【2024年9月17日】ベトナムの中秋節を徹底解説!月餅が主役!?

【2024年9月17日】ベトナムの中秋節を徹底解説!月餅が主役!?

ベトナムや旧暦を使用している国、中国や台湾ではよく耳にする“中秋節”という行事。2024年は9月17日が中秋節に当たります。

日本人にとっては馴染みがなく、どのような日か知らない方も多いのではないでしょうか。

ベトナムに住んでいると、1か月以上前から中秋節のお祝いムードが始まり、年間の行事の中でも重要なイベントの一つです。

こちらの記事では中秋節の歴史から、お祝いの方法まで解説します◎

ベトナムに住んでいる方にとっては切っても切り離せないイベントですので、知らない方は要チェックです!

 

2024年 ベトナムの中秋節はいつ!?

中秋節とは…?

中秋節とは、旧暦の八月十五日にお祝いされる節句の一つで、お月見の風習です。

日本でいうところの、“ 十五夜 ” がこの中秋節にあたります。ススキを飾り、お団子をお供えして月を見る、お月見という習わしがありますよね◎

日本では盛大にお祝いすることはありませんが、中国や台湾をはじめとして、ベトナムなど旧暦を使用している国では重要な位置づけにあり、毎年お祝いを盛大に行います。中秋節のルーツは中国にありますが、ベトナムと中国では類似点はあるものの、実施される行事も意味合いも異なります。

ベトナムでは紅河デルタ水稲文明から始まったとされ、農作物が収穫された後、休息したり宴を楽しんだりする収穫を祝うお祭りとされています。

お供え物を用意し、家族でお祝いをし、子供たちから両親に贈り物をすることもあります。

また、ベトナムでは子供のためのお祭りとされており、子供たちが灯籠をもって練り歩く催しが各地で行われています。

行事の詳細はこの後の項目でご紹介していきますので、是非チェックしてみてください。

 

中秋節はいつ…? 2024年は9月17日 火曜日

それでは具体的に中秋節はいつなのかを解説します。

中秋節は、旧暦を用いて決められるため毎年日付が変わります。基本的には、9月7日~10月8日あたりになることが多いです。

2024年は冒頭でも触れた通り、9月17日と定められています。

下記に、過去5年と今後5年の中秋節も一覧でご紹介します。ベトナムにお住いの方は、しっかりと把握をしておきましょう。

2020年 10月01日
2021年 9月21日
2022年 9月10日
2023年 9月29日
2024年 9月17日
2025年 10月06日
2026年 9月25日
2027年 9月15日
2028年 10月03日
2029年 9月22日

出典・参考:暦Wiki/中秋の名月とは – 国立天文台暦計算室

 

中秋節の歴史

中秋節のはじまりは古代中国(唐の時代)と言われており、その後形を変えながら各国に広まった文化です。

日本では十五夜として、お月見をしながらお団子を食べる風習がベトナムの中秋節にあたります。

ベトナムでは、Tết(テト) =節、Trung=中央、Thu=秋という意味を表す、” Tết Trung Thu(テット・チュン・トゥー) “と呼ばれています。

当時は、月を見ながら家族で円卓を囲んで食事をすることが幸福を運んでくるとされていました。

現在のお祝い方法に至った背景には、各国それぞれ言い伝えがあります。

ベトナムではよく出てくる伝説のおとぎ話が3つあり、その中でも有名なCuoiおじさんのお話をこちらでは紹介します。

≪中秋節の言い伝え -Cuoiおじさん-≫

ベトナムの中秋節は木こりのCuoi(クオイ)おじさんという男性の伝説が起源となっています。
心優しいCuoiは万病に効くガジュマルの葉で多くの病人を救っていました。この木はきれいな水をやり、しっかり育てなければ月に帰ってしまうと言われていました。
それを聞いたCuoiは、熱心にそのガジュマルの木を守っていました。

