- 2025.09.26
【子育て環境】ベトナム生活におけるVISA・教育・医療について
今回は子育て環境の生活費や教育、医療など気になる疑問にお答えします。 「念願だった海外で働くチャンスが手に入りそうだけど、子どもがいるので迷っている…」もしくは「もう既に海外で働いているけど、子どものことを考えて日本への帰国も考えている」 男女を問わず結婚されている方や、お子さんがいる方から、こうしたご相談を受けるようことが増えてきました。 結論から言うと、「ベトナムの子育て環境は、日本以上」とも言えます。 とはいえ、発展途上国のベトナムで生活する上で、 「家族のビザはどうなるの?」 「学校は? 教育費は?」 「小さい子どもが病気になったらどうしよう?」 そんな不安もあることでしょう。今回はこうした疑問に答えていきたいと思います。 ベトナムに外国人が長期に滞在する上ためには、ベトナム政府が発効するビザを取得する必要があります。ビザには滞在目的・期間によっていくつもの種類がありますが、帯同家族は「TTビザ」を取ることになります。 ベトナムで働く方の家族がTTビザを取るためには、働く方本人が家族の現地での生活を保証する「スポンサー」となります。スポンサーは、日本人などの外国人の場合は、既にベトナムで勤務先があり、労働許可証(ワークパーミット)と一時滞在許可証(テンポラリー・レジデンス・カード)を持っていることが必要です。 労働許可証と一時滞在許可証の取得には2カ月前後かかります。TTビザは、その後に申請することになります。 申請はベトナム国内でもできますが、日本の大使館や領事館でもできます。こうした事情から、家族がベトナムに渡航するのは本人赴任と同時ではなく、本人の労働許可証などが整ってからのタイミングが多いようです。 TTビザの取得には勤務先の協力が必要になることです。申請時に、事業登録証などの会社のもつ資料の公証コピーが必要になるからです。家族とベトナムで暮らしたいという希望について、入社前に会社側とよく話し合っておいた方がいいでしょう。 駐在員ではなくベトナムでの現地採用の場合、家族の帯同費用を負担しない会社も多いと思います。この点についても、条件を確認した上で家族とも話し合っておきましょう。 またTTビザの保有者がベトナムで就労することは、認められていません。取得後に配偶者である妻、もしくは夫がベトナムで就職することになった場合は、ビザの切り替えが必要になります。 子どもを持つ親にとって最も気にかかるのがベトナムの教育事情です。 ベトナム人の配偶者がいる方などであれば現地校に通うお子さんもたくさんいますが、日本人家族としてはまずは日本人学校やインターナショナルスクールが選択肢となるでしょう。ハノイやホーチミンには、日本人経営や欧米系などのインターナショナルスクールまで幅広く幼稚園や学校があります。 ハノイやホーチミン市どちらにも日系の幼稚園が複数あり、日本人の保育士さんなどが勤務しております。もちろん保育士さん全員が日本人というわけではないのですが、お子さんは日本流の教育を受けることができ、例えば「ひな祭り」や「こどもの日」といった文化を忘れないでいられるのがメリットでしょう。親にとっては、幼稚園とのコミュニケーションが日本語でできるのも安心ですね。日系の幼稚園の場合、学費は月7~8万円前後のようです。 せっかく海外で子育てをするのだから、幼稚園からインターナショナルスクールに行かせたいという方もいると思います。インターには大きく分けて欧米やシンガポールなどの外資系とベトナム資本があります。 外資系であれば、先生のほとんどが外国人で使用される言語はほぼ全て英語となります。子どもたちは国際色豊かな環境で瞬く間に英語を習得していきますが、学費はかなりのものです。例えば、ホーチミンにある英国系の名門ブリティッシュ・インターナショナル・スクール(BIS)では入学金が約40万円、学費は一番安いコースでも月10万円ほどかかります。 費用を抑えつつインターで学ばせたいというご家庭に人気なのが、ベトナム資本の幼稚園です。外国人だけでなく早いうちから英語を学ばせておきたいというベトナム人富裕層の間でも人気があり、現在急速に増えています。 ベトナム資本の幼稚園はインターナショナルといえども、基本的に使用する言語はベトナム語が多いようです。これからベトナムで長く生活するつもりであれば、お子さんが馴染む上でもベトナム語を学ばない手はありません。 ベトナム随一の財閥ビングループが経営するビンスクールでは、学費は月5万円前後からとリーズナブルです。 日本人学校があり、日本と同じ教育を受けることができます。授業料は月6万円前後です。 インターナショナルスクールも同様に小学校以上がありますが、価格は学年が上がるに連れて上昇します。前述のBISであれば、小学校は年間300万円、高校になると450万円!と破格の値段になります。学校により価格の差はありますが、年間数百万円は必要です。 一方でベトナム資本のビンスクールは、高校生でも年間50万円弱に収まります。 学校選びで気をつけたいのは、子どもの将来や予算だけではありません。住む場所とセットで考える必要がある点です。日本人学校やインターナショナルスクールはスクールバスを巡回させており、別途乗車費用を支払うことで生徒は利用することができますが、バスが停留する場所は生徒が多く住む大型マンションが中心となります。 ベトナムは比較的治安が良好ですが、外国人が多く住むエリアなどを除いて子どもたちが歩いて通学することは一般的ではありません。学齢期のお子さんがいるのであれば、住む場所と学校はセットで考えたほうがいいでしょう。 また、インターナショナルスクールや現地校に通う生徒は、ホーチミン日本人学校にて補習校で毎週土曜日に国語と算数の授業を受けることができます。 また、ハノイやホーチミンには日本式の学習塾が多くあり、日本から派遣された教師らによる指導の下、帰国後の受験に備えることもできます。教育熱心なお国柄だけあり、学習だけでなく、スポーツや楽器、絵、プログラミングなどの習い事の教室も多彩で、英語や日本語で教えてもらえるところもあります。 ハノイやホーチミンでは、医療事情はここ10年で格段によくなっています。ホーチミンにはフランス系のFV病院という国際総合病院があるほか、日系やシンガポール系、欧米系の病院や歯科医院がいくつもあります。こうした場所では、日本人医師、もしくは日本語の医療通訳が常駐しているところもあります。日本人以外の医師や看護師などは英語を話します。 ベトナム系でも、ビングループが経営しているビンメックでは、日本語通訳が医師とのやりとりをサポートしてくれるので、日本人の利用が増えています。ビンメックで出産する日本人女性も多いようです。 こういった先進的な私立病院の医療費は、当然高額になります。1回の診療で数万円かかり、入院すれば数十万円以上かかることもあるでしょう。駐在員の帯同家族であれば会社が海外旅行保険を負担してくれますが、現地採用の従業員の家族は対象外とする会社が多いと思います。 外国人が現地で加入できる医療保険もあります。