ベトナムと日本の違い!現地日本人が身近な日常を徹底解説

ベトナムと日本の違い!現地日本人が身近な日常を徹底解説

「ベトナムは日本人が暮らしやすい国」とされ、日本人在住者の増加と共に毎年多くの日本人観光客が訪れる国です

しかし日本とベトナム、両国の文化には違いがあるので、日常生活における細かな習慣から大きな社会的な違いまで、様々な面で異なる部分はあります。

日本では当たり前・常識とされることが、ベトナムでは非常識だったり、逆に日本では見られない習慣があったりと驚かされることもあります。

この記事では、ベトナム在住の現地日本人が「ベトナムと日本の違い」について解説していきます!

 

食事・レストランでの違い

カフェに食事の持ち込み可

観光中に「バインミーをテイクアウトして食べる」ということがあるかもしれません。「どこで食べよう?」と悩む方も多いのではないでしょうか?

実はベトナムのカフェの多くは「フード持ち込みOK」のところばかりです。

ドリンクを注文すれば、持ち込んだバインミーなどのテイクアウトフードをカフェ店内で食べることができます。※一部持ち込み禁止店もあるため事前に確認しましょう

日本の飲食店では「フード持ち込み禁止」が一般的ですので、寛容なベトナムの文化が素晴らしいと感じますね。

フルーツに塩をつけて食べる

ベトナムでは熟していないマンゴーやパイナップル、グアバなどに唐辛子入りの塩をつけて食べる文化があります。

ダラットでいちごを購入した際も「塩をつけますか?」と聞かれたので驚いてしまいましたが、日本のスイカに塩をつけて食べるのと同じ感覚なのかもしれませんね。

 

お椀は持ち上げない

ベトナムの食事マナーとして、日本と異なるのは主に

お椀に口をつけない

麵をすすらない

という点です。特にフォーなどの麵料理ではお椀に口をつけて汁を飲んだり、麵をすすったりしたくなりますが、テーブルにあるレンゲを使って上手に食べてみてくださいね。

また、高級なレストランなどではよく「ソーサー(お皿)の上にお椀が乗っている」ことがありますが、これはフランス領の名残でお椀とソーサーを重ねたまま使用するのが基本となっています。

しかし、ソーサーを取り皿として使用しても問題ないとされるため、あまり気にする必要はなさそうです。

 

お手拭きは有料

日本ではお手拭は無料ですが、ベトナムのお手拭きは有料です。

お手拭き代はレストランにもよりますが一枚あたり2000~5000VND(約10円~30円)となっています。持参のお手拭きなどがある場合は使わなくても問題ありません。

また、ハーブや調味料類は無料ですが、フォーのお店などでよく見るテーブル上の「細い揚げパン(quẩy)」「バナナの葉につつまれたおかず(Nem chua)」などは有料です。

 

食べ残しを持ち帰れる

ベトナム料理のディナーなどは3~4人前程の大皿で提供されることが多く、少人数では食べきれないということもあります。

しかし、ベトナムでは残してしまっても店員さんに「持ち帰れますか?」と尋ねると、無料でプラ容器に包んでくれる店舗がほとんどです

日本では食べ残しを持ち帰れる店舗が少なくなっているため、無料で持ち帰りができると食べ物が無駄にならず有り難いですよね。

 

テーブル会計が基本

ベトナムではローカルレストランを含めテーブル会計が基本です。食事が終わったら、店員さんを呼ぶと会計明細を持って来てくれます。

ここで注意したいのが「注文内容とレシート・金額が合っているか確認する」ということです。

「注文品が来なかった」「注文していないオーダーが入っている」ということも稀にあります。ベトナム人もレストランで食事をした際は必ず一つ一つの注文が合っているか確認する人がほとんどですので、じっくり確認して恥ずかしいということはありません

また、500VND紙幣の流通量が少ないことから、1000VND(約6円)以下のおつりは省略されることがあります。

 

買い物時の違い

野菜は購入時に計量してもらう

ベトナムのスーパーでたくさん並んでいる野菜やフルーツは基本的に量り売りです。売り場にある袋に詰めて計量コーナーで計ってもらい、レジに行きましょう。

最近では、あらかじめパック詰めされている商品もよく見かけるようになっています

 

牛乳/お茶が甘い

無糖の牛乳やお茶が当たり前の日本とは異なり、ベトナムの牛乳やお茶は甘み(đường=砂糖)を加えて販売されています。

【ベトナム語でのパッケージ表記】

無糖=nguyên chất/không đường

加糖=có đường

微糖=ít đường

近年では砂糖の有無が英語表記されている商品も増えてきています。ちなみに、ヨーグルトも無糖~加糖から選ぶことができます。

無糖の牛乳やお茶はベトナムのスーパーやコンビニなどでも売っています

しかし、適当に手に取ったものが「意図せず砂糖入りだった!」ということもありますので、購入する際はパッケージの確認をお忘れなく!