しかしある日、忘れっぽいCuoiの妻がその言いつけを忘れて、木に向かって放尿をしてしまったのです。
すると突然地面が動き出し、風が吹き、ガジュマルの木が力強く青空に根を下ろし始めます。 月に帰ってしまわないようCuoiは急いで飛びついて木をつかみましたが、敵わずガジュマルの木が彼を引っ張って月まで飛んでいってしまいました。

それ以来、満月の日、月が最も明るいときに見上げると、古い木の形をした黒い点があり、その下に誰かが座っているのが見えます。
それは、ガジュマルの木の下に座る地球に戻る日を待っているCuoiであると。そんなCuoiおじさんに地球に戻ってくるための道しるべとして、中秋節の日には子供たちが提灯を持って行列を作っているのだと…
このような伝説から今でも中秋節になると、子供たちが灯籠を持って仮装をして街を練る歩くのがベトナムでの恒例行事となっています。

 

中秋節の行事

中秋節がどのような日なのか分かったところで、ベトナムで実際にはどんな催しが行われているの…?

そんな疑問にお答えするべく、当日の行事を一挙ご紹介!中秋節当日は街中がお祭り騒ぎとなりますので、是非一度は体験することをお勧めします◎

①獅子舞

中秋節当日やその前の週末になると、獅子舞を街で見かけることができます。基本的に獅子舞は男性2人で頭と胴体に分かれて獅子頭(ししがしら)を被り、街中で舞い踊ります。

また家を訪れる獅子舞もあり、家の中に入り、幸運を祈ったり悪いものを祓うために踊ってくれるので、その後謝礼を渡すのが習わしです。

ハノイの旧市街やホーチミンのグエンフエなどに行くと、獅子舞を見かけることができます◎

 

灯籠・提灯

ベトナムで中秋節を楽しむなら、なんといっても灯籠は欠かせません!

時期が近づくと、通りで様々な灯籠が販売され始めるのですが、伝統的なものから、最近ではキャラクターの灯籠や蛍光で点滅する灯籠、星形の灯籠など多種多様です。

 

ハノイではHàng Ma(ハンマー)通りがテトや中秋節の飾りを販売している通りとして有名です。

ホーチミンではNguyễn An(グエンアン)通りやNguyễn Trãi(グエンチャイ)通りが盛り上がります◎

見て歩くだけでも華やかで楽しいので、是非この時期には通りを歩いてみてください。

 

子供たちの仮装

ベトナムでの中秋節はなんといっても子供が主役!

おもちゃを買ってもらえる、とても嬉しい日なのです。そして、仮面をつけたり簡単な仮装をしてお出かけする子供たちに出会えますよ。

 

作物やフルーツ・紙人形のお供え

秋に収穫される果物や農作物と紙人形を、お供えするのが恒例行事です。

日本でもススキとお団子をお供えするのと同様に、ベトナムではバナナやザボンといった果物やおこわなどをお供えします。

ベトナム人のお宅やお店には神棚があることが多く、そこにお供えしてあるものを見ることができますよ◎

 

月餅🥮

また、月餅(げっぺい)という焼き菓子をお供えし、食べる文化があります。

英語ではmoon cake(月のケーキ)と呼ばれ、まさに中秋の名月をかたどった形の伝統的なお菓子です。

月餅は普段お世話になっている方に渡す風習があり、ビジネスの場でも、お客様から頂いたり贈ったりと、ベトナムで働く日本人の方にも直接関わるものです。
この後さらに詳しく解説していきます◎

 

月餅とは…?

どんな食べ物…?

中秋節の日には、“月餅(Bánh Trung Thu:バイン・チュン・トゥ)”をお供えし、食べる習慣があります。

月餅といってもお餅ではなく、小麦粉で作ったずっしりとしたケーキのような焼き菓子です。

しかし、甘いケーキではなく、中身は緑豆の餡や塩漬けしたうずらの卵、豚肉、ごまなどが入っているものが一般的です。

甘さとしょっぱさが混ざった独特の味なので、好みはあると思いますが、一度トライしてみてはいかがでしょうか?

