ペットは家族同然で、いつも励ましてくれる大切な存在ですよね。
今回は「日本で一緒に暮らしていたペットをベトナムに連れていくことができる?」と疑問に感じている方にペットを帯同するための手続き方法やベトナムのペット事情などを解説していきます。
日本からペットを連れていくには?

ベトナムへの引っ越しでは、ペットと一緒に移動するための手続きや必要な書類、航空会社の規定などを事前に把握しておきましょう。
輸出検疫(根拠法令:狂犬病予防法、家畜伝染病予防法)
日本から輸出される犬・猫は、輸出検疫を受けなければなりません。違反した場合、犬は家畜伝染病予防法に基づき、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(※法人の場合は5000万円以下の罰金)、猫は狂犬病予防法に基づき30万円以下の罰金に処せられます。
引用元:動物検疫所/犬、猫を輸出するには
狂犬病予防接種などは期間を開けて接種しなければならないことやその他の検査項目を合わせられないといった理由から手続きに時間がかかることもあります。
ペットをベトナムに連れていくことが決まり次第、かかりつけ獣医に相談し、余裕を持った準備が必要です。
それでは以下から、犬・猫の場合を詳しく解説していきます。
犬・猫の場合の手続きの流れ

引用元:農林水産省・動物検疫所
①日本からの出国/ベトナムへ入国するための条件の確認
まずは、日本から輸出する際の条件の確認をしましょう。日本の動物検疫所では空港から出国する際の手続きについて問い合わせすることができます。
“ 日本を出国するためには、動物検疫所において出国前に狂犬病(犬の場合は狂犬病とレプトスピラ症)についての検査及び輸出検疫証明書の交付を受けなければなりません。事前(検査希望日の10日前まで*)にNACCS(動物検疫関連業務)にて輸出検査の申請をしてください。 ”
引用元:動物検疫所/犬、猫を輸出するには
次にベトナムで居住する予定の地域の日本領事館にペットの入国条件を確認します。
ベトナム国内でも地域によって必要な書類が異なることもあるため、まずは居住予定の地域の日本領事館に問い合わせましょう。
飛行機にペットを乗せるには?
各航空会社によって規定は異なりますが、基本的には預け入れ荷物としてケージに入った状態で貨物室に運ばれます。また、
妊娠中でないこと
若齢でないこと
輸送に耐えられる健康状態であること
等の細やかな規定が定められています。
またペットの受託料金や、準備が必要なクレート(ゲージ)もそれぞれ異なるため渡航の予定が決まり次第、利用する予定の航空会社の規定を予め確認しておくことが大切です。
②日本に帰国する際の要件を満たしておく
日本に帰国する際には「マイクロチップの埋め込み」が必要になり、日本で事前に埋め込んでから渡航する人がほとんどのようです。
※ベトナムで埋め込むことも可能です。
この他にも滞在期間や滞在した国によっては、帰国時の手続きが異なるため帰国の予定がある方は事前に確認しておきましょう。
③予防接種などの実施
日本から出国する際に必要な「狂犬病の予防注射」「狂犬病抗体検査」を動物病院で受ける必要があります。動物病院から証明書を取得し、動物検疫所へ提出するため保管しておきましょう。
入国する際に必要な検査や予防接種があれば、合わせて実施し証明書を取得しておきます。
④動物検疫所へ輸出検査申請を提出する
NACCSというインターネットシステムから申請することができます。
NACCSとは?
NACCS(ナックス)は、動物検疫で必要となる輸入事前届出や輸出入申請手続がインターネットを介して利用できるシステム(電子申請)です。
初めてNACCSを利用する方は、利用者IDの取得が必要です。
NACCSを利用しない場合は輸出検査申請を記入して、検査を希望する動物検疫所へ提出します。各申請書類は動物検疫所のホームページからダウンロードすることができます。
動物病院で取得した証明書類をメールで輸出検査を希望する動物検疫所へ送付します。
⑤輸出検査の予約と実施
基本的に出発10日以内に輸出検査を行います。検査には予約が必要ですので、出発空港の輸出検査の予約を行いましょう。
【検査受付時間(要予約)】
成田支所(携帯品・手荷物扱いでの輸送):毎日8時半から16時半まで
羽田空港支所:毎日8時半から16時半まで
関西空港支所:毎日8時半から16時半まで
上記以外の動物検疫所で検査を希望される場合は、直接お問い合わせください。
輸出検査の申請後、検査を希望する日時を動物検疫所へメールで連絡してください。
※輸出検査は30分から1時間程度かかります。頭数や渡航先の国の条件によりさらに時間がかかる場合がありますので、時間に十分余裕を持って予約してください。
※輸出検査の予約日時は、証明書類原本を持って、ペットと一緒に来所してください。
引用元:動物検疫所/犬、猫を輸出するには
ベトナムでペットと暮らせる?
ここからは、ベトナムのペット事情やペット可の物件、動物病院やペット用品について解説していきます。
ベトナムのペット事情

