- 2023.01.04
【実際の状況は?】ベトナムの生活水準を理解する4つのデータと在住者の声
ベトナム就職を検討されている方、ベトナムへの引っ越しを予定されている方にとって、現地の生活水準は気になる点でしょう。 「ベトナムの生活水準はどれ位?」 「発展途上国のイメージがあるけど、ベトナムの物価って上がっているの?」 「ベトナム在住者の実感も聞いてみたい」 今回は、そんな「ベトナムの生活水準」に関わる疑問を解決するような記事を書いていきます。 今回の記事では、「ベトナムの生活水準を『データ』と『在住者の声』の両方」から解説していきます。 客観的な情報と、主観的な意見を知ることで、ベトナムの生活水準をより鮮明にイメージに頂ければ幸いです。 ベトナムの生活水準を理解するため、以下「4つのデータ」を見ていきましょう。 ベトナム人の平均年収 産業別人口 最低賃金の上昇率 ベトナム人の専門別年収ランキング 順番に解説していきます。 JETROによると、ベトナム統計総局が発表した2022年第2四半期の全国平均「月収」は、6,600,000ドン(約38,000円)との事です。 ベトナムの給与や年収 ベトナムで給与の話題をする際は、通常「月収」で述べられます。 また、「年収」の計算方法は、ボーナス1ヶ月分を含んだ「月収×13ヶ月分」です。 上記金額を年収に換算すると、「85,800,000ドン」、つまり「約480,000円」となります。 ただ、この数値はあくまで「全国」の平均値です。 日本人が多く住む、ハノイやホーチミンなどの大都市圏のみを平均した値は、以下の通りです。 ホーチミン市(南部) 月収:9,100,000ドン(約51,000円) 年収:118,300,000ドン(約660,000円) ビンズオン省(南部) 月収:8,900,000ドン(約50,000円) 年収:115,700,000ドン(約650,000円) ハノイ市(北部) 月収:8,700,000ドン(約49,000円) 年収:113,100,000ドン(約640,000円) 引用:JETROビジネス短信 上記データから分かる通り、ベトナムの平均月収は約38,000円〜51,000円ほど。 年収換算すると「約650,000円前後」という事が分かります。 日本における2021年の平均年収「4,330,000円」と比較をすれば、約6分の1の水準なのです。 ただし、注意点としては、上記金額はあらゆる産業の労働者の平均値である、ということです。 つまり、地方の農業・工業従事者から、都市部の外資系企業のマネージャーまで含まれており、各層の差は考慮されていないという事です。 平均年収で見れば、ベトナムはまだまだ成長途上であるという事が読み取れるでしょう。 次に、ベトナムの「産業別人口」を見ていきましょう。 同じくJETROが、2021年3月に発表したレポートによると、ベトナムの産業別人口トップ3は以下の通りです。 1位:サービス業(第3次産業。36.3%) 2位:農林水産業(第1次産業。32.8%) 3位:工業・建設業(第2次産業。30.9%) 引用:JETRO「労働供給面からみたベトナムの生産地としての可能性」 また、同レポートの「2008年から2020年の推移」も見てみましょう。 農林水産業に従事する人口が減少し、サービス業と工業・建設業への就労者が増加しています。 上記から、「ベトナムは第1次産業から第3次産業まで、就労者がほぼ同じ割合で存在していること」「今後はサービス業や工業・建設業への就労人口が増加する見込み」であることが分かります。 ここで、日本のデータと比較をしてみましょう。 1位:第3次産業(15歳以上就業者数の67.3%) 2位:第2次産業(同25.9%) 3位:第1次産業(同5.1%) 参照:総務省統計局 日本では、圧倒的に第3次産業、つまりサービス業の担い手が多い事が見て取れます。 このように、日本と比べ、ベトナムは農林水産業や工業・建設業に就く人口が多いことが理解できます。 3つ目は「最低賃金の上昇率」です。 最近の最低賃金引き上げは、2022年6月です。 同月に公布されたベトナム政府の政令により、2022年7月1日より、最低賃金が平均6%引き上げられました。 また、2013年以降、最低賃金は一貫して上昇を続けていることが分かります。 つまり、直近約10年間は、ベトナムの平均給与は継続して上昇しているのです。 また、給与上昇に伴い、「可処分所得や消費に回す金額も上昇している」と推測することもできます。 4つ目は「ベトナム人の専門別年収ランキング」です。 世界の人事にまつわるデータを扱うTOPIAによると、ベトナムの専門別給与ランキングは以下の通りです。 財務・経理マネージャー(63,168ドル) オペレーションマネージャー(51,591ドル) 外科医(50,898ドル) 建設エンジニア(50,579ドル) 営業マネージャー(46,424ドル) 金額を見ても明らかな通り、「日本で稼ぐ金額と変わらない、もしくはそれ以上の水準」であることが分かります。 これら4つのデータから言えることは、以下の通りです。 平均年収で見れば、ベトナムは日本の6分の1の水準。 農業などの第1次産業や、工業などの第2次産業に従事する人が多い。 とは言え、毎年賃金は上昇している。 更に、日本の平均年収以上に稼ぐ人も出てきている。 これらはデータですが、現地で感じる肌感覚としては、どうなのでしょうか。 2013年よりベトナムに居住する、筆者の感覚をご紹介します。 筆者の、「ベトナムの生活水準」に関する実感は、以下の通りです。 給与を上昇させていく人が、周囲に増えている。 生活水準が「日本並かそれ以上」の人も目立ち始めた。 一方で、生活必需品の価格設定などは「平均月収者向け」 それぞれ、順番に解説していきます。 上記データで示されたように、筆者の周囲でも、給与を上昇させていく人が増えている、という印象を受けます。 2013年から今でも友人の、あるベトナム人男性の例を上げます。 彼は、ある日系企業に勤務する、営業職でした。 出会った当初は、月収が約800ドル(約100,000円)。 しかし、8年後の2021年には2,000ドル(約220,000円)まで給与を増やした、との事でした。 彼の場合は、ある1つの日本企業に勤め続けて給与を上昇させたケースですが、転職を繰り返すことで給与を上げていく人も多くいます。 2つ目に感じることは、「生活水準が『日本並かそれ以上』の人も目立ち始めた」という事です。 2013年頃、筆者の周囲にいるベトナム人と話すと、以下のような生活習慣を持っている人が多くいました。 食事は基本的に家で済ます。 休日はバイクでカフェに行く程度。 旅行は1年に1回のぜいたく。 しかし最近では、以下のような生活を送る話を、頻繁に耳にするようになりました。 特に、ハノイやホーチミンなどの都市部の人から多く聞きます。 外食も積極的に行く。 休日は自家用車で遠出。 連休の度に、家族とベトナム国内やアジアへ旅行。 上に述べた過ごし方は「日本人の過ごし方と変わらない」と言えるでしょう。 また、「賃貸物件の家賃」も日本の都市部レベルに近づいています。 ベトナム地場の不動産会社Vinhomeが手掛けるタワーマンションでは、家賃が1LDKで1,000ドル(約120,000円)以上にも達しています。 この金額は、東京23区のマンションとほぼ変わらない水準です。 この「生活水準の向上」「家賃の上昇」と足並みを合わせるように、レストラン等や娯楽などの価格も合わせて上昇していると感じます。 一部のお店では「日本よりも高いな」と感じる程です。 とは言え、「生活必需品の価格設定は『日本の2分の1から3分の2程度』」であるとも感じます。 上述の通り、豊かになる人が増える一方で、平均月収は依然として、日本よりも圧倒的に低い水準です。 どれ程低いかは、「1. ベトナム人の平均年収」で見た通りです。 その影響からか、食料品や家庭用品など、生活必需品の価格も日本より低水準に設定されています。 物により異なりますが、感覚的には、日本の2分の1から3分の2ほどの価格です。 ベトナムにおける「平均月収を稼ぐ人々」に合わせられている、とも言えます。 「生活必需品の入手は、日本よりも低い金額で可能」 以上から、 一部サービスの価格は「日本並かそれ以上」 生活必需品の価格は「日本より低い水準」 という事が分かります。 つまり、「生活必需品の入手は、日本よりも低い金額で可能」という事です。 そして、「日本並かそれ以上」となっている「外食や娯楽などを楽しみたい場合は、相応の追加費用が求められる」とも言えます。 今回は、ベトナムの生活水準を理解するための「4つのデータ」と「在住者の実感」を見てきました。 ベトナムに対する、漠然とした「ベトナムの物価は日本より安い」「経済発展中」というイメージから、「生活必需品は低い水準だが、サービスや娯楽の費用は日本水準」という事がご理解頂けたと思います。 「より具体的にベトナム就職後の生活をイメージしたい」という人は、お気軽にHRnaviのコンサルタントへご相談下さい。
- 2022.12.27
【日本並みに快適?】ベトナムが暮らしやすいと感じる6つのポイントを紹介
ベトナム就職や移住先としてベトナムを検討される時に、”暮らしやすいかどうか”は気になる点でしょう。 そこで本記事では、 「ベトナムって暮らしやすいの?」 「ベトナムと聞くと、日本や他の国より生活が不便なイメージだけど、実際は?」 「在住者の、生の意見を聞いてみたい」 こうした疑問や要望にお応えできるよう、ベトナム在住8年目の筆者が実感する、「ベトナムの暮らしやすさ」を解説していきます。 在住者が、ベトナムの暮らしやすさを、「5つの要素」から評価 「暮らしやすさ」を考える際に以下の5つの要素は外せません。 衣 食 住 お金 旅行 上記の「衣」「食」「住」「お金」「旅行」において、「ベトナムの方が暮らしやすいな」と感じた点を6つに分けてお伝えします。 今回の記事を読み、ベトナムでの暮らしを、少しでもイメージ出来るきっかけになれば嬉しいです。 ベトナムが暮らしやすいと感じる点の1つ目は、「1年の2/3以上を夏服で過ごせる」事です。 ベトナム全土において、1年の内、少なくとも2/3は、気温が30度前後となるからです。 もちろん仕事上、顧客訪問や、式典などのイベント時には、スーツ着用が求められる場合もあるでしょう。 ただ、ベトナム現地の日本企業においても、通常勤務時は、概して上は半袖を着用している場合が多く見られます。 IT系などにおいては、よりラフな格好を許可している会社もあります。 この、1年で多くの時期を薄着で過ごすことが出来る点は、筆者も実際に生活するまで、感じていなかったメリットでした。 「毎朝の準備が早い」や「冬服を多く買う必要が無い」という点は、想像以上に心理的なストレスが和らぐことを実感しています。 ベトナムが暮らしやすいと感じる点の2つ目は、「選択肢が豊富なローカルフードと和食(日本食)」です。 日本よりもリーズナブルな本場の「ベトナム料理」を味わえる事はもちろん、日本と同水準の「和食(日本食)」が楽しめるのです。 「和食(日本食)」に関して言えば、数年前までは和食(日本食)全般を扱うお店が主でした。 しかし、最近では「焼き鳥」「モツ鍋」「寿司」から「〜〜県居酒屋」など、特化したお店の選択肢も豊富になってきました。 日本食レストランの数が増え、特にハノイやホーチミンでは、競争が激しくなっている影響と考えられます。 自炊派の人にとっても、「あくるひ」「富分」など、日本食品スーパーで和食用調味料も手に入れやすい環境です。 したがって、日本のような食生活を維持しながらも、本場のベトナム料理も同時に楽しめるのです。 よって、食については、選択肢が多く、日々新しい料理を楽しめる点が、よりベトナムが「暮らしやすい」と感じる点です。 3つ目は、「日本企業の実店舗進出により、買い物に困らない」点です。 まず食品については、ほぼ日本と同じ環境で買い物可能、と考えて良いでしょう。 スーパーは、上述した日本食品スーパーにより、たいていの日本食品は手に入れることができます。 コンビニについても、ハノイとホーチミン、共に24時間営業のチェーン店が複数進出しています。 特にホーチミンにおいては、日本から「ファミリーマート」「ミニストップ」「セブンイレブン」が出店しており、スーパーに行かずとも、日本人好みの物の購入が可能です。 また、食品以外の買い物も、便利になりつつあります。 以下の3企業を始めとした大手日系企業の進出により、私たちに馴染みのある衣類や日用品が、大変入手しやすくなりました。 ユニクロ 無印良品 コーナン 筆者個人の実感でも、ベトナムにおいて、「欲しい物を手に入れるのに苦労するな」と感じたことがほとんどありません。 もちろん、日本と比べると「若干価格が高い」「日本で発売されたばかりの新商品が手に入らない」といった事はあります。 ただ、日常多く使用する物については、日本と変わらない環境で買い物が出来るのです。 