これからベトナムへ移住を検討している方にとって、どの都市に住むかは非常に重要なポイントですよね。
ベトナム国内でまず比較対象にあがるのは2大都市ハノイとホーチミン。
同じベトナムでも気候から街の雰囲気まで大きく異なるハノイとホーチミンを、カテゴリー別に徹底比較していきたいと思います。
ハノイに3年、ホーチミンに1年住んでいる筆者が見ているリアルに比較をお届けしますので、悩んでいる方は要チェックですよ◎
カテゴリー別比較:ホーチミンVSハノイ
①家賃
800ドル以下のサービスアパート(掃除や洗濯などのサービス込みの部屋)はハノイの方が2割近く安いです。
筆者がハノイに住んでいた頃はタイホーエリアと呼ばれる欧米人や日本人が多いエリアで、築3年の1ベッドルームに380ドルで住んでいましたが、ホーチミンで同クオリティを探したときには600ドルの物件しか見つけることができませんでした。
ホーチミンの1ベッドルーム程度の単身向けサービスアパートはホーチミンでは最低500~600ドル程度は掛かりますが、ハノイでは400ドル程度で借りることができます。
一方、1000ドル以上するコンドミニアム(ジムやプールなど完備で、タワーマンションのようなアパート)のような部屋であればホーチミンの方が安いこともしばしばあります。
ハノイと比較するとホーチミンはコンドミニアムの数が多いため、値段も少し安く、選択肢も多いのが特徴です。
※ホーチミンの部屋は1ベッドルームだとバスタブが付いていない部屋がハノイと比べると非常に多いです。その代わりにプールがついているというケースも多いです。
ハノイは冬があり、ホーチミンは常夏であるというのも影響しているのかもしれませんね。
②生活費
生活必需品やスーパーでの食材の購入などは大きく差はありませんが、ローカルレストランでの食事代はハノイの方が安い傾向にあります。
ハノイに住んでいた際にローカルレストランでフォーを一杯食べると30,000~35,000VND程度でしたが、ホーチミンでは40,000~50,000VND程度掛かっています。
ローカルレストランで70,000VND前後の麺料理もざらにあるので少々高く感じます。
一方で、日本食レストランはホーチミンの方が充実しており競争率が高いこともあってか、クオリティも高くハノイよりも安価で食べられる食事が多いです。
また、吉野家や一風堂などのチェーン店はホーチミンにのみあり、日本食の価格を押し下げている要因でもありますね◎
タクシー代金はホーチミンの方が少し安い印象がありますが大きな違いはありません。
総合的にみると、家賃がホーチミンの方が高く生活費はあまり変わらないため、全体の支出としてはホーチミンの方が上がることが予想できます!
③気候
ハノイとホーチミンで大きく違うのが気候です!
意外と知られていませんが、ハノイは中国のすぐ下に位置し四季がある街なのです。1~2月の最も寒い時には10度を下回ることも稀にあります。
短いですが春や秋もあり、11月頃は1年の中でも最も過ごしやすく気持ちの良い季節となります。
1年の中で半年近くを占めるのは夏で、夏は気温が40度近くまで上がり湿度も90%を超える日々です。
年間を通して湿度が高いため、革製品などはあまり持ち込まないことをおすすめします。
お天気は年間を通して晴れ間は少なく、どんより曇っていることが非常に多いので、日本海側の天気に似ているといわれています。
一方でホーチミンは常夏の街。乾季と雨季の2つに分かれており、年間を通して30度前後の気温を推移しています。
乾季は基本的に1日ずっと青空が続き、雨季でも1日に1~2時間ほど激しいスコールが降ったらその後はすっと止み、涼しくなるのが特徴です。
気候の変化が少ない分住みやすいですが、常に晴れていて紫外線が非常に強いのでその点は注意ですね!
