ベトナムに数少ない長期休暇は、飛行機やドライバー付きレンタカーサービスを利用した旅も良いですが、移動時間をゆっくりと過ごせる情報溢れる列車の旅がおすすめです。ベトナム南北鉄道以外にも、ベトナムには鉄道路線が走っています。そんなベトナム鉄道の路線やチケットの買い方について紹介します。
ベトナム鉄道の路線
南北線(ハノイ・ホーチミン線)
ベトナムの首都があるハノイのハノイ駅とベトナム最大都市のホーチミンにあるサイゴン駅間を結ぶ長距離路線で、南北鉄道や(南北)統一鉄道と呼ばれています。ベトナムでは最長の路線で、全長約1,726kmとなっています。途中、ベトナム屈指のリゾート地 ニャチャン(ニャチャン駅)や中部最大の都市であるダナン(ダナン駅)、ベトナムの古都フエ(フエ駅)を通ります。
便数は1日4往復の列車が設定されており、ハノイ駅とサイゴン駅間を30時間〜36時間で結んでいます。
ハノイ・ドンダン線
ハノイ駅からランソン省のドンダン駅までの区間163kmを結ぶ路線です。 ハノイ駅から2駅目のザーラム駅から中国南寧駅までを結ぶ中越国際列車が出ており、ベトナム国内はハノイ・ドンダン線を通っています。
(ベトナムから陸路で中国へと行く人たちは、南北鉄道一つで行けるような紹介の仕方をされていますが、実際は、ハノイでドンダン線に乗り換え、そしてこのザーラム駅で乗り換えます。)
ハノイ・ハイフォン線
ハノイ駅とハイフォン駅間までの約102kmを結ぶ路線です。 ハノイ駅とラオカイ省のラオカイ駅との約296kmを結ぶ路線です。終点のラオカイ駅からは徒歩で中国国境の街 河口へ行くことが出来ます。
ハノイ・クワンチュウ線
ハノイ駅とタイグエン省のクワンチュウ駅を結ぶ路線です。途中、ノイバイ国際空港の近くを通ることから、将来的には空港連絡鉄道とする計画があります。
ホーチミン・ファンティエット線
ホーチミンのサイゴン駅からビーチリゾートで有名なムイネー・ファンティエットがあるファンティエット駅を結ぶ路線です。途中のビントゥアン駅までは南北線(ハノイ・ホーチミン線)と同じ線となっています。
*これらの路線の他に貨物専用の路線や主要路線の支線、現在運行が中止されている路線があります。
*ホーチミン市のサイゴン駅とカインホア省ニャチャン市のニャチャン駅の区間に走っている「五つ星列車」は南北線(ハノイ・ホーチミン線)を走っています。

チケットの買い方
ベトナム鉄道のチケットを買う時には必ず身分証(パスポートやベトナム国内の運転免許証など)を携帯しておきましょう。ベトナム人だけでなく外国人も身分証の確認をされます。
駅のチケット売り場で買う
一番オーソドックスな方法ですが、英語が出来ないスタッフさんが多いのでベトナム語が話せないとハードルが高めです。気合いで行く場合は、事前に時刻表を確認し、Google翻訳を駆使して臨むのがお勧めです。
オンラインで予約する
ベトナム鉄道総公社(Vietnam Railways=VNR)のホームページの下部にある『mua vé trực tuyến(Online Ticket)』(リンク:公式オンラインチケット購入ページ)をクリックすると、オンライン予約サイトに行きます。
*Googleなどの検索エンジンで検索をすると旅行会社の予約ページが上に表示されるので注意。公式サイトは英語表示にしても注意書きやバナーなどはベトナム語のままですが、旅行会社のページでは英語表示にすると全て英語に切り替わります。

出発地、目的地、出発日、(往復の場合は)到着日を入力し検索ボタンを押します。

列車の絵が表示されるので、寝台車にするか座席にするかを列車の絵を横にスライドさせます。白い部分が空席です。白い部分をクリックして選択。2席以上買うときは、欲しい分だけ選択します。

座席が決まると、右上の『Your cart』と書かれている部分に車両と出発時間席種が書かれているので問題なければ、『Buy Ticket』をクリックします。

画面に表示されている必要事項を入力後、最後に支払い方法を選択します。

基本的には外国人はインターネット決済が出来ない仕様になっているので最下部にある『Thanh toán trả sau(後払い)』にチェックを入れて『NEXT』ボタンを押します。

