は、2023年6月現在で約1,110兆ドン(約5兆円)です。ベトナムドンの対米ドル為替レートは、2023年6月現在で約23,000ドン/ドルです。 米ドルが円高になった場合、ベトナムドンは円に対して下がる傾向があります。これは、米ドルの価値が上がると、ベトナムドンの価値が相対的に下がるためです。逆に、米ドルが円安になった場合、ベトナムドンは円に対して上がる傾向があります。 事実上(※1)ドルペッグ制と(※2)管理フロートを採用しているベトナム。そのため、ベトナムドンは米ドルの動きとほぼ連動しています。 米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの加速を背景に、2022年より下落傾向となっているが、FRBは、インフレを抑制するため、利上げを継続しており、これは、ドルの価値を高め、ベトナムドンの価値を下げる要因となっていました。 (※1) ドルペッグ制 ドルペッグ制とは、自国の通貨を米ドルに固定する為替相場制度です。ベトナムは、1978年にドルペッグ制を導入し、現在も継続しています。 為替相場の急激な変動を心配する必要がなくなるので、これは、企業の輸出入や投資活動にとって、非常に重要です。 ベトナム経済の発展に重要な役割を果たしているドルペッグ制は、為替相場の安定を図り、ベトナムの輸出入を拡大し、経済成長を促進しました。 (※2) 管理フロート 管理フロートは、為替相場を決定するための制度の一つで、自国の通貨の変動幅を固定し、その幅の範囲内で各国通貨が自由に取引される制度です。 通貨の変動幅は、ベトナム中央銀行によって管理されます。 こちらも、為替相場の急激な変動を防ぐため、また、自国の経済を安定させるために採用されています。 ベトナムでは、この制度により、ベトナムドンの大きな値動きを防ぐことができています。 ベトナムドンと日本円は日々変化していますが、これは日本円と米ドルの動きとほぼ同じです。 また、ベトナム政府は為替操作国から除外されたことを機に、為替政策の透明性を高め、為替市場の安定に努める方針です。 為替相場が安定していることは、企業の輸出入や投資活動にとっても非常に重要ですが、なによりベトナム国民の生活の安定につながります。 ベトナムドンの将来は、当然、ベトナムの経済成長と為替政策に左右されます。 ベトナムの経済成長は、近年堅調で、2021年のGDP成長率は7.5%と、世界平均の5.7%を上回りました。ベトナムの経済成長を支えているのは、以下の3つの要因が大きいです。 労働力人口の増加 輸出の拡大 外国投資の増加 ベトナムには、6,800万人以上の若い労働力人口がおり、この労働力人口の増加は、ベトナムの経済成長の原動力となっています。 また、ベトナムは、中国に次ぐ世界第2位の靴の輸出国であり、衣料品や電子機器などの輸出も拡大しています。さらに、ベトナムは、中国の台頭により、外国投資先として注目されています。 国際通貨基金(IMF)は、ベトナムの2022年のGDP成長率を6.5%、2023年のGDP成長率を7.0%と予測しています。ベトナムの経済成長が続くことで、ベトナムドンの価値も高まると期待されています。 ただし、ベトナムの経済成長には、いくつかの課題もあります。ベトナムのインフレ率は高く、2022年1月時点では6.4%となっています。インフレ率が高いと、ベトナムドンの価値が目減りする可能性があります。 また、ベトナムの財政赤字も懸念されています。ベトナムの財政赤字は、2021年にはGDPの4.7%に達しました。財政赤字が拡大すると、ベトナムドンの信頼性が低下し、価値が下落する可能性があります。 これらの課題はあるものの、ベトナムの経済成長は、急速に進んでおり、今後もその成長は続くと予想されています。そのため、ベトナムの経済成長は堅調であり、ベトナムドンの将来性も明るいと言えるでしょう。 この成長率は中国、インドに次ぐアジアで最も高い成長率です。この経済成長を支えているのは、製造業、観光業、農業などの分野です。製造業では、自動車、電子機器、衣料品などの生産が拡大しています。 観光業では、ベトナムの美しい自然や文化が観光客に人気を集めています。農業では、米、コーヒー、カシューナッツなどの生産が盛んです。 上記の通り、ベトナムの経済成長は堅調であり、やはり、ベトナムドンの将来性も明るいと言って良いでしょう。 生活に欠かせない食費について紹介します。ローカルのスーパーマーケットで購入できる、食品の価格相場です。こちらが現在のレートで計算した商品の価格相場です。 商品 価格相場 (VND) 価格相場 (JPY) ミネラルウォーター (500ml) 5,000 30 ジュース (500ml) 10,000 61 牛乳 (1L) 20,000 122 卵 ...
