ベトナムドンの将来性

ベトナムドンの将来性

外国為替市場は、世界最大の金融市場であり、毎日、数兆ドルの取引が行われています。外国為替市場は、各国の経済状況や政治情勢など、様々な要因によって影響を受けますが、近年では、デジタル化や規制緩和などの動きも見られ、今後もますます拡大していくと予想されています。

その中でもベトナムドンは、国際的に見てまだまだマイナー通貨であるため、情報が少ないです。

インターネットやスマートフォンの普及により、旅行や外国為替取引がより容易になりましたが、旅行に行こうにも、仕事で行こうにも現地通貨の情報が少ないのは不安ですよね。

そこで、本記事ではベトナムドンの将来性や特徴についてご紹介していきます。

 

為替操作国に指定されたベトナム

いかにも危険そうに聞こえますが、結果として世界中がベトナムドンに注目する良い機会になりました。

1993年から2011年まで、19年連続で貿易赤字を計上していたベトナム。しかし、2016年以降は、6年連続で貿易黒字を計上しています。これは、ベトナム経済が成長し、輸出が拡大したことによるものです。

著しい成長が目立ったのか、2020年12月、米国財務省はベトナムを為替操作国に指定しました。

これは、ベトナム政府が通貨ドンを不当に安く評価し、米国の輸出を不利にしていると判断したためです。しかし、ベトナム政府は、為替介入は為替レートを安定させるための措置であり、米国の貿易赤字とは無関係であると米国の指摘は根拠がないと反論しました。

よって、2021年4月、米国財務省は、ベトナムが為替介入を実施しているという証拠は不十分であると判断し、ベトナムを為替操作国から除外しました。

そして、米国は引き続きベトナムを監視し、双方の意見交換を継続していく方針を示したものの、最終的に2021年12月、ベトナムには為替操作国に該当しないという評価を下しました。

ベトナムが為替操作国から除外されたことで、ベトナムへの内、外需からの投資が活発化することが期待されています。

 

ベトナムドンの特徴

米ドルの動きを見れば、ベトナムドンの動きも予想することができると言われるように米ドルと強い結びつきのあるベトナムドン。

ベトナムドンの発行量は、2023年6月現在で約1,110兆ドン(約5兆円)です。ベトナムドンの対米ドル為替レートは、2023年6月現在で約23,000ドン/ドルです。

米ドルが円高になった場合、ベトナムドンは円に対して下がる傾向があります。これは、米ドルの価値が上がると、ベトナムドンの価値が相対的に下がるためです。逆に、米ドルが円安になった場合、ベトナムドンは円に対して上がる傾向があります。

事実上(※1)ドルペッグ制(※2)管理フロートを採用しているベトナム。そのため、ベトナムドンは米ドルの動きとほぼ連動しています。

米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの加速を背景に、2022年より下落傾向となっているが、FRBは、インフレを抑制するため、利上げを継続しており、これは、ドルの価値を高め、ベトナムドンの価値を下げる要因となっていました。

(※1) ドルペッグ制

 

ドルペッグ制とは、自国の通貨を米ドルに固定する為替相場制度です。ベトナムは、1978年にドルペッグ制を導入し、現在も継続しています。

為替相場の急激な変動を心配する必要がなくなるので、これは、企業の輸出入や投資活動にとって、非常に重要です。

ベトナム経済の発展に重要な役割を果たしているドルペッグ制は、為替相場の安定を図り、ベトナムの輸出入を拡大し、経済成長を促進しました。

 

(※2) 管理フロート

 

管理フロートは、為替相場を決定するための制度の一つで、自国の通貨の変動幅を固定し、その幅の範囲内で各国通貨が自由に取引される制度です。

通貨の変動幅は、ベトナム中央銀行によって管理されます。

こちらも、為替相場の急激な変動を防ぐため、また、自国の経済を安定させるために採用されています。

ベトナムでは、この制度により、ベトナムドンの大きな値動きを防ぐことができています。

ベトナムドンと日本円は日々変化していますが、これは日本円と米ドルの動きとほぼ同じです。

また、ベトナム政府は為替操作国から除外されたことを機に、為替政策の透明性を高め、為替市場の安定に努める方針です。

為替相場が安定していることは、企業の輸出入や投資活動にとっても非常に重要ですが、なによりベトナム国民の生活の安定につながります。

 

