最近では日本の円安傾向、少子化に伴う人口減少、自然災害の発生など「このまま日本で働いても大丈夫なのかな?」と疑問に感じている方は、海外で働くことに目を向け始めている傾向にあります。
今回は海外生活を考える方に向けて「ベトナムで就職するメリットやデメリット」と「ベトナムでの就職・転職に向いている人は?」いうことについて、生活面、ライフスタイル、スキル、待遇面から詳しく解説していきます。
【 目次 】ベトナム就職の4つのメリット
- 生活コストを抑えられる(生活面)
- ワークライフバランスがとれる(ライフスタイル)
- 海外実績の蓄積(スキル)
- 日系企業の求人が多いので選択肢が広がる(待遇面)
【 目次 】ベトナム就職の4つのデメリット
- ベトナムならではの生活・文化がある(生活面)
- 娯楽が少ない(ライフスタイル)
- スキルが身につかない可能性がある(スキル)
- 待遇が下がる可能性(待遇面)
【 目次 】ベトナムでの就職・転職に向いている人
- 叶えたい夢や目標がある
- 学位や実務経験がある
- 柔軟に異文化を受け入れられる
ベトナム就職の4つのメリット
はじめに、ベトナムで就職をする4つのメリットについて解説します。
合わせて参考となる過去コラム記事を掲載していますので、詳しく知りたい方はぜひ他記事もご覧ください。
メリット1:生活コストを抑えられる(生活面)

ベトナムでも日本と同様、年々物価が上昇していますが、まだ日本に比べて食費など生活にかかるコストを抑えることができます。
例えば、ベトナムは外食文化でローカルレストランでは一食200~300円程度で食事ができ、フードデリバリーサービスも安価で充実しています。料理が苦手な1人暮らしの方でも便利な環境です。
ベトナムではビールやカフェ、マッサージ、ネイルなどは日本の半額以下という点も嬉しいポイントです。
少しお金を出せば、ベトナム料理だけでなく、日本食・中華・韓国料理・イタリアンなど日本人の口に合う料理がたくさんあります。
また、家事付きのサービスアパートやベビシッター等も安価に利用でき、ベトナム近郊の国への旅行や高級レストランでのランチなどのちょっとした贅沢が日本に住んでいるときよりも身近になります。
このように生活コストを抑えながらも、ベトナム銀行預金や投資等で着実に貯金を増やしている方もいます。
メリット2:ワークライフバランスがとれる(ライフスタイル)

ベトナム人は家族や友達との時間を大切にする傾向があります。そのため、有給消化率は100%に近く、残業や休日出勤をする人は非常に少ないです。
また、ベトナム人は職場環境をとても大切にし、楽しいことが大好きです。一緒に働く同僚と和気あいあいの明るい風通しのよい職場を好みます。
このように、日本の職場環境で閉塞感を感じている人にとってベトナムの職場環境は適している可能性が高いと言えます。
ただし、祝日の数についてはベトナムは年間11日、日本は16日と比較をすると少ない点には注意が必要です。
日本で祝日がない月は6月だけですが、ベトナムは3月、6月~8月、10月~12月と祝日がない月が多くあり、ベトナムで生活していると日本の祝日の多さを羨むこともあります。
メリット3:海外実績の蓄積(スキル)

ベトナム就労では、未経験でも現地のベトナム人を取りまとめる「マネージャー」や、日本とベトナムの橋渡しとなる「ブリッジ役」など、責任の大きな仕事や複数業務担当を任せられやすくなっています。
「海外で異なるバックグラウンドの人材を取りまとめた」という経験は、将来の仕事で活かされる実績となります。
また、ベトナムで働くことで英語でのコミュニケーション機会が増え、英語力を向上させやすい環境に身を置くことができます。ビジネス英語を身に付ければ、更なるキャリアアップも目指すこともできます。
メリット4:日系企業の求人が多いので選択肢が広がる(待遇面)

