【比較】ハノイとホーチミンはどちらが良い?実際に4年ずつ生活した筆者が解説

【比較】ハノイとホーチミンはどちらが良い?実際に4年ずつ生活した筆者が解説

  • ハノイとホーチミンの比較をしたい。
  • 生活する上での、2つの都市の違いは何だろう。
  • 経験者だからこそ知る、両都市の生活の違いは無いかな。

こういった疑問に答えていきます。

居住して初めて実感した「ハノイとホーチミンの違い」7つをご紹介


本記事では、実際に住んでみて気付いた「ハノイとホーチミンの違い」を7つ、ご紹介します。

ベトナム就職を考える際、経済規模と企業数から、就労先に、ハノイ・ホーチミンは選択肢に入るでしょう。
事実、HRnaviがご紹介する求人も、大部分がこの2都市です。

その際、「2つの都市の違い」が気になる人も多いのではないでしょうか。
筆者も当初、「働く場所は関係ない。仕事選びは『業務内容』と『会社』で選ぶべき。」と考えていました。
しかし、ホーチミンからハノイへ転居してから初めて、「短期滞在中は気が付かなかった、仕事や生活に影響を与える違い」を実感しました。

その上、ベトナムに在住する日本人の中には「こちらの都市のほうが合う」「もう一方は合わない」と感じる人も。
ベトナム就職を実現し、渡航してから「先に知りたかった!」と後悔はしたくないですよね。

そこで今回は、「仕事や生活に影響を与える可能性のある違い」をご紹介します。
ハノイとホーチミンに、各4年以上居住した筆者が「行く前に知りたかった!」という内容を、7つに厳選しました。

  • 現地の人の気質
  • 日本人の勤め先
  • ローカルフードの味付け
  • 日本食のバリエーション
  • 治安
  • 気候
  • 観光先

この記事を読むことで、ハノイとホーチミンでの「生活の違い」が、以前より明確になるでしょう。
また、就職先を決める際、より納得感を持って都市を選べるようになるはずです。

尚、本文では、ハノイを中心とする「ベトナム北部地方」を「ハノイ」、ホーチミンを中心とする「ベトナム南部地方」を「ホーチミン」と記述します。

ハノイとホーチミンの比較①「現地の人の気質」


1つ目の違いは、現地の人の気質です。
筆者が感じる最も大きな違いは、ハノイは「関係性を重視」、ホーチミンは「合理性を重視」という点です。

そう感じたエピソードが、あるベトナム系製造業の社長と話した時です。

ハノイで50人規模の製造業を起業して5年目の彼は、北部出身。
その彼に「ビジネスにおける、ハノイとホーチミンの人の違い」を聞いたところ、以下のような答えが返ってきました。

「ハノイでは、人間関係に置いて、関係性を重視します。
だから、新しく取引を始める時は、紹介してくれる知り合いがいないかを、まず最初に考えます。
ただ、一度取引が始まり、気に入ってもらえれば、ずっと応援してくれるのは良い点ですね。」

「一方、ホーチミンではより合理性を重視すると感じます。
知り合いからの紹介も有効だけど、取引するメリットや価格を客観的に評価する人が多いと感じます。
だから、メリットある取引を継続しないと、他のサプライヤーに切り替えられ易いのも、ホーチミンの人の特徴と言えますね。」

もちろん、例外はありますし、ハノイ出身の人がホーチミンで働いたり、その逆のケースも見られます。
ただ、この違いから、「相手とより深く繋がることが得意」なら「ハノイ」「合理性とメリットを押し出して仕事を進めたい人」は「ホーチミン」という選択が出来るでしょう。

ハノイとホーチミンの比較②「日本人の勤め先」


2つ目の違いは、現地在住の日本人の勤め先です。
概して、ハノイは「大企業」ホーチミンは「中小企業やベトナムで立ち上げたベンチャー企業」が多いと感じています。

この違いが生まれる理由として、ベトナムに進出する日系企業数の50%を占める、製造業に関連していると考えられます。
ベトナムに進出する「最終製品を作る日系企業」は、大きく分けると以下の3つに分類されます。

  • 二輪車(モートバイ)
  • 四輪車(自動車)
  • 家電(プリンタ、エアコンなど)

この3製品を製造する日本発の大企業は、多くがハノイやその近郊に進出しています。
そのため、その部品調達を担うサプライヤーや、更にそのサプライヤーなど、比較的規模の大きい企業もハノイ近郊に集中しているのです。

その反面、ホーチミンやその近郊には、上記大企業とは取引関係にない、中小企業が多く進出している傾向にあります。
よって、ハノイに住む日本人は、日本の有名大企業に勤める人が多く、ホーチミンでは中小企業やベトナム発のベンチャー企業に勤務する人と多く出会う、と感じています。