将来性

ベトナムドンの将来は、当然、ベトナムの経済成長と為替政策に左右されます。

ベトナムの経済成長は、近年堅調で、2021年のGDP成長率は7.5%と、世界平均の5.7%を上回りました。ベトナムの経済成長を支えているのは、以下の3つの要因が大きいです。

  1. 労働力人口の増加
  2. 輸出の拡大
  3. 外国投資の増加

ベトナムには、6,800万人以上の若い労働力人口がおり、この労働力人口の増加は、ベトナムの経済成長の原動力となっています。

また、ベトナムは、中国に次ぐ世界第2位の靴の輸出国であり、衣料品や電子機器などの輸出も拡大しています。さらに、ベトナムは、中国の台頭により、外国投資先として注目されています。

国際通貨基金(IMF)は、ベトナムの2022年のGDP成長率を6.5%、2023年のGDP成長率を7.0%と予測しています。ベトナムの経済成長が続くことで、ベトナムドンの価値も高まると期待されています。

ただし、ベトナムの経済成長には、いくつかの課題もあります。ベトナムのインフレ率は高く、2022年1月時点では6.4%となっています。インフレ率が高いと、ベトナムドンの価値が目減りする可能性があります。

また、ベトナムの財政赤字も懸念されています。ベトナムの財政赤字は、2021年にはGDPの4.7%に達しました。財政赤字が拡大すると、ベトナムドンの信頼性が低下し、価値が下落する可能性があります。

これらの課題はあるものの、ベトナムの経済成長は、急速に進んでおり、今後もその成長は続くと予想されています。そのため、ベトナムの経済成長は堅調であり、ベトナムドンの将来性も明るいと言えるでしょう。

この成長率は中国、インドに次ぐアジアで最も高い成長率です。この経済成長を支えているのは、製造業、観光業、農業などの分野です。製造業では、自動車、電子機器、衣料品などの生産が拡大しています。

観光業では、ベトナムの美しい自然や文化が観光客に人気を集めています。農業では、米、コーヒー、カシューナッツなどの生産が盛んです。

上記の通り、ベトナムの経済成長は堅調であり、やはり、ベトナムドンの将来性も明るいと言って良いでしょう。

 

現状の物価

生活に欠かせない食費について紹介します。ローカルのスーパーマーケットで購入できる、食品の価格相場です。こちらが現在のレートで計算した商品の価格相場です。

商品 価格相場 (VND) 価格相場 (JPY)
ミネラルウォーター (500ml) 5,000 30
ジュース (500ml) 10,000 61
牛乳 (1L) 20,000 122
卵 (10個入り) 15,000 91
肉類 (500g) 30,000 174
魚類 (1kgあたり) 50,000 289
野菜類 (1kgあたり) 20,000 122
果物類 (1kgあたり) 30,000 174
ハム・ソーセージ 25,000 153
おにぎり 16,000 97
パン類 10,000 61
ビール (1缶、ローカルブランド) 15,000 91
ビール (1缶、海外ブランド) 20,000 122

ベトナムの食料品価格は、日本に比べて全体的に安いです。特に、水やジュースは日本の半分以下で購入できます。牛乳は、日本とあまり変わりませんが、チーズやバターは少し高めです。

食品を購入する際は、ベトナム系スーパーの「コープマート」「ビンマート」、タイ系の「ビッグシー」、韓国系の「ロッテマート」などがおすすめです。これらの大型スーパーに行けば、日用品からお土産まで一通り購入できます。

日本製の食品は、「ファミリーマート」などのコンビニや「イオン」でも購入できます。「業務スーパー」も進出しているのでかなりの日本製のものが手に入るようになりました。

現地在住の日本人には、輸入食品を取り扱う高級スーパー「アンナムグルメマーケット」が人気です。

いずれの店舗でも、日本産の一部商品は日本で購入する価格の1.5倍~となることが多いです。

また、ベトナムはビール大国で、国民一人当たりのビール消費量は世界第4位です。コンビニで購入できるビールの種類はたくさんありますが、その中でも人気のあるビールには、「サイゴンビール」「タイガービール」「ハイネケンビール」「333ビール」などがあります。日本のサッポロも購入できます。