この「買い物に困らない」点も、ベトナムでの暮らしやすさを感じることの1つです。 4つ目は、「日本の都市圏と同水準の家賃で、より良い家に住むことができる」ことです。 例えば、東京23区内で1LDKの家を借りるとすれば、おおむね、毎月8〜12万円の家賃が掛かるでしょう。 一方、ハノイやホーチミンの都市圏では、同額の8〜12万円を支払えば、より良いマンションに住むこともできます。 日本と比べて、ベトナムで家を借りる時、特に「良い」と感じるのは以下の点です。 家具、家電付き 週に数回のクリーニング、洗濯サービス有り プール、ジム併設 もちろん、選ぶマンションによって、サービスの有無は異なります。 ただ、「家具購入や家事は全部任せて、仕事に集中したい」「配偶者の家事をラクにしたい」「日本よりも良い家に住んでみたい」といった要望が、日本と同水準の費用で叶うことは魅力と言えるでしょう。 5つ目は、「貯金とちょっとした贅沢を、無理なく両立しやすい」事です。 日本よりもやや低い水準の「物価」により、出費を抑える事ができる一方、近年増加する、先進国水準のレストランやサービスを楽しめるためです。 「出費、貯金」と「ちょっとした贅沢」の2つを、分けて解説していきます。 尚、今回は生活費において大きな割合を占める「食費」を中心に取り上げます。 ベトナム生活の実体験として、「自炊中心にすれば、日本よりも貯金がしやすい」と感じています。 以下は、ハノイやホーチミン等の都市圏における、スーパーの食品価格の一例です。 鶏のむね肉 100g当たり40〜50円 ほうれん草 1パック400g当たり150〜200円 人参 1本当たり15〜20円 白米(ベトナム産の日本米) 5kg当たり1,000〜1,200円 白米(ベトナム米) 5kg当たり600〜800円 総じて、日本よりも価格が安いことが分かります。 よって、自炊を増やし、外食を抑えることで節約をすれば、日本よりも貯金がしやすい環境なのです。 とは言え、ちょっとした贅沢も楽しめます。 近年、価格やサービス水準が高いお店の選択肢が急速に増えているからです。 分野もレストラン、カフェ等の飲食店から、ホテル、マッサージ、旅行のパッケージ等、あらゆるサービスにおいて、筆者も現地で実感している事です。 ホテルを例に上げると、2013年、筆者が初めてホーチミンへ就職をした際、「最も有名な5つ星ホテルはどこか?」と聞けば、誰もが「ニューワールドホテルサイゴン(The New World Hotel)」と答えていました。 一方で現在、ホーチミン市内には少なくとも10軒を超える5つ星ホテルがあり、6つ星ホテル(ザ・レヴェリー・サイゴン、The Reverie Saigon)もある程です。 これはホテルにおける一例ですが、食事や旅行、娯楽など、あらゆる分野で「ちょっとした贅沢」を楽しめる環境が揃っているのです。 この「物価水準の安さ」と「高レベルのレストランやサービス」が両立することで、ベトナムでは「貯金とちょっとした贅沢」を両方楽しめるのです。 ベトナムが暮らしやすいと感じる点の6つ目は、「年中楽しめる『海』と豊かな四季を持つ『山』」です。 週末や長期休暇には、ベトナム全土を見れば、1年を通して「海」と「山」への旅行を楽しむことができるのです。 日本の場合、「海」「山」どちらも豊富にありますが、それぞれ楽しめる季節が限られるでしょう。 ベトナムだと、「海」のシーズンとも言える夏が、約7ヶ月間(4月〜10月)あります。 この時期は、基本的に、海岸沿いの場所はどこでも海を楽しむことができます。 もちろん、中国やラオス、カンボジアとの国境沿いの山に行くことも可能です。 一方で、ベトナムにもハノイ等の「北部地方」やダナンなどの「中部地方」には、冬(11月〜3月)があります。 この期間、海に入るには肌寒く、旅行先の中心は「山」となります。 ただ、同時期のホーチミンを中心とした「南部地方」では、11月〜3月においても気温は30度以上。 「海」「山」どちらも楽しめるのです。 「ハノイなどの北部と、ホーチミンなどの南部の間を移動するのは大変では?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。 しかし、ハノイ・ホーチミン間の飛行機での所要時間は、約2時間。 東京から福岡へ、飛行機で行く(2時間5分)位の時間で、東京・沖縄間(3時間)、大阪・沖縄間(2時間20分)よりも短い時間で済みます。 加えて、ベトジェット(Vietjet)やバンブー航空(Bamboo airways)といったLCC拡大の恩恵もあり、混雑するシーズンを除けば、往復1万円以下で往復可能なのです。 よって、ハノイとホーチミンのどちらに住んでいても、1年を通して、ベトナム国内旅行を楽しむことが出来ます。 今回は、「ベトナムの暮らしやすさ」について、日本と比較した、在住者の実感をお伝えしてきました。 少々、住みにくさを感じる点もある一方で、ベトナムは「日本と同じ水準での暮らしができる国」と言っても過言ではありません、 その上、服装や旅行先などから、「東南アジアならではの暮らし」も楽しめる、と言えるでしょう。 今回の記事が、ベトナム居住についてのイメージを鮮明にする、きっかけとなれば嬉しいです。 「ベトナムの暮らしやすさを知り、ベトナム転職に興味を持った!」という人は、この機会にHRnaviのコンサルタントに声を掛けてみて下さい。
- 2022.12.04
【ベトナム生活の必需品】在住者が実感!日本で準備すべき9つのアイテム
ベトナム生活の必需品を知り、渡航の準備をしたい。 ベトナムでは、何が買えて何が買えないのか、知りたい。 日本から持っていくべき物は、何かあるのかな? こういった悩みに答えていきます。 今回の記事では、ベトナムで長期滞在される人向けに「日本で準備したほうが良い、ベトナム生活の必需品9つ」をご紹介します。 ベトナムという異国でも、出来るだけ日本と変わらない、快適な生活を送りたいものです。 ただ、必要な物を考えていると、どれも必要な気がして、気がつけば荷物の量が増えてしまいます。 とは言え、ベトナム渡航してから「やっぱり日本で準備しておけば良かった・・・」という後悔は避けたいところ。 そこで、ベトナム就職8年目の筆者が、「ベトナム生活の必需品」というテーマで解説していきます。 今回ご紹介するものは、以下の基準に沿って厳選しました。 「日本で準備したほうが良い」 ベトナムでは(渡航後は)、入手が困難な物。 日本からベトナムへ配送可能だが、時間の掛かる物。 ベトナムでも購入・入手可能だが、日本同等のクオリティでは手に入りにくい物。 「必需品」 筆者がベトナム現地で「持っていて良かった」と感じた物。 筆者がベトナムに持参せず、困った経験のある物。 *尚、誰もがベトナムへの渡航に必要なパスポート、ビザは除外しています。 1つ目は、複数枚の日本のクレジットカードです。 選んだ理由は、以下の通りです。 海外居住した後では、日本のクレジットカードを作成できない。 1枚だと、現地で紛失した際、再発行されたカードを日本帰国時に入手するまで、使えなくなる。 ベトナムの銀行口座開設後、クレジットカードを作成することも可能です。 しかし、急な出費の際の利用や、万が一の時のキャッシングなど、持っておけば安心感が得られます。 ※また、現地採用で渡航される人は、試用期間に保険が適用されないことが殆どです。 海外旅行保険付帯のクレジットカードを持参しておくと、渡航日から90日以内(*要カード会社確認)は保険適用されるため重宝するでしょう。 2つ目は、日本語配列キーボード搭載のパソコンです。 普段、使用されているパソコンのキーボードが「日本語(JIS)配列」の人向けです。 当てはまる人は、日本からパソコンを持参されると良いでしょう。 理由は、ベトナムで入手できるパソコンは「英語(US)配列」であるからです。 筆者自身、「日本語(JIS)配列」から「英語(US)配列」への変更により、慣れるまで、以下の点に時間が掛かりました。 面積の小さい「エンターキー」 入力モードを半角英数⇔平仮名間で変更する時、ワンタッチで変えられない。 キーの位置が異なる 例:+(プラス)、()(括弧)、「」(カギ括弧) 些細な事の様に思われるかもしれません。 事実、パソコン内での設定や外部のアプリケーションを設定することで、英語(US)配列キーボードでも、後から「日本語(JIS)配列」に変更することも可能です。 しかし、タイプミスやタイピングスピードの遅れなど、配列の違いは想像以上にストレスを感じます。 業務用と私用のパソコンが異なる場合もあるでしょう。 ただ、勤務時間外のちょっとした調べ物など、パソコンを活用する機会に多く出逢うと実感しています。 現在ご利用のパソコンが「日本語(JIS)配列」の人は、日本からパソコンを持参されると良いでしょう。 3つ目は、日本製の薬全般です。 以下の理由から、日本製の薬は持参される事をオススメします。 ベトナム製の薬は、同様の効能でも、成分量が多い場合がある。 薬局では日本語はもちろん、英語もあまり通じない。 「現地の病は、現地の薬で治療したほうが良い」という考え方もあるでしょう。 しかし、成分量の多い薬が、自分に合うかどうかは、飲んだ後ではないと分かりません。 また、いざ薬が必要な時に、言語の通じない薬局でコミュニケーションを行うことは、心理的にも大きな負担です。 「心理的な安心感」を得るためにも、日本で慣れ親しんだ薬を持参されると良いでしょう。 因みに、筆者が「ベトナム現地に持参して良かった」と感じた物をご紹介します。 目薬 整腸薬 湿布薬 虫刺され用の薬 4つ目は、掃除用具のフローリングワイパーです。 ハノイ、ホーチミンなどの外国人向け住宅(サービスアパート)では、週に数回の掃除サービス付き物件が見つけやすい状況です。 よって、自身で掃除をする必要が無い人もいらっしゃるでしょう。 とは言え、ふとした時に自分でも掃除をしたいと思った時、フローリングワイパーを使いたいと思う人も多いのではないでしょうか。 問題は、ベトナムではこのフローリングワイパーが、中々見つからない事です。 近年、店舗の数を増やすイオンモールや、ベトナム現地のECサイトをベトナム語で検索しても、滅多に見つかりません。 「掃除機でも十分」という意見もあります。 ただ、ベトナムでは日本よりも、室内に細かなチリが溜まりやすい環境です。 掃除機では吸いきれない汚れを除去するために、フローリングワイパーが活躍します。 そんな状況の中、フローリングワイパーが手に入りにくい理由として、ベトナムでは、サイズの大きな「水拭きモップ」が一般的である為、と考えられています。 よって、フローリングワイパーの需要が少ないようなのです。 もちろん、このモップでも掃除は十分可能ですが、モップの先端を定期的に買い直す必要がある、スペースを取るなどのデメリットも。 「自身で掃除が出来る準備をしておきたい」という人は、日本からフローリングワイパーを持参されると良いでしょう。 5つ目は、ショートメッセージ(SMS)の送受信可能な、日本のSIMカードです。 以下の理由から、データ通信に加えて、電話番号でショートメッセージ(SMS)の送受信も可能なSIMカードの契約を推奨します。 ネット上で、日本の何らかのサービス登録をする際、電話番号が必要な場合がある。 日本の一時帰国時、直ぐに携帯電話を使用できる。 デメリットとしては、日本のSIMカードを継続利用するため、毎月の維持費用が掛かることです。 ベトナム就職に当たり、日本のSIMカード利用を解除するお考えの人もいるでしょう。 筆者も同様の考えを持っていたため、ベトナム就職時、日本のSIMカードをキャンセルして渡航をしました。 すると、以下の様な不都合に直面することになりました。 電話番号が求められる日本のサービス申込ができない。 年に1,2回の一時帰国の度に新たにSIMカードを調達しなければならない。 ベトナム渡航前に電話番号を維持しておくべきだった、と後悔しています。 最近は、日本において、格安SIMカードが利用しやすくなりました。 また、コストが毎月数千円程度で済むものもあります。 よって渡航前に一定金額を銀行口座に入金しておけば、十分まかなえる金額です。 また、一時帰国の度に入金する、最悪の場合、家族や友人に送金してもらう等の、対応も可能でしょう。 ベトナム渡航前に、電話番号付きの格安SIMを契約する事を、考えてみて下さい。 6つ目はボールペンです。 種類を問わなければ、ベトナムでもボールペンの入手は可能です。 とは言え、「書き味の良さ」や「持った時の快適さ」、「複数の色を搭載する多色ペン」など、リーズナブルで高機能なペンの選択肢は限られています。 よって、選択肢が非常に多い日本で購入されることをオススメします。 また、お客様やサプライヤーとの面談時に、デザインの良いペンを使いたい、という人もいるでしょう。 そういった小綺麗なペンも、ベトナムで入手可能ですが、価格帯が跳ね上がり、数千円〜数万円のブランド物になってしまいます。 つまり、500〜1000円などの手頃な価格帯のペンがないのです。 