「仕事やプライベートを通じて、どういった人と触れ合いたいか」を考える時、この違いは1つの判断基準になりそうです。

ハノイとホーチミンの比較③「ローカルフードの味付け」


3つ目の違いは、ローカルフードの味付けです。
ハノイは「あっさり」「塩味」、ホーチミンは「複雑」「甘めの味付け」という傾向があります。

筆者の経験だと、ハノイの「薄めの味付け」は抵抗なく食べられる日本人が多いと感じています。
一方、ホーチミンの「濃い目」「甘め」の味付けは、「好きな人と苦手な人の好みが大きく分かれる」という印象です。

もちろん、ローカルフードを極力食べずに生活することは可能です。
最近では両都市とも、中心部から工業団地のある郊外まで、日本食レストランの進出が増えている為です。
ただ、勤務中や移動先でのお昼ご飯など、ローカルフードしか選択肢がない場合もあります。

しかも、環境が大きく変わるベトナム就職において、「自分に合う食事」は生活に影響する、重要な要素の1つです。
ローカルフードを最優先に勤務場所を決めることは無いでしょう。

しかし、両都市から更に離れた郊外への頻繁な出張が予想される人、居住される人は特に、留意すべき要素になりそうです。
日本からの渡航時、自分に合う食べ物を持参するなど、事前準備をされると良いかもしれません。

 

ハノイとホーチミンの違い④「日本食のバリエーション」


4つ目の違いは、日本食のバリエーションです。
ハノイは「総合的なお店」が多く、ホーチミンは「一部の料理に特化したお店」が多い傾向にあります。

両都市の共通点としては、日本食レストランや日本人が経営する飲食店は、豊富に存在するという点です。
特に、以下のいわゆる「日本人街」に集中しています。

  • ハノイ
    • Linh Lang(リンラン)通り
    • Kim Ma(キンマー)通り
    • Bui Thi Xuan(ブイティスアン)通り
  • ホーチミン
    • Le Thanh Tong(レタントン)通り
    • Pham Viet Chanh(ファンビッチャン)通り

一方、両都市の違いとしては、ハノイは「日本食全般」を扱うお店が多いのに対し、ホーチミンでは何らかのメニューに「特化」した料理店が、ハノイより目立つ点です。

一例を挙げると、ホーチミンではラーメン屋でも「家系」「担々麺」「鶏そば」など、選択肢が豊富にあります。
また、居酒屋でも「焼き鳥」「ご当地料理」などです。

ホーチミンのほうが、日本食のバリエーションに困らず、まるで日本にいるかの様に食を楽しむことができる、と言えます。
初めて海外に居住する人や、ベトナム料理が苦手な人にとっては、ホーチミンのほうが「より食事面の負担が少ない」「日本と変わらないレベルで外食を楽しめる」でしょう。

ハノイとホーチミンの比較⑤「治安」


5つ目の違いは、治安です。
両都市に約4年ずつ居住した経験から、ハノイのほうが、ホーチミンよりも治安が良いと感じます。
ここで言う「治安」とは、盗難やひったくりなどの「軽犯罪に合う可能性」を指します。

理由は、ホーチミンのほうが、ベトナム現地の人の防犯意識が高いと感じるからです。
筆者が「ホーチミン人のほうが、防犯意識が高いな」と感じた理由は、以下の3点です。

  • 現地人から携帯電話、財布、カバンなどの「ひったくり」に注意する様、アドバイスされるケースが多い。
  • バイクを駐車する際、複数の鍵や鎖を利用するケースが多い。
  • 夜10時以降に出歩かないよう心がける現地人が多い。

また、ベトナム人の間でも、同様の意識があり、2013年にはあるYouTube番組で話題になった程です。
道中、堂々と電話を掛けるハノイに対し、ホーチミンでは最大限の警戒をする様子が描かれています。

とは言え、軽犯罪以外の観点で言えば、ベトナムでは比較的治安が良いと言えます。
加えて、どちらに居住するにせよ、海外において「自分の身は自分で守る」事は大前提です。

その上で、強いて言えばホーチミンのほうが、ハノイよりも高い防犯意識が求められる、と留意されると良いでしょう。

ハノイとホーチミンの比較⑥「気候」


6つ目の違いは、気候です。
特徴を端的に言うと、ハノイは「四季」があり、ホーチミンは「常夏」です。

四季のある日本で生まれ育った私たちにとって、母国とは異なる「常夏」には惹かれる人が多いかもしれません。
一方で、実際に住んでみると、両都市ともに、以下の様なメリットとデメリットを感じました。

  • ハノイ
    • メリット:
      • 季節と気温の変化により気持ちが自然と切り替わる
      • 自然と「今、何月か?」「今年は残り何ヶ月か?」を意識し、仕事に張りが出る。
    • デメリット
      • 高い湿度により、夏はより蒸し暑く、冬は日本より寒く感じる時がある。
  • ホーチミン
    • メリット
      • 1年を通して気温がほぼ一定なので、身体への負担が少ない。
    • デメリット:
      • 季節感を感じにくい。
      • 意識しないと「今、何月か?」の感覚を失う事がある。