その他の取り扱い商品は、お菓子や冷蔵品、ちょっとした雑貨などです。レジ前フードも充実しており、ベトナム版中華まんやフランクフルトなども置いています。

ベトナムのコンビニは、食料品や日用品、お土産など、様々なものを購入できる便利な場所です。ぜひ利用してみてください。

※価格相場は、場所や時期、お店によって異なります。

 

まとめ

情報量が膨大化している現代社会。そのため、必要な情報を見つけ出すことが難しくなっています。本記事のような元から情報が少ないものなら尚更です。

しかし、必要な情報を見つけ出すことができれば、私たちはより良い意思決定をしたり、問題を解決したり、新しいことにチャレンジすることができます。

ベトナムは、経済成長が著しい国であり、今後も成長が続くと予想されているのでベトナムドンの価値は上昇する可能性が高いと考えられています。

しかし、ベトナムの経済は、中国やアメリカなどの大国の影響を受けやすいというリスクもあります。そのため、ベトナムドンの価値は、これらの大国の経済情勢によって大きく変動する可能性はあります。

全体的には、ベトナムドンの将来性は明るいと言えますが、膨大な量の情報に囲まれて生活している私たちは日々、情報をアップデートしながら情報の重要性を理解し、情報を取り扱う能力を身につけることで、より良いベトナム生活を送ることができるでしょう。