安価で高機能なペンは、日本で忘れずに入手するようにしましょう。 7つ目は、電子書籍端末です。 ベトナムでは日本語で書かれた紙の本が、手に入れにくいためです ハノイとホーチミンでは、日本語の本が見つかる場所もあります。 日本の紀伊國屋書店と提携したローカル書店「FAHAZA」や、本が寄付された日本食レストランなどです。 しかし、自分が求める特定の本や最新の出版物などを、タイムリーに手に入れるには、電子書籍の利用がベストと言えるでしょう。 尚、アマゾンの「Kindle Paperwhite」といった電子書籍端末は、ハノイやホーチミンなどの都市であれば、入手可能です。 スマートフォンやタブレットのアプリでも同等の機能が果たせるものもあります。 ご自身の好みに合わせて、使いやすい方を選択されると良いでしょう。 とは言え、「渡航後すぐに読みたい」「現地での購入と設定が面倒」という人は、日本で入手の上、セッティングまで済ませておくと便利です。 8つ目の必需品は、キレイ目の靴です。 ここで言う「キレイ目」とは、「オフィスやフォーマルな場で使用できる」という意味です。 男性で言えば革靴、女性で言うハイヒールやパンプスなどに当たります。 ベトナムに置いても、キレイ目の靴を販売する「お店」を見つけるのには苦労しません。 イオンモールや現地のデパート「Vincom Center(ビンコムセンター)」などに行けば、複数のお店を見つけられるでしょう。 ただ、「気に入ったデザイン」「自分に合うサイズ」が見つかるかは別問題。 当然ながらベトナム人の嗜好に合わせた品揃えの為、好みの靴が見つけにくい事もあります。 特にサイズが大きい人は要注意です。 ベトナムでは28cmまでしか取り扱っていないお店が多いからです。 筆者のサイズである29cm(ベトナムで一般的な欧州サイズだと45)の靴がある事は滅多に無く、ベトナムでの靴の購入は諦めています。 オフィスやフォーマルな場で使用する靴は、日本でご用意の上、ベトナムに持参する事をオススメします。 9つ目は、折りたたみ傘です。 ベトナム現地で入手しやすい傘と言えば、長い傘であるからです。 ベトナムでは、基本的に全土に渡って、雨がまとまって降る季節が有ります。 特に、ホーチミンなどの南部地方は、毎年5月〜11月は雨季となり、ほぼ毎日雨が降ります。 とは言え、降らない時間帯もあるため、持ち歩きやすい折りたたみ傘が欲しいところ。 ただ、ベトナムではまだまだ一般的ではありません。 当然、日傘も手に入れにくいです。 よって、日本で1本、壊れることも想定して数本、折りたたみ傘を持参されると、便利でしょう。 今回は、「日本で準備したほうが良い、ベトナム生活の必需品9つ」をご紹介しました。 いずれも、現地在住の筆者が「日本で準備しておいて良かった」「日本から持ってくれば良かった!」と実感した物です。 経済発展や日本の小売店の進出により、年々ベトナムでの買い物は便利になっています。 しかし、まだまだ手に入れにくい物が多いのも事実。 今回の記事が、ベトナム渡航の準備や、ベトナム生活のイメージに役立つ情報となれば幸いです。
- 2022.12.02
【比較】ハノイとホーチミンはどちらが良い?実際に4年ずつ生活した筆者が解説
ハノイとホーチミンの比較をしたい。 生活する上での、2つの都市の違いは何だろう。 経験者だからこそ知る、両都市の生活の違いは無いかな。 こういった疑問に答えていきます。 本記事では、実際に住んでみて気付いた「ハノイとホーチミンの違い」を7つ、ご紹介します。 ベトナム就職を考える際、経済規模と企業数から、就労先に、ハノイ・ホーチミンは選択肢に入るでしょう。 事実、HRnaviがご紹介する求人も、大部分がこの2都市です。 その際、「2つの都市の違い」が気になる人も多いのではないでしょうか。 筆者も当初、「働く場所は関係ない。仕事選びは『業務内容』と『会社』で選ぶべき。」と考えていました。 しかし、ホーチミンからハノイへ転居してから初めて、「短期滞在中は気が付かなかった、仕事や生活に影響を与える違い」を実感しました。 その上、ベトナムに在住する日本人の中には「こちらの都市のほうが合う」「もう一方は合わない」と感じる人も。 ベトナム就職を実現し、渡航してから「先に知りたかった!」と後悔はしたくないですよね。 そこで今回は、「仕事や生活に影響を与える可能性のある違い」をご紹介します。 ハノイとホーチミンに、各4年以上居住した筆者が「行く前に知りたかった!」という内容を、7つに厳選しました。 現地の人の気質 日本人の勤め先 ローカルフードの味付け 日本食のバリエーション 治安 気候 観光先 この記事を読むことで、ハノイとホーチミンでの「生活の違い」が、以前より明確になるでしょう。 また、就職先を決める際、より納得感を持って都市を選べるようになるはずです。 尚、本文では、ハノイを中心とする「ベトナム北部地方」を「ハノイ」、ホーチミンを中心とする「ベトナム南部地方」を「ホーチミン」と記述します。 1つ目の違いは、現地の人の気質です。 筆者が感じる最も大きな違いは、ハノイは「関係性を重視」、ホーチミンは「合理性を重視」という点です。 そう感じたエピソードが、あるベトナム系製造業の社長と話した時です。 ハノイで50人規模の製造業を起業して5年目の彼は、北部出身。 その彼に「ビジネスにおける、ハノイとホーチミンの人の違い」を聞いたところ、以下のような答えが返ってきました。 「ハノイでは、人間関係に置いて、関係性を重視します。 だから、新しく取引を始める時は、紹介してくれる知り合いがいないかを、まず最初に考えます。 ただ、一度取引が始まり、気に入ってもらえれば、ずっと応援してくれるのは良い点ですね。」 「一方、ホーチミンではより合理性を重視すると感じます。 知り合いからの紹介も有効だけど、取引するメリットや価格を客観的に評価する人が多いと感じます。 だから、メリットある取引を継続しないと、他のサプライヤーに切り替えられ易いのも、ホーチミンの人の特徴と言えますね。」 もちろん、例外はありますし、ハノイ出身の人がホーチミンで働いたり、その逆のケースも見られます。 ただ、この違いから、「相手とより深く繋がることが得意」なら「ハノイ」、「合理性とメリットを押し出して仕事を進めたい人」は「ホーチミン」という選択が出来るでしょう。 2つ目の違いは、現地在住の日本人の勤め先です。 概して、ハノイは「大企業」、ホーチミンは「中小企業やベトナムで立ち上げたベンチャー企業」が多いと感じています。 この違いが生まれる理由として、ベトナムに進出する日系企業数の50%を占める、製造業に関連していると考えられます。 ベトナムに進出する「最終製品を作る日系企業」は、大きく分けると以下の3つに分類されます。 二輪車(モートバイ) 四輪車(自動車) 家電(プリンタ、エアコンなど) この3製品を製造する日本発の大企業は、多くがハノイやその近郊に進出しています。 そのため、その部品調達を担うサプライヤーや、更にそのサプライヤーなど、比較的規模の大きい企業もハノイ近郊に集中しているのです。 その反面、ホーチミンやその近郊には、上記大企業とは取引関係にない、中小企業が多く進出している傾向にあります。 よって、ハノイに住む日本人は、日本の有名大企業に勤める人が多く、ホーチミンでは中小企業やベトナム発のベンチャー企業に勤務する人と多く出会う、と感じています。 「仕事やプライベートを通じて、どういった人と触れ合いたいか」を考える時、この違いは1つの判断基準になりそうです。 3つ目の違いは、ローカルフードの味付けです。 ハノイは「あっさり」「塩味」、ホーチミンは「複雑」「甘めの味付け」という傾向があります。 筆者の経験だと、ハノイの「薄めの味付け」は抵抗なく食べられる日本人が多いと感じています。 一方、ホーチミンの「濃い目」「甘め」の味付けは、「好きな人と苦手な人の好みが大きく分かれる」という印象です。 もちろん、ローカルフードを極力食べずに生活することは可能です。 最近では両都市とも、中心部から工業団地のある郊外まで、日本食レストランの進出が増えている為です。 ただ、勤務中や移動先でのお昼ご飯など、ローカルフードしか選択肢がない場合もあります。 しかも、環境が大きく変わるベトナム就職において、「自分に合う食事」は生活に影響する、重要な要素の1つです。 ローカルフードを最優先に勤務場所を決めることは無いでしょう。 しかし、両都市から更に離れた郊外への頻繁な出張が予想される人、居住される人は特に、留意すべき要素になりそうです。 日本からの渡航時、自分に合う食べ物を持参するなど、事前準備をされると良いかもしれません。 4つ目の違いは、日本食のバリエーションです。 ハノイは「総合的なお店」が多く、ホーチミンは「一部の料理に特化したお店」が多い傾向にあります。 両都市の共通点としては、日本食レストランや日本人が経営する飲食店は、豊富に存在するという点です。 特に、以下のいわゆる「日本人街」に集中しています。 ハノイ Linh Lang(リンラン)通り Kim Ma(キンマー)通り Bui Thi Xuan(ブイティスアン)通り ホーチミン Le Thanh Tong(レタントン)通り Pham Viet Chanh(ファンビッチャン)通り 一方、両都市の違いとしては、ハノイは「日本食全般」を扱うお店が多いのに対し、ホーチミンでは何らかのメニューに「特化」した料理店が、ハノイより目立つ点です。 一例を挙げると、ホーチミンではラーメン屋でも「家系」「担々麺」「鶏そば」など、選択肢が豊富にあります。 また、居酒屋でも「焼き鳥」「ご当地料理」などです。 ホーチミンのほうが、日本食のバリエーションに困らず、まるで日本にいるかの様に食を楽しむことができる、と言えます。 初めて海外に居住する人や、ベトナム料理が苦手な人にとっては、ホーチミンのほうが「より食事面の負担が少ない」「日本と変わらないレベルで外食を楽しめる」でしょう。 5つ目の違いは、治安です。 両都市に約4年ずつ居住した経験から、ハノイのほうが、ホーチミンよりも治安が良いと感じます。 ここで言う「治安」とは、盗難やひったくりなどの「軽犯罪に合う可能性」を指します。 理由は、ホーチミンのほうが、ベトナム現地の人の防犯意識が高いと感じるからです。 筆者が「ホーチミン人のほうが、防犯意識が高いな」と感じた理由は、以下の3点です。 現地人から携帯電話、財布、カバンなどの「ひったくり」に注意する様、アドバイスされるケースが多い。 バイクを駐車する際、複数の鍵や鎖を利用するケースが多い。 夜10時以降に出歩かないよう心がける現地人が多い。 また、ベトナム人の間でも、同様の意識があり、2013年にはあるYouTube番組で話題になった程です。 道中、堂々と電話を掛けるハノイに対し、ホーチミンでは最大限の警戒をする様子が描かれています。 とは言え、軽犯罪以外の観点で言えば、ベトナムでは比較的治安が良いと言えます。 加えて、どちらに居住するにせよ、海外において「自分の身は自分で守る」事は大前提です。 その上で、強いて言えばホーチミンのほうが、ハノイよりも高い防犯意識が求められる、と留意されると良いでしょう。 6つ目の違いは、気候です。 特徴を端的に言うと、ハノイは「四季」があり、ホーチミンは「常夏」です。 四季のある日本で生まれ育った私たちにとって、母国とは異なる「常夏」には惹かれる人が多いかもしれません。 一方で、実際に住んでみると、両都市ともに、以下の様なメリットとデメリットを感じました。 ハノイ メリット: 季節と気温の変化により気持ちが自然と切り替わる 自然と「今、何月か?」「今年は残り何ヶ月か?」を意識し、仕事に張りが出る。 デメリット 高い湿度により、夏はより蒸し暑く、冬は日本より寒く感じる時がある。 ホーチミン メリット 1年を通して気温がほぼ一定なので、身体への負担が少ない。 デメリット: 季節感を感じにくい。 意識しないと「今、何月か?」の感覚を失う事がある。 両都市に一長一短があることが分かります。 これまでに筆者がお会いした人だと、ホーチミンを選ぶ人は、前述した「常夏」の気候に惹かれる人が多いように感じます。 とは言え、ハノイに10年、15年と長く滞在される人は、「季節感」や「現地人の真面目な気質」を重視して選ぶ人が多い印象です。 ベトナム就職に当たり、仕事内容よりも「気候や住む都市」を重視して選ばれたい人は、上記のメリットとデメリットを留意されると良いでしょう。 7つ目の違いは、観光先です。 概して、ハノイは「山中心」、ホーチミンは「海中心」と言えます。 まずハノイでは、「山中心」の観光が楽しめるでしょう。 ハノイの中心部から3,40km離れた場所には、自然豊かな山間部が広がっているのです。 特に、米の収穫期である9月〜11月に掛けて、ハノイ北部・北西部に位置する以下の場所では、大変見ごたえのある景色が楽しめます。 「Sapa(サパ)」フランス人宣教師による進出以来、避暑地として開発が進められた、多くの少数民族が共生する場所。 