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- 2025.10.16
- 【ベトナム経済】現在のGDP成長率になるまでの歴史...
- 自分の育った国でも案外と知らない「歴史と経済」 歴史と経済は、無縁なようで私たちの生活に密接に関係しています。経済は、歴史の中でどのように変化し、経済は、歴史にどのような影響を与えてきたのでしょうか? 私たちの生活は「歴史」、つまりは過去の出来事によって形作られています。 歴史は主に国家や文明など人間の社会を対象とする文章や記録、その出来事のことで、例えば、私たちが使っている言葉や文化、法律、制度なども、すべて過去の出来事によって生まれてきました。 そして「経済」とは、物やサービスの生産、流通、消費などの総称です。経済も私たちの生活に密接に関わっており、経済の仕組みを理解することは、私たちの生活を豊かにする上で重要です。 このブログでは、難しくて敬遠しがちな歴史や経済を基礎から解説することで、ベトナムの歴史への理解を深め、経済の動向を把握するお手伝いができれば幸いです。 ベトナムの歴史は、約4000年の歴史があると言われており、ベトナム人の祖先は、紀元前2000年頃に中国からベトナムに移住して来たそうです。 紀元前1世紀に成立した紅河文明は、ベトナム北部に栄えた青銅器時代の文明で、中国の支配を長い間受けたこともあり、中国の黄河文明の影響を強く受けていました。 紅河文明の衰退後、ベトナムには、漢、唐、宋、元、明、清などの中国王朝が侵攻し、ベトナムは中国の属国となりました。 しかし、ベトナム人は中国の支配に抵抗し、1428年には、黎朝を建国して独立を果たし、その後、ベトナムは多くの王朝が続くことになります。 黎朝(れいちょう)とはベトナムの王朝の一つ。 前黎朝と後黎朝とがあるが、一般に後者をさす。 1428年、黎利が明の支配を脱して建てた王朝で、ハノイを首都とし、国号を大越とした。 1527年、臣の莫登庸によって王位を奪われ、1533年復興したが、以後ハノイの鄭氏とユエの阮氏との抗争を経て、1789年西山党の阮氏によって滅ぼされた。 ※参考文献;goo辞書 黎朝は、ベトナム文化の黄金期を築き、ベトナム語の文字であるチュノムや、書道を確立させて行きます。ベトナムで有名なアオザイもこの頃から発展したと言われています。 アオザイとは、ベトナムの伝統衣装です。中国のチャイナドレスから派生した通常、シルクや綿などの生地で作られる膝丈のワンピースです。 ベトナムの文化と伝統を象徴する衣装として、ベトナムの女性の間で人気があり、日常生活やフォーマルな場面でも着用されています。 いくつかの種類がありますが、最も一般的な種類のアオザイは、単色の布で作られたアオザイです。また、花柄や模様の入ったアオザイもあります。 そしてベトナム王朝は、1800年代後半、フランスがスペインと共にベトナムへの攻撃を開始し、占領しを植民地化したことにより幕を閉じます。 その後は、ベトナム史上最も悲しい出来事が起こります。 そう、ベトナム戦争です。 ベトナム戦争は、1954年から1975年まで続いた戦争です。 フランスの植民地時代から独立を勝ち取ろうと戦っていたベトナム北部と、アメリカの支援を受けたベトナム南部との間で戦われました。ベトナム戦争は、アメリカにとってもベトナムにとっても大規模な死傷者を出した戦争であり、その影響は現在まで続いています。 ベトナム戦争のきっかけは、1954年にインドシナ戦争でフランスが敗北したことだと言われています。 ベトナム建国の父と呼ばれ、現在までベトナム国民に愛されているホーチミンさんの活躍があって、ベトナム独立が叶いました。 フランスがベトナムを去った後は、北ベトナムと南ベトナムでは共産主義を掲げる北ベトナムと、反共主義を掲げる南ベトナムとの間で対立が深まりました。 