 

最近では昔ながらの月餅メーカーに加えて、高級ベトナムチョコレート店のMAROUやコーヒーチェーン店STARBUCKSなども月餅を販売しています。

写真参照元:STARBUCKS VIETNAM Facebook

ケーキの中身もチョコレート餡になっていたり、伝統的な月餅とは異なりスイーツとして美味しく食べやすいものも増えていますよ◎

中秋節の前、1か月ほどしか味わえない期間限定なので、是非試したいですね。

 

お値段はいくら…?

ただの焼き菓子と侮ることなかれ!なんと…月餅はとても高級品です。

老舗メーカーの月餅は1個当たり500円から、MAROUやSTARBUCKSなどは1個当たり1000円超えという驚きの価格です!

写真参照元:MAISON MAROU Facebook

自分用として購入するには少し悩むお値段ですが、丸ごと一つ食べるにはボリュームがあるので、お友達や家族とシェアすることをお勧めします。

この月餅を家族やお客様に贈るのが習わしですので、営業職の方はこの時期になると挨拶回りに忙しくなります。

 

2024年最新情報!月餅を買うならここ!

最後に、月餅を購入できる人気のお店をいくつかご紹介します。これから購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

ホーチミン:NHƯ LAN

写真参照元:Combo Hộp 4 cái : 1,2 kg- b12 – Cơ sở Như Lan

日本の観光ガイドブックにも度々紹介される、ベトナムのソウルフード「バインミー」が美味しいことで有名なお店です。店内はベトナムらしいローカルな雰囲気を味わえ、観光客だけでなく、ベトナム人の方からも長年愛されています。

住所:68 Hàm Nghi, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh 700000 ベトナム
アクセス:ホーチミン人民委員会庁舎から、徒歩10分
公式サイト:https://nhulan.vn/

 

ベトナム国内:Phuc Long Coffee & Tea

写真参照元:PHÚC LONG NIÊN – THƯỞNG MINH NGUYỆT

ベトナム国内に多くの店舗を展開している、大手カフェチェーン店です。ベトナムコーヒーはもちろん、各種フルーツティーなどベトナム限定のドリンクを多数販売しています。

フックロンから販売されている月餅は、一つ一つが箱に入れられ、贈答品としてもおすすめです。
多くの店舗があるため、お近くの店舗へぜひ立ち寄ってみてください。

公式サイト:https://phuclong.com.vn/

 

ハノイ:BÚP TÂM AN – Thực Phẩm Dưỡng Sinh 

写真参照元:BÚP TÂM AN – Thực Phẩm Dưỡng Sinh

添加物などを一切使わない、自然の食材だけにこだわって作られたこだわりの月餅を販売しているお店です。黒ごま、チェリー、ストロベリーなど様々なフレーバーでいろいろな味を楽しめるのも魅力の一つです。

それぞれ異なったデザインで作られているため、見た目が可愛らしくギフトにすると喜ばれます。

市内中心部からは少し離れた場所で営業しているため、タクシーなどで訪れるのがおすすめです。

住所:ngách 137 Ng. 354 Đ. Trường Chinh, Khương Thượng, Đống Đa, Hà Nội, ベトナム
アクセス:ハノイ駅から、車で15分
公式サイト:https://www.facebook.com/buptaman.vn/

 

まとめ

ベトナムの中秋節がどのような行事なのか、ご理解いただけましたでしょうか?