両都市に一長一短があることが分かります。
これまでに筆者がお会いした人だと、ホーチミンを選ぶ人は、前述した「常夏」の気候に惹かれる人が多いように感じます。
とは言え、ハノイに10年、15年と長く滞在される人は、「季節感」や「現地人の真面目な気質」を重視して選ぶ人が多い印象です。

ベトナム就職に当たり、仕事内容よりも「気候や住む都市」を重視して選ばれたい人は、上記のメリットとデメリットを留意されると良いでしょう。

ハノイとホーチミンの比較⑦「観光先」

7つ目の違いは、観光先です。
概して、ハノイは「山中心」、ホーチミンは「海中心」と言えます。

ハノイでは山中心


まずハノイでは、「山中心」の観光が楽しめるでしょう。
ハノイの中心部から3,40km離れた場所には、自然豊かな山間部が広がっているのです。

特に、米の収穫期である9月〜11月に掛けて、ハノイ北部・北西部に位置する以下の場所では、大変見ごたえのある景色が楽しめます。

  • 「Sapa(サパ)」フランス人宣教師による進出以来、避暑地として開発が進められた、多くの少数民族が共生する場所。
  • 「Hà Giang(ハザン)」中国国境沿いの、標高差の激しい山と谷の間に町や村が広がる、ベトナム最北端の省。
  • 「Mộc Châu(モックチャウ))」ハノイから西に約200kmに位置する、茶葉や牛乳で有名な場所。
  • 「Mai Châu(マイチャウ)」ハノイ近郊の、盆地に広がるのどかな田園地帯。Thái(タイ)族と呼ばれる少数民族が営むホームステイが楽しめる。

どの場所も、傾斜の激しい山々の斜面に、収穫間近で黄色に色づいた水田が広がる、大変美しい景色を見ることができます。
この時期は現地の人も楽しみにしている人が多く、ベトナム中から沢山の人が訪れます。

ホーチミンは海中心


対して、ホーチミンは「海中心」の観光が楽しめます。
ホーチミンや南部地方では、数多くのビーチリゾートが存在しているからです。

  • 「Vũng Tàu(ブンタウ)」ホーチミンから最もアクセスしやすいビーチ。
  • 「Phú Quốc(フーコック)島」金融センターと観光都市を目指してリゾート開発が急速に進む場所。
  • 「Nha Trang(ニャチャン)」ロシア人によって開発が進められた、ベトナムにおけるビーチリゾートの先駆け。
  • 「Mũi Né(ムイネー)」海だけではなく砂漠や渓谷も楽しむ事ができ、付近3つのどの空港からも100km以上離れる、のどかなリゾート地。

居住するからこそ、短期滞在では訪れにくい場所への旅行も、ベトナム就職の魅力の1つです。
ハノイとホーチミン、どちらか迷われた場合は、周囲の観光先も1つの選択肢として、検討しても良いかもしれません。

 

まとめ「ハノイとホーチミンの違いを知り、より納得の行く就職先選びを。」


今回は、「住んでから初めて気付いた、ハノイとホーチミンの違い7つ」をご紹介しました。

ベトナムのみならず、海外就職では、住む都市選びも渡航後の生活に影響を与える、重要な要素です。
自分の目標や仕事内容に合わせて就職先を選んだ上で、各都市の違いを前もって知ることで、より納得の行く就職先選びができることでしょう。

今回の記事でご紹介した内容が、ベトナム就職や都市を検討する際に、少しでも役に立てば幸いです。

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

ベトナム情報週刊コラム

ベトナム移住者必見!コンタクトレンズ事情と入手方法【2024年度版】
2024.05.13
ベトナム移住者必見!コンタクトレンズ事情と入手...
日本は現在、日本人の1,500~1,800万人=人口の約1割がコンタクトレンズ利用者と言われているコンタクトレンズ大国です。 日本にいるとど ...
【ハノイ/不動産】ベトナムで絶対に抑えておきたい、賃貸探しのポイントを徹底解説!
2024.05.09
【ハノイ/不動産】ベトナムで絶対に抑えておきた...
海外で新しい生活を始めるのは、とてもワクワクする反面、不安もあるかと思います。 新しい環境に慣れるのは時間がかかりますし、言葉や文化の壁にぶ ...
ベトナムでのペット飼育/移住前の準備と現地でのペットライフ完全ガイド
2024.05.06
ベトナムでのペット飼育/移住前の準備と現地での...
ペットは家族同然で、いつも励ましてくれる大切な存在ですよね。 今回は「日本で一緒に暮らしていたペットをベトナムに連れていくことができる?」と ...

ブログ一覧へ戻る