 

スーパーでは荷物を預ける

ベトナムの多くのスーパーでは入店する際に、大きめのバッグや荷物は入口で預けるか結束バンドで開け口を固定してもらいます

スマホショルダーや財布のみ入れられるミニバッグなどはそのまま店内に持ち込むことができます

購入する際は、会計時にレジ付近にいる警備員さんに結束バンドを切ってもらうことができます。

慣れないうちは荷物から予め財布を出しておくとスムーズです。

 

お店を見つけるのが難しいこともある

ベトナムにはおしゃれなカフェや飲食店が多く、SNSで写真映えスポットとして紹介されているところもたくさんあります。

しかし「お店に辿り着くまで大変だった」ということをよく聞きます。例えば

他のお店の中にある階段を登らないといけない

迷路のような路地を通らないといけない

看板が小さすぎてわからない

など、ベトナムに来たばかりの日本人には難しいと感じてしまうところもあります。迷ったら近くの人に地図や住所を見せて教えてもらいましょう。

 

生活での違い

玄関がない

ベトナムには日本の住居のような「玄関」がなく、マンションでも玄関ドアを開けるとすぐリビングルームという構造になっているところがほとんどです。

また、ベトナム人家庭では大人数で食事をするときにはダイニングテーブルを使わず、リビングの床に食事を置いて、ピクニックのように食事を囲むこともあります。

さらに、戸建ての場合はリビングの一角をバイク置場にしている家庭も多く、日本の住居とは異なる部分もあり驚きがありますね。

 

日付の記載が逆

日本では日付を○年○月○日と表記しますが、ベトナムでは○日○月○年と日本とは逆になっています。

賞味期限などの表記もこの日付順になっています。

HSD(消費期限=Hạn Sử Dụng)

NSX(製造日=Ngày Sản Xuất)

商品によってはNSXのみで「賞味期限は製造日から○か月以内」といった記載がある場合があります。

 

数字の書き方が違う

ベトナムの数字の書き方は「1」と「7」が大きく日本人とは異なると言われています。

具体的には「1」には下に棒をつけたり縦線のみで書いたり、「7」には横棒をつけたりと数字が混同しないように書く人が多くなっています。

また、日本では小数点を「.(ドット)」で表しますが、ベトナムでは「,(コンマ)」となっています。

 

医師の処方がなくても薬が買える

日本では抗生物質などの処方箋が必要な薬でも、ベトナムでは薬局で1回分から購入することができます。

薬剤師さんに症状や薬名を伝えると数十円から数百円程度で購入することができ、日本のように診察を受けたり、薬局に行ったりする手間がなく手軽で便利です。

 

軍や警察の写真は撮らない

「軍や警察の写真を撮らない」ということはベトナムに入国する際のタブーとしてよく知られています

この他にも、「ホーチミン氏や政治を批判しない」「グラビア写真集などわいせつ物を持ち込まない」などベトナムならではのルールがあります。

入国する前には、外務省のベトナム入国情報を確認するようにしましょう。

◆ベトナム:安全対策基礎データ
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_015.html

 

 

半ズボンで入れない所がある

ベトナム=南国ということで、半ズボンなどの軽装で旅行に来る方も多いでしょう。

しかし、ハノイにある「ホーチミン廟」ではノースリーブ・半ズボンなどでの入場は禁止されています。

ちなみに、役所や警察署などの行政機関に行く際も半ズボンでは「服装が不適切」だとして入場できない場合があります。

 

トイレットペーパーは流さない

ベトナムの都市部にあるデパートや観光客向けのレストラン、ホテルなどではトイレットペーパーを流せる所が増えてきており、日本の商業施設と同様に使うことができます。しかし、

トイレットペーパーを流さないで(KHÔNG XẢ RÁC, GIẤY VÀO BỒN CẦU)と掲示している

大きめのゴミ箱が設置されている

以上のようなトイレは、詰まってしまうためゴミ箱にトイレットペーパーを捨てるようにしましょう。

 

歩行者優先ではない

ベトナムではバス・トラック>車>バイク>自転車>歩行者の順で優先されており、ベトナムに来たばかりの日本人には「道路を渡るのも一苦労」です。

道路を渡る際は急に立ち止まったり、走ったりせずに落ち着いてゆっくり歩くと自然とバイクや車がよけてくれ上手に横断することができますよ!