アメリカは、ベトナム南部が共産主義化されるのを防ぐために、南ベトナム政府を支援しました。 ベトナム戦争は、1965年にアメリカ軍が本格的に参戦したことで激化し、アメリカ軍は、北ベトナムへの空爆や南ベトナム軍への地上支援を行いました。しかし、ベトナム戦争は泥沼化し、アメリカ軍の死傷者も増加していきます。 1968年には、ベトナム共産党が南ベトナム全土で大規模な攻勢をかける「テト攻勢」が行われました。この攻勢は失敗に終わりましたが、アメリカ国内でベトナム戦争に対する反対運動が広がっていきました。 1973年、アメリカはベトナムから撤退しました。しかし、ベトナム戦争はその後も続けられ、1975年にベトナム共産党が南ベトナムを制圧して戦争は終結しました。 ベトナム戦争は、アメリカにとってもベトナムにとっても大規模な死傷者を出した戦争です。アメリカ軍の死傷者は約58,000人、ベトナム人の死傷者は約300万人と推定されています。ベトナム戦争は、アメリカ国内に大きな反戦運動を引き起こし、アメリカの国際的地位にも影響を与えました。 20世紀の最も悲惨な戦争の一つであるベトナム戦争は、私たちに平和の尊さ、そして戦争の悲惨さを今もなお教えてくれています。 ドイモイ政策(ベトナム語:Đổi Mới)は、1986年にベトナム共産党が打ち出した経済改革政策です。 社会思想において新方向への転換を目指すものにあたるので、直訳すれば「新しい物に換える」となります。日本語では日本語では「刷新」や「改革」と訳されます。 ドイモイ政策以前のベトナムは、ソ連型の計画経済を採用していましたが計画経済は効率が悪く、経済成長が停滞していました。そのため、ベトナム共産党は、ドイモイ政策を打ち出し、市場経済への移行を開始しました。 ドイモイ政策の主要な内容は、次のとおりです。 農業生産の自由化 農業分野における規制を緩和し、自由な競争を促進することです。これにより、農業生産の効率化が図られ、農業価格の低下が期待できます。 企業の民営化 政府が所有する企業を民間に売却したり新たに法人を設立することです。企業の経営効率化が図られ、経済成長につながることが期待できます。 外国投資の受け入れ 外国からの投資を呼び込むことです。これにより、外国企業の技術やノウハウが導入され、経済成長につながることが期待できます。 インフラの整備 道路、鉄道、電力、水道などのインフラを整備することです。企業活動や生活の利便性が向上し、経済成長につながることが期待できます。 教育・医療の改善 教育水準や医療水準を向上させることです。これにより、労働力の質が向上し、経済成長につながることが期待できます。 ドイモイ政策は、ベトナムの経済成長に大きな効果をもたらしました。1986年以降、ベトナムの経済成長率は年平均7%で成長し、世界でも有数の経済成長国となりました。また、ドイモイ政策により、ベトナムの貧困率は大幅に減少しました。 1995年にASEANへの加盟を果たしたベトナム。国際社会への協調を強めヒト・カネ・モノの稼働がより自由になりました。 ベトナムの社会にも大きな変化をもたらし、市場経済の導入により、人々の生活水準は向上し、自由な経済活動が活発になりました。また、ベトナムは国際社会に積極的に参加し、国際的な地位を高めています。 ドイモイ政策は、ベトナムにとって大きな成功を収めた経済改革政策です。ドイモイ政策により、ベトナムは経済成長と貧困削減を達成し、国際社会で重要な役割を果たす国へと成長しています。 ベトナム経済は、インフレや金利上昇、世界経済の減速などの逆風にもかかわらず、堅調に推移しています。 特に、海外から高度な人材・技術・豊富な資金を呼び込む対内直接投資は堅調に推移しており、工業部門や建設部門の生産を下支えしています。 自動車販売台数は大きく鈍化するなど金利上昇が足かせとなっている動きもみられますが、農林漁業関連も大きく底入れの動きを強めており、生産全体は上向きです。 