ベトナムには子供が多いため、子供が主役の行事になると街中が賑やかでエネルギーに溢れます。

筆者自身、初めて実際に参加してみたときには、想像以上の活気で驚いたことを今でも覚えています。

2024年の中秋節は9月17日の火曜日。オフィスや学校で、仲間と一緒に月餅を食べるのもおすすめです。

実際に体験してみると、いろいろな発見がありますので、是非当日はお出かけしてベトナムの文化や伝統に触れてみてください。

 

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

ベトナム情報週刊コラム

ベトナムドンの将来性
2025.10.17
ベトナムドンの将来性
外国為替市場は、世界最大の金融市場であり、毎日、数兆ドルの取引が行われています。外国為替市場は、各国の経済状況や政治情勢など、様々な要因によって影響を受けますが、近年では、デジタル化や規制緩和などの動きも見られ、今後もますます拡大していくと予想されています。 その中でもベトナムドンは、国際的に見てまだまだマイナー通貨であるため、情報が少ないです。 インターネットやスマートフォンの普及により、旅行や外国為替取引がより容易になりましたが、旅行に行こうにも、仕事で行こうにも現地通貨の情報が少ないのは不安ですよね。 そこで、本記事ではベトナムドンの将来性や特徴についてご紹介していきます。   いかにも危険そうに聞こえますが、結果として世界中がベトナムドンに注目する良い機会になりました。 1993年から2011年まで、19年連続で貿易赤字を計上していたベトナム。しかし、2016年以降は、6年連続で貿易黒字を計上しています。これは、ベトナム経済が成長し、輸出が拡大したことによるものです。 著しい成長が目立ったのか、2020年12月、米国財務省はベトナムを為替操作国に指定しました。 これは、ベトナム政府が通貨ドンを不当に安く評価し、米国の輸出を不利にしていると判断したためです。しかし、ベトナム政府は、為替介入は為替レートを安定させるための措置であり、米国の貿易赤字とは無関係であると米国の指摘は根拠がないと反論しました。 よって、2021年4月、米国財務省は、ベトナムが為替介入を実施しているという証拠は不十分であると判断し、ベトナムを為替操作国から除外しました。 そして、米国は引き続きベトナムを監視し、双方の意見交換を継続していく方針を示したものの、最終的に2021年12月、ベトナムには為替操作国に該当しないという評価を下しました。 ベトナムが為替操作国から除外されたことで、ベトナムへの内、外需からの投資が活発化することが期待されています。   米ドルの動きを見れば、ベトナムドンの動きも予想することができると言われるように米ドルと強い結びつきのあるベトナムドン。 ベトナムドンの発行量は、2023年6月現在で約1,110兆ドン(約5兆円)です。ベトナムドンの対米ドル為替レートは、2023年6月現在で約23,000ドン/ドルです。 米ドルが円高になった場合、ベトナムドンは円に対して下がる傾向があります。これは、米ドルの価値が上がると、ベトナムドンの価値が相対的に下がるためです。逆に、米ドルが円安になった場合、ベトナムドンは円に対して上がる傾向があります。 事実上(※1)ドルペッグ制と(※2)管理フロートを採用しているベトナム。そのため、ベトナムドンは米ドルの動きとほぼ連動しています。 米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの加速を背景に、2022年より下落傾向となっているが、FRBは、インフレを抑制するため、利上げを継続しており、これは、ドルの価値を高め、ベトナムドンの価値を下げる要因となっていました。 (※1) ドルペッグ制   ドルペッグ制とは、自国の通貨を米ドルに固定する為替相場制度です。ベトナムは、1978年にドルペッグ制を導入し、現在も継続しています。 為替相場の急激な変動を心配する必要がなくなるので、これは、企業の輸出入や投資活動にとって、非常に重要です。 ベトナム経済の発展に重要な役割を果たしているドルペッグ制は、為替相場の安定を図り、ベトナムの輸出入を拡大し、経済成長を促進しました。   (※2) 管理フロート   管理フロートは、為替相場を決定するための制度の一つで、自国の通貨の変動幅を固定し、その幅の範囲内で各国通貨が自由に取引される制度です。 通貨の変動幅は、ベトナム中央銀行によって管理されます。 