「Hà Giang(ハザン)」中国国境沿いの、標高差の激しい山と谷の間に町や村が広がる、ベトナム最北端の省。 「Mộc Châu(モックチャウ))」ハノイから西に約200kmに位置する、茶葉や牛乳で有名な場所。 「Mai Châu(マイチャウ)」ハノイ近郊の、盆地に広がるのどかな田園地帯。Thái(タイ)族と呼ばれる少数民族が営むホームステイが楽しめる。 どの場所も、傾斜の激しい山々の斜面に、収穫間近で黄色に色づいた水田が広がる、大変美しい景色を見ることができます。 この時期は現地の人も楽しみにしている人が多く、ベトナム中から沢山の人が訪れます。 対して、ホーチミンは「海中心」の観光が楽しめます。 ホーチミンや南部地方では、数多くのビーチリゾートが存在しているからです。 「Vũng Tàu(ブンタウ)」ホーチミンから最もアクセスしやすいビーチ。 「Phú Quốc(フーコック)島」金融センターと観光都市を目指してリゾート開発が急速に進む場所。 「Nha Trang(ニャチャン)」ロシア人によって開発が進められた、ベトナムにおけるビーチリゾートの先駆け。 「Mũi Né(ムイネー)」海だけではなく砂漠や渓谷も楽しむ事ができ、付近3つのどの空港からも100km以上離れる、のどかなリゾート地。 居住するからこそ、短期滞在では訪れにくい場所への旅行も、ベトナム就職の魅力の1つです。 ハノイとホーチミン、どちらか迷われた場合は、周囲の観光先も1つの選択肢として、検討しても良いかもしれません。 今回は、「住んでから初めて気付いた、ハノイとホーチミンの違い7つ」をご紹介しました。 ベトナムのみならず、海外就職では、住む都市選びも渡航後の生活に影響を与える、重要な要素です。 自分の目標や仕事内容に合わせて就職先を選んだ上で、各都市の違いを前もって知ることで、より納得の行く就職先選びができることでしょう。 今回の記事でご紹介した内容が、ベトナム就職や都市を検討する際に、少しでも役に立てば幸いです。
- 2022.11.24
必見!ベトナム生活の実態:日本との違いを解説
ベトナムと日本での生活は、何が違うのかな ベトナムでの生活の実態を知りたい。 ベトナム就職に興味はあるけど、現地での生活が想像できず、不安だな。 こういった悩みに答えていきます。 HRnaviは、設立から15年間、「ベトナム現地の、リアルな情報をお届けする」ことを大事にしてきました。 そのため、担当する日本人コンサルタントは、「全員ベトナム在住」です。 なぜなら、ベトナム就職を希望する方と、より同じ視点でサポートしたいからです。 また、筆者は「ホーチミンとハノイに計8年」居住。 現地在住者の実感をお伝えします。 今回は、「ベトナムでの生活」をより想像頂きやすくする為、日本と比べて、ベトナムのほうが「満足を感じる点」又は「不満を感じる点」をご紹介します。 本記事が、ご自身がベトナムで生活される姿を、より鮮明にイメージし、ベトナム就職を決断する後押しとなれば幸いです。 尚、内容は、「生活面」に絞って、お伝えします。 ベトナム生活に「満足」と感じる点は、以下の4つです。 こちらが誠実に対応すれば、親切にしてくれるベトナム人が多い WiFi・コンセント完備のお店が一般的で、外出しても気軽に作業ができる タクシーアプリが普及しており、安くDOOR TO DOORで移動できる 日本人とのつながりを作りやすい 順番に解説していきます。 他の国々と比べて、ベトナム人の方々は特に「親切だな」「優しいな」と感じられる場面に、多く出逢います。 現地に在住する日本人の方からも、頻繁に耳にすることです。 筆者の経験だけでも、ベトナムの方に親切にしてもらった例を上げれば、キリがありません。 ベトナム赴任当初、週末にも関わらず、会社の同僚が1日中買い物に付き合ってくれた。 ジムで運動していたら、「日本人ですか?」と声を掛けてくれ、意気投合し、家にまで招待してくれた。 こちらが食事を招待しているにも関わらず、絶対に代金を出させてくれない友人。 現地の食堂で、メニューが分からず迷っていたら、隣の人が教えてくれ、注文までしてくれた。 旅行先のホステルの人が、10km先のバス停に自分で向かおうとしたら、何も言わずに車で送ってくれた。 残念ながら、一部の国では「外国人」と分かると、そっけなく対応したり、代金を多く請求したりする人もいます。 もちろん、ベトナムでもそういったケースは0ではありません。 しかし、ベトナムでは「親切にしてくれた」「助けられた」と感じることが多く、ベトナム現地の友人を作りやすいことも、ベトナム生活を楽しめる一つの理由です。 異国で挑戦する私たちからすると、親切な現地の方の存在は、大きな安心材料と言えるでしょう。 ベトナムでは、WiFi・コンセント完備のお店が多く、外出先で気軽に作業ができることも、「快適さ」を感じる点の1つです。 勤務時間中、特に営業職の方は外出先で仕事をする機会も多くあるでしょう。 また、週末なら、「ちょっとカフェで作業や調べものをしたい」というシーンも出てくるはず。 ベトナムなら、カフェやレストランを問わず、WiFiやコンセントを自由に使う事ができるため、「パソコンでネットを使いたい」「スマートフォンの充電が切れそう」という時も、安心です。 2020年以降、ベトナムでもリモートワークが浸透している影響からか、ベトナム人も「Wifi・コンセント完備のお店が多い環境」をフル活用しています。 道端の低い椅子が並ぶカフェから、「Highlands coffee(ハイランズコーヒー)」「The Coffee House(コーヒーハウス)」などのチェーン店まで、時間を問わず、パソコンを広げて仕事に励む方も多く見受けられます。 ただ、WiFiのセキュリティ設定に関しては、そのお店次第です。 使用の際は、ご自身でセキュリティ対策をされることをオススメします。 このように、「ちょっとした外出先での作業」「場所を問わずに仕事」をされたい方にとって、ベトナムは快適な環境と言えます。 ベトナムでは、タクシーアプリが広く普及しており、安価にDOOR TO DOORで移動できることは、魅力的です。 以下の3つのタクシーアプリは、ハノイとホーチミンを中心に、ベトナム在住者に広く利用されています。 Grab(グラブ) Gojek(ゴジェック) be(ビー) 加えて、特に自身のバイクや車を持っていない方にとって、タクシーアプリは必需品とも言えるでしょう。 ハノイやホーチミンの2大都市でさえも、バスや地下鉄などの公共交通機関は一般的ではないためです。 そんなタクシーアプリの良い点は、「安くDOOR TO DOORで移動ができる」点です。 日本だと、地下鉄や電車網が発達した都市では、「自宅から駅」「駅構内」「駅から目的地」など、意外と歩く距離が長くなりがちです。 一方、ベトナムでタクシーアプリ中心の移動をすれば、自宅の前に着いたタクシーに乗り、目的地で降りることができるため、徒歩移動を最小限にできるのです。 「日本人との繋がりを作りやすい」ことも、ベトナム生活のポジティブな点の1つでしょう。 本記事執筆時点で、ベトナム全土に居住する日本人は約2万人います。 この数は、2020年〜2021年にかけて落ち込んだものの、昨今の移動の自由化と共に、増えると見込まれています。 とは言え、ベトナム以外の国であっても、海外で出逢う日本人とは、日本よりも友人関係に発展しやすい、と実感しています。 背景は複数考えられますが、最も大きな理由は「母国を出て努力をしている者同士」という共通点から、連帯感を感じるためでしょう。 また、特にハノイやホーチミン、ハイフォンやダナンの4大都市では、スポーツや趣味でつながったサークルも、多く活動しています。 そういった環境でつながった人とは、世代に関係なく、ベトナムを離れた後も、連絡を取り合っている、という話も多く耳にします。 ベトナムで仕事を頑張る日本人同士で、新しい友人を作ることができる点もまた、ベトナム生活での面白みの1つと言えそうです。 反対に、ベトナムの方が「不満」と感じる点は、以下の3つです。 渋滞がひどく、移動に時間がかかる場合がある 公衆のマナーが発展途上 ベトナム人や日本人同士の関係が近すぎる、と感じる時がある 以下、順番に解説していきます。 渋滞は次第に深刻化しており、移動に時間が掛かる点は、ベトナム生活で不満を感じる点の1つです。 ベトナムは2009年以来、継続して経済成長を遂げており、2020年を除き、毎年実質GDPが5%以上の成長を遂げています。 この統計上で「豊か」になっていることは、道路に出た時の「年々増える自動車の数」でも実感します。 一方で、「道路などのインフラ開発」は追いついている、とは言い難い状況です。 決して広くはない道路に、無数の自動車とバイクが集中するため、渋滞は以前よりもひどくなっている、と感じます。 したがって、タクシーアプリを活用し、バイクで移動したとしても、地図アプリの予測より、長く時間が掛かることがあります。 特に、「午前7:30〜8:30の通勤時間」や「午後4:30〜6:00の退勤時間」には、たった1km先の場所への移動に、10分以上掛かってしまう場所もあります。 このように、渋滞による予測の出来ない移動時間は、ベトナム生活で不満を感じることがあるポイントです。 公衆のマナーが、未だ発展途上である点も、ベトナム生活に、時々不満を感じる点の1つです。ここでのマナーとは「公共の場での振る舞い」として考えます。 前提として、筆者がベトナム勤務を始めた2013年と比べると、ベトナムにおけるマナーは、遥かに向上している、と感じます。 様々な要因が考えられますが、ベトナムでも経済発展に伴う所得の増加、海外旅行・留学・就労の一般化が進むにつれ、「他の国々の良い例を取り入れている人が増えていること」が一因と考えられています。 加えて、ベトナムのみならず、どの国々と比較しても、日本はマナーや清潔感においては非常に高いレベルです。 マナーが良く非常にキレイと言われている「シンガポール」と比べても、日本のマナーレベルは「異常なほど高い」とも言えるかもしれません。 よって、日本基準で見てしまうと「ベトナムのマナーはどうしても劣っているな」と感じることはやむを得ません。 ただ、どんなに日本基準を取り去ったとしても、筆者が「もう少し改善してくれたら良いのにな」と感じる場面は、以下の4点です。 運転時、クラクションを鳴らすことが一般的 カフェやレストランでの会話のボリュームが大きい時がある レストランで食べた殻やゴミを床に落とす人がいる スマートフォンの動画を、大きめの音量で、イヤフォン無しで視聴する人がいる ただ、強調しておきたいことは、年々マナーは改善していると実感しますし、非常にマナーが良いベトナム人の方もいらっしゃることです。 一方で、上記の4点が気になってしまう方にとっては、「ベトナムは暮らしづらいな」と感じてしまうかもしれません。 最後にご紹介する、ベトナム生活に『不満』を感じる点は、ベトナム人や日本人同士の関係が近すぎると感じる時があることです。 「ベトナム人」と「日本人」の場合に分けて、解説していきます。 ベトナム人との会話の中で、「質問が個人的な内容の時」があります。 初対面のベトナム人に、頻繁に聞かれる質問の例を8つ、上げてみました。 年齢 婚姻状況 家賃 月収 家族構成 兄弟の人数 兄弟の就職先 兄弟の婚姻状況 人によっては、一部は「親しくなった後であれば問題ない」と感じられる質問もあるかもしれません。 ただ、初対面の方に「家賃や月収」や「兄弟の婚姻状況」を伝えるのは、抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。 以前、日本企業に11年務めた経験を持つ、ベトナム人の友人に「どうしてこういった質問をする人が多いのですか」と聞いたことがあります。 彼は、「年齢は、ベトナム語での呼び方を決めるため。お金や家族については、ベトナムにおける、相手を理解するための話題。」とのことでした。 もちろん、海外では一般的ではない事を理解し、上記のような質問を避ける方もいらっしゃいます。 「個人にまつわる質問」は、自分に興味を持ってくれている裏返し、と捉えられれば良いものの、詮索されているなと思う方は、不満に感じてしまう点と言えるでしょう。 一方、日本人同士の関係が近すぎる、と感じる時は、「現地の日本人同士は大抵つながっている」ことに起因します。 「ベトナム生活に「満足」と感じる点」の4つ目「日本人とのつながりを作りやすい」で述べたように、ベトナム現地に居住する日本人は、全土で約2万人います。 その多くはハノイやホーチミンの2大都市に集中していますが、多くの人が、仕事や日本人のサークル活動でつながっています。 よって、「自分の友人同士が、実は知り合いだった」というケースが頻繁に見られるのです。 そういった関係性の近さから、更に繋がりを広げられることは魅力的かもしれません。 しかし、道端で知り合いに出逢う機会や、「昨日、あのコンビニで買い物してましたよね?」と後日談を伝えられる場合も。 このような、「日本人コミュニティの狭さ」を楽しめる方にとっては良いものの、もしかすると「関係が近すぎる」「居心地が悪いな」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。 今回は、「ベトナムでの生活は何が違う?現地日本人が徹底解説」というテーマで、ベトナム生活における「満足」「不満」な点を解説してきました。 日本での生活よりも快適で「満足を感じる点」もある一方で、ベトナム生活ならではの「ちょっとした不満を感じてしまう点」を、ご理解頂けたかと思います。 一方で、不満については、私たちの感じ方次第とも言えます。 つまり「日本とベトナムの違い」と捉えられれば、ベトナムでの生活は快適になるかもしれません。 また、「不満を感じる点」の1,2つ目で触れた、渋滞やマナーについては、前述のように改善に向かっています。 10年後は遥かに改善し、今日のような状況は見られなくなる可能性もあるでしょう。 「今、自分はベトナムの経済発展の、過渡期の中にいる」と考えられれば、現在の状況を不満に感じず、楽しむこともできるかもしれません。 「他の現地在住者の意見も参考にしたい。」「経済発展を遂げるベトナムに身を置き、働く経験を積みたい!」という方は、HRnaviのコンサルタントに相談してみて下さい。