上記の点から、気候は、東南アジアらしいホーチミンを好まれる方が多い印象ですが、四季を感じたい!という方にはハノイが人気ですよ◎
④食事
食事は大きく分けてローカルフードとイタリアンフレンチなどの洋食、日本食の3つのカテゴリーに分けることができます。
≪ローカルフード≫
ハノイはベトナム料理の味付けが中国のルーツが強く出汁の味や塩味が多く、日本人の口に合いやすいです。
一方ホーチミンを含む南部は甘味の強い味付けが多く、フォーの出汁なども砂糖が多く入った甘いスープが多くなっています。
また北部の方がヘルシーな料理が多く、揚げ物などの脂を多く使う料理も南部に多い傾向があります。
ローカルフードは味もお値段もハノイに軍配が上がります。
≪イタリアン・フレンチなどの洋食≫
ホーチミンには2区のタオディエンというエリアが欧米人が多いエリアとなっており、おしゃれなイタリアンやフレンチ、バーなどが点在しています。
ハノイにもタイホーエリアという欧米人が多いエリアがありますが、その規模はホーチミンが2倍以上で素敵なお店が多くなっています。
ホーチミンは川沿いのオープンスペースなどが多い一方、ハノイは隠れ家風のお店が多く、地理や気候の違いも関係しているのかもしれません。
≪日本食≫
ホーチミンの日本食は、海外で食べられる日本食の中でも非常にレベルが高いと評判です。
ラーメン、お寿司、焼肉、チェーン店、なんでもあり、また海外で食べることを考えると比較的安価で食べられるのも嬉しいポイントです。
定食であれば1000円程度、居酒屋もあればカウンターのお寿司屋さんもあり、なんでもあるので日本食が食べたい方はホーチミンがおすすめです◎
一方ハノイは、ホーチミンと比較すると日本食レストランの数は少なくなります。
それでも近年では、2023年にはカレーチェーン店ココ壱番屋が初めて進出しました。
ハノイは政治のお膝元であり、外国企業に参入障壁が高いためチェーン店やコンビニなどもホーチミンのみ進出しているケースがほとんどです。
参入障壁の高さから、レストランの数が増えないこともありなかなか競争率が上がらないのが難点です。
そうはいっても、ハノイでも一通りの日本食を食べることができますので安心してください◎
上記の通り料理によって違いがありますが、ローカル料理はハノイ!洋食や日本食はホーチミン!という声が多いです。
⑤教育・習い事
お子さまがいる方にとっては重要なのが、現地の教育事情ではないでしょうか。
まず、最も日本人のお子様が海外で通うことの多いのが現地の日本人学校。日本人学校はハノイ・ホーチミン共に1校ずつあり、小学部の1年生から中学部の3年生まで通学可能です。
ハノイは小学部が約400名、中学部が約90名、ホーチミンは小学部が約400名、中学部が120名と海外の日本人学校の中でも規模の大きい学校となっており、2024年現在生徒数はまだ増える見込みだとのことです。
高校からは日本人学校がなく、インターナショナルスクールか現地校になってしまうため、高校受験のタイミングで帰国する家庭が多くなっています。
また、学校外での塾や習い事も年々増えてきています。
ハノイであれば栄光ゼミナールや早稲田進学ゼミナール、ホーチミンであれば早稲田アカデミーやone塾、そろばん教室などもあります。
また日系の英会話教室やサッカー教室、ダンス教室などの習い事もあり、多くのお子様が通っています。
インターナショナルスクールもアメリカ系、イギリス系それぞれありますが、学費は日本のインターナショナルスクールより高いため、会社からの補助があると行かせるという方も多いです。
⑥治安
ハノイ・ホーチミン共に基本的な治安は良いほうであり、①ぼったくり②ひったくりに気を付けていれば重大な犯罪に遭うことは少ないでしょう。
筆者がハノイからホーチミンに引っ越してくる際には、ベトナム人からも現地在住の日本人からもホーチミンはひったくりやぼったくりが多いから気を付けるようにとアドバイスをもらいました。
空港からのタクシーでのぼったくり被害、お財布を見せると中の紙幣を抜き取られる、路上で携帯電話を使用していたらバイクに乗った人にひったくられる、などがベトナムで耳にする被害です。
しかし、在住者で被害に遭ったという方はほとんど聞いたことがありません。多くは、ベトナムへ観光へ来ている方や、ベトナム滞在日数の浅い方です。
上記のような被害があるということを知り、注意を払っていれば犯罪に遭うことは多くないと言えるでしょう。
筆者は女性一人で深夜まで飲み会などで外出していることもありますが、自宅までタクシーで帰宅するためむしろ安全度は高いと感じています。
生活は日本に住んでいた際と変わらない生活をしていますが、鞄をむやみに置いてトイレへ立たないなどの予防策は講じています。
⑦雰囲気
ホーチミンとハノイでは街の雰囲気は大きく異なります。
ハノイはまだあまり高層マンションは多くなく、ノスタルジックな懐かしい雰囲気を感じることができます。
一方で、ホーチミンは高層マンションなどの高い建物が多く、中心地はフランス建築なども多くあり都会的な雰囲気があります。
街並みの雰囲気だけは好みがありますので、懐かしい古きよきベトナムの雰囲気を味わいたい方はハノイ、都会的なモダンな雰囲気を好む方はホーチミンをお勧めします。
筆者はどちらも大好きで、甲乙つけることができません…。
まとめ
6つのカテゴリーに分けて、ホーチミンとハノイを徹底比較してみましたが、いかがでしたか?
