生活していると必ず出るのがゴミ。地球環境に対する影響への懸念から、日本では分別やごみの回収日、ごみ専用の袋など決まり事が多いですよね。
ベトナムでは「ゴミ事情」どうなっているのでしょうか?
今回は「ベトナムでのゴミの捨て方」や「ベトナムのゴミ処理事情」について詳しく解説していきます!
ベトナムでのゴミの捨て方

ゴミは毎日出せる
日本人の方が一般的に住む「サービスアパート」では掃除スタッフが回収してくれます。また「コンドミニアム」の物件でも各階にゴミ捨て場があるため毎日でも好きな時間にゴミを出すことができます。
ベトナムでは、日本のように回収日までゴミを溜めなくて良いのはとてもありがたいですね。
サービスアパートとは
ホテルと賃貸住宅の中間的なイメージで、基本的に光熱費、掃除、洗濯、リネン交換、プール・ジム等の利用料が家賃に含まれているアパート。
コンドミニアムとは
主にマンション型で、個人オーナーが賃貸に出している物件となり、居住者のみが出入りするためプライバシー度が高く、商業施設が併設されている所も多い。
ゴミ出しの袋は何でもOK
日本では「ごみ専用の袋」を有料で購入しなければならない所もありますが、ベトナムではゴミ出しの袋は何でもOKです。
ベトナムではお買い物をすると無料でレジ袋をくれるお店がほとんどですので、ゴミを捨てる為の袋を買う必要がなく助かっています。
※一部Annam Gourmet等の外資系小売店ではレジ袋が有料な店舗もあります。
分別する必要ある?
ベトナムではゴミの分別があまり浸透しておらず、ゴミ出しについてのアナウンスは特にありません。
2020年環境保護法(72/2020/QH14)でゴミの分別をしなければならないという法律が定められましたが、実際まだ浸透していないのが現状です。
資源ゴミや割れ物は?

上記のように分別が浸透していないとはいえ、段ボール、ペットボトルや缶、割れたガラスなどを生ゴミと一緒に捨てるのに抵抗がある方も少なくないのではないでしょうか?
ベトナムでは、回収したゴミを分別する作業員がいます。そのため、捨てる時にできるだけ分別しておくと親切です。割れたガラス等は厚紙等に包んで捨て、作業員の危険がないようにしておくと良いでしょう。
まだ使える服などの不用品は?

捨てるのにはもったいない服や本、スポーツ用品などを処分する場合は、クラシファイドサイト等の個人売買掲示板を使うと便利です。
ベトナム掲示板クラシファイド
ベトナム掲示板はベトナムに在住している人、ベトナムに興味がある人のためのクラシファイドサイトです。
無料で会員登録など必要なく自由に投稿でき、不用品売買・住居シェア・習い事・求人など思いがけずマッチする情報があるかもしれません。
POSTE(個人売買掲示板)
ユーザーの間で大きな電化製品やバイク、化粧品などの生活用品の売買を行うことができます。
ほとんどのユーザーが日本人である上、登録料なども特にないので安心して利用することができます。
ローカルフリマアプリも普及
また、ベトナムの消費者の間で新型コロナウイルスの流行以降、貯蓄や持続可能な生活に向け、古着など中古の商品を買う動きが広がってきており、ローカルのフリマアプリもあります。
FacebookなどのSNS上で商品のやり取りを行うケースもあるようです。これらの手段を利用する際は基本的にベトナム語でのやり取りになりますが、家や車など高額な商品の出品もあるようで、思わぬ掘り出し物に巡り合えるかもしれませんね。
不用品を引取りしてくれる住居も
入居している所によっては、不用品の引取りをしてくれる住居もあります。
私の場合はホーチミンのサービスアパートで、簡単な申請書(物の名前、点数)を記入して不要な服を引き取ってもらいました。サービスアパートで働く人達で再利用してくれるそうで、意外にも喜ばれたのが印象的でした。
特に家具などの大きめの不用品などは処分が難しいため、まずは住んでいる所に引き取ってもらえるか相談してみるのも良いかもしれません。
ベトナムのゴミ捨て事情