- 2022.11.13
ベトナム人と働くコツとは?現地生活15年の筆者が解説します
これからベトナムに渡り、仕事をされる方に現地生活15年の筆者からアドバイス! ドイツの調査会社インターネーションズが発表した、駐在員が住みやすい・働きやすい海外居住地のランキング「エクスパット・インサイダー」2022年版によると、ベトナムは52か国・地域中7位、8年連続でトップ10入りを果たしました。 治安も比較的よく、物価も安い、ベトナム料理はおいしく食べやすい。ベトナム駐在経験者は帰国後もう一度ベトナムに戻りたいと思う人がいるほど、ベトナムが合う人には住み心地がいい場所です。 この記事を読まれている方は、おそらくベトナムに何らかの関心がある方、又はこれからベトナムで新生活をスタートしようという方かも知れません。新しい土地での生活に期待で胸を膨らませているのではないでしょうか。 渡越される前に少しだけ心構えをしておくと、過度な期待による現地生活の理想と現実とのギャップによる落胆やストレスも少なく、すんなりとベトナムでの新生活に入る事ができると思います。 生まれ育った背景も、言葉も、国民性も全く異なるベトナム。違っていて当たり前。常に日本を基準にしてベトナム生活を送っていると自分が苦しくなります。日本との比較をやめてベトナムという国、ベトナム人を受け入れましょう。すると気持ちが楽になり、ベトナムの生活に馴染みやすくなるでしょう。 筆者がベトナム南部ホーチミンに住み始めたばかりの2007年、バイクだらけの道は排気ガスとゴミに溢れて歩きにく、日系のお店がまだ少なかったため、欲しい物を手に入れるのも一苦労でした。 今ではほとんど現地で調達可能ですが、当時は日本に一時帰国するたびに大量の食材、衣類、100均の製品を段ボールに詰めていました。 渡越したばかりの頃は、頻繁に起こる停電、、分からない言葉と本当に生活は不便で、常にベトナム生活の不便さを愚痴っていました。知らず知らずの内に、ベトナム生活の中に日本を求め、日本と比較しては悲観的になり、自分自身を苦しめていました。 皆さんはありのままのベトナムを受け入れ、不便な生活も自分なりに工夫しながら、生活の中に小さな楽しみを見つけながら充実したものに変えてみてください。 会社の中での日本人担当の役割は、ベトナム人スタッフと日本人との懸け橋役です!骨が折れる仕事ですが、やりがいは大きいです。 筆者の場合は現地企業勤務でしたが、たとえあなたが日系企業で働いても、実際に実務をこなし日々の課題を解決してくれるのはベトナム人スタッフの人達です。日本の本社、日本人の客先と社内のベトナム人スタッフのコミュニケーションを手助けするのがあなたの役目です。 日本語ができることは勿論ですが、日本人的な仕事の進め方、考え方、文化の違いを理解しているあなたが、ベトナム人スタッフとの間に立ってスムーズにやり取りができるようサポートします。 これは大変な仕事で、注意するポイントをいくつか挙げてみたいと思います。 日本語ができるベトナム人スタッフの日本語力を過信しすぎない。都度双方の認識が合っているか、擦り合わせをしながら進めていくことが必要。 日本スタイルを押し付けるのではなく、どういうものなのか、何が求められているのかを分かりやすく説明し、まずは理解をしてもらった上で仕事を進めていく。 ベトナム人は時間にルーズなところがあります。また、ベトナムでは交通渋滞があるため約束の時間に遅れることは多々あります。日系企業を訪問するベトナム人スタッフには遅刻をしないように時間に余裕を持って行動すること、また遅刻しそうな時は一報を入れるマナーを教えてあげた方がいいです。 ベトナム人には報連相の習慣がありません。任せた仕事はしっかり進捗を確認しながら進める必要があります。 人間誰でも失敗することはあります。ベトナム人スタッフがミスをした時は、人前で注意したり叱らず、個人的に呼び出して注意したほうがプライドを傷つけることなく、いい関係も保てます。 筆者は営業担当でしたが、実際はマーケティングやカスタマーサービスの仕事もこなしました。他部署のスタッフに頼まれて日本語をチェックしたり、翻訳をしたり、カスタマーサービスから頼まれて日本のお客様とベトナム人スタッフの間に立って、打ち合わせをしたり問題解決をしたりとマルチに仕事をこなしました。 私のように現地で働く日本人は、配属部署関係なく色んな仕事を任される可能性は高いでしょう。 たとえ簡単な挨拶「Xin Chào(シンチャオ)」でも、乾杯の掛け声「1,2,3(モッ、ハイ、バー)ヨー!!」だけでも少しベトナム語ができると、ぐんと同僚との距離が縮まります!多くの駐在日本人が口を揃えてベトナム語は習得が難しいと挫折してしまいますが、少し会話ができるようになると現地生活が楽しくなります。 外国人がベトナム語を話すとベトナム人には発音が可愛いらしく聞こえるらしく、「上手だね~」と子供を褒めるようにつたないベトナム語を褒めてくれるのです。お世辞とは分かっているのですが、少し嬉しくなります。 現地で15年も生活していると、ベトナム語にも慣れ、会話の内容が分かるようになり、少し話せるようになりました。言葉が少しできるようになると世界が変わります。 同僚の中には日本語や英語が話せる人もいますが、職場では会話が盛り上がってくると、次第にベトナム語での会話となり、自分だけ取り残されて孤独感を感じることもあります。孤立しないためにも、少しベトナム語を覚え、自分から声掛けして会話のきっかけを作るのもスタッフとの距離を縮めるコツです。 余談ですが、筆者がいつも日本人担当として心がけていた気遣いがあります。それは営業で外部からベトナム人スタッフが日本人に同行して商談に来る時、商談で何語を使って話すかは常に気を遣っていました。 日本語が得意でないベトナム人スタッフが同席する場合、日本人同士が日本語でずっと話し続けると、ベトナム人スタッフは内容が分からず疎外感を感じるでしょう。話し相手になれるベトナム人スタッフをこちら側もつけてあげる、もしくは共通で話せる英語を商談の言語に使うなどしていました。小さな気遣いです。 ベトナム人の人は家族や人のつながりを大切にしています。ベトナム人は会社や同僚も1つの家族として見る傾向があるので、一度打ち解けると仲良くなることができます。大切なのはあなたが話したいという気持ちです! 職場のベトナム人スタッフもあなたがどのような人なのかが分かるまで、少し距離感を置いているかも知れません。ベトナム語や英語ができなくても、話しかけられるのをただ待つのではなく、自分からジェスチャーを交えながらでも話しかけてみましょう。 「何を食べてるの?」「〇〇はベトナム語で何て言うの?」「あなたは何人兄弟?」「田舎はどこ?」など。自分に興味を持って話しかけてもらえると、嬉しそうに話してくれるでしょう。 ベトナム人の同僚とある程度打ち解けて、家族構成などが分かるようになれば、時々家族のことを話題にして話してみる、結婚式に参加する、出産したスタッフに小さなプレゼントをあげるなど、小さな気遣いも距離を縮めるコツです。 筆者は部下や仲のいいスタッフの誕生日を覚えておき、誕生日には小さいプレゼントをあげていました。またベトナムは旧正月を祝うので、旧正月明けには部下にお年玉をあげていました。 ベトナムと日本の職場は全く異なるので、驚きの連続だと思います。現地企業で約10年働きましたが、入社当初は色んなことに驚きました。実際に遭遇した時に心の余裕を持てるよう、よくある事例を紹介します。きっと働き始めたらどれも遭遇することでしょう。 先ほども少し話ましたが、ベトナム人は基本的に時間にルーズです。極端な例を挙げると結婚式が19時開始の場合、どうせみんな時間通り来ないからとみんなわざと遅れて来場するくらいです。 筆者の会社では8時が始業時間でしたが、出社後にすぐにデスクについて仕事に取り掛かる準備をするのは日本人ですが、ベトナム人スタッフは雑談しながらゆっくりと朝食を取り始め、仕事に取り掛かるのは8時半ぐらいからでした。未だに始業時間が8時なのか8時半なのか定かではありませんが、最初はカルチャーショックでした。 日本人もベトナムに住み始めてしばらく経つと、このベトナムスタイルに慣れてしまって、少々の遅刻ならいいだろうとベトナムカラーに染まりがちになりますが、客先訪問する時には渋滞時間も考慮して早めに出発してください。 ベトナムでは幼いころから昼寝の文化があるのを知っていますか?職場でも昼食後は枕とマットを片手に会議室に昼寝をしに行く女性スタッフ、座ったまま目を閉じたり、机に突っ伏して寝る男性スタッフがいました。ベトナムの人にとって昼寝の時間は大切なようです。会社には女性専用の昼寝スペースというものがありました(笑)。時には男性スタッフの豪快ないびきにみんなで大笑いしていました。 これは筆者がいつも感心していたことです。長く企業で働いていると去っていく人、新たに入社する人を多く見てきました。日本だと入社したばかりの頃は双方気を遣って距離感がありますよね。しかしベトナムでは(筆者の会社だけかも知れませんが)違いました。 女性に多く言えるのですが、入社して数時間後、数日後にはすっかり他の同僚と打ち解けて、もう何年も前から働いているような風格さえ出てきます。おそらくベトナム人の人懐っこい性格、明るさからなのでしょうか。少し羨ましくも感じました。 ベトナムの人は交流会、飲み会、パーティー、旅行などイベントが大好きです。駐在の日本人管理者の知り合いの方は、月に何度かは従業員を連れて飲み会、誕生日会などを開催されていると聞きました。これもベトナム人スタッフとの関係維持のために大切なことです。 また、日本では聞きなれないかもしれませんが、ベトナムでは「チームビルディング」というものがあります。社員旅行と研修を合わせたような旅行で、社員同士の結束を深めることが目的です。 大抵はビーチリゾートで行われるのですが、チーム対抗のゲームをしチームワークを高め、普段職場では見られないみんなの姿を見ることができます。そして夜は宴会、カラオケ、ダンス大会・・・・ 旅行が終わるころにはみんなの距離が縮まり、絆が深まります。最初はこのようなイベントに驚くかも知れませんが、会社の同僚と打ち解けるいい機会かも知れません。 日本では社内のスタッフは「ウチ」、社外は「ソト」で一線を引きますよね。これもベトナムの職場で驚いたことですが、ベトナム人同士で仲良くなると、たとえ相手が取引先のスタッフであっても、友達のように親しくなります。 仕事はZalo(ベトナムのモバイルメッセージアプリ)でチャットしながらやりとりをし、友達感覚で話しているのを見ると、日本との違いに驚くと同時に、どこで線引きすればいいのか戸惑いました。 色々と書きましたが、これからベトナムでお仕事をしようと考えられている方へ一言。何よりも健康第一です。ベトナム南部のホーチミンは年間通して温暖な気候なので、半袖一枚で過ごしやすいと思います。 12月~4月頃は乾季で湿度が低く過ごしやすく、旧正月前になると気温が下がり肌寒くなります。旧正月後は次第に気温が上昇して一番暑い季節を迎えます。そして徐々に雨が降る日が増え、5月~11月は雨季になります。昼間は日差しが強く、エアコンの効いた室内との寒暖差で体調を崩されないように気を付けてください。 そして何より、メンタルヘルス管理が一番大事です。ベトナムはまだインフラが未発達で住みにくい部分も多々あります。知らず知らずの内に日々の小さいストレスは溜まっていくものです。美味しいお店を開拓してみる、ベトナム語を習ってみる、ゴルフを始めてみるなど、小さくてもいいので何か楽しみを見つけて、うまく息抜きしながらベトナム生活を楽しんでみてください。皆さんのベトナム生活が実り多きものになりますように応援しています!