ベトナムにおけるTGM Gobal Pet Care調査の2023年調査によると、
ベトナムでは最大67%がペットを所有していて(世界平均58%)そのうち74%のベトナム人が犬を飼っており、51% が猫を飼っているということです。
回答者の53% が家で2 匹以上のペットを飼っています。
このように、ベトナムではペットを飼う人が多く、多頭飼いの人気も高まっています。
実際に、街中ではトイプードルやポメラニアンなど小型の犬や猫を連れて散歩をしたり座っておしゃべりをしたりしている姿をよく見かけます。
また、ペット同伴可のカフェも多く、テラス席でペットと一緒に憩うベトナム人も多いです。
ベトナムで飼われている大多数のペットは室内飼いが多いようです。日本のように庭に繋がれている犬はあまり見かけないかわりに放し飼いにされている犬が多いです。
お家探しは?

ペット好きなベトナム人。ベトナムにもペット飼育可の物件があります。外国人向けにはペット飼育可のコンドミニアムをおすすめされます。また、ローカル向けの物件も視野に入れることで、選択肢が広がります。
トラブルを避けるためにも契約書上明確にペット可と記載がない場合は必ず記載してもらうようにしましょう。
動物病院はある?

ベトナムには「インターナショナル動物病院」「日系動物病院」「ローカル動物病院」などがあります。
ローカル病院では日本の診察料よりも安くすむことから、利用する人も多いようです。言葉の壁からなかなか症状が伝わらないこともあるそうですので、日頃から信頼できる獣医師を見つけておくと安心ですね。

ローカル店ではペットショップに病院が併設されているところもあります
ハノイ・ホーチミンの人気な病院を挙げますが、下記以外にも外資系病院やローカル病院は数多くあります。
Asvelis Veterinary Clinic/ハノイ市
ベトナムホーチミン市佐々木動物病院/ホーチミン市
ペット用品の購入先は?

ローカルスーパーにもペットフードなどの販売はありますし、ベトナムに進出しているコーナンやイオンモール等にもペット用品があります。

またローカルの路面にあるペット用品店も多く、キャリーゲージなどの種類も豊富です。
LazadaやShopeeなどの通販サイトでは様々なペット用品が手に入り、配送もしてくれるため重いエサやトイレ関係の商品の購入に便利です。
ベトナムのお散歩事情は?

ベトナムでよく見かけるのは日が暮れ始めてからバイクに乗って公園に行き、犬の散歩をさせている風景です。ハノイやホーチミン市内には大きめの公園がたくさんあるため、バイクや車を気にすることなく散歩をさせることができます。
ノーリードで散歩させている犬も多く見かけますが、実際のところ衛生上禁止されている公園もあります。
狂犬病予防や予期せぬ事故予防の観点からもしっかりリードは繋いでおきましょう。
まとめ

今回は日本からベトナムへのペットの引っ越し(輸出)とベトナムのペット事情を解説しました。適切な準備と情報収集を行えば、ペットと共にベトナムに引っ越すことも可能です。
また、ベトナムではペット文化が根付いており、犬や猫を飼うことが一般的です。動物病院やペット用品店も充実しており、ベトナムでもペットとの生活を送ることができます。
実際にペットと一緒に暮らす日本人在住者も多くいます。ペットとの暮らしで、日常がより豊かになりますね。この記事が参考になりましたら幸いです。
ベトナム情報週刊コラム
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