会社の福利厚生を確認した上で、万が一の際に備えることが大切でしょう。 今回は、ベトナムで家族、特に子どもを帯同するときのポイントを解説しました。 ハノイやホーチミンであれば、学校や病院に困ることはかなり少なくなってきていると言えるでしょう。 また、ベトナムには社会全体で子どもを守る、可愛がるという文化があり、子連れで気軽に外出できるのもメリットです。さらに、月数百ドルでお手伝いさんを雇うこともできるので、家事や育児の負担を減らすこともできます。 「より具体的にベトナム就職後の生活をイメージしたい」という人は、お気軽にHRnaviのコンサルタントへご相談下さい。 参考: ベトナムのビザ・労働許可証取得の基本情報/注意点(2022年12月時点) https://www.vietwork.jp/column/visa-work-permit/ Vietnam Dependent TT Visa for Foreigners – How to get it 【2021年】ベトナムの就労ビザ・一時滞在許可証(テンポラリーレジデンスカード)・労働許可証(ワークパーミット)の取得方法・種類について https://vetterbusiness.com/?p=6061 さくら幼稚園 http://sakura-hoaanhdao.com/guide.html BIS https://www.nordangliaeducation.com/bis-hcmc/admissions/tuition-fees https://www.nordangliaeducation.com/bis-hcmc/-/media/bis-hcmc/admissions/schedule-of-fees-refreshed.pdf?rev=49a03bf962c4400e9e743fd0eb9d434a&hash=B04EFB3CA1B64A8315E03E151C8A1899 ビンスクール https://vinschool.edu.vn/en/admissions/tuition-fees/ 【2021年】ベトナム・ハノイ&ホーチミン市内の学習塾まとめ https://wkvetter.com/?p=19397 入学金及び授業料 https://jsh.edu.vn/transfer/tuition/ 長期ベトナム滞在者向け医療保険 https://www.viet-jo.com/liberty/
- 2025.09.26
バイク大国ベトナムで変化?ハノイ市交通政策の行方
近年、経済成長と都市化が加速するベトナム。その中心都市ハノイでは、深刻化する交通渋滞と大気汚染を背景に、「ガソリンバイクの市内乗り入れ禁止」が議論されています。バイクは国民生活に欠かせない存在であるだけに、この政策は市民の関心と不安を大きく集めています。この記事では、規制の背景や市民の声、そして外国人居住者を含む生活者への影響について考察します。 ■ ベトナムにおける“バイク文化” ベトナムといえば“バイク大国”。特にハノイやホーチミンでは、通勤、買い物、子どもの送り迎えなど、日常のあらゆる場面でバイクが使われています。利便性は高い一方で、交通渋滞や排気ガスによる大気汚染は年々深刻化。私自身、現地を訪れた際に、道路を埋め尽くすバイクの波に圧倒されつつも、これが市民にとって「生活の足」なのだと強く感じました。 ■ 規制強化の背景と目的 ハノイ市がバイク規制に踏み切る背景には以下の要因があります。 ・慢性的な交通渋滞の緩 ・PM2.5を含む大気汚染対策 ・公共交通機関(BRT・メトロ)の利用促進 ・国のカーボンニュートラル目標への貢献 都市の持続的な発展を見据えた施策ですが、生活の中心にあるバイクを制限することは、市民にとって大きな負担にもなります。 ■ 市民の声と懸念 規制をめぐっては賛否が分かれています。 「通勤に欠かせない。代替手段がなければ困る」 「電動バイクは高すぎて手が届かない」 「環境対策は理解できるが、準備期間が短すぎる」 特に低所得層ほど影響が大きく、移動の自由や生活コストの上昇が懸念されています。外から見ると「環境のために仕方ない」と思いがちですが、日常生活に直結する問題だけに、現地では切実さが伝わってきます。 ■ 今後の課題と展望 規制を円滑に進めるためには、以下のような対応が求められるでしょう。 ・公共交通網の拡充と料金の適正化 ・電動バイクの普及支援と充電インフラ整備 ・移行期間を設けた段階的な規制 ・市民への十分な説明と合意形成 個人的には「一律禁止」よりも「段階的な移行」と「選択肢の提示」が不可欠だと思います。単に制限を課すだけでは、市民の反発を招き政策の実効性が損なわれる可能性があります。 ■ 外国人居住者への影響 ベトナムに住む外国人にとっても、この変化は無関係ではありません。これまで一般的だったレンタルバイクやGrabバイク利用に制限がかかれば、公共交通やカーシェアへの依存度が高まります。私自身も出張時にバイクタクシーを多用してきただけに、今後の規制が生活者の選択肢をどう変えるのか、注目しています。 ■ まとめ ハノイ市のバイク規制は、環境改善と都市交通の持続可能性を目指す大きな挑戦です。その一方で、市民生活への影響は大きく、社会的合意形成と実効的な代替策が欠かせません。都市化と環境問題のはざまで揺れるベトナム。この政策の行方は、市民や外国人居住者のライフスタイルを左右するだけでなく、アジアの他都市にとっても参考となる事例になるかもしれません。
- 2025.09.25
ベトナムでもしもケガや病気をした際には
健康な体は、健康な人生を送るために必要不可欠です。 海外生活において食生活の違いや不慣れな環境でのストレスが健康に悪影響を与えたり、ベトナムでは主流のバイクタクシーによるケガなど、思いがけず病院を利用する事があります。 しかし、その際にどこへ行ったらいいのか、何を説明したらいいのか分からず右往左往してしまう人もいるでしょう。 そこで、本記事ではベトナム在住の筆者が、読者の方々に安心してベトナムライフを送っていただけるよう、”ベトナムでケガや病気をした際の対応方法”について解説します。 少しでも不安や疑問にお応えできたら幸いです。 まず、第一に自身の健康状態を把握することから始めましょう。渡航の際には日本国内で簡単な健康診断をしてから渡航すると安心です。 特に歯の治療に関しては、治療費が高額となりますので保険適用となる日本で済ませて来られることをお勧めします。 ベトナムで体調を崩した際には、言語の壁があったり、移動の手配が思い通りいかなかったりと、日本では簡単なことでも海外では思いのほかハードルが高くスタミナを消耗してしまいます。健康診断の結果を把握し、日頃の健康状態を気にかけることがお勧めです。 また、予防接種や虫除けの使用など可能な限り予防を心掛けることをお勧めいたします。自己管理が出来ていても、感染症や現地特有の病気にかかってしまう可能性もあるので、その場合は下記を参考にしてください。 1. マラリア 主に北部山岳地帯で発生しています。蚊が媒介するため、虫除け対策が必要です。 