気候面ではホーチミンが人気ですが、家賃などの物価はハノイの方が安く、ローカルフードもハノイに軍配があがります。
一方で、日本食などを重要視される方や便利で都会的な暮らしを好む方はホーチミンが住みやすいと思われます。
大きく雰囲気が異なるハノイとホーチミン、決める前にまずどちらも旅行に行ってみるというのもありかもしれませんね◎
ベトナムでの生活のイメージがつき、期待する移住となることを願っております。
ベトナム情報週刊コラム
-
- 2025.10.07
- ハノイ在住の筆者が語るハノイライフPart3「食事編」
- ベトナムの食事は、豊富な香辛料と野菜の使い方、その独特の風味と味わいで、世界中の人々を魅了しています。 日本生活では中華料理やイタリアンなどに比べると、馴染みのないベトナム料理ですが、実は「5つの世界一」を誇るとてもすごい料理なんです! 2020年8月29日にワールド・レコード・ユニオン(WorldKings)は、初めてベトナムの食を「5つの世界一」に認定しました。 ベトナムの食を世界一に認定したワールド・レコード・ユニオンは、世界中の記録を認定している団体です。ベトナムの食が世界一に認定されたことは、ベトナムにとって大きな名誉であり、また、ベトナム料理の魅力を世界に広めるための大きな力になるでしょう。 今回はハノイ在住の筆者がお勧めの、一度食べたら忘れられない驚くほど美味しいベトナム料理についてご紹介いたします。 ベトナム料理の特徴は、唐辛子、ニンニク、生姜などの香辛料を多用することです。また、ベトナム料理は野菜をたくさん使うことも特徴です。主食は「米」ですが、野菜は主食と同等かそれ以上に消費されています。そのため、ベトナム料理は非常にヘルシーで栄養価が高いと言われています。 独特の味や風味を出すための調味料がたくさんあります。その中でも、代表的な調味料がこちらです。 ベトナム料理のほとんどの料理で使わているヌクマム。塩漬けしたカタクチイワシを半年~1年ほど発酵させて作ることで、独特な魚の香りと旨味が料理にコクを与えてくれる代表的調味料。タイの「ナンプラー」と似ていますが、ヌクマムの方が発酵期間は長く、魚の風味も強いのが特徴です。 個人的な一押しはこの、エビ風味のチリソルト「Muối ớt tôm(ムオイオトトム)」、いわゆるエビ塩です。ベトナムでは固いマンゴーやグァバといったフルーツにつけて食べることが多いです。調理時に使うことよりも、別皿で提供されるほうが多いので、お好みで使えます。 スーパーの調味料コーナーにありますが類似品も多々あるため、どれを買うかはパッケージで選ぶと楽しいです。日本食にも良く合うので、料理が得意でない方にもオススメできます。価格は格安なので、ばら撒き土産に購入してみてください。 エビ塩より見かけることの多いライム塩コショウ「Muối tiêu chanh(ムイティウチャン)」。ライム味のペッパーソルトで、シンプルな香りと、うま味でどんな料理にも合う万能調味料。値段は1本7.000ドン(約40円)という圧倒的な安さなので、ばら撒き土産にぴったり。また格安なので普段使いにもおすすめな調味料です。日本で使う場合は、グリルした豚バラやシーフードを合わせると絶品です。BBQやキャンプでも大活躍間違いなしなので、ぜひ、Muối ớt tôm(ムオイオトトム)と一緒に買ってみてください。 ヌクチャムは、魚醤、砂糖、レモン汁、ニンニク、唐辛子で作られたベトナム版のスイートチリソース。ヌクマムの次にベトナム料理には欠かせない程に人気な調味料で、生春巻きやバインセオ、などのつけダレとして使われます。また、サラダや炒め物などの料理にも使われます。ヌクチャムの味は、甘酸っぱくて辛く、ベトナム料理の独特の味を引き立てます。 ベトナムで外食していると頻繁にみかけるチリソース。日本で市販されているものより辛みが強いです。筆者もフォーにいれて食べるのがお気に入りです! 東南アジアの料理は、クセが強いイメージがあるかもしれませんが、ベトナムと日本はどちらも「米」が主食なので、味付けや調理法に共通点が多いです。日本人にとって親しみのある食べやすい物が多く、存分に食事を楽しむことができます。 「パクチーが苦手!」という人もいますよね。筆者も苦手です。 レストランに行くと麺類やスープには直接入っていることが多いです。