すると、予約確認メールが送られてくるので、それを持って書かれている期限までに駅のチケット売り場に行き発券します。

ベトナム情報週刊コラム
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- 【ホーチミン生活】現地在住者によるリアル生活費...
- ベトナムでの転職や移住を考えている方々にとって、来る前に知っておきたいのが現地での生活費ではないでしょうか。 ベトナムはなんとなく発展途上国というイメージがあり、漠然と物価は日本よりも安いと思われている方も多いですよね。 旅行に行ってみるとなんとなく分かる現地の相場ですが、住んでみて初めて分かる家賃、光熱費、通信費… そこで、ホーチミン在住の女性筆者の、超リアルな1か月の生活費をどどんと大公開! さらには現地での生活情報も紹介していきます◎ベトナムに来てスムーズに生活が始められるようにこちらの記事を参考にしてみてくださいね。 まず、現地の物価感をつかむために分かりやすい、ベトナム人の平均所得についてお話していきます。 2022年7月のJETROの発表によると、ベトナム人の平均月収は6,600,000VND=約3万8,280円、年収にすると約79,200,000VND=約46万465円となります。 とはいえ、ホーチミンやハノイなどベトナムの中心の日系企業で働くオフィススタッフは1.5~2倍近く、さらには副業をしているベトナム人がほとんどなので実質の可処分所得は上記より高いと思われます。 ベトナムの労働法では原則副業を禁止としていないため、副業はベトナムの文化です。タクシーの運転手や塾の講師など副業で務める業務は多岐に渡り、能力を活かして収入を増やしています。 一方で、ベトナムで働く日本人には『日本人の給与水準』があるので、現地のベトナム人スタッフと同業務にあたらない限り上記給与水準に当てはまらないのが実情です。 そのためベトナム人同様のローカルエリアに住み、ローカルレストランで食事を取り、自分自身でバイクを運転して生活をしていれば給与の大部分を貯金に充てることもできます。 それでは実際のホーチミンの物価の目安を知るために、各商品の値段を紹介していきます。 食べ物や飲み物は現地のものを調達すると、日本の物価の3分の1程度で購入することができます。 一方で、日本の調味料や食材や輸入品等を購入する場合、3~5倍近くするものが多々あります。こちらはベトナムの関税の高さが大きな要因となっています。 筆者はハノイに住んでいたこともありますが、スイカやマンゴーなどの南国フルーツやきゅうりやなすなどの夏野菜はホーチミンの方が1~2割程度安く、そして美味しい印象があります。 ホーチミンは常夏のため年中収穫できますが、ハノイは四季があり冬場はベトナムの南部から仕入れていることが影響しているのかもしれません。 水(500ml) 30円(5,000VND)/本(スーパーマーケット) ビール(生ビール)@レストラン 200円(35,000VND)/杯 缶ビール @スーパーマーケット 90円(15,000VND)/缶 フォー(ベトナム風うどん)(@ローカルレストラン) 約250円(40,000VND)/杯 バインミー(ベトナム風サンドイッチ) 約150円(25,000VND)/個 なす 約20円(5,000VND)/本 スイカ 150円~250円(30,000~48,000VND)/玉 マンゴー 60~80円(12,000VND~16,000VND)/個 鶏むね肉 100g 80円(14,000VND)/100g ベトナムは大家族の世帯が多いため、日本と比較すると1つずつの日用品の容量が大きく、その分価格も割安となっています。 しかし食品と比べると意外と高く、日本と同程度の価格帯となっています。 食器用洗剤 150円(25,000VND)/個 シャンプー 500~1000円(80,000~15,000VND) 洗濯洗剤 2kg 900円(150,000VND)/ 2kg ティッシュペーパー 120円(20,000VND)/個 歯磨き粉 200円(30,000VND)/個 その他の料金は下記の通りで、水道代はサービスアパートの家賃に含まれている場合もあれば、コンドミニアムなどの場合は自身での支払いになりますが、1000円以下と格安です。 また、なんといってもベトナムは携帯電話や通信料金が安いのが魅力の一つです! 一か月あたり500~1000円程度で抑えられるのが嬉しいです◎ 水道代 800円(150,000VND)/月・一人暮らし 電気代 3,500~4,800円(600,000~750,000VND) 携帯電話料金 550円(90,000VND)/ 月 上記でベトナムの物価水準を紹介しましたが、ここからは筆者・日本人女性のリアルな1か月の生活費を公開していきます。 物価は安いと言っても、やはり日本のクオリティやサービスを求めたいものもあります。 特に筆者は自宅の快適さを求めているため、自宅には惜しみなく使い、他の項目で節約しています。 また、美容室やネイル・まつ毛エクステ・化粧品などには惜しまず、納得のいくものを選択しています。 ...