こちらも、為替相場の急激な変動を防ぐため、また、自国の経済を安定させるために採用されています。 ベトナムでは、この制度により、ベトナムドンの大きな値動きを防ぐことができています。 ベトナムドンと日本円は日々変化していますが、これは日本円と米ドルの動きとほぼ同じです。 また、ベトナム政府は為替操作国から除外されたことを機に、為替政策の透明性を高め、為替市場の安定に努める方針です。 為替相場が安定していることは、企業の輸出入や投資活動にとっても非常に重要ですが、なによりベトナム国民の生活の安定につながります。   ベトナムドンの将来は、当然、ベトナムの経済成長と為替政策に左右されます。 ベトナムの経済成長は、近年堅調で、2021年のGDP成長率は7.5%と、世界平均の5.7%を上回りました。ベトナムの経済成長を支えているのは、以下の3つの要因が大きいです。 労働力人口の増加 輸出の拡大 外国投資の増加 ベトナムには、6,800万人以上の若い労働力人口がおり、この労働力人口の増加は、ベトナムの経済成長の原動力となっています。 また、ベトナムは、中国に次ぐ世界第2位の靴の輸出国であり、衣料品や電子機器などの輸出も拡大しています。さらに、ベトナムは、中国の台頭により、外国投資先として注目されています。 国際通貨基金(IMF)は、ベトナムの2022年のGDP成長率を6.5%、2023年のGDP成長率を7.0%と予測しています。ベトナムの経済成長が続くことで、ベトナムドンの価値も高まると期待されています。 ただし、ベトナムの経済成長には、いくつかの課題もあります。ベトナムのインフレ率は高く、2022年1月時点では6.4%となっています。インフレ率が高いと、ベトナムドンの価値が目減りする可能性があります。 また、ベトナムの財政赤字も懸念されています。ベトナムの財政赤字は、2021年にはGDPの4.7%に達しました。財政赤字が拡大すると、ベトナムドンの信頼性が低下し、価値が下落する可能性があります。 これらの課題はあるものの、ベトナムの経済成長は、急速に進んでおり、今後もその成長は続くと予想されています。そのため、ベトナムの経済成長は堅調であり、ベトナムドンの将来性も明るいと言えるでしょう。 この成長率は中国、インドに次ぐアジアで最も高い成長率です。この経済成長を支えているのは、製造業、観光業、農業などの分野です。製造業では、自動車、電子機器、衣料品などの生産が拡大しています。 観光業では、ベトナムの美しい自然や文化が観光客に人気を集めています。農業では、米、コーヒー、カシューナッツなどの生産が盛んです。 上記の通り、ベトナムの経済成長は堅調であり、やはり、ベトナムドンの将来性も明るいと言って良いでしょう。   生活に欠かせない食費について紹介します。ローカルのスーパーマーケットで購入できる、食品の価格相場です。こちらが現在のレートで計算した商品の価格相場です。 商品 価格相場 (VND) 価格相場 (JPY) ミネラルウォーター (500ml) 5,000 30 ジュース (500ml) 10,000 61 牛乳 (1L) 20,000 122 卵 ...
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2025.10.15
ベトナムでの最適なSIMカード購入方法
海外に行く時に何よりも手放せないものは、”携帯電話”ではないでしょうか…? ガイドブック片手に右往左往しながら知らない土地を歩くのも一興ですが、今となっては地図を見るのも、レストランを探すのも、レートの計算をするのも、翻訳するのも、なにもかもスマートフォン一つで済んでしまう便利な世の中になりました。 言葉も通じない異国の地で、なによりも味方になってくれる携帯電話。 ベトナムは日本よりも街中でwifiが使える環境が整っておりますが、不安な方が多いと思います。実際に旅行で来越した友人や日本から移住してきた筆者の知り合いにも、100%聞かれるのがベトナムのネット環境についてでした。 そこで、この記事ではベトナム到着後スムーズかつ、お得にSIMカードを購入するための情報をお届けします。   ベトナムに着いてから、『現地のSIMカードが使えない!』なんてことにならないよう、日本で購入したスマホは日本でSIMロックの解除をする必要があります。 SIMロックとは…?📱 SIM ロックとは、特定の携帯電話会社と契約を結んだ際にその会社の回線のみを利用できるようにするため、ロックをかけることです。 