2.デング熱 高熱や激しい筋肉痛の後に発疹が現れます。 山間部に行かずホーチミンやハノイの中心部で生活をしていても、罹ることがあります。 3.食中毒(細菌性腸炎) 下痢、腹痛、嘔吐(おうと)、発熱などの 症状が現れます。 ローカルレストランで生野菜などを食べる方は、半年から1年に一度程度”Fugacar”というお腹から虫を出してくれる薬などもあります。 4.赤痢 食品や水道汚染によって発生します。注意して飲料水や食品を選びましょう。 5.破傷風 四肢の硬直、発熱、けいれんなどが起こります。 6.熱中症 ベトナムは気温だけでなく湿度も非常に高いため、熱中症リスクが高まります。 炎天下で長時間過ごした後に頭痛や筋肉痛が起きたら、熱中症の可能性を考え、水分を補給するなどしましょう。 7.日本脳炎 ベトナム全土で発生しています。蚊が媒介するため、虫除け対策が必要です。 8.狂犬病 狂犬病は発症するとほぼ100% 死亡する感染症です。 犬にかまれた場合は、すぐに医療機関で診察を受けましょう。 事前に予防接種を受ければ3回ですが、噛まれた後に受けると6回の接種が必要となりますので、事前の予防接種をお勧めします◎ 9.伝染性肝炎 ベトナム全土で発生しています。予防接種があるため、受けることをおすすめします。 10.チフス 主に食品・水道汚染から発生しているのでこちらも予防接種をおすすめします。 価格の安いローカル病院、治療に特化した病院、設備が整っている公立病院や、先進医療を扱う外資系病院など、ベトナムには数多くの病院がありますが、とにかく自分が信頼できる病院を見つけることが大切です。 ベトナムは大きく分けて公立病院、私立病院、外資系病院という3タイプの医療機関に分かれています。近年では高度な医療を提供する病院も増えていますが医療サービスの質は決して高いとは言えず、軽症のケースであれば特に問題ありませんが大病を患うと病院をたらい回しにされたり、高額請求のトラブルになった、というケースも少なくありません。 ※外務省発表 医療環境・水準とも日本や周辺アジア先進国と比べ劣ります。さらに都市部と地方の医療環境は大きく異なり、医療水準の地域格差は近年ますます拡大しています。また、公立医療機関と私立医療機関においても医療環境は大きく異なります。 公立では医療スタッフ、患者受容能力、医療機器等の絶対数が不足しています。 では、どのように病院を選択すればよいのでしょうか…?下記の病院カテゴリーから自分に合ったタイプの病院を選ぶことをお勧めします◎ 公立病院:とにかく料金の安さを求める!という方はベトナムの公立病院がお勧めですが、常に混雑しており待ち時間が長くなることが多々あります。(ハノイ:バックマイ病院、ホーチミン:チョーライ病院) ベトナムの私立病院:英語が話せて高度な医療技術と施設を希望する方には、民間病院VINグループが運営するVINMEC国際病院やホンマイ病院グループなどの民間医療機関がおすすめです。基本的には日本語対応ではありませんが英語通訳者がサポートしてくれることもあります。 外資系病院:日本語での受付や問診を希望する方には、日本人医師や日本語通訳が常駐しているさくらクリニックやラッフルズメディカルなどの病院がお勧めです。 基本的に日系の病院や日本語対応と記載されていない限り、日本語が話せるスタッフはいません。 施設の清潔さや治療指針の遵守など、日本では当たり前とされている基準に対して、ベトナムの病院は基準が低く清潔感に欠ける病院が多いのが現状です。 来院する場合は英語でのコミュニケーションが必要であるため、ベトナム語、英語が苦手な人にはベトナムの病院はかなりハードルが高くなります。そのため、言語に自信のない方は、少々割高でも日本人の医師が常駐している日系の病院が安心でストレスフリーです。 Nhà thuốc(ニャー・トゥオック)はベトナム語で薬局という意味で、街の至る所で見かけます。 ベトナムの薬局は処方箋無しに、病院と同じ薬剤を購入出来、24時間営業の薬局もあります。 また、日本とは違い必要量を処方してくれるため、1錠から購入が可能なのがベトナムの薬局の特徴です。 箱で購入したい場合は、箱で欲しいと伝えないと開封されて数錠を渡されます。見慣れない光景で最初は戸惑うかもしれませんが、欲しい分だけ安価で購入できるので非常に助かります。 日本製を見かけることもあり、湿布「サロンパス」や小林製薬の「熱さまシート」、ロート製薬の目薬各種はローカルの小さな薬局でも取り扱われていて人気商品だそう。 湿布や冷えピタに関しても、薬と同様に箱ではなく数枚入った個装から購入できるので便利です。値段も100円以下と安価で購入できます。 筆者おすすめの薬局は下記写真の、青の看板が目印の”Pharmacity”です。 こちらのPharmacityはどの店舗に行っても薬がきれいに整理&陳列されていて、安心感があります。 欲しい薬の画像を見せるか翻訳アプリで症状を伝えると購入できるので、ベトナム語が話せなくても簡単に買えるので安心してください。とりあえず病院には行かず処方された薬で乗り切る方も少なくありません。 症状を伝えたい時は下記をメモして見せましょう。(病院でも利用可能です) Tôi bị/トイビ+下記症状で「私は〜の症状があります」という意味になります。 ・cảm lạnh/カムラン「風邪」 ・sổ mũi/ソームイ「鼻水」 ・nghẹt mũi/ンゲットムイ「鼻づまり」 ・ho/ホー「咳」 ・sốt/ソット「熱」 ・đau bụng/ダウボン「お腹が痛い」 ・đau đầu /ダウダウ「頭が痛い」 ※「đau(ダウ)」+体の部位で「〜が痛い」になります。 海外での治療は、費用が高額になるケースがあります。旅行者の場合は必ず旅行前に保険に加入し、治療費の補償や救急車費用の保証を受けることができるようにしましょう。 現地で加入できる保険は、使用時に思わぬトラブルに巻き込まれることもあるので気を付けましょう。 基本的に海外旅行保険に加入していても、治療費が発生した場合は、一旦自己負担して帰国後、保険会社に請求するパターンがほとんどです。また、クレジットカード付帯の保険を利用する場合でも、注意が必要です。 一部のカード会社は、ベトナムでの治療費は対象外となっている場合があります。また、保険金請求時には、必要書類を提出する必要がありますので、必ず事前に確認しましょう。 現地で加入した保険では、病院を指定され治療を受けることが求められる場合があるため、予め確認が必要です。指定外の病院では保険適応外となり、実費になります。 以上のように、ベトナムでの保険治療やクレジットカード付帯の保険使用には、予め十分な調査や確認が必要です。事前に万が一の場合に備えて、十分な保険に加入することをお勧めします。 ベトナムでの医療費は、病院によって大きく異なります。治療前には、治療する内容・費用については必ず確認しましょう。治療法や医薬品、手術等、十分に理解してから治療を受けるようにしましょう。 ベトナム語に不慣れな場合、通訳の手配をすることで、スムーズな治療や治療費のトラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。病院の公式通訳を利用できる場合もありますのでまずは確認することをお勧めします。 渡航直後にかかりつけ病院や通訳してくれる人が居ない環境の場合、不安も大きく病院へ行くことが億劫になります。海外で治療を受ける予定の方は、自身の健康状態、疾患、海外での治療方法、治療期間、合併症等について事前に情報収集しておきましょう。 この記事はあくまでも個人の体験に基づくものであり、実際の状況は異なる場合があります。 また、時間の経過とともに病院の環境や医療サービスが改善、改変される場合もあるため、随時、最新の情報を確認することをお勧めします。 筆者自身ベトナムに来たばかりの時は不安でいっぱいでしたが、この記事が皆さまのベトナムライフの不安を少しでも減らすことができたら嬉しい限りです。 素敵なベトナムライフになることを願っています。