- 2022.11.11
【忖度無し】ベトナム就職/転職の注意点・デメリットは?ハノイ・ホーチミン在住経験者が解説
ベトナム就職のメリットはよく分かったけど、注意点やデメリットは? ベトナム転職ってどう?現地在住者の本音が知りたい こうした疑問に対して、ホーチミン・ハノイで在住経験の長い筆者が経験談も踏まえ、分かりやすく解説します。 最後までお読みいただければ、ベトナム就職の注意点を事前に理解でき、納得した転職活動へと繋げられるでしょう。 ベトナム就職・転職を検討されている方にとっての参考となれば幸いです。 HRnaviは創業15年、「ベトナム就職をしたい」という日本人の方にベトナムでのお仕事を紹介してきました。担当する日本人コンサルタントは皆、実際にベトナムに住み、現地の空気感を肌で理解しています。 また、本記事の筆者は、ベトナム、シンガポール、中国にも居住経験があるので、他の国と比べた客観的な意見をお伝えできます。 就職後の「こんなはずじゃなかったのに・・・」という後悔を最小限にするためです。 ベトナム転職を成功させ、思い通りで楽しい生活を送られている方が多くいる一方、残念ながら早期にベトナムを去ってしまう方がいることも事実。 「ベトナム就職・転職を成功させるために注意すべきポイントは何か?」 我々キャリアコンサルタントとしても、求職者の理想となるキャリアを応援したく、本記事では「ベトナム就職のデメリットや注意点」を忖度無しでご紹介します。 本題に移る前に考えておきたいことは、「そもそも、デメリットとは何なのか」ということです。 辞書には「短所、欠点、損失」と記されています。 つまり、「負の影響」と言えるでしょう。 では具体的に、その「負の影響」は、どういった面に及ぶのでしょうか。 筆者は、以下の3つの面だと考えています。 ベトナム転職における3つの注意点 仕事・キャリア面 金銭面 健康面 以下、順番に解説していきます。 「米食文化」「戦争の影響から立ち上がった歴史を持つ」「アジアに位置する」という共通点から、ベトナムと日本はどこか似ている、とお考えの方もいるかも知れません。 ただ、当然ながら違う国ということもあり、文化や感覚の違いにより、ストレスを感じる時もあります。 HRnaviや筆者、そして周囲の日本人が、仕事上で感じた経験のある「ベトナム人との感覚の違い」は以下の3つです。 「ベトナム人との感覚の違い」を感じる点 「前もってやる」よりも「必要になってからやる」 「お客様を優先」よりも「お客様も、こっちの事情を分かって欲しい」 上司の「指示の意図や背景を理解する」よりも「言ったことをやる」 日本だと、「計画性と逆算思考を持つ」「お客様第一」「本当のニーズを掴んで仕事をする」という言葉などで、社会人が持つべき最低限の考え方、と感じるのではないでしょうか。 逆に、日本でこれらを持ち合わせていないと、「計画性がない」「サービスレベルが低い」「意図を分かっていない」とマイナスの評価をされてしまう場合もあるでしょう。 しかし、これらの考え方は、ベトナムでは一般的ではありません。 その背景は、諸説あると思いますので、ここでは割愛します。 もちろん、日本人などの外国人との勤務経験がある方や、とても優秀な起業家の方など、ベトナム人の中でも、これらの視点を持ち仕事をされている方も、大勢いらっしゃいます。 ここでお伝えしたいことは、「日本では当たり前の『計画性』『お客様優先』『言葉の裏にあるニーズを想像すること』は、一般的ではない」と感じる場面が多々ある、ということです。 この時、日本人と同じ感覚で仕事をしてしまうと、ベトナム人の同僚や部下、サプライヤーに対して「計画性がない」「サービスレベルが低い」「意図を分かっていない」と感じてしまうでしょう。 しかも「納期遅延」「顧客からクレームを受ける」「ベトナム人の同僚や部下との仕事がうまくいかない」という影響が出ると、ご自身だけではなく会社への影響も出てしまい兼ねません。 まずは「『日本の当たり前』は 『ベトナムの当たり前ではない』という点を、心から理解すること」が第一ステップでしょう。 その上で、以下の3つの対処法が考えられます。 対処法 細かなリマインドを、自分のスケジュールに組み込む 上から目線に立たず、相手の状況に理解を示しながら、こちらの要望をはっきり伝える なぜこの仕事をやるのか、をはっきり伝える ベトナム勤務歴8年の、あるベトナム北部の製造企業で、ベトナム人70名を率いる日本人の方は、「日本人とベトナム人の役割分担だと考える」ことで、うまくマネジメントをされているとのことでした。 「違い」を理解して対処することで、日本人とベトナム人の「感覚の違い」は乗り越えることができる、と言えるでしょう。 「もしベトナムに行ったら、英語やベトナム語を身に付けよう!」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。 実際、ベトナム就職をされたばかりの方には、語学学習へ高い意欲をお持ちの方に多く出会います。 しかし、残念ながら、数ヶ月した後に再会してみると、「結局勉強しなくなった」と仰る方が多いのが実情です。 その理由として、ほぼ全員が挙げることは、仕事と私生活を問わず、「英語やベトナム語を話さなくても、案外生活できてしまう」点です。 実際のところ、企業側が現地採用者に求めることも、高い語学力よりも専門スキルや知識であるケースがほとんどです。 したがって、ベトナムに住むことで語学力が自然に上がる、というケースは期待できず、必要性に迫られない限り、語学を身に付ける意欲は低下してしまう、と言えるでしょう この点について、以下3つの対処法が考えられます。 対処法 「英語やベトナム語を身に付けたいと思う理由」を明確にする。 語学学校や家庭教師などを活用し、「語学を集中して勉強する時間」を設ける 「語学を勉強する理由」が曖昧なら、ベトナム渡航後に再検討する、もしくは語学学習を諦める。 英語やベトナム語を話せれば、ベトナムでの生活がより豊かになることは間違いありません。 ただ、もし語学力を向上させたい場合は、「行けば自然に上達する」という考えを捨て、上達させるために時間やお金を投資する覚悟を持たれると良いでしょう。 ベトナムは物価が安い国。ベトナムに現地採用で就職すると、日本よりも待遇が下がるケースがあります。 職種や業界によっては日本で働くよりも給与が高い求人はありますが、転職時は日本の給与水準より大体7~8割程度まで落ちることが多いです。 もちろん、特別なスキルがある方やベトナムで管理職に就く場合や、本社採用で駐在員として赴任する場合など、所得アップに成功するケースもあります。ただ、多くのケースでは、ベトナムで得られる所得は、日本よりも下がってしまうでしょう。 しかし、ベトナムでは生活費が安く、また経済成長が著しいため、長期的には金銭面で得することも多いのも事実です。 転職した時点では一時的に給与が下がりますが、ベトナム転職には夢があります。 ベトナム転職には夢がある 生活費が安いため貯金ができる 成長企業が多く、出世できる、昇給率が高い 起業するチャンスを掴みやすい(サービスが未発達のため介入余地が多い) 途上国であるがゆえに、ベトナム都市部の大気汚染は深刻です。 都市部とは、ベトナム就職者の大部分が多く居住する、ハノイとホーチミンを指します。 ダナンやその他都市に居住する場合は、今の所、心配をしなくても良いでしょう。 世界各国の空気の質を配信する、スイス発の企業「IQAir(アイキュー・エアー)」によると、2022年11月6日時点の「世界の都市の大気汚染ランキング」の中で、ホーチミンは32番目、ハノイは8番目に空気が汚れているようです。 大きな原因は、バイクや自動車の排気ガスと言われています。 新型コロナウィルスの発生以降、ベトナムでもリモートワークを行う人が増えたと言われていますが、移動が自由化されてから、発生前よりも渋滞がひどくなると共に、大気汚染も悪化したと感じています。 また、現地に在住すると、特に通勤と退勤の時間帯、いつも見えている遠くのビルが霞んで見えない、という日があります。 筆者が8年間滞在する中で多くの日本人と会ってきましたが、「ベトナム渡航後に、大気汚染で体調を崩し、渡航後6ヶ月以内で帰国を余儀なくされた」という日本人がいたと、聞いたことがあります。 考えられる対処法は、以下の2つです。 対処法 外出時はマスクをする 渡航後、万が一に備え、診察を受けられる病院を知る。 呼吸器系の病気を患っている方や、何らかの診断を受けた経験をお持ちの方は、特に注意をされると良いでしょう。 因みに、筆者は現在ハノイに居住しておりますが、「帰宅後のうがい」を欠かさないことで、幸い、問題を感じたことはありません。 今回は、「ベトナム就職の注意点」という内容で、現地在住者が感じる、生の意見を届けました。 「海外就職」や「ベトナム就職」は、良い面ばかりが注目されがちです。 しかし、長期的な視点に立ってベトナム就職・転職を成功させるためにも、注意点やデメリットにも目を向けましょう。渡航前の準備もしやすくなるでしょう。 本記事があなたにとってベトナム就職が有益かどうか、少しでも考える材料になれば幸いです。 ベトナム転職について専門的なアドバイスが欲しいという方は、HRnaviのコンサルタントに気軽にご相談ください。 ▼【参考】ベトナム転職のメリットについて書いた記事はこちら
- 2022.11.04
現地在住者が実感!ベトナム就職のメリット8個【他国との比較も】
ベトナムに転職するメリットは何でしょうか? 日本を出てまで、ベトナムで就職する得られる事はあるのだろうか? 他の国と比べた時の、ベトナム就職のメリットって何だろう? こういった疑問に答えていきます。 HRnaviは、2007年より15年間、「ベトナムで働きたい」と思われる日本人候補者の方へ、ベトナムでのお仕事を紹介して参りました。年々、ベトナムに興味を持たれる方も多く、最近では毎月100名以上の方々と面談を行い、キャリアアップのご支援をしております。 様々な経歴を持つ方々との面談の中で、共通して聞かれることの1つが、「ベトナムで働くメリットは何ですか?」というご質問です。 今回は、そんな候補者の方々が持つ疑問に対して、ベトナム、中国、シンガポールでの就労経験を持つ筆者が、他国との比較も交えながらお答えします。 この記事を読まれた後は、ベトナム就職のメリットについて理解を深め、「ご自身のベトナム就職の目的と得たいもの」を考えるきっかけになりますよ。 「一人で考えるよりも、経験者と話しながら考えたい!」という方は、HRnaviの経験豊富なコンサルタントに声を掛けてみて下さい。 前提として、ベトナム就職のメリットを知る前に、考えておくと良い事があります。 これらは、HRnaviや筆者が、数多くの候補者様との面談から、実感していることです。 具体的には、以下の3つです。 なぜ転職するの? なぜ海外就職するの? なぜベトナムを選ぶの? 上記3つが明確になっている方は、応募企業様からの評価も高く、内定に繋がりやすい傾向があります。 理由は、「どうしてベトナム就職をしたいのか」が明確になり、履歴書を書く時や面接時などに、ご自身の志望動機をはっきり伝えられるためです。具体的な内容は、別な記事で解説していきます。 これら3つを検討した後は、「ベトナムは自分に合うのか」を、より考えやすくなるかと思います。 本題に入る前にお伝えしたいことは、「ベトナム就職」など、「国選びの時に考えるメリット」には、2種類ある、ということです。 努力次第で得られるメリット 行くだけで享受できるメリット 「努力次第で得られるメリット」は、環境として用意されているが、得られるかどうかは自分の行動次第、というメリットです。一方、「行くだけで享受できるメリット」は、渡航すれば多くの人が感じられるメリットです。 海外就職を考える時に、「メリット」という言葉は頻繁に使われる一方、発信する人と受け取る人、それぞれの状況次第で意味が変わる言葉でもあります。 よって、1つの選別方法として「このメリットは、努力次第で得られるのか、それとも行くだけで得られるのか」を考えると、自分に合うかどうかが、考えやすくなるでしょう。 いよいよ次の章から、ベトナム就職のメリットを解説していきます。 ベトナム現地在住の、HRnaviのコンサルタントや筆者の実感を踏まえ、厳選した8つの点をご紹介します。 「努力次第で得られる、ベトナム就職のメリット」は、以下の4つです。 未経験でも「裁量の大きな仕事」や、「幅広い業務」に挑戦できる可能性 完璧な英語を話せなくても、仕事で活躍し、生活できる 日本企業やコミュニティが多く、日本人のつながりを作りやすい 生活費を抑えやすく、貯金や投資にもチャレンジしやすい 順番に見ていきましょう。 1つ目は、「未経験でも『裁量の大きな仕事』や、『幅広い業務』に挑戦できる可能性が高いこと」です。 具体的な内容は、業種や職種によって変わりますが、概して「マネージャーなどの管理職」や「複数業務の兼任」です。 未経験でも、マネージャーや複数業務に挑戦できる理由は、以下のとおりです。 本社から派遣される、日本人駐在員の数は、最小限であるから。 本社や、現地法人長である、日本人の意図を汲み取って仕事ができるから。 現地化が進んでも、「日本人に任せた方が安心」な仕事があるから。 端的に言うと、ライバルが少なく、日本人の意図を理解した仕事ができるため、「責任の大きな仕事や複数業務担当を任せられやすい環境」ということです。 私の人材紹介会社時代の同僚は、新卒でコンサルタントとして採用をされた後、未経験ながら「会社ホームページのSEO対策」も兼務し、約2年でSEO対策を一人で出来るほどのスキルを身に付けていました。 日本であれば、SEO対策の経験を持っていない限り、兼務を任せてくれる会社は、そう多くは無いでしょう。 もちろん、仕事を任されるには、入社前の面接や入社後の査定で、高い評価を得ることが求められます。 会社からの信頼を得られれば、年齢に関係なく、責任の大きな仕事や複数業務を担えることは、ベトナムに就職する魅力の1つです。 2つ目は、「完璧な英語を話せなくても、仕事で活躍し、生活できること」です。 ベトナムの日系企業の場合、社内の共通言語は、英語もしくは日本語のどちらかです。 ただ、例え英語が社内で使用されるとしても、ベトナム人にとっても、英語は外国語です。 よって、英語圏の国と比べると、話される文法や単語は単純で、こちらの話にも耳を傾けてくれようとしてくれる方が多いことは、ベトナム現地に住む多くの日本人が、実感することです。 また、仕事外でも、英語やベトナム語の、単語のつなぎ合わせでだけで、タクシーの乗車から買い物まで可能です。 これは、一度ベトナムに旅行に来られたことのある方なら、共感して頂けることかと思います。 もし中国であれば、一般的に、流暢な英語や中国語会話能力を求められるケースが多く、シンガポールであれば、基本的に英語力は必須となるなど、語学力がなければ応募もできない求人も多く存在します。 このように、ベトナム就職では、求められる語学力のハードルは低め、と言えるでしょう。 