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

ベトナム情報週刊コラム

ベトナム都市鉄道開通!ハノイとホーチミンの最新情報をお届け
2025.10.24
ベトナム都市鉄道開通!ハノイとホーチミンの最新...
ベトナムの首都ハノイと経済の中心地ホーチミンで、ついに市内鉄道(都市型鉄道・地下鉄)が開通しました。都市交通の大幅な改善により、通勤や観光がより快適になった一方で、現地では新しい交通手段に対する期待や興奮も高まっています。この記事では、ハノイとホーチミンの都市鉄道の概要、開通の背景、現地での様子、利用方法、そして旅行者や在住者に向けた情報を詳しく解説します。   ハノイの都市鉄道 ハノイでは長年、交通渋滞が深刻な課題でした。人口増加に伴い、バイクや自動車での移動はますます時間がかかるようになり、通勤時間の長期化が問題となっていました。こうした状況を改善するため、ハノイ市政府は地下鉄・都市鉄道建設計画を進め、ついに2025年にハノイ都市鉄道1号線(カットリン~ハノイ駅周辺)が開通しました。 ホーチミンの都市鉄道 ホーチミンでも同様に交通渋滞が深刻で、市民や旅行者の移動効率を改善する目的で都市鉄道プロジェクトが進行していました。特に1号線(ベンタイン~スオイティエン)は都市の主要観光地やビジネス地区を結ぶ路線として注目され、開通初日から多くの人々が利用しています。   ハノイ 開通初日のハノイでは、駅構内やプラットフォームに多くの市民やメディア関係者が集まりました。駅には案内スタッフが配置され、初めての乗車でも安心して利用できるようサポートされています。駅構内は新しく清潔で、改札口や自動券売機の操作も簡単です。 車内は広く快適で、空調が完備されており、混雑時でも比較的快適に移動できます。開通初日は無料または割引運賃でのサービスが提供されることも多く、多くの市民が「都市鉄道デビュー」を楽しんでいました。 ホーチミン ホーチミンの1号線も、開通初日から市民の注目を集めました。ベンタイン駅周辺では、家族連れや学生、観光客が列を作り、新しい交通手段を体験していました。駅や車内は安全対策も徹底されており、防犯カメラや警備員も配置されています。 車内には案内表示や路線図が多言語(ベトナム語・英語・一部日本語)で表示され、外国人観光客でも迷わず利用できます。また、駅周辺には新たな商業施設やカフェが併設され、鉄道開通をきっかけに街全体が活気づいている印象です。   切符・ICカード ハノイ・ホーチミンの都市鉄道では、従来の紙の切符に加え、ICカードやモバイルアプリによる電子乗車が可能です。短距離利用では紙の切符が便利ですが、頻繁に利用する場合はICカードを購入すると、乗り換えや改札通過がスムーズになります。 運賃 運賃は路線距離や利用時間帯によって異なります。初期段階では短距離乗車は10,000~15,000ドン(約60~90円)程度で、長距離でも30,000ドン前後(約180円)と比較的安価です。外国人観光客も気軽に利用できる価格設定です。   都市鉄道開通により、ハノイやホーチミンの市内移動は格段に便利になりました。特に朝夕の通勤ラッシュ時の渋滞緩和や、観光スポットへのアクセス改善が期待されています。 また、駅周辺では商業施設や飲食店の新規出店も増加しており、鉄道開通をきっかけに街全体の経済活動が活性化しています。地元住民にとっても便利な移動手段として定着しつつあり、通勤だけでなく休日のショッピングや観光にも利用されています。   主要観光地へのアクセスが便利 ハノイでは旧市街、ホーチミンではベンタイン市場や市民劇場など、鉄道駅から徒歩圏内でアクセス可能な観光地が多くあります。観光スケジュールに組み込むと移動がスムーズです。 安全で快適な移動 鉄道はバイクやタクシーと比べて安全で、車内もエアコン完備で快適です。小さな荷物でも移動しやすく、特に女性や子連れの旅行者には便利です。 ICカードで効率的に乗車 長期滞在や複数回の乗車にはICカードがおすすめです。改札通過もスムーズになり、現金を用意する手間が省けます。   ハノイ・ホーチミンの都市鉄道は、今後さらに路線の拡張や新規開業が予定されています。長期的には都市全体の交通渋滞緩和や環境改善にも貢献することが期待されており、都市の発展を支える重要なインフラとなるでしょう。 また、観光面でも鉄道アクセスを活かした新しい観光ルートや周遊プランが登場することが予想され、旅行者にとっても便利で魅力的な移動手段となります。   ハノイ・ホーチミンで開通した都市鉄道は、快適・安全・便利な移動手段として現地住民や旅行者から注目を集めています。開通初日の現地の様子からもわかるように、街全体が新しい交通の恩恵を享受し、経済活動や観光にもプラスの影響を与えています。 日本人旅行者や在住者にとっても、主要観光地へのアクセス改善や安全・快適な移動手段として、都市鉄道はぜひ活用したい存在です。今後の路線拡張やサービス向上も楽しみであり、ベトナム都市部での生活や旅行体験をより豊かにしてくれることでしょう。