ちなみに、ベトナムではクラクションを頻繫に鳴らしますが、これは「通りますよ」というサインで使われるケースがほとんどです。

また市内を走るバスは乗客を乗せる際には、お年寄りでない限り完全に停車しませんのでバスが近づいたら手を挙げて乗車の意識を示して小走りで乗り込むようにしましょう。

 

荷物の受け取りに電話必須

ベトナムでは食事から宅配まで「デリバリーサービス」が主流で日本よりも安価で利用しやすいです。

注文したものを受け取る際にほぼ必ずドライバーから「電話」がかかってきます。ドライバーによっては受取人が外国人だとショートメッセージを送ってくれる人もいます。

ベトナムの通信費は日本に比べて安価ですので、通信費も安く抑えることができますよ。

 

預金利息が高い

ベトナムは日本よりも銀行預金利息が高く、具体的に2024年 7月時点でVietcombankの定期預金金利は最大で、60ヶ月4.70%(VND)となっています。また、12ヶ月では4.60%(VND)となっています。

日本の利息がいいとされるインターネットバンクでも利息が0.1~0.2%ですので最大で40倍以上も利息に差があります。

 

5歳から義務教育が始まる

ベトナムの義務教育は就学前の5歳から中学卒業の15歳までです。

日本では就学前の義務教育は行われていませんが、ベトナムは国全体で就学前からの教育に力を入れているという違いがあります。

 

仕事面での違い

公式な場面は青色のペンを使う

ベトナムの公式文書でサインをする場合などは、青色ボールペンを使用することが慣例となっています。

印刷した文字の黒い部分と見間違わないようにするため

万年筆の名残

学生がテストでも使用する

など青色ボールペンを使う理由はいくつかあるようです

(※参考URL)

 

仕事中お昼寝タイムがある

ベトナムの職場ではお昼時間にデスクや床でお昼寝をすることが一般的です。

オフィスワーカー以外も、市場や公園でもお昼寝する姿をよく見かけます。

ベトナムでは早朝から働き始めることや日中が暑いことなどもありお昼寝文化が根付いているようです。

 

遅刻に寛容

日本では「1分でも遅れると遅刻」とされますが、ベトナムでは交通渋滞などもあり「15~30分」ぐらいであれば遅刻をしても大丈夫という感覚の人が多いそうです。

とはいえ、日系企業や海外企業で働くベトナム人は海外文化の理解を深めている人も多くおり、ひとまとめにベトナム人のスタイルを語ることは難しいでしょう。

ただ、ベトナムの大らかで寛容な国民性は日本で閉塞感がある人にとって、居心地がいいと感じる場面も多いはずです。

 

文化の違い

干支に「ネコ年」がある

ベトナムの干支は日本とは少し異なる部分があり、

「牛→水牛」「兎→猫」「羊→山羊」「猪→豚」となっています。

日本では寝ていて干支に入れなかった猫ですが、ベトナムでは「猫年は幸運と順風満帆をもたらす」とされ

稲作文化のベトナムではネズミを狩る猫が重宝された

兎はネズミの仲間とされ重複をさけた

など「猫年」があることに諸説あるそうですベトナム人にとってテト(旧正月)期間は1年で最も大切な行事になっています。

(※参考URL)

 

お年玉は目上の人にも渡す

テト(旧正月)には、リーシーと言われるお年玉を渡します。日本ではお年玉は子どもが貰うものですが、ベトナムでは年齢に関係なく祖父母・親・親戚の子ども・近所の子ども・メイドさん・ドライバーさんなどに渡します。

▼お年玉の相場などテト事情を解説しています。

【ベトナム/旧正月】現地在住者に聞く!テト(旧正月)の習慣・マナー・過ごし方

 

相手の年齢によって人称代名詞が異なる

ベトナム語では自分の年齢と相手の年齢、関係性によって一人称と二人称を変化させます。

例えば

【相手が自分の兄姉ぐらいの年齢の場合】

(私)        Em

(あなた)Anh【兄】 /Chị【姉】

となります。この他にも、相手が子どもぐらい・両親ぐらい・祖父母ぐらい…とパターンがあります。

日本語にはない感覚ですので最初は戸惑いますが、挨拶の際などにこの二人称をつけるとより自然なベトナム語に聞こえるそうですので、覚えておいて損はないでしょう。

年齢を尋ねる人が多い?