パクチーは料理の付け合せにも使われますので、その場合は別皿で提供されるか、テーブルの上に調味料などと一緒に置いてあるお店もあります。 パクチーはタイでの呼び方なので、ベトナムでは通じません。ベトナムでは地域により呼び方が異なるので覚えておきましょう。 北部(ハノイ)は「rau mùi(ザウ ムイ)」 南部(ホーチミン)は「ngò rí(ンゴーリー)」 ベトナム人でもパクチーが苦手な方もいますし、実際にはパクチーが使用されていない料理も多くあります。 パクチーが苦手な人でも楽しめる本場のベトナム料理もあるのでご紹介いたします。 2016年頃には、オバマ大統領も食し、絶賛したハノイの名物料理です。ベトナムでは、フォーよりも人気があり、どんぶりで食べるフォーとは違い、米麺の麵をタレに付けて食べます。スープは、甘酸っぱさの中にコショウが効いていて炭火焼の豚肉やつくねやが入っている、日本人にも食べやすい料理です。 つけダレに、パクチーは入っていないのでパクチー 嫌いの人でも安心して食べられます。 揚げ春巻きは、ベトナムの代表的な料理の一つです。豚肉、エビ、野菜などの具材をライスペーパーで包んで揚げたもので、外はカリカリ、中はジューシーで、香ばしい香りが食欲をそそります。 屋台やレストランでよく見かけますが、家庭でもよく作られています。地域により大きさや具材にかなりの違いがあり食べ飽きません。ベトナムの揚げ春巻きは、そのまま食べても美味しいですが、上記で紹介したヌクチャムをつけて食べるのもおすすめです。 バインセオは、ベトナムの南部でよく食べられる料理でが、北部のハノイでも人気のベトナム版お好み焼きです。 米粉、ココナッツミルク、ターメリック、塩、水を混ぜ合わせた生地に、豚肉、海老、もやし、キノコ、タマネギなどの具材を加え、フライパンで焼き上げます。 レストランでも見かけますが、中の食材に決まりはなく家庭では好きなものを入れて楽しんでいるようです。 生地がパリッと香ばしく、具材がたっぷり入っていて食べ応えがありますが、添えられた野菜やソースと一緒に食べることで、さっぱりいただけます。 ベトナムの代表的な麺料理です。どちらも平打ち麺を使ったスープ料理ですが、フォーガーは鶏肉、フォーボーは牛肉がトッピングされています。 フォーガーのスープは、鶏ガラと野菜をじっくりと煮込んだ、あっさりとした味わいです。 フォーボーのスープは、牛骨と野菜を煮込んだ、コクのある味わいです。 どちらのフォーも、ゆでた麺にスープ、鶏肉または牛肉、ネギ、パクチー、がデフォルトですが、筆者は必ずパクチー抜きで注文しています。 朝食、昼食、夕食を問わず食べられる国民食です。店舗により味が違うのでフォー巡りも楽しいですよ。ベトナムを訪れた際には、ぜひフォーを味わってみてください。 バインミーは、ベトナムの代表的なサンドイッチです。フランスパンに、ハム、パテ、野菜、香草などを挟んで作られます。バインミーは、ベトナムの植民地時代の影響で生まれた食べ物なので、フランスとベトナムの食材が融合しているのが分かりますね。 ベトナムではバインミーは朝食や昼食、軽食として食べられています。また、ベトナムを訪れる観光客にも人気がありベトナムに来たら是非、食べていただきたいですが、基本的にはパクチーが入っているので、苦手な場合は、オーダーの際に断りましょう。 ブンボーフエは、ベトナム中部の都市フエ発祥の牛肉麺です。太めの米麺に、牛肉、血のゼリー、香草、野菜などをトッピングして、牛骨と野菜を煮込んだスープをかけた料理です。 スープは、牛骨と野菜をじっくりと煮込んだ、コクのある味わいです。牛肉は、牛の肩肉やモモ肉が使われており、柔らかく煮込まれています。豚足を使ってスープを取るため、コラーゲンたっぷりで、スープに旨味をプラスしていますが決してクドくなく、卓上の唐辛子やライムでスープに爽やかな風味をプラスするとスープまで飲み干せます。 野菜は、モヤシ、空芯菜、ネギなどが使われており、スープに彩りを添えています。 ※パクチーを断る場合はこちらを覚えておくと便利です。 『パクチーを入れないでください』 北部 (ハノイ) Đừng cho rau mùi.(ドゥン チョー ザウ ムイ) 南部 (ホーチミン) Đừng cho ngò rí ...