海外生活を始めたい方に大切なのは仕事選びです。特にベトナムは「日本人が働きやすい」と言われることもあります。
その理由の一つに、ベトナムは日本企業の進出が増加しているということが挙げられます。例えば
(業種不問)営業、営業事務、総務、秘書 など
(製造業)生産管理、品質保証/管理、製造技術、工場長など
(建設業)建築施工管理、設備施工管理、意匠設計、施工図設計、構造設計など
(IT業)プロジェクトマネジャー、ブリッジSE、システムエンジニア、プリセールスなど
(サービス業)ホテル支配人、営業、ホテルフロントスタッフ、飲食店店長
(教育事業)日本語教師、IT講師、保育/幼稚園教諭、小学校教諭、中学校教諭、塾講師
※上記はあくまでも一例であり、タイミングによって様々な求人を取り扱っております。
などの幅広い職種の求人があり、このような日系企業の共通言語は、英語もしくは日本語のどちらかとなります。
ベトナム人との英語での会話は、比較的分かりやすい単語や文法でコミュニケーションを取ることが多く、企業によっては「英語力不問」「英語日常会話レベル」とする所も多数です。
また、ベトナムの日系企業で就業する場合、日本人ならではの意向や意図を理解した仕事が求められるため、
未経験の業務範囲へも挑戦しやすい
これまでの業務経験を活かせばキャリアアップできる
ということがメリットとして挙げられます。
また、現地採用の場合でも待遇面では、現地の平均給与に合わせてではなく、外国人として生活するのに十分な額や福利厚生などの手当がつく場合もあります。
このことから、日本での生活やベトナム現地の平均的な生活と比較すると、生活レベルも高くなる可能性があります。
ベトナム就職の4つのデメリット
ベトナムで就職をするメリットをおさえたところで、反対にどんな点がデメリットになるかについて解説します。
海外就職は人生を大きく変えるかもしれない、一大決心です。マイナスの面についても事前にしっかりと把握しておくことが重要です。
デメリット1:ベトナムならではの生活・文化がある(生活面)

ベトナムは日本と比較して交通インフラが未発達であることや、大気汚染等の衛生環境の問題があるなど、生活環境が日本と異なる点があります。
また、ベトナム人の文化や感覚の違いから仕事上や暮らしの中でストレスに感じる人もいます。
一方、ベトナムは日本と比較すると外国人に寛容でおおらかな性格の人が多く、親日家が多いことでも知られています。
さらに、日系企業や日本食レストラン、日系スーパーも多数進出していることもあり、ベトナムにいながらも日本を意外と身近に感じることができます。
また、他国と比較しても「政治が安定しており、デモ等が少なく治安がよい」という点もベトナムが選ばれる理由の一つです。
ですが「日本と違う文化や環境を受け入れられない人」はベトナムでの生活を満喫できない可能性もあります。
デメリット2:娯楽が少ない(ライフスタイル)

日本人向けの最新施設や娯楽スポットなどを楽しみたい人にとってはベトナムが物足りないと感じることもあるようです。
一般的に「ベトナムは娯楽が少ない」といわれています。
ベトナムでは「カフェ」をはじめとして「映画館」「ショッピングモール」「カラオケ」「ボーリング」「動物園」「遊園地」「温泉・スパ」「ゴルフ場」など日本より数は少ないですが、楽しめるところはあります。
クオリティーは施設によってまちまちなので、実際、ベトナム在住者の方ではベトナム移住をきっかけに趣味を再開したり、日本人コミュニティに参加して運動を楽しんだり、ベトナムの各地を旅行したりと思い思いに楽しんでいます。
さらに、近年ではインターネットの発達により、海外にいながらもKindle、Netflix、Youtube、Amazonプライム等で、日本の本や動画をいつでも楽しめるのはとても便利ですね。
デメリット3:スキルが身につかない可能性がある(スキル)

実務経験や実績を積むことができる一方で「ただ仕事をこなすだけ」ではスキルや専門知識が身に付きづらい業務内容もあり、こちらはデメリットにあげられます。
これは日本で働く場合も同様のことが言えるでしょう。「ベトナムで働くことで、次に何を実現したいのか」ということを明確にしておき、自分から学んでいく姿勢を持つことが大切です。
目標も持たずなんとなくベトナムで仕事をしてしまうと、日本に帰国して就職をしようとした際に、苦労する人も筆者は何人も見かけています。
今の時代、海外で働いていたという事実だけでは武器にはなりません。
どんな小さな目標でも構いませんので、何かを成し遂げることをベトナム就職の目標にしていきましょう。
デメリット4:待遇が下がる可能性(待遇面)