もちろん、高い英語力やベトナム語をお持ちであれば、選考で有利になることもあります。そして何より、現地での生活がより楽しめることは、間違い有りません。 よって、語学に興味がある方は、ベトナム渡航後に語学習得を目指しても良いでしょう。 3つ目は、「日本企業やコミュニティが多く、日本人のつながりを作りやすいこと」です。 日本から離れた場所で働き、住む人同士だと、仕事やコミュニティを通じて、様々な世代の日本人と仲良くなりやすいのです。 JETROの公表によると、日本企業数と在留邦人数は以下のとおりです。 日本企業数(日本商工会議所の会員数) 1,973社 在留邦人数 2万2,185人 これらの数は、東南アジアの全9カ国で比較すると、日本企業数は1位、在留邦人数もタイ、シンガポール、マレーシアに次ぐ第4位の数です。 その多くがハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイフォンの4大都市に位置しており、日本人のコミュニティ活動も盛んです。 生まれた年やスポーツ、趣味などのカテゴリを中心としたサークルがあり、共通のつながりを持った様々な年代の方と繋がることができます。 ご興味のある方は、ハノイ在住日本人向けメディアのVETTER(ベッター)や、ベトナム生活・観光情報ナビで確認してみましょう。 日本では誰もが知る製造企業の現地社長や、複数の飲食店を経営する方など、個性的なバックグラウンドの方とも知り合えるチャンスがあることは、海外就職やベトナム就職の魅力と言えます。 4つ目は、「生活費を抑えやすく、貯金がしやすいこと」です。 統計上でも実感でも、ベトナムの物価は年々上がっている事を感じますが、固定費の多くを占める食費や家賃は、努力をすれば日本よりも低く抑えることが出来ます。 例えば、家はワンルームタイプ、食事は自炊中心で済ませることで、ハノイやホーチミンでも、1ヶ月5万円以内に抑えることは十分可能です。よって、若手営業職の給与相場である15万円だと、10万円は自由に使うことができるのです。 日本で、10万円を貯めようと思うと、家賃や食費を、かなり切り詰めなければいけないでしょう。 他国の例として、シンガポールを挙げると、家賃相場が高く、日本人が抵抗なく住める住居だと、最低でも20万円はかかるでしょう。 また、食費は抑えたとしても5万円見込むとなれば、月給35万円以上の仕事に就いて初めて、10万円の可処分所得を確保できることになります。 よって、ベトナムでは生活費を抑えやすく、余ったお金を貯金や投資に回すことができます。 投資をお考えなら、基本的にはベトナム在住者限定の証券口座開設や、2015年から解禁となった外国人による不動産購入に挑戦することも、1つの手でしょう。 以上4つが、「努力次第で得られる、ベトナム就職のメリット」です。 次に、「行くだけで享受できる、ベトナム就職のメリット」を解説します。 次に、「行くだけで享受できる、ベトナム就職のメリット」は、以下の4つです。 経済成長の勢いと刺激を受けられる 親日家や日本語話者が多いため、居心地の良さを感じやすい 比較的治安が良い 日本人の口に合うローカルフードが多く、日本食レストランも豊富 順番に解説していきます。 1つ目は、「経済成長の勢いと刺激を受けられる」点です。 2022年第3四半期の実質GDP成長率は、前年同月比13.67%と、新型コロナウイルスの影響を受けた前年を大き成長を見せています。 また、2009年から2020年までの、実質GDP成長率の推移を見ても、2020年の2.6%を除き、一貫して5%以上の成長を続けていることが見て取れます。 この成長ぶりは、統計上だけではなく、現地に居ると肌で感じることでもあります。 筆者がベトナムに住み始めた2013年と比較すると、タワーマンションや乗用車の数は、圧倒的に増えています。周囲の友人の間でも、以前は「どうやったら給与を上げられるか」という話題が中心だった一方、「どんなビジネスをするか」「どんな投資をするか」という話が増えた、と感じています。 街と人から「豊かになりたい」という強いエネルギーと上昇志向を感じられることは、ご自身が働く上で、大きな刺激になるでしょう。 2つ目は、「親日家や日本語話者が多いため、居心地の良さを感じやすい」という点です。 ベトナム経済・ビジネス情報サイトVietBizによると、ベトナムに親日の方が多い理由は、日本企業や製品が多いだけではなく、歴史や政治など、6つの理由が背景にあると分析しています。 また、日本への留学生や日本語学習者の数も増え続けており、日本や日本語に興味を持つベトナム人が増えていることは、統計にも現れています。 加えて、現地に住む中で実感することは、日本や日本人に対して、好印象を持っている人が多いという点です。 筆者の経験だと、家を借りる時、大家さんに「外国人には貸したくないけど、日本人なら安心」と言われたことがあります。理由を問うと、「綺麗に使ってくれる人が多い」とのことでした。 また、ベトナム現地の製造業では、「無理な要求をしない」「約束を守ってくれる」という理由から、外国企業との取引は日本企業のみ、という企業も多く聞きます。 中国だと、歴史的背景や政治的な理由で差別を受ける場合があることを踏まえると、日本に対して好印象を持つ人が多いことは、特に初めて海外居住をする方にとっては、大きな安心材料でしょう。 3つ目は、「比較的治安が良い」ことです。 「治安が良い」の感じ方は人それぞれなのですが、「命を落とす危険のある事態に遭遇しやすいか」と考えると、非常に少ないと感じています。 外務省の海外安全ホームページの情報によると、日本人が遭遇しやすい犯罪はひったくり、すり、置き引きなどの「軽犯罪」です。ただ、このような軽犯罪に遭遇するリスクは、海外はもちろん、日本でも同様と言えるでしょう。 同じ東南アジアのインドネシア・バリ島の治安状況を見てみると、「外国人を狙った誘拐」という文字がありますが、ベトナムではそのような表記は見られません。 もし本当に治安が悪ければ、ハノイやホーチミンの街角でよく見る光景である、夜中に道端のカフェで、女性だけのグループが会話を楽しんでいる、という状況はありえないでしょう。 因みに、海外3カ国に住んだ、筆者個人の経験だと、「現地人の女性がやらないこと」を徹底すれば、犯罪に巻き込まれる心配は少ないと言えると実感しています。 私の友人によると、以下の3つを挙げていました。 午前0時以降に一人で外出しない。 見知らぬ人に話しかけられても反応しない。 道端で携帯電話をいじらない。 現地の人でも気をつけることを守る事で、大きな犯罪に巻き込まれる確率は低くなると言えるでしょう。 常に「ベトナムにおいては、自分は外国人」という意識を持つことは求められますが、比較的治安が良いことは、就職先としてベトナムを選ぶメリットと言えるでしょう。 4つ目は、「日本人の口に合うローカルフードが多く、日本食レストランも豊富」という点です。 ベトナムは、お米が自国で豊富に栽培されていることから、日本人にとって、馴染みのあるお米を活用した多くのメニューがあります。 また、味付けや素材も、日本人に取って親しみのあるもの材料が多く、ローカルフードだけを食べても大丈夫、という現地在住者もいるほどです。 しかも、ハノイやホーチミン、ダナンであれば、日本人が経営する日本食レストランが豊富にあるため、「たまには故郷の味を味わいたい」という方にも安心です。 最近では、前述した親日家が多いという背景から、ベトナム人が経営する日本食レストランも多く目にするようになり、最近では一人当たりの予算約2万円の高級寿司屋も登場もしています。 自炊派の方にとっても快適で、ハノイやホーチミンであれば、日本食材を扱うスーパーに行けば、大抵の日本食材が揃うようになりました。 このように、食事面ではローカルフードと日本食、共に充実していることは、ベトナムを選ぶメリットの1つです。 ここまで、ベトナム就職のメリット8つを解説してきました。「思った以上に住みやすそう」「想像よりもメリットが多い」と思われた方も多いかもしれません。 ただし、注意点は、「日本で就職するよりも、待遇が下がるケースが多い」という点です。待遇とは、給与だけではなく福利厚生面も含めています。 詳しい解説は別の記事にて行いますが、背景は、「現地採用は、駐在員ではコストがまかない切れないが、日本人を採用したい」ポジションであるケースが多いからです。 「駐在員求人に応募をすれば良い」、という考えもあるのですが、駐在員求人はそもそも数が少なく、企業様がより良い待遇を出す分、選考の難易度も高いのが現状です。 よって、「例え待遇が下がっても、ベトナム就職で得たいメリットはあるか?」を考えると、ベトナム就職がご自身にとって、良い選択かどうか、検討できるでしょう。 今回は、「ベトナム就職の8つのメリット」というテーマで解説をしてきました。ご自身の転職理由やベトナムを選ぶ理由を検討される上で、参考になれば幸いです。 もし、「一人だと中々考えがまとまらない!」「現地在住者に、もっと詳しく話を聞いてみたい!」と思われた方は、実際にベトナムに住む、HRnaviのコンサルタントがお手伝い致します。 メリットばかりでデメリットはないのか?そんな疑問にも現地からリアルな声でお答えいたします。 下記記事にもご記載ございますので、気になる方はご一読くださいませ。
- 2022.09.29
東京国際映画祭 2022に出展されるベトナム映画「輝かしき灰(邦題)」
2022年10月末に東京で行われる国際映画祭である東京国際映画祭2022に唯一のベトナム映画として「輝かしき灰(邦題)」(ベトナム語:Tro Tàn Rực Rỡ)が出展されます。ベトナム映画「輝かしき灰(邦題)」について紹介します。 東京国際映画祭とは、毎年10月下旬頃から東京で開催される国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭です。 公益財団法人ユニジャパンが主催で、経済産業省、国際交流基金アジアセンター(アジア映画交流事業)、東京都(コンペティション部門)が共催として参加しています。日本で唯一のFIAPF公認のコンペティティブ長編映画祭となっており、アジア最大級の映画祭となっています。 1985年のつくば万博開催を受けて開始され、隔年で開催された時期もありますが、今年で35回目を迎えます。 国際審査員が選出する『東京グランプリ』(優秀作品賞)候補が出展される「コンペティション」、日本国外の映画祭で話題になり日本公開前の作品が出展される「ガラ・セレクション」、アジアにおける新鋭監督(長編映画3作まで)の作品が出展される「アジアの未来」などの部門に分かれており、出展されている映画は期間中に東京都内の映画館で鑑賞することが出来ます。 ちなみにベトナム映画「輝かしき灰(邦題)」は、「コンペティション」部門に、ベトナム映画として最初の作品として出展されます。 ベトナム映画「輝かしき灰(邦題)」のベトナム語題名は「Tro Tàn Rực Rỡ」で、英語題名は「Glorious Ashes」となります。 この映画は、小説家 Nguyen Ngoc Tu(グエン ゴック トゥ)の二つの短編小説『Tro tàn rực rỡ』と『Củi mục trôi về』から再構成された作品です。ベトナムを代表する監督、ベトナムの人気女優が主演を務め、東南アジア共同制作助成金によって製作された、ベトナム南部の海沿いの村を舞台に3人のヒロインとそれぞれの男性との関係を描いた映画作品で、ベトナム・フランス・シンガポール合作となっています。 2000年のカンヌ映画祭 短編部門で賞を受賞し、また2009年のベネチア国際映画祭ではジャーナリスト賞を受賞したBui Thac Chuyen(ブイ タック チェエン)を迎え、東南アジア共同制作助成金を受けて制作されています。なお、現在 ハノイで後進育成を行なっているブイ タック チェエン監督は、『Lời nguyền huyết ngải(2012年)』以来、約10年ぶりの監督作品となります。 出演者には、Phương Anh Đào(フオン・アイン・ダオ)、Lê Công Hoàng(レ・コン・ホアン)、Bảo Ngọc Doling(バオ・ゴック・ゾリン), Ngô Quang Tuấn(ゴ・クァン・トゥアン)、Hạnh Thúy(ハン・トゥイ)が名を連ねています。 Phương Anh Đào(フオン・アイン・ダオ)とHạnh Thúy(ハン・トゥイ)の3人は名前くらいは聞いたことある人がいるかも知れないくらいかなり有名な人だと思います。Lê Công Hoàng(レ・コン・ホアン)はベトナムでは有名だと思いますが、私は知らなかっtです。 ただ、映画紹介でヒロインと書かれていたので、私の知っているHạnh Thúy(ハン・トゥイ)は年配の方なのもあって間違えていると良くないので触れないでおきます。 出演者の中で一番有名な人は、Phương Anh Đào(フオン・アイン・ダオ)だと思います。 ネットフリックスでも配信されている北海道を舞台にした日越合作映画「目を閉じれば夏が見える(2018年)」(ベトナム語題名:Nhắm mắt thấy mùa hè)で主演を務めていた女優です。日本語のウィキペディアもあるので、日本人でも知っている女優の一人だと思います。 2018年にはハノイ国際映画祭でベストアクトレスを受賞しました。 この映画の注目すべきポイントの一つとして、Singapore Film Commission(シンガポール・フィルム・コミッション)による初の東南アジア共同制作助成金を受け取って制作された映画作品ということです。 Southeast Asia Co-Production Grant(東南アジア共同制作助成金)とは、Singapore Film Commission(シンガポール・フィルム・コミッション)によって創設されたプロジェクトで、最初の助成金対象となった作品は2019年11月に選ばれた8つの作品となっており、ベトナムは「Tro Tàn Rực Rỡ」のみが対象として選出されました。 東南アジア共同制作助成金は、シンガポールと東南アジア地域の映画界の才能を世界に向けて質の高い映画を制作することを奨励しています。シンガポール人のプロデューサーとシンガポール以外の東南アジア人のプロデューサーと共に、シンガポール人以外の東南アジア人の監督によって映画を制作しないといけませんが、制作資金として25万シンガポールドル(2022年9月29日現在のレート、日本円で約2500万円)の助成金が支給されます。 東南アジア共同制作助成金以外にも、2017年釜山映画祭の枠組みの中にあるアジア・プロジェクト・マーケット・プログラムで15,000USドル(2022年9月29日現在のレート、日本円で約220万円)の賞金を獲得しました。 『東京グランプリ』を受賞されたら、結構な人気になりそうな映画なのではと思います。 ベトナムでの公開日は、調べた限り出てきませんでしたが、早く見たくなりました。 *カバー写真はvnexpressより参照
- 2022.09.22
ホーチミン二郎系ラーメンの元祖が待望の復活!?