ポイ捨てに罰則はある?
ベトナムではよく見かける「ポイ捨て」ですが、政令第 155/2016/ND-CP の規定によると、集合住宅、商業地域、サービスエリア、公共の場所などでのポイ捨ては、最大100万VNDの罰金が課せられます。
またアパートや公共の場所で家庭廃棄物を不適切に処分する行為にも、100万~300万ドンの罰金が科せられ、家庭ゴミを公共の場所に捨てる行為には、500万~700万ドンの罰金が科せられます。
このように、ポイ捨ても法律では罰則がありますので気を付けてください。
ベトナムのゴミ処理の現状

ベトナムの天然資源環境省によると、廃棄物の70% 以上が埋め立てによって処理されており、非埋設法で処理される30% のうち、最大 2/3 は手動焼却炉で焼却しているとのことです。
ハノイでは、毎日排出される都市部の家庭廃棄物の量は約 7,000 トン/日で、ホーチミン市では、都市部から毎日約 10,000 トンの家庭廃棄物が発生しています。
これら都市部から出るゴミの埋設埋立地のほとんどは過負荷になりかけており、深刻な環境汚染を引き起こす可能性が大きいです。
一方、日本では2021年に焼却されたゴミは全体の約79%、リサイクル率は20%、埋め立て率は1%となっており、日本のゴミの焼却率は世界一となっています。
ベトナムと日本では、ゴミの処分方法がかなり違うことがわかりますね。
現在ベトナムで行われている廃棄物処理方法は、
埋め立て
堆肥製造
手動炉による焼却
廃棄物を燃やして発電
バイオガス
の5つに大別できます。
交通インフラ整備や気候によるゴミの水分量などの課題はありますが、経済の発展に伴って電力の不足が予測されるベトナムでは、ゴミを活用したエネルギー開発が今後より進んでいくことが予想されています。
今後ゴミ捨てに大きな規制も?
先述したゴミ捨てに関する法律を実施していくために、ベトナム天然資源環境省は2023年11月2日、中央政府直轄の各省・市の人民委員会に対する公文書9368/BTNMT-KSONMTを通じて「生活固形廃棄物の分類に関する技術ガイダンス」を公布しました。
本公文書に従い、各省・市の人民委員会は以下の細則
家庭および個人から排出される生活固形廃棄物の管理に関する規定
生活固形廃棄物の収集・輸送・処理サービスの定価に関する規定
分別後の生活固形廃棄物の重量または体積に基づく収集・輸送・処理の支払い方法と費用
を今後制定することとなり、「各地方自治体は、遅くても2024年12月31日から、家庭および個人から排出される生活固形廃棄物の分類を開始しなければならない。」としました。
「生活固形廃棄物の排出量が1日300kg未満の事業者」に該当する小規模の事業者(オフィス活動など)はこのガイダンスに従うこととなるため、今後のガイダンスの動向に注意する必要があります。
生活固形廃棄物は、3つのグループに分類され、具体的な廃棄物の名称や分類方法などは本公文書の附属書に記載されています。
| グループ | 詳細な分類 |
| グループ1:再利用・リサイクル可能な廃棄物 |
古紙 廃プラスチック 廃金属 廃ガラス 廃棄布・皮革 廃木材 廃棄ゴム 廃電気電子機器
|
| グループ2:食品廃棄物 |
消費期限切れ食品 野菜・肉のくず
|
| グループ3:その他の生活固形廃棄物 |
有害廃棄物 粗大ごみ その他の廃棄物
|
現在まだ、本格的な施行に至ってはいませんがこの3つのグループで分別して捨てるのは、日本人にはさほど難しくないはずです。
まとめ

ベトナムでは現在「毎日ゴミ出しができる」「ゴミ袋は何でもOK」「細かい分別は不要」とゴミ出しに関して大らかな国です。
今後は、ゴミの分別収集が本格的に施行される予定となっています。一人ひとりができるだけ分別したりリサイクルをしたりして環境のことも意識するようにしたいですね。
ベトナム情報週刊コラム
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