【ベトナム医療環境】もしもの時は?ハノイ・ホーチミン病院一覧
2025.10.24
【ベトナム医療環境】もしもの時は?ハノイ・ホー...
本記事ではベトナムで気を付けるべき病気およびベトナムの医療事情についてご紹介したいと思います。 ベトナムでかかりやすい病気は? 万が一病気やけがが起きた時は? 受診費用や海外保険はどうしたらいいの? などの疑問にお答えできる記事ですので、お役に立てれば幸いです。記事の最後に「ハノイ・ホーチミンの病院一覧」をGoogleマップのリンクと共に掲載していきます。   外務省のホームページではベトナムの医療事情について以下のように紹介されています。 一般的にわれわれ外国人が生活しているような生活環境であれば、かぜや胃腸炎といった日本でも日常的にみられている病気が大部分を占めています。 しかし、デング熱、日本脳炎、食中毒、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病、結核、マラリアといった日本より感染のリスクが高い病気も数多く存在するので、これらの病気に対する予防対策、健康管理を日頃からおこなっておく必要があります。また、交通事情が劣悪であることから、交通事故に遭わないための注意も必要です。 (外務省HP世界の医療事情ベトナム)より引用  現地の人々が平気で食べられるものでも、ベトナム渡航直後は食事や飲料水に慣れず腹痛を起こしたり、慣れない環境で抵抗力が落ちたりすることにより体調を崩しやすくなるようです。 事前に病気を防ぐ知識をつけ予防を心掛けることで、リスクを減らすことが大切です。   南米やアフリカなどでは予防接種証明書の提示を求められますが、2023年現在ベトナムでは日本からの入国時に予防接種証明書の提示は求められていません。 予防接種は必要ないのでしょうか? 予防接種を受けることで予防できる病気は限られていますが、予防接種を受けることで感染症にかかるリスクを下げることができます。必要な予防接種は、渡航先、渡航期間、渡航形態、自身の年齢、健康状態、予防接種歴などによって異なります。事前に渡航先の感染症情報を収集するとともに、それぞれの予防接種について理解した上で、渡航者一人一人が、どの予防接種を受けるかを決める必要があります。 (厚生労働省HP海外渡航のためのワクチン予防接種)より引用 このように、渡航期間や滞在先、個人の予防接種歴によって感染予防の対応は異なりますが、ベトナム滞在中の予期せぬ感染のリスクを減らすためにも、各種予防接種が推奨されています。 ご自身の母子手帳や予防接種証明書を用意して渡航前(3か月前以上前が好ましい)にかかりつけ医と相談しておくことをお勧めします。かかりつけ医がいない場合は、予防接種がスムーズに受けられる海外渡航者専門の医療機関に相談するとよいでしょう。 予防接種に加えて、 不衛生な環境での飲食を避ける 慣れない飲食店での生食や氷を避け、十分に加熱し食品の保存方法に留意する 蚊が媒介する病気を防ぐため虫よけスプレーを塗布し、肌を露出しない 犬などの動物に不用意に近づかない 道路の横断は十分注意し、余裕を持って行動する 規則正しい生活をし、身の回りの清潔を心掛ける など、日常的な心掛けと行動で感染や傷病のリスクを減らすことができます。   緊急の場合に電話番号「115」に連絡して公的な救急車を呼ぶことは可能ですが、ベトナム語しか通じない、搬送先の病院の指定ができない、一度入院すると転院が困難となることが多いといった理由よりお勧めできません。外国人のよく利用する病院やクリニックの日本語受付に連絡をして、その医療機関が所有している救急車を手配するか、自力でこれらの医療機関の救急外来を受診することをお勧めします。 (外務省HP世界の医療事情ベトナム)より引用  ベトナムで治療が受けられない状況の場合、高度な医療が受けられる近隣国(タイやシンガポールなど)に緊急移送され治療を受けることになることがあります。その際は移送費や治療費、入院費などで莫大な金額を請求されることになりますので、渡航前に保険に加入しておくなど準備が必要です。 事故状況 治療・救援費用保険金支払額(円) 友人から黄疸の症状を指摘され受診。膵腫瘍と診断され4日間入院。 4,070,000 胸の痛みを訴え受診。心筋梗塞と診断され、チャーター機でバンコクまで医療搬送し12日間入院。家族が駆けつける。 9,683,931 めまい・呼吸困難を訴え受診。6日間の入院中、ふらつきによる転倒で腰椎圧迫骨折。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 4,482,303 手足のしびれ・感覚麻痺を訴え受診。硬膜下血腫と診断され15日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 4,482,432 足がもつれ転倒し救急車で搬送。