-
- 2025.10.06
- ハノイ在住の筆者が語るハノイライフPart2「通貨...
- 高騰し続ける食料品や日用品。 物価高騰は、私たちの生活に大きな影響を与えます。食費や日用品を節約し、クレジットカードや電子マネーのポイントを貯め、携帯電話料金のキャリアを変更したり、格安SIMに乗り換える。そして、増え続ける税金に、貰えるかわからない年金を払う。筆者のような単身でも体感する物価高騰や将来の不安。家計を支える主婦の皆様には、なおさら頭の痛い問題かと思います。 これらの節約術を実践しても追いつかない物価高騰が続く中、経済のパラダイムシフトにお気づきでしょうか。 世界中のインフレの波が日本にも押し寄せてくる中で、日本人の物価に対する価値観の転換が迫られているのではないでしょうか?物価が安いと人気のベトナムも筆者が住み始めてから変わった物価など、ベトナムの今をお伝えしていこうと思います。 まずはベトナムの通貨について簡単にご紹介したうえで、ベトナムの物価・その理由をご紹介させていただきます。 ベトナムドン(₫)は、ベトナムの通貨でISOコードはVNDです。ベトナムドンの補助単位は、100分の1のハオ(hào)と1000分の1のスゥ(xu)でしたが、インフレにより、現在はどちらの補助単位も使われていません。 ベトナムドンの紙幣は1.000、2.000、5.000、10.000、20.000、50.000、100.000、200.000、500.000の8種類があります。硬貨は100、200、500、1.000ドンの4種類がありますが、こちらも生活していて見かけることは無いでしょう。主に利用されているのは上記の紙幣のみです。 ベトナム旅行を計画している方は、ベトナムドンへの両替を忘れずに行いましょう。米ドルやユーロなどの外国通貨は一般的に受け入れられません。 ベトナムに来てまず驚くのがベトナムの通貨ベトナムドンのゼロの多さ!ベトナムでは、下3桁の000を取って“k”で価格表示します。“k”はベトナムドンの桁数がとても大きく、0が続くので3桁を省略しているのです。 例えば、10kの場合は、10,000ドンとなります。 円に換算したい場合や、表記がそのままの場合は、その日のレートによって多少の誤差はありますが、ザックリ計算したい場合は、0を2つ消して、その消した数字を2で割ります。そうすると大体の日本円の価格になります。10,000ドンの場合は、指で0を二つ隠して100にして2で割ると50なので約50円といった感じで計算していましたが、ドン高円安のため、今ではかなりの誤差が出ます。 筆者が来た2020年2月は前記の方法でピッタリ計算できたので10,000ドンで50円でしたが、今日のレートでは約60円と10円も変わりました。※2023年5月現在 ベトナムの物価は、基本的には日本の3分の1程度と言われていましたが、著しい経済成長とコロナ明けで観光客が戻りつつあるので、筆者の体感では、もう少し高いような気もします。 とはいえ、東南アジア有数の物価が安い国として有名なベトナム。旅行者が利用するタクシーやバスの物価は、日本の約1/4、1/5程度、食事の物価も大体1/4から1/5程度になります。 都市部でもローカル宿は2000円台で普通のホテルに泊まれます。もう少し安い宿もありますが、英語が通じない、エアコンがないなど、ベトナム国内でも如実に安い場合には少し気を付けたほうがいいかもしれません。 ベトナムは元値が安価なものが多いので、同じ商品でも、観光客向けや日本人街の近辺だと格段に高くなり日系のスーパーでは野菜が2~3倍なんてこともしばしば。価格差にかなりの幅があるので、長期滞在や節約したい場合、ローカル市場や現地商店を利用すると驚くほど安いです。 旅行者が利用する機会が多いものを例に挙げると ビール(生ビール)(@レストラン):1杯あたり約200円 コーヒー(アイスコーヒー)(@カフェ):1杯あたり約150円 フォー(ベトナム風うどん)(@ローカルレストラン):1杯あたり約200円 バインミー(ベトナム風サンドイッチ):1個あたり約150円 タクシー(初乗り):約80円 メロン:1玉200円~300円 スイカ:1玉200円~300円 マンゴー:1個80円~100円 パイナップル:1個100円 飲料水:1本約30円 ※これらの物価は、あくまでも都心部の目安です。