先ほど紹介したように相手の年齢によって人称代名詞が異なるため、初対面でも年齢を聞くことがあります。

この他にも、家族構成や年収・結婚・恋人の話を話題にするなどかなりオープンな人もいます。

しかし、最近では若者を中心にプライベートな質問を避ける人も増えてきているそうです

(※参考URL)

 

家族を大切にする

「ベトナム人は家族を大切にする」ということがよく言われています。テト(旧正月)中に帰省をすることはもちろん、結婚や出産・引っ越しなど家族の事情に合わせて転職をすることも珍しくはありません。

また、ベトナムでは子ども好きな人が多くレストランやカフェで小さな子どもが騒いでも、日本のように肩身が狭いということはなく、むしろ店員さんが抱っこしたりあやしてくれたりと微笑ましい光景を見ることができます。

 

年に2回女性にプレゼントを贈る

ベトナムでは100年前から「男女平等」が法律で認められており、女性が大切にされてきた文化があります。

ベトナム女性の日の「10月20日」と世界国際女性の日の「3月8日」は職場や家庭、スーパーに至るまで女性の日一色となり、女性への贈り物を欠かしません。

▼ベトナムの女性の日事情について詳しく解説しています

【男性必見!】年2回あるベトナム女性の日を徹底解説

 

お葬式は賑やかにする

ベトナムのお葬式は楽器や歌などで賑やかに執り行い、親族は白い衣装やハチマキを着用します。

一方、結婚式は日本の結婚式のように厳しいマナーはなく、ご祝儀は500.000VND(約3000円)で招待状が入っていた封筒に入れて渡します。

 

まとめ

「ベトナムと日本の違い」についてご紹介しました。みなさんはいくつご存知でしたか?

文化の違いでは「ないもの」や「マイナス面」ばかりがフォーカスされがちですが、文化や習慣にはその国の良さがたくさん詰まっています

また、ベトナムでは日本との共通点も多くあります。ベトナムでの滞在を通じて、たくさんの素敵な発見をしてみてくださいね

この記事が参考になりましたら幸いです!

HRnavi べとわーく編集部

執筆者HRnavi べとわーく編集部

べとわーくを運営するHRnaviは、創業15年、ベトナムで唯一日系企業に特化したローカル人材会社です。また、べとわーく編集部は、ベトナム在住歴10年以上のメンバーを中心に構成しています。ベトナムにおけるお仕事、生活情報など、在住歴が長い人しかわからないようなコアな情報をお届けします。

有料職業紹介事業者の登録番号:No. 21862/SLĐTBXH-GP(更新日:2020年8月10日)