例えば、A 社の SIM ロックがかかっている場合は、B 社の SIM カードを差し込んでもを通話やデータ通信ができません。 そのため海外渡航時に現地の通信事業者の SIM カードを利用することが不可能です。 日本の大手キャリアと契約を結び、SIMロックがかかったスマホをお持ちの方は、渡航前にそのキャリアの店舗に行きSIMロック解除の手続きをする必要があります。 日本の大手キャリアのSIMロック解除方法は下記のリンクより確認してみてください◎ ①docomo ②au ③Softbank   渡航前の準備が済んだら、気になるのは現地のインターネット事情ですよね。 実はベトナムは、超インターネット大国! 街中のカフェやレストランに入り、wifiがない店舗はないと言っても過言ではないくらい、至る所に無料wifiが完備されています。 筆者の生活圏内ではカフェ、レストラン、習い事のセンター内、ネイルショップ、などほぼ全てにあるので、自身が契約しているデータを使用するのは街中でマップを見る時くらいです。 そのため1か月で使用する契約しているSIMのデータ使用量は2G程度です。常にスマホが手放せないベトナム人の友人たちも3~5G/月を契約を使用し、wifiを使用していることがほとんどです。 ただ、ベトナムのwifiはスピードが遅かったり、混雑状況によってスムーズに使用できないときもあるので、少し多めのデータ量を購入しておく方がいざという時に安心です。   ここではベトナムの大手通信会社3選をお伝えします。 日本で代表される大手通信会社といえばdocomo・au・Softabankなどがあげられますが、ベトナムではこれから紹介する三つの会社で、実に全体の通信会社のシェアの90%を締めています。   ※画像参照元:Viettel Telecom FACEBOOK Viettelは国防省が所有・運営している国営企業で国内シェアNo.1の会社です。基地局が最も多いViettelは、郊外などに行っても通信が最も安定しているキャリアの一つとなっています。 筆者のプライベート携帯はViettelを使用していますが、様々なプランがあり、スマホのアプリから簡単にプラン変更や料金のチャージもできて便利です。   画像参照元:mobifone FACEBOOK 画像にもある通り、mobifoneは今年創業30周年を誇る、ハノイの情報通信省傘下の通信会社です。3社の中でも最も老舗のmobifoneは、Viettelの次に高いシェアを持っています。 筆者が会社で使用しているSIMはmobifoneですが、Viettel同様通信状況も問題なくアプリを使用してチャージやプラン変更が可能です。   ※画像参照元:vinaphone FACEBOOK vinaphoneは3番目にシェアを誇る通信会社で、ベトナム郵電公社傘下の会社です。シェアは大手3社の中で見ると3番手ですが、最も早く5Gの導入を試みた会社でもあり今後のさらなる躍進が期待されます。 2021年に3200人のハノイとホーチミン在住の方にアンケートを取った結果、mobifoneはネットワークのサービス品質を最も高く評価され、コストと安全性やセキュリティ面ではViettelが最も高い評価となりました。 ※参照元:SOCIALIST REPUBLIC OF VIET NAM Government News   次に、短期でベトナムに渡航した際の携帯電話の使用方法を3つ紹介します。それぞれのメリット/デメリットを確認して、自分のスタイルに合った方法を選んでください。 旅行や出張のために短期滞在で来る方には、ポケットwifiを日本でレンタルするという方法があります。 1日あたりの使用上限によって料金が異なりますが、300~2000円/日が標準的な料金となっています。『ベトナムに着いたらすぐにインターネットが使用できる状態にしたい!』『面倒なやりとりを現地でしたくない!』という方には日本側でレンタルしていけるポケットwifiのレンタルは便利ですよね。 ≪メリット≫ 到着後すぐにインターネットが使用できる SIMロックが罹った状態でも使用できる 現地でのやり取りが不要なので英語やベトナム語ができなくても安心 ≪デメリット≫ 常に端末を持ち歩かなければいけない 端末の充電がなくなったら使用できない 料金がかさむ可能性が高い ...

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