心不全・心筋梗塞・心房細動と診断され現地病院から設備が整った病院へ搬送後9日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 4,594,385 朝、めまいがし体が動かなくなる。脳梗塞と診断され12日間入院。医師・看護師が付き添い医療搬送。 4,530,000 (価格ドットコム保険ベトナム(ホーチミン)の医療費)より引用   ベトナムの公立病院は大勢の患者で混雑しており、長時間待たされることが日常化しています。しかも全てベトナム語で対応しなければならないので、公立病院の利用はお勧めできません。外務省も外国人の多くが利用している私立の病院・クリニックの受診をお勧めしています。 軽い体調不良など医師の診察を受けるほどでもないと判断する場合は、市内にある薬局で症状を説明すると処方箋なしで症状に応じた薬を処方してもらえます。その場合は薬代のみの支払いで済みます。ただし外国製の薬のため、体質に合わない場合も考えられるので注意が必要です。   万が一に備えて、緊急対応ができる病院を事前にリストアップしておくと安心です。まずは加入している保険会社に問い合わせたり、病院のサイトや電話から情報収集していくと良いでしょう。その際、確認しておきたいポイントは以下の通りです。 英語や日本語対応のスタッフがいるか 加入している保険が利用できるか 支払方法(現金のみの場合もある) 持参物(身分証明書や保険加入証明書など)   ベトナムで外国人向けの医療機関で医療を受けた場合、自由診療(100%負担)になるため高額になることがほとんどです。また、ベトナム公営の救急車を呼んだ場合でも費用がかかります。 また、「ベトナムの公立病院では治療を受ける前に現金で一時金を支払うことが求められる」と報告されているため、外国人対応可能の病院が受診できる海外渡航者用保険に加入しておくことが安心です。 項目 ベトナム(内容) 日本(参考・2016年8月時点) 救急車の料金 ①公営:5,000円 ②民営:9,400円~ ①無料 ②通常利用しない 初診料 8,200円 2,820円 病院部屋代 ...
【投資/ベトナム株】始め方完全ガイド
2025.10.23
【投資/ベトナム株】始め方完全ガイド
ベトナムは、近年高い経済成長を続けている国です。 2017年から2022年までのGDP成長率は年平均6.8%と、東南アジア諸国の中で最も高い成長率を記録しており、若年人口が約7割を占め、今後も経済成長が続くことが期待されています。 このような背景から、ベトナム株式市場は近年注目を集めています。そんな、ベトナム株のメリットとデメリットが知りたい、ベトナム株の特徴は?始めるにはどうしたらいいか?と気になる方も多いのではないでしょうか? ベトナム株の買い方には、いくつかの方法がありますので本記事では、ベトナム株の特徴と購入方法をご紹介していこうと思います。   株取引とは、企業が発行した株式を売買することです。 株式は、企業の所有権を表す証券であり、株式を保有する人は、企業の利益(配当)や資産(残余財産)の分配を受ける権利を有します。 株取引は、証券取引所やインターネットを通じて行うことができ、株式の売買を仲介する「取引所」が存在します。 取引所では、株式の売買価格が公開されており、誰でも自由に売買を行うことができます。 株取引は、株式の価格が変動することにより、利益を得たり損失、を被ったりすることがあります。株式の価格は、企業の業績や経済情勢など様々な要因によって変動します。 資産を増やすための有効な手段の一つですがリスクを伴う投資であるため株取引をメインで行う場合や高額になる際には、リスクを理解しデモトレードや勉強で十分な知識と経験を積んでから行いましょう。 デモトレードは、本番の取引と同じように、自分の資金を扱うわけではありません。 実際のお金を使わずに、株式やFXなどの金融商品を売買する練習をすることができるので、失敗しても損失を被ることがなく、リスクを抑えて練習をすることができます。 本番の取引に備えて、非常に役立つツールですが、デモトレードはあくまで練習であるということを忘れてはいけません。 本番の取引では、デモトレードとは異なるリスクや精神的な負荷が伴うため、デモトレードの経験だけで、本番の取引で成功できるとは限りません。 本番の取引を行う前に、デモトレードを活用して、自分のトレード手法を洗練させ、メンタルを鍛えておくことをおすすめします。   ベトナム株式市場は下記の3つに分かれています。 ホーチミン証券取引所(HOSE) ハノイ証券取引所(HNX) UPCoM店頭市場(未上場公開株取引市場) HOSEはベトナム最大の株式市場で、HNXはホーチミン市以外の地域に本社を置く企業が多く上場しています。 加えて、ベトナムにはUPCoM店頭市場(未上場公開株取引市場)があります。UPCoM店頭市場は、2009年に開設され、未上場の企業や上場準備中の企業を対象とした市場です。 UPCoM店頭市場は、HOSEやHNXに比べて規制が緩く、流動性が低いという特徴があります。しかし、UPCoM店頭市場には、将来性のある企業や成長潜在力の高い企業が多く登録されています。 