- 2025.09.19
【ホーチミンから週末小旅行】家族で楽しむ「Suối Camp(スオイ・キャンプ)」
ベトナムで暮らしていると、時々「都会の喧騒を離れて自然に癒されたい」と思うことはありませんか? そんな時にぴったりなのが、ホーチミン市内1区から約60km、車で約2~3時間の場所にある 「Suối Camp」 です。住所:Láng Lớn, Châu Đức, Bà Rịa – Vũng Tàu, Việt Nam。大自然の中でキャンプ体験やバーベキュー、川遊びなどを楽しめるスポットとして、近年注目を集めています。 🚗 アクセス(ホーチミンからの移動) 出発地:ホーチミン中心部(1区) 移動手段:車またはバスチャーター 距離:約60km 所要時間:およそ2〜3時間(交通状況により変動) ドライブ途中では、地元のカフェに立ち寄り休憩するのもおすすめです。 🏕 宿泊・施設 Suối Campは「キャンプ場」ですが、テントや設備が整っているため、初心者でも安心です。 宿泊:常設テントやコテージ(ファミリー向け) 設備:共有バスルーム、食事スペース、バーベキューセットレンタル 雰囲気:自然に囲まれた静かな環境で、夜は満点の星空が広がります。 特徴:敷地内は広い「ぶどう園」と「文旦園」に囲まれており、採れたての甘いグレープフルーツを 無料で味わえる のも魅力。葉も爽やかな香りが漂い、リラックス効果抜群です。さらに、川のせせらぎが常に聞こえ、空気は澄んでいて虫も少ないため、快適に過ごせます。 そして、ここでは年齢を問わず楽しめるのも魅力。若者からお年寄りまで、本を片手に自然の中で静かな時間を過ごしたり、サイクリングを楽しんだり、昼寝をしたりと、それぞれのスタイルでゆったりとした時間を満喫できます。 🌿 アクティビティ(2日1泊モデルプラン) 1日目 午前:ホーチミンを出発 昼頃:Suối Camp到着 → チェックイン 午後:川遊び、ハイキングで自然を満喫 夕方:家族でバーベキューやキャンプファイヤー 夜:星空観賞、焚き火を囲んで語らいのひととき 2日目 朝:鳥の声で目覚め、森林の中で朝散歩 朝食後:カヤックやアクティビティ体験 午前中:子供向けの自然遊び体験(昆虫探し・水遊びなど) 昼:フレッシュなグレープフルーツを味わいながらランチを楽しみ、帰路へ 夕方:ホーチミン到着 🎒 ポイント&持ち物アドバイス 動きやすい服装とスニーカー 水着やサンダル(川遊び用) 虫よけスプレー・日焼け止め(必要最低限でOK、虫は少なめ) 小さなお子様連れなら、お気に入りのおもちゃもあると安心です 本を持参すると、木陰やハンモックでのんびり読書もおすすめです 🌸 まとめ Suối Campは「手軽に行ける自然体験」と「家族での思い出作り」に最適な場所です。ホーチミンから約60km、少し足を伸ばすだけで、まるで別世界のような自然に触れることができます。甘いグレープフルーツや清らかなせせらぎに包まれて、心身ともにリフレッシュしてみませんか?若者から子供、お年寄りまで、誰もがそれぞれのペースで自然を楽しめるのも魅力です。 👉 「次の週末はどこに行こう?」と思った時に、ぜひ候補の一つにしてみてください。
- 2025.09.13
ベトナムにおける若手ブロックチェーン人材の台頭
近年、ベトナムのIT・スタートアップ業界では、若手人材によるブロックチェーン関連の革新的な取り組みが注目を集めています。都市部を中心に、ハノイやホーチミンの若者たちが自ら起業し、グローバル市場に向けたサービスやプロジェクトを次々と生み出しています。この記事では、ベトナムの若手ブロックチェーン人材の特徴や取り組み、そしてその背景にある社会的要因について考察します。 ■若手人材の特徴と挑戦 ベトナムのブロックチェーン分野で活躍する若者の特徴として、以下の点が挙げられます: 高い技術力と柔軟性:大学やオンライン学習で得た知識を実践的に応用し、従来の業界構造にとらわれないサービスを開発。 グローバル志向:英語や他国語による情報収集・発信能力が高く、国外のパートナーや投資家との連携もスムーズ。 リスクを恐れない起業精神:少人数チームで新規プロジェクトを立ち上げ、試行錯誤を繰り返しながらスピード感をもって市場に挑戦。 私の意見として、こうした若手の強みは「情報の速さ」と「柔軟な発想力」にあると考えます。日本や他国と比べて資金やインフラが整っていない環境だからこそ、創意工夫や効率的な技術活用が求められ、それが若手の強みをさらに際立たせています。 ■社会背景と市場の追い風 この動きを支える背景として、ベトナムの社会的要因も無視できません: 急速なデジタル化:モバイル決済やオンラインサービスの普及により、ブロックチェーン技術の導入が現実的に。 若年層人口の多さ:労働力人口の中心を占める若者が、新技術の採用やスタートアップ文化に敏感。 政府の支援政策:IT関連のスタートアップ支援やブロックチェーン技術研究への投資が増加。 これにより、ベトナムの若手起業家は国内市場に留まらず、国際的な競争力を持つプロジェクトを生み出せる環境が整いつつあります。 ■課題と可能性 もちろん課題も存在します: 資金調達の難しさ:国内市場はまだ規模が小さく、海外投資家からの資金依存が強い。 技術成熟度の差:新技術ゆえにトラブルやリスク管理が重要。 法規制の整備不足:ブロックチェーンや暗号資産に関する法制度が発展途上で不確定要素が多い。 それでも、若手人材の柔軟な思考とグローバルな視点は、これら課題を乗り越える大きな可能性を秘めています。個人的には、特に海外市場との接点を持てるプロジェクトは、ベトナムの若手が持つポテンシャルを最大限に発揮できる分野だと考えます。 ■まとめ ベトナムの若手ブロックチェーン人材は、技術力だけでなく起業精神や柔軟性により、国内外で存在感を増しています。社会的背景や市場環境が追い風となり、今後も新しいサービスやビジネスモデルを次々と生み出すでしょう。私自身も、こうした若手の挑戦から学び、ベトナム市場における可能性をさらに探っていきたいと感じています。
- 2025.09.06
ベトナムの外国人労働者制度が大きく変わる!政令219号とは?