日系企業の現地採用の場合でも、外国人として生活するのに十分な額や福利厚生などの手当がつく場合もありますが、条件によっては日本より給与が下がる可能性があります。
しかし、職種や業界によっては日本で働くよりも給与が高い求人もあり、スキルや専門性・これまでの経歴等によっては高待遇での転職も可能です。
ベトナムで働くことを考える際には「ベトナム就職・転職の目的は何なのか?」ということを明確にしておきましょう。
日本に比べて給与が下がる場合でも、「海外でスキルアップ・経験を積む」ということを念頭に長期的な視点で考え、次のキャリアアップにつなげる方も多くいます。
ベトナムでの就職・転職に向いている人は?
ここからはベトナムで働くことを考える上で「どんな人がベトナムに向いている?」という点について詳しく解説していきます。
①叶えたい夢や目標がある

前述してきたように
ベトナム就職・転職の目的は何なのか?
ベトナムで働くことで、次に何を実現したいのか?
というような、キャリアプランが明確にあるとベトナムでの就職・転職活動がスムーズになります。
あわせて「なぜベトナムなのか?」ということがしっかりと言葉で表現できれば企業とのご縁もさらに広がります。
②学位や実務経験がある

ベトナムで働く上で欠かせないのが「ワークパーミット(労働許可証)」の取得です。
法改正によりワークパーミットが取得しづらくなっており、職務経験などの専門性や学位がないと取得できないということもあります。
【管理職の条件】
管理職経験(社長、部長、マネージャーなど)
※ベトナム現地法人の社長や副社長、組織の代表者(駐在事務所長)に限る
【専門家の条件】
大学の学士号以上または学士と同等とみなされる学位を取得しており、ベトナム国内で従事する職務に関する分野での3年以上の同分野の職務経験があること。または、国外の機関、組織または企業により専門家と認定された証明書を持つ者
【技術職の条件】
高卒・専門・短大卒以上(技術に関する訓練を1年間以上)かつ3年以上の実務経験がある、もしくはベトナムでの業務に関連性のある5年以上の実務経験がある者
※職務経験はベトナム国外での実績のみ有効となります。
※上記は2024年5月時点の情報です。法改正等がありますので随時最新の情報をご確認ください。
「自分の経歴がベトナム就労に適しているのか?」ということが気になる方は「HRnavi べとわーく」のキャリアコンサルタントにご相談ください。
③柔軟に異文化を受け入れられる

「日本を出て、異なる文化や価値観を持つ人の中で生活してみたい!」という方や「新しいことに挑戦してみたい!」という方はベトナムでの生活がより充実したものになるでしょう。
また、外国人に寛容なベトナムでは、英語力に自信のない方や海外未経験の方も日本での経歴等を活かして活躍することができるため、海外生活の第一歩としておすすめの国です。
まとめ

ベトナムでの就職・転職のメリット・デメリットをご紹介しました。ベトナムの急速な経済成長により日系企業の進出も活発でキャリアの可能性を広げたいという意欲を持つ方にとってはキャリアアップにつながる等のメリットとなる魅力がたくさんあります。
ベトナム就職のメリットとデメリットを、改めてまとめると以下の通りです。
| メリット | デメリット | |
| 生活面 | 生活コストを抑えられる | ベトナムならではの生活・文化がある |
| ライフスタイル | ワークライフバランスがとれる | 娯楽が少ない |
| スキル | 海外実績の蓄積 | スキルが身につかない可能性がある |
| 待遇面 | 日系企業の求人が多いので選択肢が広がる | 待遇が下がる可能性 |
もちろんデメリットもありますが、考え方や捉え方次第ではプラスに変えていくことも可能です。日本との違いや不便さも楽しめるくらいの性格のほうが、海外就職には適任と言えます。
ぜひ本記事を読んで、海外就職へ興味を持たれた方は、ベトナムを舞台に転職先を探して行きましょう。
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またHRnavi べとわーくの「ベトナム生活最新情報コラム」では随時、豊富な情報を掲載・発信していますので、ぜひブックマークをよろしくお願いいたします。
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