実際の価格は、地域や販売店や時期によって異なる場合があります。 ベトナムは、日本や他の先進国に比べて物価の高騰が緩やかです。なぜベトナムは物価を安く維持できているのか、その理由をいくつか挙げてみましょう。 ベトナムは、現在経済発展中のため、人件費が安い。 ベトナム政府は、物価の安定に努めており、インフレ率が低い。 輸入品に高い関税を課しているため、物価が高騰しにくい。 多くの農業地帯があり、食料の自給率が高い。 エネルギー価格が、比較的安いため光熱費が安い。 これらが全てではありませんが、ベトナムの物価が、日本や他の先進国に比べて安く維持できる理由です。 食事や宿泊費、交通費などが、日本に比べてかなり安く済むのでお財布に優しく、多くの観光スポットや食事を楽しめるので、海外旅行先としておすすめです。 一方、日本の物価はここ数年で急速に上昇しています。2022年1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇し、1998年9月以来の高水準となりました。この物価上昇は、原油価格の高騰、円安、賃金の低迷、少子高齢化、消費税の増税などの要因が組み合わさって起こっています。 原油価格は、2022年に入ってから急騰しています。これは、ロシアのウクライナ侵攻や、中国のロックダウンなどの影響によるものです。原油価格の高騰は、エネルギー価格の上昇につながり、輸入物価の上昇を招いています。 円安も、日本の物価上昇に影響を与えています。円安になると、円の価値が下がり、輸入品が円建てで高くなります。そのため、輸入物価が上昇し、物価全体が上昇します。 少子高齢化になると、労働力人口が減少し、生産性の低下を招きます。生産性の低下は、物価上昇を後押しする力になります。 2019年10月には、消費税が8%から10%に引き上げられました。消費税の増税は、直接的に物価を引き上げています。 これも全てではありませんが、組み合わさって、日本の物価を高騰させ続ける理由になっています。 物価なんて買い物以外では感じない、そう思う人がほとんどで自分には関係ない、と思うかもしれませんが、最近ではインフルエンサーにYouTuber、Tiktokerなど新しい収入の得方も生まれてきました。 そうなれば農業や工業で収入を得ようと思う人は減り、労働力は衰退していきます。この様に、一時の時代を形づくったパラダイムは、常に、その作り出した時代を背景に移ろい次の時代を創り出していく、すなわち、パラダイムはシフトしていきます。 かつての高度経済成長時は “ 画一的なものの大量消費 ” でした。しかし、現在の社会は経済が成熟化した、“ 量より質を求める” に変わりつつあります。私達一人ひとりが、自分なりの生き方を大事にして心豊かな暮らしを求めている社会なのかもしれません。 “ 大量生産による低価格化の実現 ” という経済モデルに当てはまらない“ 多様性を求める若年層 ” を産業構造に組み込んだ新たな労働の経済モデルが必要であり、それを支えるプラットフォームも必要です。 物価が高騰して嬉しい気持ちはしないが、時代は移り変わり、価値の基準が変わる今、私達も新たな価値観に対応していかなければいけないのかもしれませんね。 大げさな記事になってしまいましたが、かく言う私も物価高にあえぐ一人です。美味しくて安いベトナム料理に日々、助けられています。 日本での物価高騰や生活に窮屈さを感じている方は、海外に出てみると全く違う世界が待っているかもしれません。沢山魅力の詰まったベトナムという国、目に見えて分かる物価の安さという大きなアドバンテージがここにはあります。 皆様も物価安を体感しに是非ベトナムに一度いらしてください。 そして気付けばベトナムの虜となり、住みたくなること間違いありません!