2025年8月、ベトナム政府は外国人労働者の管理制度を大きく見直す政令219号を施行します。これは、これまで使われてきた政令152号と70号を統合・更新するもので、企業にとっても外国人労働者本人にとっても影響の大きい制度改革です。 一見すると法律改正のように見えますが、実際にはベトナムがグローバル人材を本格的に受け入れる姿勢を打ち出す、大きな転換点と言える内容です。本記事では、なぜこの改革が必要だったのか、そして企業として何をすべきかをわかりやすく解説します。 何が問題だったのか?改革の背景 これまでの制度では、外国人労働者の職種定義が不明確で、地方によって解釈が分かれることがよくありました。その結果、企業ごと・地域ごとに手続きが煩雑かつ非効率になっており、外資系企業にとっては頭痛の種でした。 さらに、政令70号によってベトナム人労働者の優先採用が義務付けられ、外国人を雇用する前に求人広告の掲載が必要になったことで、実務上のハードルが一層高くなっていたのです。 こうした背景を受けて生まれたのが、今回の政令219号です。煩雑な制度の簡素化と透明性の向上が最大の目的となっています。 政令219号の主な変更点とは? 職種の定義がより明確に 「管理職」「専門家」「技術者」といった職種が、より明確に定義されました。これにより、誰がどのカテゴリーに該当するのかが判断しやすくなります。たとえば、これまで3年以上の経験が求められていた専門家職は、優先分野であれば1〜2年で許可対象になるなど、柔軟性が高まりました。 労働許可証の発行窓口が一本化 これまで地域ごとにバラバラだった労働許可証の発行窓口が、省レベルの人民委員会に集約されます。地域間で手続きに差があった問題が緩和され、よりスムーズな申請が可能になります。 電子化で手続きが簡単に これまで紙で行っていた手続きは、今後はオンラインで完結するようになります。労働許可証と犯罪経歴証明書の申請も同時に電子で行え、結果もオンラインで受け取れます。これは企業にとって大きな負担軽減となるでしょう。 有効期間と更新回数のルールが変更 労働許可証の有効期間は最大2年、そして更新は1回限りと明確に定められました。これにより、企業は長期的な人材計画を立てる必要があり、人材戦略がより重要になります。 複数の地域で勤務できる柔軟性 これまでは勤務エリアが限定されていましたが、政令219号の施行後は、同じ企業内であれば複数の省や都市での勤務が可能になります。ただし、勤務する地域の政府に事前通知する必要があります。 労働許可が不要になるケースの拡大 特定の分野、たとえば金融、科学技術、デジタル分野などで働く外国人に対しては、労働許可証が免除される可能性があります。これはベトナムが高度人材の誘致に本腰を入れている証拠とも言えるでしょう。 企業は今、何を準備すべきか? 政令219号の施行を前に、企業が対応すべきことは多くあります。 まず、現在雇用している外国人スタッフの職種や経験年数が新制度に適合しているかを確認すること。そして、労働許可証の更新ルールが変更されるため、更新スケジュールの見直しも必要です。 また、オンライン申請に対応するために、社内の申請フローの整備やマニュアル化も欠かせません。さらに、許可が不要となるケースでも「事前通知」が義務化されるため、誤って違反とならないよう注意が必要です。 まとめ:人事部門に求められるのは「戦略と法令遵守」 政令219号は、外国人労働者の受け入れをさらに広げる一方で、企業に対してはより高いレベルの戦略性とコンプライアンス対応を求めています。 この法改正を単なる「ルール変更」と捉えるのではなく、グローバル人材の活用を競争力強化のチャンスと位置づけ、柔軟かつ前向きに対応することが求められます。
- 2025.08.29
【ベトナム】外国人労働許可の新ルールと変更点
近年、ベトナムで働く外国人にとって、労働許可制度の変更は大きな関心事です。2025年から施行された新制度は、従来の仕組みと比べて手続きや条件が簡略化され、駐在員や現場で働く外国人の負担軽減を目指しています。この記事では、新旧制度の違いや現地で働く方への影響について、できるだけわかりやすく解説します。 ■ 外国人労働許可とは? ベトナムで働く外国人には、基本的に「労働許可証」が必要です。従来は、雇用先の企業が申請を代行し、年齢、職歴、学歴などの条件が厳密にチェックされるため、手続きが煩雑で時間もかかっていました。 新制度では、これらの条件が緩和され、特に短期駐在や現場作業の外国人でも申請がしやすくなりました。私自身も現地で働く駐在員と接する中で、書類の負担軽減は日常業務の効率向上につながると感じています。 ■ 新制度での主な変更点 (1)申請条件の緩和 従来は大学卒以上が基本条件でしたが、新制度では職種によっては実務経験があれば許可が得やすくなっています。 (2)許可証の有効期限 従来は1年単位更新が一般的でしたが、新制度では職種や契約期間に応じて最長2年まで延長可能になりました。 (3)オンライン申請の導入 書類提出や申請の一部がオンラインで可能になり、役所へ何度も足を運ぶ必要が減少しました。 (4)健康診断や犯罪歴証明の簡素化 提出書類が簡略化され、現地での手間やコストが抑えられます。 ■ 現場で働く外国人への影響 特に若手駐在員や現場作業員にとって、新制度は負担軽減だけでなく、働き方の柔軟性も広げる意味があります。これまで「書類手続きのために入国や就業が遅れる」ことがありましたが、新制度では短期契約や緊急の人材配置もスムーズになる可能性があります。 私の経験からも、こうした改善は企業側だけでなく、働く本人のモチベーションや生活の安定にも直結する重要なポイントです。 ■ 注意すべきポイント 制度が変わったとはいえ、以下の点には注意が必要です: ・企業が正しく申請を行う必要がある ・職種や契約内容によって条件が異なる ・健康診断や犯罪歴証明は依然として必要 新制度だからといって全て自動的に許可されるわけではないため、事前に確認することが大切です。 ■ まとめ ベトナムの外国人労働許可制度の改正は、働く外国人や企業にとって大きな追い風です。手続きが簡略化され、短期・現場勤務者も許可を得やすくなったことは、現地で働く私自身も歓迎したい変化です。一方で、条件の確認や企業との連携は引き続き重要であり、法律改正を正しく理解することが、安全かつ円滑な現地生活の鍵となります。