また、国境再開を追い風に外国人観光客数は増加しており、観光関連や小売関連を中心にサービス業の生産が再開し、業界としても上向きな傾向です。 インフレや金利上昇、世界経済の減速などの影響はあるものの、ベトナム経済は、コロナ禍の影響を完全に克服し、勢いを取り戻しています。 実質GDPの水準は、コロナ禍の影響が及ぶ直前の2019年末時点と比較して15.6%上回っており、昨年通年の経済成長率は8.02%と1997年(8.15%)以来の高い伸びを記録しました。 これは、ベトナム政府の経済政策が功を奏していることを示しています。世界経済の動向や原油価格など、不透明な要因が多く、予断を許さない状況ではありますが、ベトナム経済は、今後も成長を続ける可能性が高いと考えられます。 ベトナムではもともと外国人による不動産購入が認められていませんでしたが2015年7月1日、ベトナムの不動産事業法および改正住宅法施行されビザを所有したすべての外国人による不動産の所有が可能になりました。 今までの法律では一定の条件を満たした外国人しか購入ができず、所有期間は50年間、居住目的のみ購入が可能でしたが、改正法では賃貸目的での購入をみとめ、所有の期間も50年間と延長アリに緩和されました。 ただし、ベトナムでは不動産、土地に関する法律や制度はかなり複雑であり、頻繁に変更される政策や運用、法の規定の修正を正確かつ適時に理解することは、簡単なことではありません。 ※「不動産事業法および改正住宅法」については専用の記事を掲載予定です。 こうしたベトナム不動産制度・規制の複雑さを回避するために多くの日本人含む外国人投資家や個人や投資家の中には知り合いや共通の友人を介しベトナム人の名義を借りて不動産を購入するなどの方法で、不動産投資をするケースも見受けられます。 名義借しによる不動産投資は、トラブルを誘発し、結果として不動産投資が失敗に終わるケースも多いので、十分に留意してください。 この改正法は、有効な手段の一つで、結果的に多くの日本人含む外国人投資家を呼び込み海外資本が流れ込み、経済が動き出したのも事実です。ベトナム経済の大幅な底上げを図りました。 ...
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- 2025.10.15
- ベトナムでの最適なSIMカード購入方法
- 海外に行く時に何よりも手放せないものは、”携帯電話”ではないでしょうか…? ガイドブック片手に右往左往しながら知らない土地を歩くのも一興ですが、今となっては地図を見るのも、レストランを探すのも、レートの計算をするのも、翻訳するのも、なにもかもスマートフォン一つで済んでしまう便利な世の中になりました。 言葉も通じない異国の地で、なによりも味方になってくれる携帯電話。 ベトナムは日本よりも街中でwifiが使える環境が整っておりますが、不安な方が多いと思います。実際に旅行で来越した友人や日本から移住してきた筆者の知り合いにも、100%聞かれるのがベトナムのネット環境についてでした。 そこで、この記事ではベトナム到着後スムーズかつ、お得にSIMカードを購入するための情報をお届けします。 ベトナムに着いてから、『現地のSIMカードが使えない!』なんてことにならないよう、日本で購入したスマホは日本でSIMロックの解除をする必要があります。 SIMロックとは…?📱 SIM ロックとは、特定の携帯電話会社と契約を結んだ際にその会社の回線のみを利用できるようにするため、ロックをかけることです。 例えば、A 社の SIM ロックがかかっている場合は、B 社の SIM カードを差し込んでもを通話やデータ通信ができません。 そのため海外渡航時に現地の通信事業者の SIM カードを利用することが不可能です。 日本の大手キャリアと契約を結び、SIMロックがかかったスマホをお持ちの方は、渡航前にそのキャリアの店舗に行きSIMロック解除の手続きをする必要があります。 