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ベトナムは、東南アジアの経済大国であり、近年は観光客や移住者が増えております。しかし、ベトナムの医療について心配に思う部分もあるのではないでしょうか。 受診方法や医療費について具体的にイメージしにくく、今後の外来受診、入院、緊急医療搬送など、予期せぬ出費については事前に準備しておくことが重要です。 対応策としては、民間の医療保険に入ることがひとつあげられます。 医療保険には提供する会社、その中にも様々な種類のプランがありますので、自分のニーズに合ったプランを選択する必要が出てきます。 本記事ではそのお手伝いができるように、代表的なものをいくつかご紹介していこうと思います。   日本は健康保険制度が整っており、世界的に見て非常に低価格で良質な医療サービスを受けることができます。 しかし、日本から一歩外に出れば、日本の健康保険はもちろん適用外です。そのため、現地で使える保険が必要になります。 ベトナムでは外資系病院の医療費は非常に高く、保険未加入のまま受診すると、多額の支払いを要求される可能性があります。 そのためベトナムで就労し長期滞在する場合、事前に医療保険に加入することをお勧めします。 医療保険に加入しておけば、万が一の病気や怪我に備えて安心することができます。また、医療費の負担を軽減することができるので、ベトナムへの就労で長期滞在を検討している方は、医療保険に加入することを検討しましょう。 ただ、現地の会社に採用となった場合には、企業が民間の医療保険に加入するパターンが多いため、就職先の福利厚生を確認することをお勧めします。 もし会社単位での保険加入がない場合には、個人加入をしておくと安心です。   《医療保険でできること》 ※加入するプラン内容により異なる可能性があります 病気や怪我の治療費を補償 緊急時の医療搬送費を補償 帰国時の医療費を補償 海外旅行保険の補償を拡張   ベトナムは、公立と私立の医療機関が混在しています。 公立病院は、中央政府レベル・州レベル・地域レベル・地方自治体レベルの4つのレベルに分けられ各地に点在しています。 私立病院の多くは、公立病院の混雑を軽減するために、都市部に集中しています。 ベトナムの健康保険制度は、日本の制度に似ており、「現物給付」を採用。現物給付とは、患者が医療費の一部を支払い、国の健康保険団体が残りの費用を医療施設に支払う制度です。 ベトナムと日本の医療制度は、似ている点が多いですが、ベトナムでは、公立、私立病院共に医療費が日本の病院の医療費よりも安い傾向にあります。そのため健康保険の給付範囲も、日本の健康保険の給付範囲より狭い傾向にあります。 ベトナムで働く労働者(外国人含む)は、社会保険へ強制加入となります。 ベトナムの社会保険に加入していると、外国人でもベトナムと同様に、病気や怪我で入院や手術が必要になった場合、一定の金額の補償を受ける権利があります。しかし、社会保険は、基本的にベトナム国内の公立病院のみで利用することができます。 日本語や英語で診察を受けられる私立病院では、社会保険は利用できません。 そのため、ベトナムに滞在する日本人は、個人で医療保険に加入することをおすすめします。医療保険に加入すると、私立病院でも日本語や英語で診察を受けることができ、高額な医療費を補償することができます。 公立病院 公立病院は、ベトナム政府が運営する病院です。公立病院は、すべての国民が利用することができます。公立病院の医療費は、私立病院に比べて安くなっています。しかし、公立病院は、混雑していることが多いです。 私立病院 私立病院は、民間企業が運営する病院です。私立病院は、公立病院に比べて、設備や医療技術が優れています。また、私立病院は、公立病院に比べて、待ち時間が短いことが多いです。しかし、私立病院の医療費は、公立病院に比べて高くなっています。 健康保険 ベトナムでは、国民皆保険制度が導入されています。国民皆保険制度とは、すべての国民が健康保険に加入することを義務付ける制度です。健康保険に加入すると、公立病院で診療を受けた場合、一部の医療費が支給されます。 ベトナムの医療制度は、近年、急速に改善されています。しかし、ベトナムの医療制度は、日本に比べるとまだ発展途上にあります。ベトナムへ旅行や出張をする場合、事前に医療保険に加入することをお勧めします。 ベトナムの医療制度の詳細 ベトナムでも外国人が加入できる医療保険はたくさんあります。その中でも、いくつかのおすすめの保険をご紹介します。 HSBC ベトナムの医療保険に加入するには、HSBC ベトナムのウェブサイトまたはコールセンターから申し込むことができます。申し込みの際には、パスポート、ビザ、住所、電話番号などの情報を提供する必要があります。 入院費、外来費、薬剤費、診察費、検査費など、さまざまな費用を補償することができます。保険料は月額 100,000 ドンからとなっており、リーズナブルな価格で加入することができます。 