- 2025.08.22
ベトナム人青年が命を救った感動の瞬間:三重県で2人の子どもを救助
2025年8月11日、三重県津市の海岸で、2人の日本人の子どもが高波にさらわれるという緊急事態が発生しました。そのとき、偶然その場に居合わせた2人のベトナム人青年—トン・マイン・トアンさんとファム・クオック・ダットさん—が、迷うことなく海へ飛び込み、命がけで子どもたちを救助しました。 🌊命がけの救助劇 その日、2人は海辺での休日を終え、帰ろうとしていたところ、助けを求める悲鳴を耳にしました。波は荒れ、風も強く、子どもたちはすでに岸から約100メートルも離れていました。状況は非常に危険でしたが、2人は即座に行動を起こし、命をかけて海へ飛び込みました。 「子どもたちの泣き声を聞いた瞬間、何も考えずに助けなければと思いました」とダットさんは語ります。 「波が強くて、途中で諦めそうになったけど、泳ぎの経験と周囲の応援が力になりました」とトアンさんも振り返ります。 🏅感謝と称賛の声 この勇敢な行動はすぐに地元の消防署や市民の間で話題となり、8月22日には津市消防署で表彰式が行われました。式には在日ベトナム大使のファム・クアン・ヒエウ氏も出席し、2人に感謝状を授与しました。 津市消防署長の井野拓海氏は「あなた方の勇気ある行動が2つの命を救い、家族に幸せをもたらしました。日本とベトナムの架け橋となる素晴らしい存在です」と称賛。 また、現場に駆けつけた消防隊長の勝田貴則氏も「彼らの迅速な判断と行動が悲劇を防いだ」と感謝の言葉を述べました。 🤝国境を越えた人間愛 この出来事は、単なる救助劇ではありません。それは、国籍や言語を超えた「人間としての優しさと勇気」を象徴する瞬間でした。2人の行動は、日本とベトナムの友好関係をさらに深めるきっかけとなり、多くの人々の心を打ちました。 「彼らの行動は、在日ベトナム人コミュニティの誇りであり、両国の絆を強めるものです」と大使は語りました。 このような感動的なエピソードは、日常の中にある「ヒーロー」を思い出させてくれます。 NHKニュースはこちらです。
- 2025.08.15
急増する中食ニーズに応える!ベトナムのコンビニ最前線とライフスタイルの変化
近年、急速な経済成長と都市化が進むベトナム。その変化の中で、今ひときわ存在感を増しているのが「コンビニエンスストア(CVS)」です。都市部を中心に大手チェーンの出店が加速し、ベトナム人のライフスタイルを大きく変えつつあります。この記事では、ベトナムのコンビニ市場が今なぜ注目されているのか、その背景や将来性、中食(なかしょく)文化との関係性について考察します。 ■ ベトナムにおける“コンビニ”とは? 日本でおなじみのコンビニが、今ベトナムでも急速に広まりつつあります。代表的なブランドには以下のようなものがあります: Circle K:国内最大規模の展開数を誇り、都市部を中心に24時間営業。 FamilyMart:日本資本を背景に、弁当やおにぎりなど和食系商品が人気。 WinMart+(旧VinMart+):ベトナム国内ブランドで、ローカル色を活かした商品展開。 Mini Stop:イオン系列で、日系クオリティを活かした商品ラインナップが特徴。 これらの店舗は単なる「日用品を買う場所」ではなく、現代都市生活における“食のインフラ”として存在感を強めています。 ■ 中食需要の増加と都市化の影響 コンビニが支持される最大の理由の一つに、「中食需要(外で調理された食品を家庭で食べること)」の急増があります。 以下のような社会的要因が背景にあります: ・共働き世帯の増加:食事を家庭で一から作る時間が減少。 ・単身・核家族化の進行:簡便で1人分の食事が好まれる傾向。 ・都市生活者のタイムパフォーマンス重視:外食よりも「家で手軽に」食べたいというニーズ。 特にホーチミンやハノイなどの都市部では、コンビニの弁当・総菜コーナーに夕方以降長蛇の列ができる光景も珍しくなくなりました。 ■ コンビニ業界の課題と可能性 急拡大を続けるベトナムのコンビニ市場ですが、当然ながら課題も存在します。 ・利益率の低さ:高額な賃料や人件費に対して、単価の安い商品が多いため採算が難しい。 ・物流・冷蔵インフラの未発達:温度管理や時間通りの納品が困難な地域も。 ・習慣の違い:ベトナム人にとっては「市場(Cho)」や露店での買い物が主流であり、コンビニの価格に割高感を感じる層も多い。 それでも、今後の中間層の拡大や若年層の生活スタイルの変化、デジタル決済の普及などが追い風となり、さらなる市場成長が期待されています。 ■ 外国人居住者にとってのコンビニ活用法 日本人を含む外国人居住者にとっても、ベトナムのコンビニは非常に心強い存在です。 ・24時間営業の安心感 ・英語表記の商品やスタッフ対応 ・スマホ決済やクレカ決済への対応 ・日本食・輸入食品の取り扱いがある店舗も増加 特に、初めてベトナムに住む方にとっては、コンビニの存在が生活の「入り口」として非常に便利です。 ■ まとめ ベトナムにおけるコンビニの普及は、都市化やライフスタイルの変化に応じた必然の流れと言えます。「中食文化」の定着とともに、コンビニは今や“食の選択肢”だけでなく、“生活基盤”そのものへと進化を遂げつつあります。 生活者としての視点だけでなく、ビジネスの観点でも注目すべきトピックの一つ。ベトナムに住む/働く日本人にとっても、日常の中でその変化を感じ取ることは、現地理解を深める大きなヒントになるはずです。
- 2025.08.08
なぜホーチミン市は世界で2番目に「外国人居住者を引き留める」都市と評価されるのか