UPCoM店頭市場は、ベトナム株式市場の成長を牽引する存在として期待され投資家を賑わせています。   ベトナム株に投資するには、日本の証券会社とベトナム現地の証券会社の2つの選択肢があります。   一つは、日本の証券会社を開設し取引を行う方法。 日本の証券会社は、意外にもベトナム株の取り扱いが豊富な証券会社もあり、尚且つ日本語で取引ができるというメリットがあります。しかし、※有償増資の払い込みができないというデメリットがあります。   もう一つは、ベトナム現地の証券会社を開設する方法。 ベトナム現地の証券会社は、※有償増資の払い込みができるというメリットがあります。しかし、日本口座開設に比べると開設時に手間や時間がかかることや、日本語でのサポートがない可能性が高い、というデメリットもあります。 どちらの証券会社を選ぶかは、自分の投資目的や好みによって異なりますが、まずは、それぞれの証券会社のメリット・デメリットをよく比較して、自分に合った証券会社を選ぶようにしましょう。   筆者も趣味程度に触っていますが、よく聞かれる質問が「結局、どちらがいいのか?」です。結論、どちらで初めても問題はありませんが長期的に見れば当然、現地の口座は開設したいところです。 為替レート、手数料の安さ、有償増資の観点からみても圧倒的にベトナム株に軍配が上がります。 また、現地証券会社を選ぶ際でも、口座開設手数料や取引手数料、手数料無料の取引条件なども確認しておくと良いでしょう。 証券口座を開設後、他の証券会社に移管することもできますが、時間がかかることもありますので、初めから自分にあった証券会社を選ぶことは、やはり重要です。 判断が難しい場合には、例えば日本語を話すスタッフがいる、サービスがよい、注文方法が簡単などの条件を満たした証券会社を選ぶと良いでしょう。 ※有償増資 有償増資とは、企業が資金調達をするために、新たに株式を発行して投資家に売却することです。 既存の株主は、保有株式数に応じて、新株を割り当てられる権利を持ちます。 有償増資の手法として、新株予約権無償割当(ライツ・オファリング)がよく用いられます。 新株予約権無償割当とは、既存の株主に新株を割り当てる権利を無償で付与するものです。 新株予約権の権利を行使することで、新株を購入することができます。 新株予約権は、権利を行使する、破棄する、または売買することができます。   ベトナムで証券取引を行うには、証券会社と証券決済銀行に口座を開設する必要があります。 手続きは、煩雑に感じるかもしれませんが、実際にはそんなに難しいものではありません。証券会社によっては、一部の認証手続き、申請や受取りを代理でやってくれるところもありますのでこの場合、手続き自体は1日で完了するほど簡単です。 ですが、外国人投資家の場合、証券保管センター(VSD)で証券取引コードを取得する必要があります。証券取引コード取得手続きは証券会社が行いますがその際に「パスポート証明」が必要になります。 そのため、最終的な取引開始までは数週間はかかります。 パスポート証明は、駐日ベトナム大使館、在大阪ベトナム総領事館、在福岡ベトナム総領事館、またはベトナム各地にある公証役場で取得することができます。 その他、開設に必要な書類は、パスポート、住民登録証、納税証明書、収入証明書などが一般的ですが、証券会社や個人の状況にもよりますので詳しくは、その都度、ご利用される現地証券会社にご確認ください。   思い立ったが吉日と言いますが、株取引はそうもいきません。申し込み後、1ヶ月程度で証券会社から契約書控一式と証券取引コード登録証明書が郵送されます。投資資金を送金すると、いよいよ取引を開始することができます。 証券決済銀行で口座を開設します。 ・パスポート原本、ビザ(ノービザの場合は滞在許可期間の記載がある入国スタンプ)が必要のため要相談。 公証役場でパスポート証明書を2部取得します。・パスポート原本が必要。 証券会社にパスポート証明書を提出します。 証券会社が証券取引コードの申請を行います。 証券会社から証券取引コードが交付されます。 証券会社から証券取引口座開設の通知が届きます。 証券取引口座に投資資金を送金します。 証券取引口座で取引を開始します。 事前の準備をすることで、万が一のトラブルに備えることができます。特殊な書類が多いだけに時間がかかる物もあるので抜かりなく準備しておきましょう。準備期間中は事前に目標や目的を明確にしデモトレードやエアトレードを行うことで、より良いスタートダッシュを切ることができます。   ベトナム株は、成長性が高いことが特徴です。 ベトナム経済は近年急成長を遂げており、ベトナム株もそれに伴い成長を続けています。2019年には、ベトナム株式市場の指数VN30指数は前年比18.4%上昇しました。 また、配当利回りが高いことも特徴です。2020年12月末時点のベトナム株式市場の平均配当利回りは4.1%と、日本株の平均配当利回り2.3%を大きく上回っています。 ...

ブログ一覧へ戻る