MSIG ベトナムは、個人向け保険と法人向け保険の両方を提供しています。個人向け保険には、医療保険、自動車保険、火災保険、盗難保険、旅行保険、生命保険などがあります。法人向け保険には、賠償責任保険、建設保険、輸出入保険、船舶保険などがあります。 MSIG ベトナムは、ベトナムの保険業界において、トップクラスの保険会社の一つです。優れた顧客サービスと信頼性の高い保険商品で知られています。   リバティ保険は、1930年に設立されたアメリカの保険会社です。個人向けの生命保険、医療保険、自動車保険、住宅保険、ペット保険など、幅広い保険商品を提供しており、米国で最も信頼されている保険会社の1つで、顧客満足度が高いことで知られています。   プルデンシャル生命ベトナムは、ベトナム国内で100万件以上の契約件数を誇り、ベトナムにおける生命保険市場のトップクラスの保険会社の一つです。ベトナムの経済成長とともに成長を続けており、ベトナムにおける生命保険市場のリーダーとして、今後も成長していくことが期待されています。 ウェルビーベトナムは、個人向けの医療保険、旅行保険、保険代行サービスなど、幅広い保険商品を提供しています。ウェルビーベトナムの保険商品は、ベトナムの法律および規制に準拠しており、ベトナム人のニーズに応じた保険商品を提供しています。 また、日本語対応のコールセンターが24時間利用可能なのも人気の理由です。   保険の種類には、生命保険、医療保険、損害保険など、さまざまな種類があります。それぞれの保険には、異なる補償内容がありますので、自分のニーズに合った保険を選ぶ必要があります。 保険の保険料は、保険の種類、補償内容、保険期間などによって異なるので保険料を支払い続けられるかどうか、よく検討する必要があります。 無理に高額なプランを選ぶと毎月の支払いに追われベトナムを満喫できなくなったり、支払いがストレスになる可能性もあります。 解約条件は、保険会社によって異なります。保険料を支払った期間によっては、解約時に解約返戻金を受け取ることができる場合もありますので契約時にしっかりと目を通しましょう。 当たり前ですが保険会社は、信頼性の高い会社を選ぶ必要があります。保険会社が倒産した場合、保険金が支払われない場合があります。 加入する際には、これらの注意点をよく理解した上で、自分のニーズに合った保険を選ぶようにしましょう。 補償内容をよく確認する。 保険料をよく確認する。 解約条件をよく確認する。 保険会社をよく選ぶ。   ベトナムでの就職や長期滞在を検討している場合は、是非医療保険に加入することを検討してください。保険は、万が一の際に備えるために必要なものです。 保険に加入しているからといって治療費が全額保障されるわけではありませんが、医療保険は健康と財産を守るために役立ちます。 小さな文字で書かれた契約内容を読むのは骨が折れることですが、自分に合った保険を選び、万が一の際に備えておきましょう。 実際に病院へ通いたい場合にはこちらの記事にハノイ・ホーチミンのオススメ病院一覧を掲載しておりますのでご参考ください。
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2025.10.27
ベトナムの水道水は安全?気になる現地の水事情に...
2022年に日本の水道水の農薬の目標値が緩和され、最近では日本の水道水を不安視する声が聞こえてくるようになりました。 そうはいってもまだまだ日本では水道水を飲んだり、調理に使うのは当たり前。日本の水道水を飲んでお腹を壊したなんてことを聞くこともありませんね。 そんな国で生活をしていると、海外での水事情はどうなのか不安が多いのではないでしょうか。 『なんとなく水道水は飲めないと聞いたことはあるけど、本当なの?』 『一度沸かせば飲んでもいいの?』 『どのお水を買えばいいの…?』と言った疑問をこの記事では解消していきます!     ベトナムの水道水はマグネシウムや不純物が多く含まれており、一般的に飲料用として使用することはできないと認識されています。 ベトナムに住む地元の人でもそのまま飲むことなく、ミネラルウォーターを購入することがほとんどです。 特に農業大国であるベトナムは地方の農薬の薬剤残留物や工場排水による汚染が影響し、有機物(N03-、NH4+)、重金属(鉄、鉄、水銀)、特に微生物汚染(大腸菌群、大腸菌)などが含まれていると言われています。 近年では浄水施設が発展と共に水質改善が進みつつあると言われていますが、直近での正確な水質データは公表されていないため、不安が残ります。 飲料水として飲むのはもちろん、スープを作るなどの煮沸しての使用も避けた方が安心です。 筆者は最初のころは歯磨きの水もミネラルウォーターを使用していましたが、4年目となる今は気付けば水道水を使用しています。 