日本の大手キャリアのSIMロック解除方法は下記のリンクより確認してみてください◎ ①docomo ②au ③Softbank 渡航前の準備が済んだら、気になるのは現地のインターネット事情ですよね。 実はベトナムは、超インターネット大国! 街中のカフェやレストランに入り、wifiがない店舗はないと言っても過言ではないくらい、至る所に無料wifiが完備されています。 筆者の生活圏内ではカフェ、レストラン、習い事のセンター内、ネイルショップ、などほぼ全てにあるので、自身が契約しているデータを使用するのは街中でマップを見る時くらいです。 そのため1か月で使用する契約しているSIMのデータ使用量は2G程度です。常にスマホが手放せないベトナム人の友人たちも3~5G/月を契約を使用し、wifiを使用していることがほとんどです。 ただ、ベトナムのwifiはスピードが遅かったり、混雑状況によってスムーズに使用できないときもあるので、少し多めのデータ量を購入しておく方がいざという時に安心です。 ここではベトナムの大手通信会社3選をお伝えします。 日本で代表される大手通信会社といえばdocomo・au・Softabankなどがあげられますが、ベトナムではこれから紹介する三つの会社で、実に全体の通信会社のシェアの90%を締めています。 ※画像参照元:Viettel Telecom FACEBOOK Viettelは国防省が所有・運営している国営企業で国内シェアNo.1の会社です。基地局が最も多いViettelは、郊外などに行っても通信が最も安定しているキャリアの一つとなっています。 筆者のプライベート携帯はViettelを使用していますが、様々なプランがあり、スマホのアプリから簡単にプラン変更や料金のチャージもできて便利です。 画像参照元:mobifone FACEBOOK 画像にもある通り、mobifoneは今年創業30周年を誇る、ハノイの情報通信省傘下の通信会社です。3社の中でも最も老舗のmobifoneは、Viettelの次に高いシェアを持っています。 筆者が会社で使用しているSIMはmobifoneですが、Viettel同様通信状況も問題なくアプリを使用してチャージやプラン変更が可能です。 ※画像参照元:vinaphone FACEBOOK vinaphoneは3番目にシェアを誇る通信会社で、ベトナム郵電公社傘下の会社です。シェアは大手3社の中で見ると3番手ですが、最も早く5Gの導入を試みた会社でもあり今後のさらなる躍進が期待されます。 2021年に3200人のハノイとホーチミン在住の方にアンケートを取った結果、mobifoneはネットワークのサービス品質を最も高く評価され、コストと安全性やセキュリティ面ではViettelが最も高い評価となりました。 ※参照元:SOCIALIST REPUBLIC OF VIET NAM Government News 次に、短期でベトナムに渡航した際の携帯電話の使用方法を3つ紹介します。それぞれのメリット/デメリットを確認して、自分のスタイルに合った方法を選んでください。 旅行や出張のために短期滞在で来る方には、ポケットwifiを日本でレンタルするという方法があります。 1日あたりの使用上限によって料金が異なりますが、300~2000円/日が標準的な料金となっています。『ベトナムに着いたらすぐにインターネットが使用できる状態にしたい!』『面倒なやりとりを現地でしたくない!』という方には日本側でレンタルしていけるポケットwifiのレンタルは便利ですよね。 ≪メリット≫ 到着後すぐにインターネットが使用できる SIMロックが罹った状態でも使用できる 現地でのやり取りが不要なので英語やベトナム語ができなくても安心 ≪デメリット≫ 常に端末を持ち歩かなければいけない 端末の充電がなくなったら使用できない 料金がかさむ可能性が高い ...