-
- 2025.10.03
- ハノイ在住の筆者が語るハノイライフPart1「概要編」
- 美しい自然に囲まれた日本。富士山、桜、紅葉など、世界に誇る自然の宝物がたくさんあります。人柄もとても親切で、おもてなしの精神が強いです。 鉄道網が非常に発達しており、公共機関を使えば山、海、湖、森、温泉など四季を感じたり、羽を伸ばしたり、と行きたい所にすぐ行けます。日本が魅力的な国である理由は、それだけではありません。清潔で安全な国であり、医療や教育などの公共サービスも充実しています。 住んでいると意識しませんが、海外へ旅行や移住をしてみると、日本と言う国は快適だな、と思うことがよくあります。 しかしながらベトナムも負けてはいません。物価が安く、とても親日、日系スーパーや和食レストランも豊富。国内リゾートもたくさんあります。上手に付き合えばもしかしたら日本より快適かも?と思うこともあるぐらいです。 そんな、意外にも快適なハノイライフを在住者の筆者が、お届けしたいと思います。 ハノイと日本の気候はどちらも温暖ですが、ハノイは日本のほとんどの地域よりも暑く湿度が高いです。 気温 日本の年間平均気温は16度に比べ、ハノイの年間平均気温は少し高い23度です。 ハノイの夏は蒸し暑く、平均気温は30度を超えます。 冬は穏やかで、平均気温は20度前後で気持ちがいいです。日によっては寒いと感じる日もあります。 降雨 ハノイの年間降水量は2,000ミリメートルですが、日本の年間降水量は1,800ミリメートル未満と、雨が少し多いです。 ハノイの雨季は5月から10月までで、この時期の降雨が年間のほとんどの降水量を占めます。 短時間に集中的に降るスコールのため、市内の一部では一時的に道路が冠水し、ひざ上ぐらいまでの大洪水のような事態が年に何度か起こります。 湿度 湿度が高く洗濯物は、乾きにくいので、室内干しや乾燥機を使用をする方が多いです。 基本的に賃貸の各部屋や共用部に乾燥機が備え付けられているのでご安心ください。 一度乾燥機を使うと、日本でも手放せなくなる方もいるくらい便利家電です。 空 冬場は日差しが届きにくい空も多いです。一部大気の影響もありますが、上空の寒気と湿った大気のぶつかり合いが影響し、曇りの日が多くなっています。夏場は青空が見えることも多く日照時間も増えてきます。 気候区分で見ると、ハノイは熱帯モンスーン気候、日本は温帯気候です。 モンスーン気候は、熱帯雨林気候の外縁部に発達する気候で、雨量の季節変化が明瞭な大陸の東側によく発達します。アマゾン川河口、東南アジア、インド西海岸などに分布します。 季節風の影響を受け、夏には大陸から海に向かい、冬には海から大陸に向かう風です。夏に大陸から海に向かう季節風は、湿った空気を海に運び、雨を降らせます。冬に海から大陸に向かう季節風は、乾燥した空気を大陸に運び、乾燥した状態になります。 モンスーン気候は、稲作に適しています。夏の雨季に十分な水が供給され、冬は比較的乾燥しています。しかし、モンスーン気候は、洪水や干ばつなどの自然災害が起こりやすいという欠点もあります。 生活における最重要項目といっても過言ではない食。この後はベトナムの美味しいものを紹介していきましょう! ハノイには美味しい食べ物が豊富に揃っています。世界中で色々な物を食べてきましたが筆者はベトナム料理の美味しさと価格の安さに驚きました。ハノイで人気の食べ物には次のようなものがあります。 フォー:フォーは米麺のフォーに、牛肉のスープ、生野菜、ハーブを添えた麺料理です。鳥のフォーも人気なベトナムで最も人気のある料理の一つです。 バインセオ:バインセオは、米粉、ターメリック、エビ、豚肉、野菜を混ぜて揚げたベトナムのクレープです。ハノイで人気のあるストリートフードです。 ブンチャー:ブンチャーは、豚肉のスライスとハンバーグのようなものを炭火で炒めた麺料理です。甘酸っぱいスープにつけてすすると最高です。 