ホーチミン二郎系ラーメン「ラーメン エノ」が待望の復活!?という噂を聞きつけて訪問してきました。 約8年前、ホーチミン市10区のNgã bảy Lý Thái Tổ(Dien Bien PhuやLy Thai Toのあるラウンドアバウト)の近くで、ローカル向けに二郎系ラーメンを出すラーメン店として創業した『ラーメン エノ』。 ローカル向けに飲食店を出店している日本人は多く聞きますが、『ラーメン エノ』ほどローカルな立地に出してたお店は、後にも先にお店は『ラーメン エノ』くらい。どんなに狭い道路に面していると言っても車一台が通れるような広さのところに出している印象です。『ラーメン エノ』が最初にあった場所は、車は先ず入れない、バイクが三台走れるかどうかの狭い路地の一角にありました。お店に向かう道中は、狭い市場を抜けて、バイク2台通るのがやっとなヘムを通っていかないと行けませんでした。また、一角と言いましたが角地ではなく、いくつかの商店が並んでいるところにありました。 お店の間口も広くはなく、人が二人通れるかどうかというような場所で、いつも路上にテーブルを出して食べていたのを覚えています。 当時のラーメン1杯の価格は3万ドンという安い価格設定と、店主が無料で日本語を教えていたこともあって、いつも学生で賑わっていました。 大繁盛していたのもあって、店舗をホーチミン市10区のSu Van Hanh通りのヘムに移転。この頃は、ラーメン一杯の値段が5万ドンか6万ドンに値上がりしていたものの、それでも学生で賑わっていました。 Su Van Hanh通りのヘムに移ってから行けていなかったのですが、久しぶりに訪れた時に奥さんの実家(Thu Duc市、当時はThu Duc区)の近くに移転するということを告げられました。 曖昧な記憶なのですが、2018年にThu Ducに移転、再オープンしたと記憶しています。 当時はホックモンという、ほぼクチに住んでいたこともあり、バイクで1時間半かけてお店に通っていました。 値段が10万ドンくらいに上がっていたものの、全てにおいて味がグレードアップしていて、日本人駐在員の人たちもホーチミン市中心部からタクシーや社用車で乗り付けるほどで、10区の時は「行っている」というお客様とかの話を聞くことはあっても、お店で会うってことはなかったのですが、Thu Ducのお店では、いつ行っても知っている日本人に会うというようなくらいに繁盛していました。 私のようなホックモン在住だと問題外ですが、他の多くの日本人からすると「美味しいけど、遠い」という声が多かったようで、それに応えるような形で期間限定ながらホーチミン市1区のバー『バーディークラブ』の2階で営業されていました。 『ラーメン エノ』がThu Ducで流行っているという噂が広がり、茹で野菜を乗せただけの何ちゃって二郎系ラーメンを出すお店や、『とみだや』さんのように少し上品な二郎系ラーメンの『麺 GK』というお店が出るくらいに盛り上がり、ホーチミンラーメン界隈に二郎系ブームが到来していました。 コロナで飲食店が自由に営業出来ないときは人気のあったチャーシューを販売していたようですが、コロナロックダウンが明け、ようやく飲食店も自由に営業するようになった頃、「ベトナム人奥さんや子供が日本にいるので、一度日本に戻る」とい噂を聞きました。 「日本に戻る」という噂を聞いてから、約1年。私の周りでは『いつ復活するんだろう?』という話を聞くこともしばしば。 そんな中、友人がFacebookで「ラーメン エノ」と同じ住所にラーメン屋が9月21日にオープンするという情報を見つけたと言ってシェアしてくれました。 21日は午前と午後にホーチミン市1区でアポイントがあったので、22日に訪問しました。 お店の名前は『UOZA RAMEN』に変わっているものの、お店の入り口と厨房の一部に『UOZA RAMEN』と書かれているくらいで、あとは『RAMEN ENO』と一緒でした。 驚いたことに、厨房にいたのは創業当時に働いていた女性。そして、奥さんの姿もありました。 メニューは”小”だけなようで注文は聞かれませんでした。 「ニンニクを入れますか?」とは聞かれますが、それ以外は非対応なのか特に何か言われうことがなく、ラーメンが出てきました。 日本だと、レシピや作り方も変わっていないのに店主が変わって味が変わったという話を聞きますが、それと同じくらいの変わり方くらいに思います。チャーシューは美味しかったし、麺もスープもそこまで変わってないように思いますし、美味しく食べられました。
- 2022.09.15
トゥードゥック市の教育技術都市(学園都市)にある大学
ベトナム南部のトゥードゥック市は、2020年12月9日にホーチミン市東部3区(2区、9区、トゥードゥック区)が合併して成立しました。このトゥードック市は、東部創造都市(Khu đô thị sáng tạo phía Đông)として位置付けられており、6つの重要なエリアが含まれています。 ホーチミン市の省轄市となっているので、住所はホーチミン市 トゥードゥック市となります。 トゥーティエム金融センター(Trung tâm Tài chính quốc tế Thủ Thiêm) ラックチェックスポーツ健康エリア(Khu Thể thao và sức khỏe Rạch Chiếc) サイゴンハイテクパーク(Trung tâm Công nghệ cao Sài Gòn) 教育技術都市[学園都市](Trung tâm Công nghệ giáo dục) タムダーエコテックパーク(Khu Công nghệ sinh thái Tam Đa) チュオントー未来都市(Khu Đô thị tương lai Trường Thọ) トゥードゥック市の教育技術都市(学園都市)は、トゥドゥック市東部のXa Lo Ha Noiの北側を中心としたエリアとなっており、多くの大学や教育機関、研究施設などが集まっています。有能な人材による科学技術を活かし生産性とサービスに適用した質の高い人材育成の拠点となることを目的に計画されています。 ホーチミン市No1の大学として有名で、2022年度版大学ランキングではベトナムで3位になっています。 ホーチミン市工科大学のベトナム語表記はĐại học Bách khoa Tp.HCMで、英語表記はHo Chi Minh City University of Technologyと記載します。 ベトナム語や英語で表記した場合は、あまり間違えないのですが、日本語表記にするとホーチミン市工業大学と混同される方が多いです。 ホーチミン市工科大学とホーチミン市工業大学は全く違う大学になりますので、履歴書などでは記載されている日本語表記だけでなく、ベトナム語や英語表記を確認する方が良いです。 ホーチミン市大学ランキングでは2位に位置している大学です。 トヨタ、パナソニック、オムロンなどの日系企業や多くの企業と連携して技術教育を率先して行っています。 越日就職トレーニングセンター(VJEC)を設置しており、日系企業への就職支援を行っていることから、日系企業での就労者が多いです。 ホーチミン市大学ランキングでは7位に位置している大学です。 ベトナム国家大学の情報技術パーク(Khu Công nghệ Phần mềm – ĐHQG TP.HCM)にある大学です。 ちなみにベトナム国家大学の情報技術パーク内には、図書館や教育センターなどがあります。 ホーチミン市大学ランキングでは9位の大学です。 ベトナムを観光で訪れる人たちに有名なスイティエン公園からXa Lo Ha Noiを挟んで向かい側にあります。 コンピューターサイエンスを専門に学ぶために2006年に設立されました。 ホーチミン市大学ランキングでは12位の大学です。 ホーチミン市 農林大学を英語で表記すると、University of Agriculture and Forestryとなりますが、NLUという略称からも分かるように、ベトナム語表記のTrường Đại học Nông Lâm Thành Phố Hồ Chí Minhの『Nông Lâm(農林)』が取られ、Nong Lam Universityと表記されることがあります。(ちなみに大学ホームページでも、Nong Lam Universityと記載されています) ホーチミン市大学ランキングでは14位に位置している大学です。 トゥードゥック市とビンズン省の境(トゥードゥック市寄り)に位置しています。 1985年に創設された、スポーツと体操を中心に学べる大学で、大学院まで併設されています。 ホーチミン市大学ランキング20位内には入っていませんが、ベトナムの中央銀行傘下の公立大学です。 この大学は、1998年にハノイで経済学や金融学など中心に銀行業界の人材育成のために設立された大学で、ホーチミン市には2004年に創設されました。 ここでは紹介しきれなかった、教育機関や教育施設が、トゥードゥック市の教育技術都市(学園都市)にはあります。 また、トゥードゥック市の他の5つの重要エリアについて、今後紹介していきます。
- 2022.08.25
[価格破壊] ホーチミン日本人街の業務スーパーに行ってきた。
彼女と同棲を始めてから、私自身が料理を作ることがなくなり、日本料理を食べることが減っています。そのため、以前と比べると日本食を食べる機会がほぼないので、日本食スーパーへ行くことはなくなりましたが、彼女が実家に帰っている間のカレーライスや日々の健康のための納豆だけは楽しみの一つとなっています。 先ず、お店の正式名は『RIBETO GYOMU JAPAN』というみたいなのですが、Google Mapsだと『業務スーパー Gyoumu』になっているので最初Google Mapsで『GYOMU』と入力しても出て来ませんでした。 お店の場所は、Thai Van Lung通りにあり、レタントン通りとタイバンルン通りの交差点からリートゥンチョン通り方面へと進むと右側にあります。1階はバイク置き場のようでしたが、扉は閉まっていたため、路上に駐車するしかありませんでした。 住所:16 Thái Văn Lung, Bến Nghé, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh ちなみに、この場所は、かつて大阪ラーメンが入居しており、深夜遅くまで賑わっていたのが懐かしいです。 お店の前に、このようなポップがあり目を引きます。 ベトナムの日本食スーパーでの納豆の値段相場は8万ドン弱。セブンイレブンだと9万ドン、ミニスポットだと10万ドンにも関わらず、こちらのお店は半額以下の価格破壊。 購入する日本食が『納豆』くらいとなっている私にとっては、とても魅力的。 店内は、それほど大きくはなくコンビニくらいのサイズ感。中央には冷凍庫が配されており、冷凍食品が陳列されています。それを囲むように日用品や食品などが陳列されています。 日本の業務スーパーのような生鮮食品は見当たらないものの、日本食スーパーにあるような商品は大体あるように感じました。 お目当ての納豆は冷凍庫に並べられており、35,000ドンの商品が1種類、40,000ドンの商品が2種類というラインナップでした。 どれも日本で食べたことないメーカーでしたが、日本食スーパーやコンビニで売っているものも日本で食べたことがないものだったので、私にとっては同じ印象です。 ホームページを見て驚いたのがベトナム国内に配送対応していることです。 気が早いかも知れませんが、老後にホーチミンを離れても、納豆に困ることはないと考えると、とても安心しました。 近隣の日本食スーパーと比べても商品ラインナップは変わらず、値段も2割〜3割安い商品が多くて、びっくりしました。











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