ジョーク・オッター・ファン・ズイレンさん、2025年8月、ホーチミン市トゥードゥック区の食堂にて。写真は本人提供 ⼈都市調査「City Pulse 2025:The Magnetic City」では、ホーチミン市は外国人居住者を引き留める力で世界第2位にランクされ、61%以上の外国人が「離れるつもりはない」と答えました。対象は全世界65都市の3.3万人で、市選びの理由や都市デザインを探る調査です。 1996年、ジョーク・オッター・ファン・ズイレンさんは、ご主人とともにオランダからホーチミン市に移住し、当初は3年間の滞在を予定していましたが、30年が経った今でも「この街から離れられない」と語ります。 ご夫妻はイギリスとポーランドのノバルティス社でそれぞれ3年以上勤めた後、世界各地を巡るノマドライフを想定していました。しかし、ホーチミン市はその計画を一変させたのです。 二か月足らずでホーチミン市に魅了され、「国際色豊かな小さな村」のように感じるタオディエン地区では、夕食を求めてバイクで出かけたり、屋台やカフェ、格式あるレストランへ気軽に行ったりと、予約や計画なしで生活が楽しめます。温暖で明るい気候に開放的な雰囲気も魅力です。 ご主人が仕事に出かけている間、オッターさんは観光やゴルフ、テニス、女性クラブやボランティア活動に精を出し、毎週2回孤児施設を訪れて活動しています。 「住み心地が良く、手頃な物価、親切な人々が魅力です。」とオッターさんは語ります。「夫婦とも、ホーチミン市が“チャンスの街”だと感じました。」 2006年には、100%外国資本の幼稚園を開園し、この街での生活を本格的に築きました。 オッター夫妻は子供がおらず、オランダにいた親もすでに他界しており、ホーチミン市を“故郷”と見なし、歴史や文化を学ぶなどして「完璧にベトナム人化」したといいます。ベンタイン市場の露店商や清掃員など、道で出会う誰とも心から交流し、「みんな親切だから、誰にでも敬意を払っている」と語りました。 現在68歳になる夫のギーガーさんとともに、国外へ移住することは考えておらず、彼らの願いは高齢者が安心して過ごせる医療や移動支援が整ったリタイア生活施設がベトナムにも整備されるとのことです。 オッター夫妻のように、ホーチミン市には20万人以上の外国人が定住しており、ハノイの3倍以上の数です。2023年7月時点で、ホーチミン市労働傷病兵社会局によれば、約2.7万人の外国人が就労許可を得ており、9,200以上の組織や企業で働いています。 「プロフェッショナルなビジネス環境、リーズナブルな生活費、モダンなライフスタイル」がその要因で、戦略的な東南アジアの地理、中流階級の台頭、高品質な労働力を低コストで提供する技術・製造業・物流などの分野が魅力的だとMove to Asia社長のギョーム・ロンデンさんは分析します。 シンガポール、上海、クアラルンプールといった都市と比べても、ホーチミン市の住宅・飲食・医療サービスのコストは低く、品質は高いといいます。 「若くやる気にあふれ、革新的で、伝統と現代が交錯する都市」—この街ならではのバランスであると彼は語り、「ベトナムにはこういった都市が他には少ない」と評価します。 MoveToAsiaのデータによると、ベトナムで長期または永住を意図してくる外国人は55〜60%で、会社設立や一時滞在ビザ取得、投資目的が多く、その他は短期商談・市場調査ですが、長期滞在者はその後も多くいます。ベトナムで2年以上滞在している人のうち、80%以上がホーチミン市に定住を決めています。これは単なる個人の好みでなく、仕事の機会やサービス、国際的なつながりの容易さが背景にあります。 人々はこの街のエネルギー、柔軟さ、「やればできる」という起業精神に高い評価をしています。ビジネスの観点では、「コスト、可能性、生活の質」のバランスが絶妙だと語ります。 出典:ホーチミン市が「外国人居住者の定着率」で世界第2位にランクインした理由 — VnExpressライフスタイル記事より
- 2025.08.01
ベトナムのフードデリバリー競争が映す“生活インフラ”の新常識とは?最新動向を徹底解説◎
近年、急速に都市化とデジタル化が進むベトナム。そのなかでも注目を集めているのが、日常生活に深く浸透しつつある「フードデリバリー」サービスです。GrabFoodやShopeeFoodなどをはじめ、多数の事業者がこの市場に参入し、都市部を中心に激しい競争が繰り広げられています。本記事では、ベトナムのフードデリバリー業界の現状や背景、そしてその裏側にある社会変化について解説します。 ■ ベトナムのデリバリー市場:日常の「当たり前」に変化 かつては電話注文や店頭での持ち帰りが主流だった食事の購入スタイルも、コロナ禍を契機に大きく転換しました。今では都市部に住む若年層を中心に、「アプリで注文して家で受け取る」スタイルが定着しつつあります。 代表的なプラットフォームには以下のようなものがあります: GrabFood:東南アジア最大の配車・デリバリーアプリGrabが提供。ベトナム全土で利用可能。 ShopeeFood:EC大手Shopeeが運営。プロモーションや割引施策が豊富。 Baemin:韓国発のアプリで、都市部を中心に勢力拡大中。 Loship:地場系スタートアップによる挑戦者。ユニークな提携や配達戦略で差別化を図る。 いずれのアプリも、決済から配送ステータス確認まで一括して完了でき、非常に利便性が高いのが特徴です。 ■ 拡大する市場の裏にある社会背景 フードデリバリーがここまで浸透した背景には、以下のような要因が挙げられます: 都市部の交通渋滞と暑さ:外出のストレスが高く、デリバリーの需要が高まる。 若年層のスマホ依存・ITリテラシー向上:アプリ操作に抵抗が少なく、気軽に利用。 共働き世帯の増加:調理の手間を省くためのニーズ。 大量のプロモーションやキャンペーン:割引やクーポンで初回利用のハードルが低い。 こうした環境のもと、デリバリーアプリは単なる「食のサービス」ではなく、“生活インフラ”の一部へと進化しています。 ■ 利便性の裏にある課題とリスク 便利さと引き換えに、いくつかの課題も見えてきます。 ・労働環境の不安定さ:配達員の報酬体系や保障の不透明さが社会問題化。 ・プラットフォーム依存:飲食店が一部アプリへの依存度を高めすぎるリスク。 ・価格競争の激化:プロモーション合戦により、利益率が下がる傾向。 また、すべての消費行動がアプリと結びつくことで、個人情報の収集や行動履歴の蓄積といったプライバシー面の懸念も高まっています。 ■ 外国人にとってのフードデリバリー利用の利点と注意点 日本人を含む外国人にとっても、ベトナムのデリバリー文化は非常に便利です。言語の壁を感じにくいアプリ設計や、クレジットカード・モバイル決済の普及により、現地生活のストレスを大きく軽減してくれます。 ただし、以下のような点には注意が必要です: ・アプリによっては外国人登録が難しい場合あり ・プロモーションはベトナム語限定のことが多い ・デリバリー住所の登録ミスに注意(特に集合住宅) ■ まとめ ベトナムのフードデリバリー業界は、単なる「飲食のデジタル化」にとどまらず、都市生活のスタイルそのものを変える存在となっています。利便性の追求と競争の激化がもたらす影響を正しく理解し、賢く活用することで、ベトナムでの生活はより快適で豊かなものになるでしょう。 ベトナムで暮らす・働く皆さまにとって、こうしたトレンドを知ることは、日常生活を円滑にする大きなヒントになるかもしれません。
- 2025.07.25
TP.HCM、排気ガス対策に向けてガソリン車の制限を本格化!
ホーチミン市では、環境保護と持続可能な都市づくりに向けて、本格的な「排気ガスゼロ都市」への転換が始まりました。特に注目されているのが、ガソリン車の段階的な制限と、公共交通の電動化です。 2025年から、市内を走るバスの完全電動化に向けた計画がスタートします。現在、すでに約31%のバスが電気やCNG(圧縮天然ガス)などグリーンエネルギーを使用しており、2030年までには全てのバスを電動または環境対応型の車両へ移行させる予定です。これにより、市中心部や観光地として知られるコンダオなどのエリアでは、化石燃料車の乗り入れが大幅に制限されることが期待されています。 また、配送やライドシェアなどで使われるバイクに対しても対策が強化されます。ホーチミン市では、約40万台のガソリンバイクが毎日稼働しており、平均で1日80~120kmもの距離を走行していることから、環境負荷が高いとされています。これに対応すべく、2026年からは電動バイクへの転換支援政策が導入され、2029年までにすべてのバイクを電動化する方針が示されています。 転換を支援する施策としては、電動バイク購入時の低利融資や税金・登録手数料の免除、さらには中古ガソリン車の回収・再利用制度などが検討されています。充電ステーションの整備についても、市と民間企業が協力しながら進められており、インフラ面でも着実な準備が進行中です。 このような取り組みは、単なる交通手段の変革にとどまらず、ホーチミン市全体を「グリーン交通都市」へと変えていく壮大なプロジェクトの一部です。市長と大手企業Vingroupの連携により、車両・インフラの両面から持続可能な都市を実現する挑戦が本格化しています。 🚀 ホンダ・ベトナム、7月14日より電動バイク「CUV e:」のレンタルを開始!月額わずか147万ドンで提供 それに合わせる形で、ベトナムでのガソリンバイクの市場で80%以上のシェアを誇るホンダは、電動バイクのレンタルを開始しました。2025年7月14日より、ホンダ・ベトナムは高級電動バイク「CUV e:」のレンタルサービスをハノイ、ホーチミン、ダナンの19店舗で開始しました。購入ではなくレンタルという形式は、ホンダの電動バイクとしてはベトナム市場初の試みです。 レンタル料金は月額1,472,727ドン(税込)で、契約期間は3か月または6か月から選べます。6か月契約の場合、総費用は約880万ドンになりますが、契約延長時には3か月レンタルで1か月無料、6か月なら3か月無料の特典が付きます。レンタルには車両1台、充電池2個、充電器2台が含まれています。 CUV e:の特徴として、このバイクは都市型電動バイクで、7インチのTFTディスプレイを搭載し、Bluetoothを通じてスマートフォンと接続可能です。ナビゲーションや音楽操作、通知表示が行える他、USB-Cポート付きの収納スペースやLEDライト、スマートキーなど快適装備を多数備えています。最高速度は約80km/h、満充電での航続距離は70〜80kmです。 電池とサポート体制も充実しており、電池は家庭で充電可能な取り外し式で、ホンダの販売店では無料の電池交換も実施しています。また、24時間対応のロードサービスや各種保険もレンタルパッケージに含まれており、安心して利用できます。 市場への影響と展望として、電動バイクをレンタル形式で提供することで、高価格な購入負担を避け、より多くの消費者に電動モビリティへの移行を促す狙いがあります。都市部でのガソリン車規制が進む中で、今回のホンダの一手はベトナムの「グリーン交通」への転換に寄与する大きな一歩といえるでしょう。 ■まとめ 電動バイクと電動自動車を製造販売しているVinFastにとって、これは大きな追い風となることは間違いありません。国民の間では、政治の力で政府が動かされているのではないかと憶測されています。経済発展やパラダイムシフトを達成するためには、こうした政治的な力が必要だと理解できるものの、突然の電動化は、多くのガソリンバイクが廃棄される結果となり、バイク関係の製造業だけでなくサービス業にも影響を及ぼします。廉価な古いバイクで生計を立てているような労働者には、何らかの支援がなければ、社会的弱者立場の人々が非常に苦しい状況に追い込まれるのは間違いありません。富裕層や外国人住民には環境が改善されるというメリットがある一方で、発電量が不足しているベトナムにおいて、急激な電動化は電力供給不足に陥る可能性もあります。ガソリンバイクからの移行には時間が限られており、政府がどれほど議論し、国民に迷惑をかけない形で成功を収められるかが注目されています。