生春巻き:生春巻きは、生野菜、ハーブ、豚肉またはエビをライスペーパーで包んだ料理です。揚げ春巻きも同じくらい人気です。 バインミー:バインミーは、ベトナムのバゲットに豚肉、野菜、ハーブを挟んだサンドイッチです。ハノイで人気のあるストリートフードです。 どれも日本円で200~300円前後で、おなか一杯になるので食事の物価で言うと日本の半分程度です。ハノイには他にもたくさんの美味しい食べ物があるので、ぜひ探索してみてください。 ご飯が美味しくても、物価が安いからお買い物に行きたくても、移動が面倒だと足が遠のきますよね。でもご安心ください。ベトナムはタクシーが安いんです。 ハノイのタクシーの料金は、タクシー会社や車種によって異なりますが、初乗り料金は約1万〜1万6,000ドン(約58~92円)です。その後、1km毎に約1万5,000ドン(87円)加算されます。 15分程の距離では、料金は約5万ドン(290円)になります。 有名どころのVINASUNとMAI LINHでは、クレジットカード払いのできるタクシーも増えてきています。 ぼったくりの割合が他国に比べると低いもののトラブルが無いわけではありません。メーターが早いタクシーや、渡した紙幣と似た色の低額の紙幣とすり替えてくるタクシーなどもいます。ベトナムではGrabという配車アプリが普及しているので、Grabを利用するとトラブルが少なくなるでしょう。 バイクタクシーはタクシー価格の半額程度で利用でき、ベトナム人・ベトナム在住外国人の間でもかなり利用されています。お好きな交通手段でお出かけしてみてください。言わずもがな、暑い日は車がおすすめです。バイクに乗っているだけで汗が噴き出してくるほどです。 ハノイでタクシーに乗る際の注意点は次のとおりです。 正規のタクシー会社を利用してください。 メーターが動いていることを確認してください。 目的地をドライバーに伝えてください。 可能な限り乗車前に料金を聞いてください。 チップを渡す必要はありません。 これだけ安いと、どこに行くにもタクシーを使ってしまうので、快適すぎて運動不足にならないように気を付けましょう。(筆者は時すでに遅し) ハノイから近いリゾート地は以外にもたくさんあります。ここでは、その中でも特におすすめの3つをご紹介します。 ハロン湾はベトナムの北部、ハノイから約150kmに位置する世界自然遺産です。入り組んだ入り江に大小無数の島々が浮かび、その景観は「ベトナムのハワイ」と称されています。ハロン湾にはたくさんのリゾートホテルがあり、日帰りでもゆっくりとリラックスできます。 カットバ島はベトナムの北部、ハノイから約200kmに位置するビーチリゾートです。美しいビーチと透き通った海が広がり、人気の観光地となっています。カットバ島にはたくさんのリゾートホテルやスパがあり、リラックスした時間を過ごすことができます。 ニンビンはベトナムの北部、ハノイから約100kmに位置する世界複合遺産を有する地です。陸の桂林とも呼ばれ、映画キングコングのロケ地にも使用されるほどの壮大な自然を目にすることができます。日本やハノイの喧騒から離れてのんびり過ごしたい方におすすめのスポットです。 これらの観光地は、ハノイから車で2~3時間で行ける距離にあります。電車やバスでも行くことができますが、車の方が主流でオススメです。 その他にも国内線を利用すれば、2時間ほどの距離で、照り付ける太陽と綺麗なビーチがいくつもありますが紹介しているとキリがないのでpart2でご紹介していきたいと思います。 住めば都とはよく言ったもので、筆者含めベトナム在住日本人のほどんどが、行きつけのご飯屋さん、コーヒーショップ、雑貨屋さんなど、ハノイを満喫しています。 今回ご紹介できていないおいしいご飯や魅力的な旅行先など、まだまだあります! ハノイの魅力は奥が深いので、別記事でさらに詳しくご紹介させていただきます。