ベトナム在住日本人に聞くと、あまり気にしない人だと”スープや野菜をゆでる水は水道水を使う”という方から、”食べ物を洗う時や歯磨きも全てミネラルウォーターを使用している”という方まで幅広くいました。 来越後3か月間知らずに水道水をずっと飲んでいたが、一度もお腹を壊していないという強者もいましたが、どうか真似はしないで頂きたいです… どこから水道水を使用するかの判断は、本記事を参考にして頂きながら、ご自身のライフスタイルに合う使い方をしていただくのがお勧めです。 後ほど紹介しますが、飲料用水はミネラルウォーターを購入するか、浄水器を設置することをお勧めします◎ 南北に長いベトナムですが、実は北と南で水質が異なります。首都ハノイは硬水、南のホーチミンは日本の水に近い軟水です。 筆者はハノイとホーチミン両都市に住んだことがありますが、水質の違いは非常に実感しています。 ハノイは超硬水なため、女性はシャンプー時に髪のきしみや泡立ちの悪さを感じるのが分かりやすさではないでしょうか。 ショートヘアの方や男性はあまり実感しないかもしれませんが、ロングヘアーの女性はシャンプーの選び方も重要です◎ 筆者は以前ヘアケアメーカーで働いていたので、特にヘアケアに関してはこだわりがあります。 硬水のハノイでは、ヨーロッパなどの硬水が使用されている国のヘアケア商品(ロレアル・シュワルツコフetc)を使用することで、泡立ちや洗いあがりがよくなります。 日本に住んでいた頃と同じものを使用するよりも、その地の性質に合った製品を使用することをおすすめします◎   次に気になるのが、レストランやカフェの氷は安全なのか…?という疑問ではないでしょうか。 ローカルカフェから高級レストランまで、購入した氷を使用しているお店がほとんどですので、安心して飲むことができます◎ ベトナムでは氷の消費量が多く、業者から氷を購入する飲食店がほとんどです。 購入する氷は飲料用として製造・売買されているため、安全性に問題はありません。 気にすることなく飲むことができます。   ベトナムで販売されている水には、種類が多くあります。 一般的に広く認知され、日本人にも購入されている商品を4つご紹介します。   どこかで見かけたことのある、このマーク。そう、”いろはす”です! 日本でもおなじみのCoca Cola社から販売されているいろはすと同じマークのこちらのお水は、ベトナムではDasani(ダサニ)という名前で販売されています。 パッケージは同じですが、いろはすとは内容成分は少し異なります。 ただ、味は癖もなく軟水で非常に飲みやすいのでおすすめです◎ お値段は500mlで5,000VND(約30円)とリーズナブルですね。   2つ目がサントリー・ペプシコ社から出ているAquafinaです。柔らかいペットボトル素材で、舌触りが柔らかくとても飲みやすいです。 日本人の方にとっても馴染みのある飲みやすい口当たりとなっています。 個人的に味は4種の中で一番好きですが、ペットボトルの蓋が閉めづらいのがあまり好きではないポイント… お値段は500mlで7,000VND(約40円)と4種の中では一番高級品です!   こちらは牛乳や乳製品などを手掛けるTHグループから販売されている、TH true WATER。 ベトナムを訪れたことのない方は、聞いたことのない方も多いのではないでしょうか。 TH社のヨーグルトや牛乳はベトナム国内では非常に有名で、どのスーパーマーケットでも購入することができます。 そのTH社から販売されており、ベトナムのスーパーなどではよく見かけるTH true WATERは、ゲアン省の山で採水した水をボトルに詰めており、安全なお水として人気があります。 お値段は500mlで6,000VND(30円)です。   そして4つ目はNestle社から販売されているlaVieです。 laVieは硬水ではありませんが、硬水に近い飲み口になっているので日本人の中には少し飲みにくいと感じる方もいるかもしれません。 筆者はボトルがしっかりしているのがお気に入りで、お出かけの際には購入することが多いです。 こちらのお値段は5,000VND(約30円)と安いですね。   ベトナムでは、500mlから1.5L、19Lの自宅用サイズまであります。 出先では上記ペットボトルタイプで問題ないですが、ご自宅用のミネラルウォーターであれば、19Lサイズが一般的です。 ベトナムの賃貸にはウォーターサーバーが設置されていることが多く、サービスアパートメントであれば、水がきれた際に管理人に伝えるだけですぐに新たな水を用意頂くことが出来ます。 ご自身で購入手配する場合も、基本的には大家さんや不動産会社の指定する連絡先に問い合わせると、自宅まで即日配達するサービスがありますので、手間がかからず水を購入することができます。 *ミネラルウォーターは軟水が主流 *500ml, 1.5L, 19Lのガロンタイプもあり、自宅用には大きいものがおすすめ。 ...

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